コーポレートサイトの役割をフォーカスする
多様な目的やターゲットユーザを内包するコーポレートサイトの構築においてまず重要なことは、Webサイトが担うべき役割とプライオリティを明確にし、集中と選択を行うことです。「なんでもあるサイト」「誰でも使えるサイト」を目指すことは、結局「何にもできないサイト」「誰も使えないサイト」になってしまうリスクがあります。目的なく無尽蔵にコンテンツを広げていけば、各々のターゲットにとって分かりにくいWebサイトとなり、プロジェクトへの投資を無意味なものにしてしまいます。
私たちはコーポレートサイトの役割をフォーカスするために、まずは入念なヒアリングを行い、企業の内部要因・外部要因をできるだけ正確に把握します。そして企業が置かれている状況、ビジネス特性、アイデンティティ、ビジョン、予算、スケジュールなどを包括的に考慮した上で、Webサイトの現実的な役割を定義していきます。ここで定義された役割が、その後の企画や設計の骨子となり、デザインコンセプトやシステムアーキテクチャーの土台となっていきます。このプロセスを踏む、踏まないによって、コーポレートサイトの成否が左右されるといっても過言ではないでしょう。
肝となるターゲットセグメンテーションと動線設計
役割を定義すると、Webサイトのターゲットユーザがある程度イメージできるようになります。次の段階では、ターゲットをより詳細にセグメントし、各々のユーザがWebサイト内でどのような行動経路を辿るかをシミュレートしていきます。ここでペルソナを定義するのも一つの方法ですが、大事なことは、企業や制作者の思い込みによってつくられたペルソナではなく、データに基づく現実的に存在しうる客観的なペルソナを設定することです。そのためには、リサーチデータの収集、検索キーワードやソーシャルメディアの動向調査なども欠かせません。
デモグラフィック要因毎に細分化した、詳細すぎるセグメンテーションが意味をなさないこともあります。Webサイトというアウトプットに影響を与える本質的なセグメンテーションを行い、それに基づくWebサイト内の動線を設計して行かなければ、限られた時間を無駄に費やして必要のないコンテンツを生成し、機能しないナビゲーションシステムを実装してしまうことになります。こういったリスクを排除しながら、バランスのとれたターゲットセグメンテーションと動線設計を実践していきます。
企業ブランドをWebサイトに実装する
企業そのものであるコーポレートサイトは、企業ブランドを体現したものでなければなりません。当然、CI/VIに基づくWebサイトのデザインのコントロールは必須です。私たちは必要に応じて、デザインガイドラインやコーディングガイドライン、表記統一ガイドラインなどの文書化されたガイドラインを作成し、カラースキームやユーザビリティ/アクセシビリティに影響を与えるインターフェースデザイン全般のブランドガバナンスを行っています。
一方、Webサイト上におけるブランドとは単なる表層的なデザインだけではなく、そのWebサイト内での体験の全てが、ブランドイメージとしてユーザの中に残る可能性があります。いかに見栄えが美しいWebサイトであっても、目的の情報が見つからなかったり、あるいは見つかったけど質と量が十分でなかったりした場合、その企業のブランドイメージは減退することでしょう。そのため、単なるデザインに留まることなく、ユーザニーズに基づくコンテンツプランや掲載される情報に至るまで、Webサイト全般において一貫した企業ブランドの表現をご提案しています。
現実的な運用計画を立案する
コーポレートサイトは通常、4~5年もしくはそれ以上に渡って長期的に運用されます。そのため、限られた人的リソースと予算に見合った現実的な運用計画の立案は欠かせません。導入や運用体制の組織化、ルール化、ガイドラインの整備だけでなく、公開後の運用負荷を考え、開発段階から更新性を考慮したり、CMSを検討したりすることも必要になってきます。Webは改善が容易で日々成長できるというメディア特性を活かした、PDCAサイクルに基づく効果検証も必要でしょう。
Webサイトの成否は、公開前ではなく、公開後の対応で大きく変わってきます。現実的で負荷の少ない運用体制を確立することも、コーポレートサイトをビジネスに活用する上での必要条件です。私たちは、このような公開後の運用体制のサポートも積極的に行っています。
1. 市場調査・分析
企業やWebサイトを取り巻く環境要因について、インターネットやアンケートなどで情報を収集し、マーケティングフレームワークなどを使った分析や考察を行います。企業を取り巻く状況を正確に把握することで、より現実的なゴール設定に繋げます。
2. ゴールの設定・KPIの設定
Webサイトの目的を明確にします。コーポレートサイトが企業の全てのビジネスを担う必要はありません。その企業の特性とWebサイトの特性が相乗効果を上げる部分にフォーカスすべきです。そのためのWebサイトのゴール、役割を明確にし、具体的な数値目標(KPI※2)を設定します。
3. ターゲットセグメンテーション
Webサイトのターゲットを明確にします。コーポレートサイトのユーザとなりうるステークホルダーは多くの場合多岐にわたります。ユーザを細分化し、プライオリティを明確にすることは、Webサイトの戦略的な設計やコンテンツプランに繋がります。
4. 動線設計
Webサイト内外でのユーザの動きをシミュレートし、必要なコンテンツとWebサイトの構成、ナビゲーションシステムを検討します。必要に応じてペルソナやユーザシナリオを定義し、より客観的な視点でのユーザ動線を導き出します。
5. コンテンツプランニング
サイトの目的や動線設計に基づき、必要なコンテンツをプランニングします。コンテンツはサイトの要です。強力なコンテンツは、デザインやシステム上の欠点さえも打ち消してしまうほどの力を持ちます。ユーザのニーズや期待に十分に応えうる、訴求力の高いコンテンツを検討します。
6. 情報設計
動線設計やコンテンツプランに基づき、Webサイト全体の構成(いわゆるサイトマップ)を決定していきます。また、ナビゲーションシステムの定義、画面設計(ワイヤーフレーム作成)と、Webサイト内での情報や機能の配置を決定していきます。
7. ユーザテストとユーザビリティ評価
実施時期・規模・内容には検討の余地がありますが、ユーザテストによる客観的な評価は、Webサイトの精度向上に大きく寄与するものであり、できる限り行うことをおすすめしています。実施できない場合においても、ヒューリスティック評価(※4)やデザイン・ウォークスルー(※5)などを行い、Webサイトの使いやすさの精度をより高めていきます。
8. デザインポリシーの策定
開発はもちろん、運用後にブランドが崩れていくことを防ぐために、必要に応じてデザインガイドラインやコーディングガイドライン、表記ガイドラインなどを用意し、ポリシーを明確にします。
9. デザイン制作
Webサイトのデザインをより魅力的なものとするため、Webサイトの戦略やブランド、コンセプトに合致したアートディレクションとデザインを行います。必要に応じてFlashやJavaScriptなどのテクノロジーを導入し、洗練されていながらも汎用性の高いインターフェースデザインを実装します。
10. システム開発
メールフォームなどの簡単なものから、本格的なCMSの導入や各種のソリューションの選定を行います。技術先行ではなく、Webサイトの戦略と予算やスケジュール、運用負荷などに配慮したシステム開発を行います。
11. オリエンテーション
運用マニュアルなどを作成し、Web担当者様向けの、公開オリエンテーションを実施します。また公開後のご質問やサポートなども柔軟に対応させていただきます。
12. 保守サポート
公開後のサポートももちろん行わせていただいております。更新・改修が必要な時だけのスポット契約、毎月決まった作業を行う定額保守のいずれでも対応が可能です。
13. 公開後の効果検証
Webサイトの成功は公開後の対応にかかっています。開発時の意図が正しく反映され、ユーザのニーズに応えているか把握することは非常に重要です。公開後の効果検証や改善ポイントのご提案、実施なども積極的に行っています。






