教えてもらうだけのデザイナーでは成長できない

人に教えてもらったことはある程度しか頭に入らないが、自ら手を動かして発見したルールや手法は強く記憶に残る。デザインの仕事でも、ネットで情報を読んだり良いデザインを見たりしたときは、刺激を受け、今後うまく活用できそうな気がする。しかし、いざという時に思い出せない。真似してみてもうまくいかない。

一方、実際に手を動かして、真似してみれば、自分の身になり、その体験を仕事で活かすことができるようになる。さらに多くの参考デザインを見た上で、そこに共通するセオリーやルールを自分で導き出した時には「なるほど!」という深い理解と共に、長く使える自分の知識として定着する。

このように知識として定着させる一つの方法は、情報をただ受信するだけでなく、実際に手を動かしてデザインしてみる、感じたこと、思ったことを自分の言葉で文章にまとめるなど、自分の意志でアウトプットすることである。

「会社の仕事だって毎日がアウトプットではないか」と考える人もいるかもしれない。確かにそれもアウトプットだ。しかし、アウトプットの主導権は自分にはなく、決められたことをする作業であることも多いのではないか。

言われた作業だけをやる、それ以外はやる必要はない、そういう仕事が求められることもあるが、それだけでは意味あるアウトプットになりにくい。大事なのは、自分で考えて、自分なりに工夫して、アウトプットすることである。

実は、仕事の面白さが見いだせるようになると、自然とアウトプットできるようになることがある。この成長軌道に乗ると、アウトプットが苦痛ではなく、習慣になり、会話をするようにアウトプットできるようになる。しかし、この習慣ができるまでは苦しい。

ただ、苦しい時こそふんばってコツコツとアウトプットすることが重要である。毎日10分、新しいサイトを見て感じたことを書きとめる。1日ひとつ、新しい書体を見ながら思ったことを発信する。それらを週末の空き時間に、手を動かしてまとめてみる。学んだことをブログ化してみる。ほんの小さな一歩であっても、日々続けると自分の力になり、突破口になる。教えてもらうだけで自分では手を動かさない人と、大きな差を生んでいく。

多くの人はこの一歩を踏み出さないことが多い。アウトプットをせず停滞し続けるか、一歩先に進むか、これは他人や環境はあまり関係ない。その人自身しか決められないことだからである。