私たちが日報を書いている4つの理由

社外の人と交流する際、「ベイジの日報」の話が出ることが多い。

日報というとその日の作業進捗を報告している会社も多いが、すぐに面と向かって話せる場所で働いている私たちに日々の進捗報告はあまり必要ではない。それよりも、その日感じたことを自由に書く日報を運用している。自由とはいえ、一つだけルールがある。それは「行動指針と照らし合わせて自分の活動について書く」ということだ。それさえ満たしていれば、基本的には何を書いてもいい。

ただ、5年以上も日報を運用していくと、上記ルール以外に、「自由とはいえこうすべきだ」という部分も明確になってきた。例えば、「日報は何のために書くべきか」といったことだ。日報を書く理由や意義について、私なりに感じていることを4つ紹介したい。

1. 言語化能力の強化

デザインのような視覚と感覚を重視する仕事であっても、いやむしろ感覚が大事な仕事だからこそ、言語化能力は強く求められる。なぜこのデザインにしたのか?なぜこの実装が最適なのか?と尋ねられた時、論理的に、分かりやすく、言葉にする必要がある。この訓練として、日報は良い影響をもたらしてくれている。

2. 文章力の向上

言語化能力の延長とも関係するが、仕事のコミュニケーションの基本は文章である。自分の考えやアイデアを伝える手段として一定以上の文章力は不可欠であり、上手に文章を書く能力は、どんな分野、どんな職種であっても、とても強い武器になる。文章力によって、アウトプットの説得力が変わるのはもちろんのこと、ドキュメントの作成スピードや、他者の言葉をジャッジする感覚も鍛えられる。これはディレクターやデザイナーには重宝する能力になる。

3. 社内コミュニケーション

ベイジはクリエイター集団のため、PCに向き合ってる時間が多い。それ故、コミュニケーション量は一般企業に比べると少ないかもしれない。だからこそ、日報が重要になる。ランチや社内ミーティングで「そういえば日報で〇〇くんが言ってたやつって」「○○くんは今〇〇について興味があるみたいだよね」といった会話になることも多い。日報を通じて日々みんなが考えていることに触れているというのは、コミュニケーション活性化に一役買っていると実感する。

4. 行動指針の定着

チームワークを重んじ、高い生産性を実現するためには、働く人の間での最低限の価値観共有は不可欠だ。これがなければ、個々人は勝手な判断の元に活動し、不毛な衝突に悩まされる。過去、所属していた会社の急成長を体験したことがあるが、上り調子の時には、行動指針の必要性は感じにくかった。しかし下り調子の時にこういった指針の有無が、会社全体の底力に影響を与えている実感がある。こういった行動指針を定着・浸透させる手段として「行動指針にちなんだことを日報に書く」というルールは、非常にうまく機能していると感じる。

日報を書くときに必要な心掛け

日報は自由とはいえ、上記の4つの目的をいずれも満たさなず、毎日ルーチン化して垂れ流すのは無駄とも感じる。もちろん、毎日フルパワーで文章に魂を込めるのは現実的に難しいが、上記のような目的意識を持っているかどうかは、日報が自分の身になるかどうかを決めていると思う。

慣れないうちは、日報が苦痛に感じる人も多い。しかし半年もすると、みんな当たり前のように日報を書くようになる。まさに継続は力なりである。自分はこの文化を大切に思っているし、その大切さを社内でしつこく伝えていきたいと思っている。そのためにも「何のための日報か?」ということを伝えていくことを大事にしていきいたい。