受託web制作会社におけるインフルエンザ対策

2月初旬、2名のスタッフがインフルエンザに罹っていることが判明し、急遽、1週間病欠になってしまった。2名同時病欠というのは会社始まって以来だ。

インフルエンザが大流行してる中でたった2人と思われるかもしれないが、12人の会社で2人が突然1週間いなくなるというのは結構大きな話だ。1,200人の会社で200人、12,000人の会社で2,000人が急遽1週間病欠するのと同レベルのインパクトである。

しかし幸いにして大きな混乱もなかった。フォローに回った誰かが大幅に残業するようなこともなかった。このようにメンバーが急遽欠けても業務に影響を与えなかった理由を考えると、緊急事態に強い組織作りのヒントが見えてくる。

今回のインフルエンザに関して言うと、日常的に行っている以下のような取り組みが、結果的に有効に作用したように思う。

スケジュールの事前設定と共有

ベイジではいつ何の仕事を何時間やるかといった各人の詳細な作業スケジュールが、前の週の金曜日までに必ず設定され、全員に共有されている。そのため急な欠員が出てもどの仕事を誰に割り振ればいいかがすぐに判断できた。

もしもスケジュール設定の習慣がなく、皆が行き当たりばったりでスケジュールを決めていたり、全員に共有していなかったりしたら、急な欠員によってどの仕事が前に進まなくなるか、場合によっては大事な仕事の抜け漏れも発生しうるだろう。

ファイル管理のルール化

制作会社としては当たり前だが、Gitを使ったバージョン管理はもちろん、デザインデータや設計資料も含め、あらゆるデータが自動バックアップされ、常に共有サーバに蓄積されている。ファイルの格納方法、フォルダの名前の付け方などもルール化されているため、本人でなくてもすぐに最新データを見つけて、作業を引き継ぐことができるようになっている。

プロジェクトメールの共有

賛否両論あるかもしれないが、ベイジでは全プロジェクトのメールが全員に届くようになっている。通常は仕訳ルールを活用して、自分と関係ないメールはフォルダなどに自動転送しているが、今回のような緊急事態が発生した時に、誰でもすぐにメールを遡って現在のステータスを確認することができるようになっている。

今回病欠したメンバーはディレクターではなかったため、メールを追う必要はなかったが、もしも管理者クラスが急に不在となったとしても、別のメンバーがすぐに経緯を追い、プロジェクトのサポートに入ることができるようになっている。

時短勤務を推奨する社風

ベイジでは現在、水曜日は19時退社、それ以外の平日は21時までに退社、毎月最終金曜日はプレミアムフライデーと、とにかく時短関連のルールが色々設定されている。時短を実現するには、作業遅延が発生した時に柔軟にスケジュールを調整する必要がある。時短の取り組みを通じ、組織としてのスケジュール調整能力がいつの間にかかなり高まっていたようだ。

そのため今回のように急遽2名が病欠しても、ディレクターが中心となってスケジュールを調整し、リソースを組み替え、必要であればクライアントにすぐに連絡し、数時間で無理のない新しいスケジュールが再設定された。

また当然ながら、時短によって体調コントロールがしやすくなり、インフルエンザの広がりを防いでいた可能性もある。

スケジュール調整がしやすい仕事

直クライアントとのやり取りが基本のベイジでは、ほぼ全てのプロジェクトにおいてスケジュールのイニチアチブを握っている。納期に影響しないマイルストーンの調整はある程度任されており、それ故に今回も問題なく調整することができた。

もしこれが納期間近であったとしても、公開時期が必須という案件はあまりないため、事情を相談すれば受け入れてもらえる案件が大半だろう。

コミュニケーションと素早い判断

今回、体調不良を訴えたメンバーがまず1名出た。それと同時に他に体調不良のメンバーがいないかを社内で呼びかけ、心当たりのあるメンバーはすぐに仕事を中断させて速やかに最寄りの病院での診察を促した。その結果、2名がインフルエンザであることが分かった。うち1名は発症し始めで自覚症状があまりなく、仕事も終わっていなかったが、当然ながらすぐに帰ってもらった

このような積極的なコミュニケーションと健康優先の速やかな判断が、今回の早期発見と拡散防止に繋がったと思う。コミュニケーションが少なく、多少調子が悪い程度なら見過ごすような会社だったら、他のメンバーにも被害が及んでいたかもしれない。

積極的な支援と注意喚起

ベイジでは毎年12月ごろになると、インフルエンザに関するアナウンスが会社からある。冬になれば加湿器や消毒薬が準備される。もちろんワクチン接種にも補助が出る。ワクチン接種は諸説あるため任意だが、起こりえるリスクに対して会社が日頃から積極的に働きかけることも、大事な自衛手段の一つではないかと思う。

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今回は結果的に被害をほとんどなかったが、私たちのような少人数で受託の仕事がメインの会社の場合、急な欠員は契約不履行に繋がる大きなリスクに繋がりかねない。しかし、人は必ず病気になるし、病気以外の理由で急に会社に来れなくなることもある。

このような事態が発生することも想定し、急な欠員でもすぐに対応できる柔軟で組織づくりを日ごろから心がけておくものだと改めて実感した。例え今すぐにその効果が実感できなかったとしても、いざとなったときにそのありがたみが分かるものである。