複数人でサイトを検証するブレストに参加して得た気付き

数ヶ月にわたってリニューアルを行ったwebサイトが昨年12月にひとまずのプロジェクト完了を迎えた。私はサイトのフロントエンドコーディング、CMS実装・API連携周り、テスト、サイト公開作業などを担当し、エンジニアとして全般的な開発に携わってきた。

そして、同プロジェクトのさらなる改善施策案を検討するミーティング=ブレインストーミング(以下、ブレスト)が社内で実施された。

従来の社内チームメンバー4人(プロデューサー、リードデザイナー、私含むエンジニア2名)のほか、これまで関わっていなかったディレクター1人も参加した。全員でサイトやサービスそのものに対して「どうしたらより使いやすく、利用しやすくなるか」「効果を上げられるか」という観点で意見出し、アイデア出しをしていった。

ブレストで出た案を分類すると、主に以下のような内容が挙がった。

  • 各ページの役割に適したコンテンツ構成や配置
  • よく利用され、注目されている項目を埋もれさせず際立たせる
  • 各種デバイス/ディスプレイサイズでの、ファーストビューやビジュアルの見せ方最適化
  • 使いやすさ向上のためあった方がいいと思われるUI機能(たとえば検索バーのサジェスト)
  • コンバージョンまでスムーズに導くデザインやテキストによる説明、導線設計
  • ユーザーの手間・ステップを軽減するためのフォーム項目や配置見直し

メンバーそれぞれの視点から出たフラットな意見を、議論を交わしながら、ひとつひとつふせんへと書き出していった。お互いの意見を尊重し、耳を傾け合うことで闊達(かったつ)なアイデア出しの場となり、多様な視点からの検証になっていた。このとき、ある程度自由な意見が出せる空気を場につくることも大切だ。

私自身、他のメンバーの意見に共感したり、思いつかない改善提案があったりした。中には「そういう視点や考えもあるのか」とハッとさせられる気付きもあり、参加自体がとても有意義なものになった。

アイデア出しにあたって私が事前に心がけたことがある。数ヶ月間プロジェクトに携わり、染み付いた「開発者としてどう作るか」「サイトの中身はどのような構造になっているか」という視点をいったんリセットして捨て去ること。新たな気持ちで純粋に使う側に立って物事を見ることだ。

あくまでサイトに訪れた一利用者として「このサービスはどうだろう?」という意識で見るようにし、仮想ユーザーを自分の中に作り上げる。そうすることで「この構成は企業側目線で、ユーザー目線でないのではないか」や「情報に対する説明が少なくて、具体的な流れがイメージできない」など改めていろいろな発見があった。

また、当該案件にほとんど関わったことのないメンバーもいて、いわば初見の一般ユーザーに近い視点からの検証もなされた。結果的にある種ユーザーテストの効果をも持ち合わせたブレストになったのではないだろうか。

最近はそうでもないかもしれないが、エンジニアは”技術を持ってただ作る人・作ってさえいればいい人”という役割に収まりがちだ。しかし、こうしたミーティング・ディスカッションに参加し、意見やアイデア出しをすることは貴重な体験になる。

機会があれば上流の設計やアイデア出しにも積極的に関わっていくことで視野は広がる。コーディングや実装する機能に関する着想が得られることもあるかもしれない。

担当プロジェクトを良いサイクルでさらに改善につなげていくと同時に、”ただ言われた通りに作る人”だけにもならないよう提案力や改善を図る力も磨いていきたい。