勇気を出して考えを発信し続ける人だけが得している5つのこと

日報サイトの更新が今年からスタッフ各自に任されるようになった。これまでは社内編集スタッフが内容を精査して発信していたが、そのチェック機構が各人に委ねられる形となり、原則として一週間に一度、自分の記事を更新することになる。これは言い換えると、強制的に自分の考えを自分の手で世の中に発信することが義務付けられた、というものでもある。

多くの人に自分の意見を発信するというのはどんな形でも緊張するものだ。加えて所属する企業のイメージにも影響を与えることになるため、やはり緊張を伴うものだろう。皆の運営を見ていると、文章量に制限はないといえど、ある程度自分の考えを分かりやすくまとめるためにリライトの時間をとって編集している人が多い。

人によっては恐怖というレベルかもしれないし、更新することにある程度のストレスも感じるだろう。しかし、仕事をする上での基本スキルとして職種を問わず求められる、自分の考えを主張する、という練習台としては、ちょうど良い鍛錬なのではないかと思う。

別に死ぬほどのものではない軽い緊張は、いわゆるコンフォートゾーン(安全な領域)をこえるものであって、人が成長する上で必要不可欠なものだ。自分でこの領域を飛び出すことができれば良いのだが、人は基本的に怠け者なので、ある程度軽い強制力が働いた方が良い方向に進むこともあるだろう。

私はこの活動を通じて以下のようなメリットが得られると考えている。

1.自分の考えに対する批判的な思考力が身に付く

文章をネット上で公開する際、人から「意味が分からない」「間違っている」と思われないよう、文章を考え直す。何度も何度も納得いくまで書き直す中で、「これで言いたいことが通じるのか?」と自分に問い直すことになる。この繰り返しで批判的な思考力が鍛えられる。身に付いた批判的な思考力は仕事・プライベート関係なく、メッセージを伝える力に良い影響を及ぼす。

2.市場からの客観的な意見を知る機会が得られる

公開した日報がSNS上で取り上げられる中でコメントが付くことがある。「これは共感!」「参考になる」といった言葉は何の裏もなく正直な意見であり、もっとも客観的と言える。しかも自分が真剣に考えたことに対する感想なので、批判でも賛同でも、どちらでも学びにつながる。加えて実は、何も反応が無いことも一つの大切な気づきになる。

3.自分の分身となる語り部が考えを世に届け続けてくれる

公開された文章は、24時間365日、常にネット上で自分の考えを語る「語り部」となってくれる。自分がその話を忘れている間も、新たに労力をかけることもなく、人が自分の文章を読み、自分の考えに触れてくれる状況ができる。着実に積み重ねられた文章は、自分の想像以上に自分を語ってくれる語り部になる。

4.初対面の人がすでに自分の考えを知っている状況ができる

働いていると、お客さまや同業者の方と接することが多々ある。初対面の時、自分も相手もそれぞれの考えを知らない状況が普通である。しかし考えを発信し続けていると、初対面でも自分の考えをすでに知っていて、興味を持ってくれている状況に出くわすことがある。そこで共感されるのも一つの喜びになるし、その場の話も弾みやすくなる。

5.外部での評価が回りまわって内部の評価につながる

例えば会社に所属する人が考えを発信し、SNSなどを通じて社外から良い評価を得たとする。するとその評価を見た社内の人は「あの人は社外でも評価されている」と認識し、あらためて情報発信者を信頼する。日頃の発言も第三者から一定の評価を得ているものだと感じてもらえると、社内のコミュニケーションにも良い影響を及ぼす。

最後に

これらを自分だけの力で得られる状況を自分で作り出すのはなかなか難しい。しかし、毎日の仕事の中で、ほどよい負荷でこうしたメリットが得られる活動になるなら、とても効率の良い鍛錬になるのではないだろうか。