「一人でやり抜かない」姿勢の大切さ

自己アピールの長所として「諦めず一人でやり抜く」ことを挙げる人は多い。

大切なことだし、共感はするのだが、一方で本当に必要なことなのだろうか、とも思う。よほどの怠け者でもない限り、「一人でやり抜きたい」とみんな思うはずだ。しかし、時にはできないことも当然ある。

過去の自分をふりかえってみても、そういう姿勢が役に立った場面があまりない。むしろ「諦めずに一人でやり抜いた」結果、人に迷惑をかけてしまったことすらある。

例えば、デザインや新しい分野の知識の習得の際に、誰かに相談したり意見を伺ったりしないまま進めた結果、客観的な視点が欠けていたり、そもそも方向性がずれていた…といった苦い経験もした。

また、近年はチーム型のデザイン組織が必要とされることもあり、一人でやり抜く姿勢の重要性は以前より減っていると感じる。

そんなこともあって、リアルな仕事においては「一人でやり抜かない」姿勢の方が必要なのではないか、と思う。一人で完璧にやり抜きたいけど、そうもいかなくなった時に上手に諦め、折り合いをつける姿勢。

ビジュアルデザインを例にとっても、フェーズやタイミングによっては必ずしもページ全体を隅から隅まできちんと作りきらなくてもいいかもしれない。合意しなければいけないポイントはどこなのかを見極めることで、無駄な頑張りも避けられることもあるだろう。

そういった「選択と集中」においても自分のリソースを100%注ぎ込まず、余白を設計しておくことで、色々な戦略や作戦を立てることが可能になる。

もちろん基礎的な粘り強さや地道な積み重ねを軽視するわけでない。これらは習得すべきとして、一歩引いた視点で解決策をとれる人でありたいと思う。