課題
解決策
効果
IMAGICA GEEQ様(以下IMAGICA GEEQ)はゲーム制作の関連サービスを提供する企業で、映像を中心としたサービスをグローバルに提供するIMAGICA GROUPの一員です。2023年4月の組織再編と2024年1月のサービスブランド統一に伴うウェブサイトのリニューアルを、ベイジが支援いたしました。
本プロジェクトを担当された森さん(取締役執行役員)・大谷さん(経営企画部)へのインタビューをもとに、サイトリニューアルのプロセスと成果を振り返ります。
グローバルで拡大を続けるゲーム市場。IMAGICA GROUPは、ゲーム事業をグループにおける成長事業のひとつに位置づけています。それを受け、ゲーム事業の中核を担うIMAGICA GEEQはサービス領域の拡大と組織の再編に乗り出しました。
その柱のひとつがゲーム関連事業のブランド統合です。アート制作を手がけるバウハウス・エンタテインメント(当時)や、ゲームデバッグ・テストを行うQAサポート(当時)など、それまで個別にブランド展開していたサービスを「IMAGICA GEEQ」として統合。企画から開発、アート制作、ローカライズ、デバッグ、プロモーションまでゲーム制作をワンストップでサポートできる体制へと移行しました。さらに従来の国内市場中心のビジネスモデルから脱却し、グローバル市場へ進出するという方針を打ち出しました。
しかし既存のウェブサイトにはその新しい事業戦略が反映されておらず、サービスブランドのサイトが個別に運営されている状況でした。そこで「ゲーム制作のEtoEサービスをグローバルで提供するIMAGICA GEEQ」にふさわしいウェブサイトの構築を目指し、ベイジにご依頼をいただきました。
森さん:
組織は大きな転換期を迎えていました。しかし既存のウェブサイトは、IMAGICA GEEQが「ゲーム制作の川上から川下まで」サポートできることや、世界中のゲーム事業者と協業できる体制があることを示せていなかったんです。そこで以前バウハウス・エンタテインメント(当時)のウェブサイトリニューアルで実績があるベイジさんに、ウェブサイトへのフルリニューアルを依頼することにしました。
IMAGICA GEEQの新たな事業戦略と組織体制を反映するために、リニューアルプロジェクトでは以下の3つに力を入れました。
ブランド統合の直後にあったIMAGICA GEEQは、顧客への便益や自社の独自性を明確に打ち出せていない状況にありました。
そこでベイジから「商談でもっとも反応がよい点はどこか」「LTVが高い顧客にはどのような共通点があるか」など問いかけてさまざまな角度から検証を重ね、ウェブサイトで訴求すべき強みを探っていきました。
その結果、同社の優位性は「リソース確保のスピードと提供形態の柔軟性」にあることが浮かび上がってきました。人材派遣を祖業とするIMAGICA GEEQは、案件の規模や期間を問わず、制作に必要な人材を迅速に確保できる体制を築いています。さらにクライアント企業への常駐、自社での受託や外注など、プロジェクトの特性や顧客のニーズに応じて柔軟に形態を選択できる点が、大きな価値となっていたのです。
中でも常駐型のサービスは高い評価を受けていました。創業時から常駐型サービスを提供してきた同社は、クライアントの文化やプロジェクトの特性を把握するノウハウを持っているため、提供する人材が現場の即戦力として機能できる点に優れています。
この「強み」の言語化は、プロジェクトだけでなくマーケティング施策全体にとっても大きな収穫となりました。常駐・受託・外注の多様なサービス形態を図示したコンテンツは、展示会のブースパネルなどのマーケティング施策でも活用されています。
森さん:
ウェブサイトのリニューアルを検討し始めたのはIMAGICA GEEQが立ち上がって間もない時期で、会社全体の方針を模索している最中でした。プロジェクトで印象に残っているのは、ベイジさんとの対話を通して、自分たちのサービスの特長や強みを「外向けの言葉」として洗練させられたことです。当初はうまく伝えることがなかなかできず、難しく感じることもあったんです。ベイジさんに説明する過程で「こういう言い方だと伝わらないんだな」ということを発見できましたね。制作前に2か月かけて議論をしたのですが、自社だけでは難しかった部分を客観的にうまく整理していただけて、そこに大きな価値を感じています。
組織再編を機に、より広い範囲でサービスを提供する体制を構築したIMAGICA GEEQ。当時はローカライズなど一部のサービスが立ち上がったばかりのタイミングでもありました。
リニューアルの目的を達成するためには、組織の現状ではなく将来像を反映したウェブサイトであるべきです。そのためにはIMAGICA GEEQを窓口として、すべての工程でサポートを受けられるという新たな価値を、ユーザーに伝える必要があります。「新しいサービスをコンテンツとしてどのように具体化していくか」について慎重に検討を重ねた結果、ベイジからは「新規サービスを含め全サービスをコンテンツ化する」という方針を提案しました。
さらに、ベイジでは競合分析の結果やBtoBサイトの定石を踏まえた「あるべき」コンテンツ案を設計。IMAGICA GEEQ社内へのヒアリングやインタビューによって情報を収集し、End to Endのサービス体制を説明できるコンテンツを完成させました。
森さん:
サービスの一部は立ち上がったばかりだったので、それを自社サービスとして掲載するのはどうかなと、一瞬迷ったんです。でもベイジさんから「お客様にとって重要なのは、IMAGICA GEEQが入口となってしっかりと管理してくれることなので、サービスとして入れておきましょう」との助言をもらいました。僕らは問い合わせをいただければニーズに応えられるので「確かにそうだな、サービスを掲載しない理由はないな」と考え直したんです。ウェブサイト公開後もとくに問題は起きていませんし、入れておいてよかったです。
ゲーム業界の一員である同社にとって、ビジュアルデザインも重要な要素です。IMAGICA GEEQからは「ゲーム制作のサポートを行う企業と一目で伝わり、エンタテインメントを生み出す企業としてのワクワク感を表現すること」「グローバル企業らしい存在感を示せること」という要望が寄せられました。
ウェブサイトのビジュアルが提供サービスのイメージからかけ離れていると、訪問者に「求めているサービスはない」と判断され離脱を招くリスクがあります。そこでベイジは海外・国内の大手ゲーム制作会社のウェブサイトの分析を行い、ファーストビューにEtoEサービスを表現する動画を配置することを提案しました。
動画という形式を選んだのは、ゲーム制作の過程を動的に表現しながら、エンタテインメント性を演出できると考えたためです。制作は、ベイジがコンセプトとストーリーを提案し、IMAGICA GEEQのアート部門が制作を担当するという協業体制で進めました。
サイト全体のビジュアルは硬質で洗練された印象に仕上げ、高度な専門性とサービス品質の高さを表現しました。英語版のトップページはよりクリエイティブ性を強調し、グローバル市場での訴求力を高めたものになっています。
森さんのコメント:
「ゲーム制作会社らしさを出したい」という要望に応え、初回からピタッとくる提案をいただきました。我々が伝えた内容をしっかり拾っていただき、意図を理解して形にしていただけたので良かったなと。国内の企業のウェブサイトは落ち着いたデザインのものが多いので、そことの差別化にもつながっていると思います。大谷さんのコメント:
ウェブサイトのデザインについては、大きな異論もなくスムーズに決まったことが印象的でした。実は私たちの要望で公開を1か月前倒しにしたため、制作スケジュールがタイトになっていいたんです。「本当に間に合うだろうか」と不安もありましたが、ビジュアルデザインがすんなりと決まった時に「これは大丈夫だな」とホッとしたのを覚えています。
ウェブサイトのリニューアルから半年が経過し、具体的な成果が得られています。
まずは新規リード獲得数の増加と質の向上です。大規模なプロモーション施策を展開していない中でも、見込み顧客からの問い合わせが継続的に発生しています。取引を期待していた業界大手からの引き合いも生まれるなど、新サイトを通じた効果が現れているといえるでしょう。
またリニューアルで大幅に拡充したサービスページは、日本語だけでなく英語ページも用意しています。そこを起点にアジアやヨーロッパからの問い合わせが入るなど、グローバル展開への足がかりとしても一定の効果が得られています。
公開後にIMAGICA GEEQ社内で実施したアンケートによると、関係者からの評価も好意的なものでした。とくに白・赤・黒を基調とした見やすいデザインや、わかりやすいサイト構造などを評価する声が多く寄せられたそうです。
プロジェクト全体を振り返り、お二人からこんなコメントをいただきました。
森さん:
ウェブサイトのリニューアルは、事業体制の変わり目における非常に重要なプロジェクトだったので、社長含めて役員が全員参加していました。経営戦略をより具体的に決めている時期でもあったので、それぞれの立場からの意見が出て、ときにはタフなコミュニケーションになったこともあったかと思います。そこを忍耐強くまとめていただいて、その手腕がすばらしいと思いましたし、ベイジさんに依頼してよかったと本当に感謝しています。
大谷さん:
ウェブ制作は専門分野ではありませんでしたが、ベイジさんが細かくタスクを切り分けて、スケジュール管理をしっかりとしてくださったので、その指示に従うだけで円滑に制作が前に進みました。コミュニケーションも丁寧だったので、安心できましたね。制作期間がタイトな中でとくに工夫した点は、サイトの方向性を正確に把握し、タスクを期限内に遂行させるためにどうすべきかを常に考えたことです。関係者が多い状況では、この姿勢が非常に重要だったと実感しています。そのおかげで大きなトラブルも発生せず、プロジェクトを順調に進めることができ本当に良かったです。
ゲーム業界を取り巻く環境は変化しつつあります。コロナ禍での「巣ごもり需要」が一段落し、特にモバイルゲーム分野では、ユーザー数や課金額の減少が顕著です。この傾向はグローバル市場にも及んでおり、業界全体でプロジェクト数が減少するなどの厳しい状況が続いています。
そのような状況下で、IMAGICA GEEQは次のステージに向け、メディア露出の強化やSNS運用など、ブランドの認知拡大に力を入れています。
今後のビジネス展開とウェブサイトの活用について聞きました。
森さん:
業界全体での不況感は否めませんが、業務提携をしたUniversally Speaking社やグループの一員となったアプシィ社(ゲームソフトの開発・2025年1月に吸収合併)とは、両者の足りない部分を補い合うという点で非常にうまく行っています。ゲーム制作をEnd to Endでサポートするサービスを、世界中のゲーム事業者へ提供する体制を着々と構築しています。今後も協力体制をさらに発展させ、ウェブサイトも、そうした取り組みを支える重要な基盤として、チューニングを続けていく予定です。
ベイジ担当者の声
大舘(コンサルタント):
会社設立後すぐのタイミングでお忙しい中でも、戦略策定フェーズでは経営層の皆様にもご協力いただけたことに非常に感謝しています。制作のフェーズに入ってからも大谷さんを中心に、とても協力的に対応いただいたきました。サイトの規模や複雑さを考慮すると、非常に円滑なプロジェクトとできたことに改めてお礼申し上げます。岡本(デザイナー):
戦略フェーズではIMAGICA GEEQ様のこれから目指していきたい姿を直接お話しいただき、ビジュアルデザインフェーズでは画面上で双方意見を出し合いながら進めていくことで、IMAGICA GEEQ様のビジョンや独自性をビジュアルでも体現できたと感じております。あらためて、ありがとうございました。
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