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	<title>ベイジの社長ブログ &#187; 音楽</title>
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	<description>マーケティング、デザイン、キャリア</description>
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		<title>AWAを3週間使った感想と音楽サブスクリプション雑感</title>
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		<comments>https://baigie.me/sogitani/2015/06/music-subscription/#comments</comments>
		<pubDate>Mon, 22 Jun 2015 06:54:42 +0000</pubDate>
		<dc:creator><![CDATA[枌谷 力]]></dc:creator>
				<category><![CDATA[Webサービス]]></category>
		<category><![CDATA[Webビジネス]]></category>
		<category><![CDATA[Webマーケティング]]></category>
		<category><![CDATA[音楽]]></category>

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		<description><![CDATA[エイベックスさんとサイバーエージェントさんが立ち上げた音楽アプリAWAを使った感想と、サブスクリプション型音楽 [&#8230;]]]></description>
				<content:encoded><![CDATA[
<p>エイベックスさんとサイバーエージェントさんが立ち上げた音楽アプリAWAを使った感想と、サブスクリプション型音楽サービスに関する考察をまとめてみました。Spotifyをはじめとする他サービスは使ったことがないため、憶測含みなのはお許しください。</p>
<p>ちなみに私は、ダウンロードやレンタルCD、CD購入などで、20～30枚のアルバムを毎月入手しており、聴いているのはほぼ洋楽というリスナーです。なので、一般リスナーと使い方や感じ方が違っている部分が多々あると思います。その点は間引いて解釈いただけると幸いです。</p>
<p>テーマは以下の6つです。</p>
<ol>
	<li>曲数は十分か？</li>
	<li>良質なリスナー体験ができるか？</li>
	<li>プレイリスト共有は楽しいか？</li>
	<li>サブスクリプション型サービスの位置づけとは？</li>
	<li>リスナーの分類</li>
	<li>カスタマージャーニーと課題</li>
</ol>
<h2>曲数は十分か？</h2>
<p>現時点での曲数は公表されていませんが、2015年末までに500万曲揃えるということなので、今はそれ以下ということでしょう。海外サービスでは2000～3000万曲レベルでの戦いになっており、それと比べるとかなり少ないといえます。</p>
<p>洋楽に関して、メジャーなアーティストは案外揃っているというのが第一印象でした。しかし少し使ってみると、ディスコグラフィの欠落が多いことに気付きます。また、英語とカタカナで表記が違うだけの同一音源や、Deluxe Editionとの重複などもあります。AWAに限らずですが、実際に聴ける曲の種類は、公表される曲数よりも少ないと捉えておいた方がいいでしょう。</p>
<p>また、当然ながらインディ系はやや手薄で、日本で人気の高いベガーズ・グループ系で聴けないアーティストも多く、あるいはエピタフ・レコードの作品は全滅状態だったりします。</p>
<p>しかし邦楽はさらに厳しい状況で、有名どころで聴けないアーティストは非常に多いです。もともと邦楽の大量配信は難しいと思っていたので、むしろ予想よりも色々聴けるとは思いましたが、それでも日本の音楽をたくさん聴きたい人には物足りないのではないでしょうか。</p>
<p>なお、何千万曲も一人で聴けないので、曲数は重要ではないのでは、という意見もあると思います。確かに個で考えるとそうなのですが、ビジネスを考えると、集団を構成する様々な個の趣味趣向に応えることが求められます。特にネットワーク効果に頼る類のサービスでは、利用者数を増やすことは至上命題となるため、そこに大きな影響を与える曲数は、非常に重要なファクターになるでしょう。</p>
<h2>良質なリスナー体験ができるか？</h2>
<p>UIも秀逸で、音質もいいため、プレイヤーとしての機能は悪くありません。また定番機能ではありますが、やはりラジオは重宝します。AWAではアーティストを指定することで、iTunesのGeniusやLast.FMのように自分好みのラジオステーションを作ることができます。</p>
<p>ただしこれもAWAに限らずですが、以下のような理由で良質なリスナー体験とは言い切れないところがあります。</p>
<ol>
	<li>通信量に制限がある</li>
	<li>既存のライブラリと共存できない</li>
</ol>
<p>通信量の問題はやはり大きく、オフライン機能がなければ、どんなに曲数を揃え、利用料金を低くしても、いつでもどこでも好きなだけ聴ける、とはならないでしょう。また、今までに購入した曲と一緒に聴けないことも課題の一つでしょう。</p>
<p>ちなみにApple Musicの強みは、この2つを解決しうることです。オフラインモードを駆使すれば通信量を気にせず好きな時に好きな場所で聴くことができます。iTunesを共通プラットフォームにすることで、クラウド上の音楽データとライブラリと統合された、真の「聴き放題」を提供できる可能性もあります。</p>
<p>Apple Musicにはイノベーションがないなどと否定的な意見もありますが、デバイス、OS、販売チャネル、データ管理、プレイヤーを握っているAppleと他企業では、同じ機能を提供しても実現できるUXがまったく異なるということは、忘れてはいけない点でしょう。</p>
<h2>プレイリスト共有は楽しいか？</h2>
<p>Spotifyではプレイリスト機能が非常に充実しており、サービスの魅力となっています。この例にもれず、サブスクリプション型音楽サービスのアクティブ率を高めるためには、プレイリストの充実は不可欠です。</p>
<p>AWAでは、1つのプレイリストで8曲しか共有できませんが、プレイリストの質を高めるうえで、これはとてもいい制約だと思います。また検索からプレイリストへの追加も行いやすく、この点においてはiOSがデフォルトで提供している音楽プレイヤーよりも遥かに優れています。</p>
<p>しかしながら実のところ、プレイリストを共有しようというモチベーションは、すぐに下がってしまいました。その一番の理由は、プレイリストを公開してもほとんど聴かれないためです。</p>
<p>例えば私は最初に、『メロディが綺麗なEDM』（カルヴィン・ハリス、アヴィーチー、デヴィッド・ゲッタなど）、『雨の曲』（マドンナ、ブルーノ・マーズ、ガンズ・アンド・ローゼズなど）という、それなりに人気のあるアーティストや曲をセレクトしたプレイリストを作成しましたが、1週間たっても、5回も聴かれませんでした。プレイリストを共有しようと思う人にとって、これはかなりのガッカリ体験です。</p>
<p>プレイリストが聴かれないのは、タイトルの付け方、選曲センス、競合するプレイリストの問題もあるでしょうが、新着プレイリストをアピールする場がないというのが大きいでしょう。</p>
<p>人気プレイリストはホームでTOP100まで表示されていますが、これは一定期間の再生回数を元にした先行者に有利なアルコリズムです。ジャンル別プレイリストも存在しますが、同じく再生回数基準のため掲載ハードルは高く、いきなり自分のプレイリストを送り込むのは不可能でしょう。</p>
<p>フォロアーへの通知機能はありますが、現状、残念ながらフォロアーが付くことはほとんどありません。例えば現時点で私の全プレイリストの再生回数は4万回を超えていますが、私をフォローしているユーザはわずか40人あまりです。つまり、再生からフォロアーへの転換率は0.1%ほどで、これはなかなかハードなゲームです。</p>
<p>結局、プレイリストを公開しても、検索でたまたまヒットされるのを待つしかないわけです。しかし、検索結果の順位も再生回数が影響するため、タイトルのつけ方や選曲を工夫しない限り、聴いてもらえる確率はかなり低いと言わざるを得ません。</p>
<p>ちなみに私はこの仕組みを意識して、「ONE OK ROCK好きにオススメの洋楽」というシリーズもののプレイリストを公開しました。人気のONE OK ROCK目的のリスナーがいることを想定したものです。エモやポストハードコア系中心の、AWAの中では比較的マニアックなプレイリストですが、結果、本エントリー公開時点で、1つめのプレイリストで再生回数が8,387回、2つ目で7,723回、3つ目で21,510回を記録することができました。ただ、再生回数が伸びることも最初は楽しいですが、それ以上のリアクションは何もないため、気持ちは少し冷めてしまいました。</p>
<p>大多数の人は、気軽にシェアをして、気軽にリアクションをもらいたいのだと思います。見知らぬ人の無言の「いいね」を100個もらうより、心の通ったコメントを1つもらう方がうれしいでしょう。しかし残念ながら、現在のAWAはそういった希望には応えにくい仕様といえます。</p>
<h2>サブスクリプション型音楽サービスの位置づけとは？</h2>
<p>サブスクリプション型音楽サービスについて、その位置づけを理解するためには、もう少し詳しく「音楽の楽しみ方の系譜」を理解しておく必要があります。</p>
<p>音楽の楽しみ方は、「聴く」「演奏する」「作る」「知る」の4つに大別され、メディアやテクノロジーの進化から、様々な形態に進化していきました。</p>
<p><img class="alignnone size-full wp-image-3194" src="https://baigie.me/sogitani/wp-content/uploads/awa12.gif" alt="音楽の系譜" width="720" height="540" /></p>
<p>ご覧のように、サブスクリプション型音楽サービスは、より広範囲に影響を与えるものです。支配的な論調である、デジタル配信の後継サービスという位置づけは局所的な見方であり、さらにいえば、曲数とUXの問題ですぐに取って代わるのは難しいでしょう。現時点ではむしろ、レンタルCD、あるいはYouTubeやネットラジオの後継ととらえるのが現実的です。</p>
<p>もちろん、近未来的には曲数の問題はやがて解決され、「聴く」楽しみ全般がサブスクリプションに収斂される可能性は確かにあります。しかしこのことは、遅かれ早かれ、曲数ではない別の要素での付加価値提供がサービスに求められてくるということを意味します。</p>
<p>その別の要素というのが、編集の楽しみ、ソーシャル的な楽しみでしょう。また、デバイスを変えれば、カラオケやDJも影響範囲に含まれてきます。そして、どの分野を強みとするかが各社の戦略になるでしょう。</p>
<p>AWAに関しては、王道の「聴く」×「知る」型のアプリと思いますが、今は曲が聴けるということに強く依存しており、「曲を聴く以外のプラスアルファの付加価値」の確立が、サービスとしての課題ではないでしょうか。</p>
<h2>リスナーの分類</h2>
<p>サブスクリプション型音楽サービスを語るうえでは、音楽リスナーの理解も不可欠です。以下は、私なりにまとめた音楽リスナーのセグメンテーションです。</p>
<p><img class="alignnone size-full wp-image-3166" src="https://baigie.me/sogitani/wp-content/uploads/awa2.gif" alt="リスナーの分類" width="720" height="530" /></p>
<h3>1. 音楽オタク</h3>
<p>どっぷり音楽にハマっているリスナー層です。音楽がアイデンティティの一つになっており、消費も積極的で、強いこだわりを見せます。特定アーティストに熱心なだけでなく、ジャンルや音楽全般に多大なる関心を示します。新しい情報の獲得欲求が高く、雑誌やサイトでの情報収集も行い、マイナーなアーティストを見つけ出す力もあります。LTV（ライフタイムバリュー：顧客生涯価値）が高く非常に貴重な存在ですが、数が少ないため、経済的なインパクトはそれほどありません。ただ、イノベーター／アーリーアダプターとして市場の立ち上げを牽引する力があります。似たような音楽オタクとの交流を好み、良い音楽を紹介するキュレーション活動も積極的で、誰かの音楽ライフに関与することに喜びを感じます。プレイリストの共有をもっとも積極的に行うのがこの層と考えられます。</p>
<h3>2. 特定ファン</h3>
<p>音楽への熱量は高いが、それが特定のアーティストだけに向いているリスナー層です。音楽オタク同様、音楽がアイデンティティになっており、経済的・時間的投資に躊躇はありません。ただし、他アーティストとの出会いには消極的です。不特定多数への共有も積極的ではなく、むしろにわかファンの増加を嫌う傾向もあります。アーティストやレコード会社の視点では重要な顧客になりますが、音楽市場全体で見ると、特定アーティストにしか消費しないため、必ずしもLTVが高くはありません。サブスクリプション型音楽サービスでは、ターゲットにしにくい存在です。</p>
<h3>3. 音楽ファン</h3>
<p>音楽を日常の楽しみの一つとしているリスナー層です。自己紹介の趣味の欄の2～3番目に「音楽」と書くような人たちです。興味があるアーティストなら消費も積極的に行いますが、主体的に音楽情報を収集することはなく、マイナーなアーティストにはあまり詳しくありません。話題性や、音楽に詳しい友人のすすめなどが消費のキッカケになりやすいです。音質の良さやディスコグラフィ集めにも興味がなく、LTVはそれほど高くありませんが、数が多いので、重要なセグメントになります。刺激が継続されると音楽オタクに、刺激が継続されないとつまみぐいリスナーになるため、このセグメントをいかに増やすかが、音楽市場のカギを握っています。</p>
<h3>4. つまみぐいリスナー</h3>
<p>音楽は嫌いではなく、キッカケがあれば聴きますが、自分から積極的には関わりません。音楽以外に多くの優先事項があり、音楽のことはあまり考えていません。世間で話題になっていて耳に入ってきても、聴くまでに至らないことも多いです。ただ、家族や恋人、仲のいい友達の推薦やライブやクラブの体験など、人間関係経由の刺激から音楽に興味を持ち、購入に至ることがあります。人の趣味に影響され、いきなりマニアックなアーティストに行くことがあるのも、この層の特徴です。音楽が嫌いなわけではないので、継続的な関わりで、音楽ファンや特定ファンに成長する可能性があります。</p>
<p>このような4つのセグメンテーションですが、音楽が売れていた時代と現在とでは、以下のような分布の違いがあると考えられます。</p>
<p><img class="alignnone size-full wp-image-3167" src="https://baigie.me/sogitani/wp-content/uploads/awa3.gif" alt="リスナーの推移" width="720" height="390" /></p>
<p>娯楽の選択肢が少なく、皆が同じメディアを見ていた時代では、テレビCMやドラマタイアップ、音楽番組などのマスメディアでの露出増により、音楽を共通言語化し、音楽ファンを増やすことができました。また、音楽ファンの数も多く、音楽オタク、特定ファンとのテープ交換などで刺激を与え合う機会もありました。</p>
<p>しかし現在では、娯楽の選択肢が増え、人々が見ているスクリーンも多様化したため、音楽は共通言語にならなくなりました。一人でも楽しめる音楽オタクや特定ファンは変わりませんが、環境変化の影響を受けやすい音楽ファンは激減し、多くがつまみぐいリスナーに移行したのではないでしょうか。また、音楽ファンが減ることで、音楽オタクや特定ファンとの接点もなくなり、刺激を与え合う機会が減少し、市場全体がますます停滞したとも考えられます。</p>
<p>このような中で、「聴く」×「知る」型のサブスクリプション型音楽サービスに求められる役割は、デジタル技術を使った新たな音楽体験を提供することで、音楽ファンを増やし、現在よりも良好な市場構造に戻すことではないかと思います。サービス単体で収益を上げるのは二の次で、音楽市場の活性化が本来の目的と考えているのではないでしょうか。</p>
<p>そこをゴールとして考えると、サービス成功の鍵となるのは、音楽オタクと音楽ファンの一部に存在する「プレイリストを共有したい」と考えているユーザ（共有欲求ユーザ）と、音楽ファンとつまみぐいリスナーに存在する「いい音楽があれば聴きたい」と考えているユーザ（聴取欲求ユーザ）にアプローチし、うまく結びつけ、活性化させることでしょう。</p>
<h2>カスタマージャーニーと課題</h2>
<p>上記の仮説に基づくと、アプリというのは、共有欲求ユーザと聴取欲求ユーザの行動ステージに沿って機能やコンテンツが提供される必要があります。それをまとめたものが、以下のカスタマージャーニーです。</p>
<p>横軸にステージを配置し、縦軸にDoing（行動）、Thinking（考え）、Feeking（感情）、Satge Goal（そのステージでのユーザ体験のゴール）、Function/Contents（機能/コンテンツ）を配置しています。Function/Contentsに書いてある○はAWAで提供されているもの、△は提供されているが不十分と考えられるもの、×は提供されていないものを示しています。</p>
<p>まずは、共有欲求ユーザのカスタマージャーニーです。</p>
<p><span style="line-height: 1.5;"><img class="alignnone size-full wp-image-3180" src="https://baigie.me/sogitani/wp-content/uploads/awa41.gif" alt="共有欲求ユーザのカスタマージャーニー" width="720" height="690" />共有意欲の高いユーザには、まずはアプリ内でプレイリストを共有したい、と思わせる必要があります。それが「きっかけ」のステージです。現在のAWAでも基本機能は提供されていますが、接点となるプレイリストのバリエーションを広げることで、共有意欲がさらに高まる可能性があります。</span></p>
<p>「作る」のステージに移行してからは検索とリスト化がメインです。当然ながら、ここの満足度には曲数が影響しますが、それ以外にも、作成を補助する機能や、共有後の期待感を刺激するような機能があると、利用率はより高まると考えられます。</p>
<p>「共有する」のステージにおいて、現在の仕様では、共有できる場が少なく、どこに共有されたか確認手段もありません。それにより、ユーザの不安が拡大したり、期待感が空回りしたりする可能性があります。</p>
<p>「反応をもらう／返す」においても、プレイリストを共有するユーザの期待に応える、十分なフィードバックを得られる仕組みが必要でしょう。もちろん、運用コストとのバランスと、コミュニケーションの濃度設定も重要です。あまりにも濃いコミュニケーションが可能になると、トラブルやストレスの原因にもなります。個人的には、Instagram程度の軽微な交流がいい気がします。</p>
<p>続いて、音楽を聴きたいと思う聴取欲求ユーザのカスタマージャーニーです。</p>
<p><img class="alignnone size-full wp-image-3181" src="https://baigie.me/sogitani/wp-content/uploads/awa51.gif" alt="聴取欲求ユーザのカスタマージャーニー" width="720" height="674" /></p>
<p>聴取欲求ユーザにおいては、明確に聴きたい曲が存在するときの行動と、なんとなく音楽を聴きたいだけの時の行動が混在することに留意しなければなりません。また、アプリとしては、どちらかにフォーカスして機能提供をすることはできません。なぜなら、このような態度変容は短時間に同一ユーザ内で起こりえるからです。例えば、ある曲を求めて検索して聴いた結果、似たテイストの曲に浸りたいモードに入る場合もあれば、なんとなく音楽を聴こうと思ったけど、ある曲を耳にして関連曲を探し始める場合もあるでしょう。</p>
<p>つまりアプリとしては、聴きたい曲が明確なアクティブリスナー（積極的なリスナー）と、なんとなく音楽を聴きたいだけのパッシブリスナー（受動的なリスナー）の、両方に応えうるものにしないといけないわけです。</p>
<p>その上でカスタマージャーニーですが、まず「きっかけ」ステージは基本的にはサービス外で発生します。そのため、アプリ外での「きっかけ」の可能性を増やす機能や、「見つける」へのスムーズな移行を助けるような機能が有効となるでしょう。</p>
<p>「見つける」「聴く」のステージでは、アクティブリスナーとパッシブリスナーの行動に合わせた機能やコンテンツが必要になります。現状でも最低限の機能提供はされていますが、アクティブユーザの課題は曲数、パッシブユーザの課題はパーソナライズの幅と精度になるでしょう。例えば著名人や映画等とタイアップしたプレイリストや、共有ユーザを活用した良質なプレイリストの蓄積やリコメンデーション、さらには複数プレイリストの結合やシャッフル演奏があると、パッシブリスナーにとっては魅力的なサービスになりえるでしょう。</p>
<p>最後の「習慣になる」ステージでは、聴取体験のリピートに繋げなくてはなりません。お気に入り登録だけではなく、履歴を数値化してファン度を表してランキング化してゲーム的に競わせるなど、何度も利用することのベネフィットを提供する機能が効果的と考えられます。</p>
<p>上記のような様々なアイデアは、部外者である私がざっと考えたもので、運用や契約の問題などは一切考慮してない適当なものですが、市場でのポジショニングからユーザセグメンテーション、カスタマージャーニーとブレイクダウンして考えていくことで、本当に優先すべき機能やコンテンツが見えてくるのではないかと思います。</p>
<h2>まとめ</h2>
<p>色々と書きましたが、おそらくAWAの企画や開発をされた方の間ではこういう計画はとっくに存在し、優先順位や運用の問題などで見送っている、もしくは取捨選択しているだけではないかと思います。</p>
<p>ちなみに、この記事を書いている段階ではまだリリースされていませんが、伝え聞く内容から推測してもっとも強力なライバルはやはりApple Musicでしょう。前述のように、曲数が多いだけでなく、Appleだからこその良質なUXが提供できることに強みがあります。</p>
<p>一方、すでにサービスを開始しているLINE MUSICの強みは、既存のソーシャルグラフの中に音楽を放り込める点です。特につまみぐいリスナーを掘り起こすのに向いているのではないかと思います。ただし収録曲はAWAよりも随分と少ない印象を受けました。</p>
<p>Sportifyの進出もまだ噂レベルでは残っていますし、サブスクリプション型音楽サービスはこれから数年にかけて活況を呈するものと思われます。ただしその先で、音楽の新しいサービスとして定着するか、音楽業界を焼け野原にして去っていくのかは、各サービスがどこまで市場ニーズと収益性のバランスを取れるかにかかっています。一時的に流行ったけどビジネスとしてなりたたなかったよね…とならず、永続的に私たちの音楽体験を刺激してくれることを、一人のリスナーとして切に望むばかりです。</p>
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		</item>
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		<title>偉大なロックバンドから学ぶ11のマーケティング戦略</title>
		<link>https://baigie.me/sogitani/2013/05/rock_is_marketing/</link>
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		<pubDate>Wed, 15 May 2013 15:18:29 +0000</pubDate>
		<dc:creator><![CDATA[枌谷 力]]></dc:creator>
				<category><![CDATA[Webビジネス]]></category>
		<category><![CDATA[Webマーケティング]]></category>
		<category><![CDATA[仕事]]></category>
		<category><![CDATA[音楽]]></category>

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		<description><![CDATA[音楽というと、アートの世界であり、その成功は天才的なセンスやカリスマ性といったもので説明されがちな分野です。し [&#8230;]]]></description>
				<content:encoded><![CDATA[<p>音楽というと、アートの世界であり、その成功は天才的なセンスやカリスマ性といったもので説明されがちな分野です。しかし、20年ほど音楽を聴き続け、一方で仕事を通じてマーケティング等の知識を学んでいった私からすると、音楽ほどマーケティング理論やブランド理論が如実に反映されている分野もないとつくづく思います。</p><p>特に商業的に成功したアーティストには、単なる楽曲の魅力だけでなく、マーケットに対するポジション取りのうまさやブランド戦略の巧妙さを、顕著に感じることができます。</p><p>ここでは、以下の11の事例を元に、マーケティング戦略という観点から彼らの成功を分析してみました。</p><ol><li>RADIOHEADと破壊的イノベーション</li><li>AC/DCと不変性</li><li>U2とコーズ・マーケティング</li><li>NIRVANAとポジショニング</li><li>LINKIN PARKとフォロアー戦略</li><li>BON JOVIとブランド・エクステンション</li><li>THE STROKESとリバイバル・マーケティング</li><li>KISSとキャラクタライズ</li><li>METALLICAとピボット</li><li>OASIS、BLURと対立の構図</li><li>MOGWAIとニッチャー戦略</li></ol><p>多くの場合、アーティスト当人に自覚はなく、後から考えてみると、というものがほとんどでしょう。しかし、彼らが成功した要因を考察することは、マーケティング戦略を発想する上での良いヒントにもなりえます。また、自分の所属する会社や、扱っているサービスが、どのアーティストの戦略に近いかを思い巡らすことは、音楽好きであれば、それなりに楽しめることなのではないでしょうか。</p><p>是非、楽しみながら読んでみてください。</p><h2>ケース1：RADIOHEADと破壊的イノベーション</h2><p>1992年にデビューしたRADIOHEADのキャリアで特徴的なのは、自ら築いたフォーマットを破壊し、アルバム毎にその印象を大きく変えたことです。1st『Pablo Honey』、2nd『The Bends』こそメロディ主体のギターロックでしたが、プログレッシブ・ロック的な解釈を取り入れて大きく変化した1997年の傑作『OK Computer』あたりからその実験性は加速し、続く『Kid A』ではポストロック、エレクトロニカに急接近、『Kid A』の双子アルバムといわれた『Amnesiac』ではジャズの要素も取り込んでいきました。</p><p>驚くべきは、それらの変化が彼ら自身の音楽性の話だけに留まらず、無名だった他のアーティストに注目が集まったり、RADIOHEADの影響を受けたフォロアーを生み出したりと、常にロックシーンに衝撃を与える変化であり続けたことです。『Hail to the Thief』以降はイノベーションのスピードもやや鈍化した印象がありますが、最新作『The King Of Limbs』ではダブステップを取り入れるなど、常に変化し続ける活動方針は今も変わっていません。</p><p>一度引き起こすだけでも難しい破壊的イノベーションを、連続して引き起こすというのは至難の業です。しかしそれを実現できたものには、強固なブランド形成が約束されます。例えば、かつてのソニーはまさにそういう存在でした。ウォークマンを筆頭に、カテゴリーキラーとなるヒット商品を立て続けに世に送り出し、世界に誇る破壊的イノベーションの象徴的な企業となりました。</p><p>21世紀に入ってこのイメージが強いのは、なんといってもアップルでしょう。特にスティーブ・ジョブス存命時のアップルは、iMac、iPod、iPhone、iPadと、各カテゴリのスタンダードを刷新する製品を立て続けにリリースし、現在に繋がる強固なブランドに繋がっています。（現在のアップルは破壊的イノベーションというよりは、持続的イノベーションに舵を切っており、これが昨今のアップルブランドに悪影響を与えている面もあるのではないでしょうか。）</p><p>破壊的イノベーションを引き起こすことができれば、単なる顧客という以上のファンを生み出すこともできます。ソニーにもかつてはソニーファンというファン層が存在し、RADIOHEADやアップルにも、時に「信者」と表現される強力なファンベースが存在しています。これらロイヤリティの高いファンによってブランドは守られ、より強固になっていきます。SNSなどで情報が簡単に発信できるようになった現在では、その傾向はより強くなっているといえるでしょう。</p><p>破壊的イノベーションを中心に据えた戦略は簡単に真似できるものではないですが、困難であるからこそ得るものも大きい、最強のマーケティング戦略といえるのではないでしょうか。</p><h2>ケース2：AC/DCと不変性</h2><p>オーストラリア出身のAC/DCは、多くの日本人には馴染みが薄いアーティストかもしれませんが、現在でもツアーを組めばスタジアムクラスの会場をソールドアウトにできる世界的なモンスターバンドの一つです。意外に知られていませんが、1980年の大ヒット作『Back In Black』はこれまでに世界で二番目に売れたアルバムだったりします（一番はマイケル・ジャクソンの『Thriller』）。</p><p>そのAC/DCの特長といえば、印象的なギターリフを中心に展開するシンプルなロックンロール。これはデビュー以来ほとんど変わっていません。彼らは現在でも数年おきにニューアルバムを発表していますが、そのたびに「何も変わらない、いつものAC/DC」と最大限の賛辞を込めて評されます。ライブに関しても、大砲や地獄の釣鐘、アンガス・ヤングのストリップショーなど、いつも変わらぬお約束の連続でオーディエンスを楽しませてくれます。</p><p>AC/DCのようにブランドを堅持し、不変であることも、マーケティング戦略のあり方の一つです。例えば、製品としてのコカ・コーラブランドはまさに不変性によって培われてきたものです。独特のフォルムとエンジンへのこだわりを貫き続けるハーレーダビッドソン、室町時代から続く老舗お菓子メーカー虎屋などもまた、同様の戦略を取っているといえます。一方、これらのブランドにとって変化とは、ブランドに傷をつけるリスクと表裏一体です。例えばかつて、ペプシの追従に焦ったコカ・コーラが味の調合を一度変えたものの、ファンから大顰蹙を買い、味を元に戻すという出来事がありました。不変性を求められているブランドが変化をして失敗した、象徴的な事例です。</p><p>ちなみに、AC/DCは変わらないといわれながらも、実は細部のサウンドプロダクションは時代の流行に合わせてアップデートされています。同様に伝統を謳うブランドも、本質は変わらずとも、変化する時代に合わせた細部のアップデートは不可欠です。コカ・コーラも、味は変わらずとも、パッケージや販売戦略は時代に合わせて進化しています。この「不変と思わせながら実は時代に合わせている」というのが、不変性をうたう戦略の肝なのではないでしょうか。</p><h2>ケース3：U2とコーズ・マーケティング</h2><p>1980年にデビューしたアイルランドが誇る世界的ロックバンドのU2。アルバムの総売り上げは1億7,000万枚、グラミー賞獲得数は22におよび、2011年にはFOBUS誌に「最も稼いでいるミュージシャン」に選出されました。一向に人気が衰えないのは、強固なU2ブランドが確立されている証拠でしょう。</p><p>U2の特長といえば、エモーショナルなボノのヴォーカル、独特のディレイが印象的なジ・エッジのギタープレイなど挙げるとキリがないですが、サウンドと同じくらい強く印象付けられているのが、彼らが社会派バンドであるという点ではないでしょうか。彼らの社会性は、歌詞に思想的なメッセージが込められているというだけではありません。発展途上国を支援する非営利団体の設立や、エイズ支援活動、貧困撲滅運動といったチャリティーへの参加など、社会貢献活動をかなり積極的に行っていることでも知られています。</p><p>このように事業で得た収益を社会に還元することで、ビジネスとしての正当性や、社会における存在意義を際立たせるマーケティング戦略は、コーズ・マーケティングと呼ばれており、多くの企業で試みられています。例えばP&amp;Gは「すべての人によりよい暮らしを」というミッションを掲げていますが、これは単に製品のコンセプトとなっているだけでなく、世界中での社会貢献活動の指針となっています。このことは企業活動の正当性を証明し、そのブランドに説得力と必然性を与えます。健康や子供の成長に悪影響を与えていると言われがちなマクドナルドは、病気の子供を支援するドナルド・マクドナルド・ハウスの運営や、食育支援などを行い、ネガティブなイメージを払しょくするような社会貢献活動を行っています。</p><p>こういった社会貢献活動を行う際に、それが自然な文脈で行われているということは非常に重要なポイントです。U2は、紛争地のアイルランド出身であるというバックボーンが、社会派バンドであることの強い説得力となっています。このことは企業活動にも当てはまります。滅私奉公的な社会貢献は持続的な活動になりませんが、あまりにも強くセールスがチラつくと、逆にブランドに傷をつける可能性もあります。コーズ・マーケティングに取り組む場合には、その必然性には十分に注意しなければならないことも、U2は暗に教えてくれています。</p><h2>ケース4：NIRVANAとポジショニング戦略</h2><p>91年のメジャーデビュー作『Nevermind』と大ヒット曲”Smells Like Teen Spirits”でロックのトレンドを塗り替え、「NIRVANA以降」「NIRVANA以前」などという言葉が普通に使われるほどに影響を与えたNIRVANA。1994年にカート・コバーンが自殺してその活動に終止符が打たれましたが、未だ伝説的なアーティストとして絶大な人気と影響力を誇っています。</p><p>彼らの音楽性は、PIXIES、MELVINS、SONIC YOUTHなど、当時アンダーグラウンドで活動していたオルタナティブ・ロックの影響下にあるもので、楽曲のキャッチーさなどで優れた面があったにせよ、驚くほど革新的なサウンドというわけではありませんでした。しかし、80年代を彩った華やかなロックに対し、NIRVANAのダークなロックは異質かつ新鮮なものとして映り、注目を浴びることになります。つまり、サウンドが革新的でなくとも、メインストリームに対してオルタナティブな位置にうまくポジショニングできたため、時代を変える音になりえたのです。</p><p>マーケティングを考える時、性能やデザイン以上に、どのカテゴリのどこにポジショニングするか、というのは非常に重要な視点です。例えば、ダイソンの「羽のない扇風機」は、ポジショニングの妙で売れたといっても過言ではありません。あの製品は、考えようによっては、単なる変わったデザインの高機能送風機であり、そもそも扇風機ではありません。しかし製品を「扇風機」カテゴリに投入し、「羽がない」というユニークな位置にポジショニングすることで、話題を集めることができました。</p><p>このようなポジショニング戦略を考える際、ただ単に奇をてらった位置にポジション取りをするのではなく、きちんとニーズが存在する場所を狙うことが求められます。「羽のない扇風機」は、環境に配慮しながらもデザイン性が高い家庭用の冷却器がほしい、という潜在ニーズにうまくはまり、ヒットしました。NIRVANAも、華やかで肥大化するロックに刺激を感じなくなったリスナーの潜在ニーズにうまくはまった結果と言われています（その背景には、湾岸戦争による暗いムードが影響を与えているという説もあります）。</p><p>ただ単に、天邪鬼なポジションを取ったサービスやアーティストの多くが、ヒットすることなく市場から姿を消していることを考えると、市場の空気を読むこのバランス感覚こそが、ポジショニング戦略の肝であるともいえます。</p><h2>ケース5：LINKIN PARKとフォロアー戦略</h2><p>LINKIN PARKが登場した2000年当時、KORNやRAGE AGAINST THE MACHINE、LIMP BIZKITらの成功によって雨後のタケノコのように登場したミクスチャーロックやニューメタルなどといわれるバンドたちが、ヒットチャートを席巻していました。そんな中、同じくニューメタル路線でデビューしたLINKIN PARKに対しては「またこの手のバンドか」というネガティブな声も少なくありませんでした。しかし現在、彼らは世界で圧倒的な人気を誇るビッグネームの地位を確立するまでになっています。</p><p>成熟しきっている市場にフォロアーとして参入しながら、なぜ彼らはこれほどの成功を収めることができたのでしょうか。それはなによりも、機能面で圧倒的優位に立っていたからでしょう。つまり、「良い曲を提供する」という当たり前のことを、うまくやってのけたということです。売れる（＝リスナーに喜ばれる）要素を盛り込んだ彼らのデビューアルバムは、隙のない完璧に機能的なアルバムでした。ニューメタルが成熟し、刺激を失って下降線を描き出したその瞬間、LINKIN PARKは圧倒的に高品質で、洗練させた作品を生み出すことで、その存在価値を輝かせることができたのです。</p><p>成長市場では、シェアが低くても利益を得ることができるため、フォロアーの戦略をとる企業は少なくありません。しかし、その中で成功を収め続け、フォロアーからマーケットリーダーに駆け上がれる企業はごくわずかです。その数少ない企業の一つは、グーグルでしょう。ITの巨人となったグーグルにはイノベーティブな印象があるかもしれませんが、実際の彼らはフォロアー戦略の達人です。彼らはイノベーターとして新しいサービスを投入することは実はあまりなく、むしろ、高度な技術力と洗練されたユーザ・インターフェースで先行者を圧倒し、殲滅するのを得意としています。</p><p>市場の寡占が進み、成熟しきってしまうと、フォロアーであり続けることは難しくなります。LINKIN PARKは、3rdアルバム『Minutes To Midnight』で音楽性を変えて、より一般的なロック市場にシフトしました。例えばSNS市場におけるフォロアーとして登場したフェイスブックも、アカデミック市場からスタートしつつ、拡大期には「いいね！」などの独自機能を搭載して、フォロアーからマーケットリーダーへと変貌していきました。このように、継続的に市場に残っていくためには、いずれはフォロアーからの脱却を求められることを、LINKIN PARKの成功からうかがい知ることができます。</p><h2>ケース6：BON JOVIとブランド・エクステンション</h2><p>BON JOVIといえば、80年代を代表するハードロックバンドというのが一般的な認識でしょう。事実、彼らの商業的なピークは80年代にあり、1986年のアルバム『Slippery When Wet』は世界で3,000万枚、1988年の『New Jersey』は世界で1,800万枚を売り上げています。</p><p>しかし、マーケティング的に注目したいのは、2007年にリリースされた『Lost Highway』というアルバムです。実はこの作品は、カントリー市場を狙って制作されたもので、戦略が功を奏した米国市場では一定の成果を上げ、『New Jersey』以来の全米チャートNo.1に輝きました。</p><p>既に成功しているブランドが別カテゴリに新規参入することは、ブランド・エクステンションと呼ばれ、よく行われる戦略の一つです。スポーツ専門用品からファッションブランドへ進出したリーバイスやナイキ、車メーカーとしての技術を転用したプジョーの自転車など、過去にブランド・エクステンションを行った企業は多く存在します。</p><p>このブランド・エクステンションには、メインカテゴリは保持したまま、サブカテゴリとして参入するケースと、メインカテゴリそのものを新カテゴリにスイッチしてしまうケースがあります。BON JOVIに関しては、次作で再びハードロック路線に舞い戻っていることから、結果的に前者、つまりハードロックというメインカテゴリは残したまま、『Lost Highway』という新製品で、カントリーというサブカテゴリを狙った構図になっています。</p><p>ブランド・エクステンションは、大きな成長が見込めなくなったブランドが行うことが多いですが、一方で拡張に失敗するケースも少なくありません。成功のポイントは、過去の資産をうまく使うことができるか、という点でしょう。BON JOVIには、過去に&#8221;Who Says You Can&#8217;t Go Home&#8221;という曲がカントリーチャートで1位になるという布石がありました。こういった資産を活かした上での変化であったため、成功に結び付けることができたのです。</p><p>同様にブランド・エクステンションを行う際には、過去のブランド資産の上手な活用が求められます。成長市場というだけで、資産を活かせないカテゴリに唐突にシフトしても、ブランドが失墜するだけである、ということを忘れてはいけません。</p><h2>ケース7：THE STROKESとリバイバル・マーケティング</h2><p>ニューヨークのアンダーグラウンド・シーンで活動をしていたTHE STROKESは、2001年リリースの『Is This It』が大ヒットし、一躍世界的なバンドに躍り出ました。彼らが有名になったのは、単に商業的に成功というだけでなく、ガレージロックをベースにした彼らの音楽性が、「ロックンロール・リバイバル」と呼ばれる新しいムーブメントを生み出したためです。THE STROKESがいなければ、THE HIVESがスウェーデンから世界的バンドになったり、THE LIBERTINESやARCTIC MONKEYSのようなバンドが英国から登場したりすることもなかったかもしれません。</p><p>ガレージロックとは、60年代にアメリカで勃興したロックの一ジャンルで、THE BEATLESやTHE ROLLING STONESの成功に触発されたセミプロの若者たちがガレージで演奏した荒っぽくプリミティブなロックがその始まりといわれています。こうしたガレージロックは世界中のアンダーグラウンドなロックシーンでは脈々と受け継がれつつも、商業的に大きく成功したことはそれまでにありませんでした。THE STROKESは、その過去の遺産を引っ張り出してきて、商業的な成功に結びつけたバンドと言えます。</p><p>市場が成熟し、新しい商品開発が難しくなると盛んになるのがこの手のリバイバルです。フルーツパンチなどの80年代の清涼飲料の再発売や復刻ビールなど、ここ数年様々な業界で乱立しているリバイバル商品は、その最たるものでしょう。また、古いCIに戻したJALの戦略も、リバイバル戦略の一つと言えるかもしれません。</p><p>このリバイバルにも、2つの種類があります。一つは、過去を忠実に再現し、旧来のファンの懐古心に訴えるタイプ。もう一つは、新しいファンに新鮮な驚きを与えるために、あえて古い意匠を利用して取り込むタイプです。例えば各カメラメーカーが発売している、最新のミラーレス一眼にあえてアナログカメラのようなデザインを施すのは、後者のタイプです。THE STROKESの場合も、ガレージロック風のテイストが、若いファンに新鮮な驚きを与えたという意味で、後者のタイプといえます。逆に過去に成功したバンドの再結成などは、前者のタイプといえるでしょう。</p><p>旧来のターゲットを狙うリバイバルでは、過去に獲得したファンという安全パイが存在する反面、市場としての広がりは弱く、瞬間風速的な盛り上がりになりがちです。一方、新規顧客を引き寄せるためのリバイバルでは、ターゲット層が異なるがゆえに、過去のどの部分を切り取り、どの部分をアップデートするかのバランス感覚が難しいといえます。リバイバルだからといって、過去の成功に安易に乗っかるのではなく、現在の市場を見極め続ける審美眼は、やはり持っておかなければいけない、ということになります。</p><h2>ケース8：KISSとキャラクタライズ</h2><p>KISSといえば、現在も絶大なる人気を誇る大物ロックバンドの一つです。アルバム・シングルの総売り上げは全世界で1億枚を超えているといわれています。</p><p>70年代のロックシーンは、本格的な多様化が始まった時代です。ブルースを強く打ち出したAEROSMITH、オペラチックな世界観と中性的なビジュアルが人気を博したQUEENなど、数多くの新しい才能が生まれる中、KISSはド派手なメイクでその個性をアピールしました。KISSのメイクは、ただ見た目を派手にしているだけではなく、メンバーそれぞれに細かい設定が施されています。つまりこれは単なるメイクではなく、彼らをキャラクターに仕立てあげ、KISSの世界観を増幅させる舞台装置でもあったのです。</p><p>ちなみに彼らは過去に、メイクを取って素顔で活動していた時期があります。しかし、徐々に人気は停滞していき、結局、1996年のオリジナルメンバーでの再結成とともに、メイクを復活。この時に世界規模で行われたリユニオンツアーは大成功を収めました。やはり、KISSといえばあのメイクということなのでしょう。</p><p>アフラックのアヒル、マクドナルドのドナルド、ソフトバンクの白い犬などの例を上げるまでもなく、キャラクタライズは、企業のマーケティングやブランディングに多く活用されています。近年各地で大流行しているご当地ゆるキャラも、キャラクタライズの一つといえるでしょう。サービスを一つのイメージに束ねにくいもの、特徴が複雑で説明が難しいものは、差別化を図る手段として、キャラクタライズも一つの選択肢になりえます。</p><p>ただし当然ながら、キャラクターの魅力は商品の魅力を体現していなければなりません。KISSも、ただメイクをして目立っていただけではなく、名曲、名盤と呼ばれる作品を次々とリリースし、大衆の心を掴んでいきました。彼らの楽曲は、それ単体でも成立するほど完成されており、彼らのビジュアルを伴わないCMや映画にも多く使われています。つまり、KISSという商品の核となる楽曲自体が、十分な魅力を備えたものでした。</p><p>キャラクタライズをマーケティングに取り込むためには、キャラクターに依存してしまうのではなく、商品やサービス自体の魅力がその核には必要であることを、KISSの成功から伺い知ることができます。</p><h2>ケース9：METALLICAとピボット</h2><p>METALLICAといえば、今ではすっかり世界的に有名なヘヴィメタルバンドになりましたが、彼らが登場した80年代の初頭には、時代を先取りした過激でヘヴィな作風故に「こんなのは音楽ではない」などと音楽誌に酷評されたこともありました。そんな彼らは当時一世を風靡していたMTVに頼らず、ライブとクチコミだけで知名度を上げていき、ついに1988年の『…And Justice For All』でビルボードチャートの6位まで上昇、”One”がグラミー賞を受賞しました。</p><p>しかし、彼らはこの後、さらなる大きな成功を体験します。キッカケとなったのが1991年にリリースされた『Metallica』、いわゆる「ブラックアルバム」です。ファストで大作志向だった彼らはここで方向性を一転、テンポが遅く、うねるようなグルーヴを効かせる作風に切り替えてきました。それまでのコアなファンからは批判も多かったこの変化ですが、結果的に世界中で2,000万枚以上の売り上げを記録し、90年代でもっとも売れたアルバムにまでなりました。また、この作風はモダン・ヘヴィネスと呼ばれる潮流を生み出し、PANTERAやMACHINE HEADのような新世代メタルバンドが商業的に成功を収める土壌を作り出したとも言われています。</p><p>IT系ベンチャーを中心に、数年前からピボットという言葉が浸透してきています。さらなる成功を求めて大きく方向転換を行うことですが、METALLICAのとったこの戦略もピボットの一つといえるでしょう。</p><p>ピボットの例でよく引き合いに出されるのがインスタグラムです。彼らは当初SNSでしたが、写真共有に特化して現在の地位を築きあげて大成功し、ご存じのように、フェイスブックに買収されるまでになりました。他にも、元々は出会い系サイトだったユーチューブ、凡庸なソーシャルサービスからクーポンサイトに変貌したグルーポンなど、ピボットのコストが比較的低いデジタル系のベンチャー企業を中心に、ピボットの成功事例が多数存在しています。</p><p>さて、一度目のピボットを大成功させたMETALLICAですが、その後、08年の『Death Magnetic』に至までピボットを繰り返し続け、結果、多くのファンが離れていってしまいました。ピボットをするには、「新たに獲得できる顧客＞失う既存顧客」という構図を実現できなければ、当然売上は下がり、ブランドは弱体化していきます。METALICAのキャリアからは、ピボットの成功例と失敗例の両方の結末を、垣間見ることができます。</p><h2>ケース10：OASIS、BLURと対立の構図</h2><p>90年代を代表するイギリスのロックバンドといえば、OASISとBLURを真っ先に思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。90年代中期のイギリスのロックシーンを席巻したいわゆるブリットポップ・ムーブメントは、OASISが”Roll With It”、BLURが”Country House”を同時リリースした1995年8月14日にその頂点を迎えます。彼らは音楽性、ルックス、出身階級とあらゆる面がメディアで対比され、さらにOASISのメンバーがBLURを罵って敵意をむき出しにすることでその対立構図に拍車がかかっていきました。これを彼らが狙ったことかはさておき、結果的にはこの対立が相乗効果を上げ、お互いのセールスをさらに押し上げていきました。</p><p>競争を避ける戦略というものがありますが、一方、競争を逆手に取り、対立の構図を際立たせることは、商品やサービスにストーリーを生み出し、顧客の注目を浴びる機会を生み出します。アップルとマイクロソフト、コカ・コーラとペプシ、キリンとアサヒ、ソニー（PS）と任天堂などなど、競争市場においては、プレスリリースやプロモーション戦略、トップメッセージなどで、競合とライバル関係であることをあえて強調し、注目度を上げることが歴史的にも多く行われてきました。特にマーケットリーダーに挑戦する新規参入者は、リーダーに対するライバルの位置を獲得するのが、最初の目標となることも多いでしょう。</p><p>こういった対立の構図は、成長市場においては活況を生み出して市場がさらに拡大し、双方が利益を得ていくことが可能になります。例えば、現在の日本国内におけるスマートフォン市場の活況は、アップルとグーグル、さらには通信大手三社（ドコモ、KDDI、ソフトバンク）の対立がさらなる注目を集め、相乗効果を生み出している面が少なからすあることでしょう。</p><p>ただし、市場が成熟すると、こういった対立が双方の脚を引っ張り、結果的に共倒れになるリスクが高まっていきます。専攻する地位を築いていたリーダーが、フォロアーに対するライバル意識をむき出しにすることで、逆にブランドイメージを貶めるリスクもあります。また、一方に弱いイメージが根付いていると、対立関係がうまく築けない場合もあります。</p><p>OASISとBLURにおいても、楽曲の質が明らかに劣るMENSWEARやNORTHAN UPROAR、あるいはキャラクターがまったく異なるPRIMAL SCREAMやRADIOHEADでは、この対立の構図は成り立たなかったでしょう。やはり、OASISとBLURでなければこの相乗効果は得られなかったといえます。このように、対立をマーケティング戦略にうまく組み込むには、実力が拮抗し、ライバルに相応しいと感じさせるイメージ作りが不可欠であることを、OASISとBLURは示唆してくれています。</p><h2>ケース11：MOGWAIとニッチャー戦略</h2><p>ブリットポップが終焉したのち、グラスゴーからひっそり登場したのが、MOGWAIです。今でこそ「MOGWAIタイプ」などといわれ世界中にフォロアーが存在するほどに浸透したインスト（歌がなくて演奏だけの音楽）の轟音ポストロックですが、彼らが登場した1990年後半のイギリスでは、MOGWAIは突然変異のような存在でした。</p><p>それ以前に商業的に成功したインストのロックといえば、ギタリストなどの卓越した演奏者によるテクニック志向の作品が、わずかに存在するのみでした。もちろん、90年代には既にシカゴやモントリオールを中心にした歌のないポストロックのムーブメントは存在しましたが、あくまで前衛音楽を好む愛好家の間での人気に留まっており、メジャーな世界での商業的な成功とは言い難いものだったと思います。そのような状況下では、MOGWAIのような非テクニック志向の抒情的なインストロックは、まさにニッチな音楽といえるものでした。しかし、MOGWAIはそのニッチな音楽性で、華やかなブリットポップに飽きた人々の潜在ニーズに訴えることに成功しました。</p><p>マーケットの中で競争の激しいメインストリームを避け、ニッチャーとして独自のポジションで存在するのも、マーケティング戦略の一環です。極めて細く痛みを感じにくい注射針で有名な岡野工業、メイク用の高級ブラシに特化している丹精堂、シートベルトの分野で世界的なシェアを誇るタカタなど、ニッチな分野で確固たる地位を築いている企業やブランドは驚くほど多く存在します。一般消費者にはあまり有名ではなくても、世界的には圧倒的なシェアを誇っていることも少なくありません。</p><p>ニッチャーの戦略は、競合が存在せず、ニーズが潜在化している市場をいかに見つけ出すかがポイントです。しかし一度成功し、ニーズが顕在化した段階では、先行者利益を活かして新規参入者といかに戦っていくか、という局面に移行します。MOGWAIがポジション取りをしているポストロックカテゴリーは、SIGUR ROSなどの成功で市場が拡大、MOGWAIタイプの轟音型ポストロック系のアーティストも、EXPLOSION IN THE SKYやGODSPEED YOU! BLACK EMPERORのカルト的な人気の高まりから、世界各国に増殖していきました。それに対してMOGWAIは、メロディやストリングスを大胆に導入したり、サウンドトラックのような領域に踏み出したりするなどして、ユニークな存在感を活かした活動を行い、現在においても確固たる地位を守り続けています。それは、この記事で取り上げた他のアーティストほどの巨大な商業的成功ではないですが、ニッチャーとしては十分すぎる成功です。</p><p>ニッチャーというと「戦わずに利を得る」戦略と考えられがちですが、企業やブランドが持続するためには、裏打ちする技術や知識、サービスの質の高さはもちろん、新規参入者を迎え撃つだけの優位性をどこまで築き上げることができるか、ということにも留意しなくてはならない戦略といえるでしょう。</p>]]></content:encoded>
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		<title>turntable.fmが再び日本で楽しめる日は来るか？</title>
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		<pubDate>Mon, 04 Jul 2011 02:17:36 +0000</pubDate>
		<dc:creator><![CDATA[枌谷 力]]></dc:creator>
				<category><![CDATA[Webサービス]]></category>
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		<description><![CDATA[久しぶりの大型Webサービスとして日本のWeb関係者や音楽関係者、音楽好きの間で一気に広まっていったturnt [&#8230;]]]></description>
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<p><img class="alignnone size-full wp-image-94" title="turntable" alt="" src="https://baigie.me/sogitani/wp-content/uploads/turntable.jpg" width="730" height="409" /></p>
<p>久しぶりの大型Webサービスとして日本のWeb関係者や音楽関係者、音楽好きの間で一気に広まっていったturntable.fmですが、やはりというか、6/25をもって日本からはサービス利用ができなくなってしまいました。このあたりについて思ったことを少し書き綴ってみようと思います。（著作権等に関することは素人なので、もし認識違いしている箇所があればご指摘ください）</p>
<h3>turntable.fmが日本で使える可能性</h3>
<p>turntable.fmを運営するCEOのBilly Chasenは「We are working very hard to try and get you in as soon as possible. 」と言っていますが、実際のところturntable.fmが正規の利用方法で日本から使えるようになる可能性は低いと思います。というのも、これは技術的な問題ではなく、著作権の問題だからです。</p>
<p>CDにおいては、日本のレコード会社が発売している一般に「日本盤」と呼ばれているCD以外に、海外から輸入している「輸入盤」を購入できるのは周知の事実でしょう。しかし、実はデジタルの世界では、正規音源は国境を越えられない、というのが原則です。例えばiTunesStoreは各国で展開していますが、音楽を購入できるのはその国のクレジットカードを持っていることが条件です。基本的に、日本国民が米国のiTMSで米国価格の安い音源を入手することができません。これはiTunesStoreに限らず、AmazonMP3をはじめとするオンラインの音楽ダウンロードすべてに共通する仕様です。ではyoutubeのオフィシャルチャンネルで聴く行為はどうなのか、Paypalで買えるサイトはどうなんだ、という議論はありますが、原則はそうなんだと思います。</p>
<p>今回のturntable.fmのサービスの肝になっている音源データは、MediaNetのサービスを使っています。ユニバーサルやソニー、ワーナー、EMIといった大手メジャーレーベルがコンテンツパートナーとしてなっており、それ故にユーザは膨大なライブラリの中からセレクトして自分の好きな音楽をかけることができました。しかし、こういったメジャーレーベルが関わっている以上、当然前述の「音楽のデジタルデータは国境を越えてはならない」という基本ルールが適応されるはずです。</p>
<p>turntable.fmが米国外からのアクセスを遮断するに至ったのも、この基本原則に従ってのことでしょう。そしてこの基本原則が変わらない限り、米国外からturntable.fmを利用できる日が来ることはありません。CDがかつて輸入盤が解禁になったように、国境を越えたデジタルデータのやり取りが解禁されるのを待つしかないのが実状です。</p>
<p>最近のクラウド化の流れを見ているとそれもそう遠くなさそうですが、やはりturntable.fmでもMediaNetでもないもっと大きな力を持った誰かが基本ルールを変えてくれるしかない、という極めて他力本願の待ち状態であることには変わりはありません。</p>
<h3>turntable.fm的なものを日本国内で立ち上げるには</h3>
<p>有力サービスの利用停止という事態は、ユーザやファンにとっては悲しむべき出来事ですが、Webサービスで成功しようと虎視眈々と目を光らせているベンチャーにとっては大きなチャンスでもあります。では、例えばかつてorkutにインスパイアされて日本独自のSNSとしてmixiが立ち上がったように、turntable.fmを参考に、より日本国内の実態と著作権の特性に合わせた日本独自の類似サービスを立ち上げることは可能でしょうか？</p>
<p>技術的にはまったく問題ありません。2～3名の優秀なUIデザイナーとエンジニアが集中して開発すれば、ものの1～2ヶ月で立ち上げることが可能でしょう。</p>
<p>しかし、やはりここでも著作権の問題が絡んできます。まず、日本には、有料/無料を問わず、MediaNetのように、オンライン上で自由に音楽を再生することを許しているサービスが存在しません。となると、ユーザのアップロードを前提にしたものにするか、youtubeなどのAPIを使ったものしか選択肢はなくなります。しかし前者は確実に違法になるでしょうし、後者は扱える曲がかなり限られてくる上に、音質などのクオリティ面でのバラつきも出てきます。法律的にもややグレーです。</p>
<p>そうなると、やはりオンラインで音楽を楽しむサービスを、どこかの企業なり団体なりが整備してくれるのを待つしかありません。これは一ベンチャーができるものではなく、業界団体や著作権団体を巻き込み、さらにも法律自体も変えるなど、かなり大がかりなものとなるはずです。</p>
<p>急速に進むクラウド化の環境と行き詰まりを見せる著作権ビジネスの現状を考えると、こういった動きが活発になるのは期待できます。実際、JRCがUstream上での二次使用を許した例やニコニコ動画内での楽曲利用が許可された例もありますし、私が知らないだけで既に大きなプロジェクトが動いているのかもしれません。ただ、それが外部で流用可能なサービスとして実現するのはもう少し先で、それは海外のクラウドサービスが上陸してくるのとどちらが早いか、となると判断が難しいところです。もしかしたら、Googleあたりが著作権の壁を無視して、有無を言わせないぐらいにシェアを広げてクラウドの自由利用を既定路線にしてしまう方が早いかもしれません。</p>
<p>しかし、現時点での結論としては、著作権が絡む以上、SNSの時のように国内独自サービスをすぐに立ち上げることは難しく、前章のturntable.fmが日本で使えるようになるか、という問題と同じく、著作権を解消したクラウドサービスの整備待ち、という状況です。</p>
<p>ただ、turntable.fmが著作権の壁にぶち当たり日本を席巻することは当面ないことを考えると、国内の状況を逐一観察し、サービスの実現が可能になった段階で速攻リリース、国内のシェアを一気に獲得、そこからアジアなどのグローバルに進出、という戦略を取れる可能性はあります。体力のないベンチャーは、ここに望みをかけるという手はあるでしょう。</p>
<h3>turntable.fm的なものを日本国内で立ち上げたときのマネタイズ方法</h3>
<p>turntable.fmは無料サービスだったことも、ユーザとしてはインパクトが大きかったと思います。MediaNetが有料サービスであったことを考えると、おそらく当面の使用料はサービス提供者が支払い、ユーザをある程度獲得できた段階で広告モデルなどを投入してマネタイズする、という方法なのでしょう。</p>
<p>しかし、著作権料がもう少し高い日本でこれをやるには、ややリスキーな気がします。ベンチャーキャピタルから支援を受けた企業なら可能性はありますが、経営体力のない中小のベンチャーが趣味の延長で手を出すと痛い目を見るでしょう。</p>
<p>ただ、私個人としては、turntable.fm的なサイトを日本でやるのであれば、ユーザ課金型のサービスでいいんじゃないかな、とも思っています。</p>
<p>turntable.fmは音楽の楽しみ方を一変するかのような論調もありましたが、特にDJとなって音楽をかけたいと思うユーザに限ると、かなり深く音楽を聴いているニッチ・ユーザです。実際turntable.fmも、話題となった一週間くらいは物珍しさで参加した日本人ユーザが多かったですが、一週間もするとコアな音楽ファンだけがDJブースに残っていたように思います。</p>
<p>こういうコアな音楽ファンは、自分の好きな音楽を人に聴かせること自体に喜びを感じています。なので、サービスが無料である必然性はあまりなく、それほど高額でなければ有料でも積極的に利用すると考えられます。そこで、DJをするユーザに課金し（1曲10円とか？）、それを聴くユーザは無料、それで足りない分は広告モデルや音楽の販促と絡めた企画コンテンツのスポンサー収入で補う、というスタイルがいいんじゃないかな、となどと思います。実際のマネタイズ計画はこんなに簡単に考えるものではないのでしょうが、フリーであることにあまりこだわる必要はないかな、というのが私の見方です。</p>
<p>いずれにしろ、私個人としては、どこかの誰かが著作権の仕組みを整備し、一日でも早く、turntable.fm、もしくはそれに類するサービスが日本で立ち上がってくれることを願っています。いや、うちの会社でやるという手もありますが、それはおいおい考えていきましょう。</p>
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