<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?><rss version="2.0"
	xmlns:content="http://purl.org/rss/1.0/modules/content/"
	xmlns:wfw="http://wellformedweb.org/CommentAPI/"
	xmlns:dc="http://purl.org/dc/elements/1.1/"
	xmlns:atom="http://www.w3.org/2005/Atom"
	xmlns:sy="http://purl.org/rss/1.0/modules/syndication/"
	xmlns:slash="http://purl.org/rss/1.0/modules/slash/"
	>

<channel>
	<title>ベイジの社長ブログ &#187; 仕事</title>
	<atom:link href="https://baigie.me/sogitani/category/work/feed/" rel="self" type="application/rss+xml" />
	<link>https://baigie.me/sogitani</link>
	<description>マーケティング、デザイン、キャリア</description>
	<lastBuildDate>Tue, 24 Sep 2019 11:38:02 +0000</lastBuildDate>
	<language>ja</language>
	<sy:updatePeriod>hourly</sy:updatePeriod>
	<sy:updateFrequency>1</sy:updateFrequency>
	<generator>https://wordpress.org/?v=4.1.41</generator>
	<item>
		<title>今年の抱負（ベイジの戦略&amp;戦術メモ2019）</title>
		<link>https://baigie.me/sogitani/2019/01/2019/</link>
		<comments>https://baigie.me/sogitani/2019/01/2019/#comments</comments>
		<pubDate>Mon, 21 Jan 2019 22:54:18 +0000</pubDate>
		<dc:creator><![CDATA[枌谷 力]]></dc:creator>
				<category><![CDATA[お知らせ]]></category>
		<category><![CDATA[仕事]]></category>

		<guid isPermaLink="false">https://baigie.me/sogitani/?p=4117</guid>
		<description><![CDATA[ご挨拶が少々遅れましたが、新年明けましておめでとうございます。ベイジは2019年1月6日に創業丸9年を迎え、1 [&#8230;]]]></description>
				<content:encoded><![CDATA[<p>ご挨拶が少々遅れましたが、新年明けましておめでとうございます。ベイジは2019年1月6日に創業丸9年を迎え、10年目に突入しました。そんなベイジを2019年もどうぞよろしくお願いします。</p><p>さて、私たちの昨年のテーマは「足場固め」でした。続く今年のテーマは「挑戦」です。といっても、現場が混乱し社員が不安に思うほどの大胆な変化をするつもりはありません。少し背伸びをするような、「実現可能性のある挑戦」に取り組んでいきたいと考えています。</p><p>本エントリーは、年初に行った社員向け説明会の内容を文字起こししたものです。しかし、同じ中小企業や受託ビジネスを営む企業の参考になるかもしれないため、今年もその内容を公開します。テーマは以下の7つです。</p><ol><li><a href="#01">マーケティング</a></li><li><a href="#02">セールス</a></li><li><a href="#03">広報</a></li><li><a href="#04">サービス</a></li><li><a href="#05">採用</a></li><li><a href="#06">労働環境・人事制度</a></li><li><a href="#07">新規事業</a></li></ol><h2 id="01">1. マーケティング</h2><p>ベイジの「お問い合わせ（新規案件の打診や見積もり依頼）」は、セールス等を除くと、2017年は408件ありましたが、2018年は175件に減少しました。原因はお問い合わせに予算制限を加えたためです。2018年終了時点では、予算500万円未満のお客様はお問い合わせできないようになりました。</p><p>なお、予算500万円以上のお問い合わせに限定すれば、2017年は36件、2018年は82件と、倍以上に増加しており、お問い合わせの総数は減ったものの、事業としては成長軌道に乗っていると考えています。</p><p>ちなみに「会社案内ダウンロード」は、2017年は454件で2018年は561件でした。「会社案内ダウンロード」には同業他社やリクルート目的も含むため、全てがリードではありませんが、ベイジに関心を持つ人は増え続けていると捉えています。</p><p>お問い合わせに戻すと、お問い合わせからセールスに移行した商談数/率でいえば、2017年は47件/ 12%、2018年は25件/14％。商談からの受注率は2017年が25%、2018年が56%となっています。</p><p>商談数が減り、受注率が上がったのは、商談化の条件をより厳しくし、インサイドセールスをより緻密に行ったためです。結果的に会社の売上は20%上昇したため、全体としては良い方向に向かったと捉えています。</p><p>このような結果を受けての2019年ですが、今の社内体制のままでは飛躍的な改善がしにくいと考えています。</p><p>175件のリードに対して150件が商談化しなかったのは、私たちにそれを受け入れる体制がなかったからです。私たちのような労働集約型ビジネスでは、いくらリード数を増やし、商談化率や受注率を引き上げても、それに対応できる人が増えなければ、売上に反映されません。つまり、ベイジにとっての2019年の最優先マーケティング施策は「採用」なのです。</p><p>といいながらも、2019年を無策で過ごすわけではありません。自社サイトは未だ強力なリード・ジェネレーション・マシーンですが、綻びも目立ってきました。私たちのサービス提供の仕方も変わり、それと同時にGoogleのアルゴリズムも変わってきていることもあって、自社サイトの改善に力を入れていきたく思います。現在検討中ですが、BtoBに特化する可能性もあります。</p><p>ベイジは自社のマーケティングの中で学んだことをサービス提供している面もあるため、今年も積極的に、自社のマーケティングには取り組んでいきたいと考えています。</p><h3>主な取り組み</h3><ul><li>コーポレートサイト改善</li><li>ホワイトペーパーの充実</li><li>自社セミナー開催</li><li>自社マーケティングツール開発</li></ul><h2 id="02">2. セールス</h2><p>セールス活動は2017年までは私がほぼ一人で行っていましたが、2018年からはディレクター3名が新たに加え、チームで行うことにしました。</p><p>ベイジには専任の営業担当がおらず、兼務です。それゆえに、営業生産性の高さがこれまで以上に大事なテーマとなりました。そのために行ったのは、とても当たり前のことで、ようするにノウハウの言語化と共有です。</p><p>私たちのインサイドセールスはほぼメールで行っているのですが、条件別に複数の定型文を用意し、個別の対応方針をチャットでも逐一共有しながら、誰でも受注確度の高い商談に繋げられるようにしました。その後のセールスについても必要な資料を整備し、事前レクチャーを行いました。また訪問は私との2名体制で行い、訪問直後に必ずフィードバックするようにしました。</p><p>現在の私たちは、コンペはすべて辞退する方針を打ち出しています。「社内規定でコンペは避けられない」という企業は、インサイドセールスの段階で辞退させていただいています。しかし裏を返せば、商談化まで行った案件はすべてコンペなし案件です。コンペがなくなると、セールスの難易度は飛躍的に下がります。一度面談をし、あとは定型資料と見積書を提出するだけでよくなるからです。</p><p>実のところ、セールスの教育や体制作りは、当初の想定ほどには実施できませんでした。セールス関連の資料ももっと充実させたかったのですが、手を付けられませんでした。それでも、私が関わらず受注できる案件も増え、商談化してからの受注率は56%に急上昇しました。不完全ではありますが、営業改革の一定の成果は出せたように思います。</p><p>余談ですが、ディレクターをセールスに巻き込んだのは、実務への好影響があると考えたからです。受注案件のディレクションだけをやっていると、年間に関わる企業は多くても一人5～6件です。しかしセールスに関わると、年に20～30件の企業の話を聴くことになります。どれも企業のリアルな内情の吐露で、ネットでも本でも得られない貴重な話です。</p><p>また、私たちのセールスは提案型なので、セールスの現場で課題の本質を掴み、「どうすればいいか」という端的な提案を、その場で繰り出していきます。このスキルは実は、セールスに限ったものではありません。ベイジのディレクターは皆コンサルタント的な性質を帯びており、セールスで培った力が、日々の業務に好影響を与えるのは明白です。ディレクターがセールスに関わると、このような波及効果が得られると考えました。</p><p>それはさておき、2019年のセールスは、2018年にやり残したことを目標として、引き続き取り込んでいこうと考えています。</p><h3>主な取り組み</h3><ul><li>セールス関連資料の整備</li><li>セールスOJTの継続</li><li>ディレクター以外の同行</li><li>インサイドセールスの洗練化</li><li>Salesforceの活用</li></ul><h2 id="03">3. 広報</h2><p>2018年は、社外への露出をさらに強化した一年でした。CSS NiteやAdobe Max Japanを始めとするイベント登壇や取材、寄稿の依頼はほぼ断らずに受けていました。SNSも積極的に行い、特にTwitterを活発に行った1年でした。ちなみにTwitterのフォロワー数は現在18,000ほどで、1年間で13,000ほど増えました。</p><p>一方、ブログの更新は2記事に留まりました。よりカジュアルに更新できるnoteとの住み分けで、より厳選した記事を載せようという意識が働き、投稿数は減りました。また、「スタッフの名前を外に出す」という方針の中核的な活動である「日報サイト」は、運営体制ができ、安定して更新できていましたが、全体的にルーチン感が出てしまい、目的を見失っていたようにも思います。</p><p>このようにうまく行ったこととうまく行かなかったことに分かれた2018年の広報ですが、続く2019年は大きなテーマとして、エンジニアの露出を掲げたいと考えています。</p><p>ベイジには、マーケティングやデザインの印象はあっても、エンジニアの印象は薄いのではないでしょうか。しかし実際には、社員の3分の1がエンジニアです。エンジニアは比較的若いですが、優秀なスタッフが揃い、日々積極的に新しい技術にも取り組んでいます。外部講師を招いた勉強会も行われ、自主的な勉強会も週次で開催され、未経験でもオンボードできる体制が整っています。</p><p>ベイジでは、「フロントエンドエンジニア」という肩書を廃止し「エンジニア」の呼び名に統一しました。これは、エンジニアならばフロントもサーバもなく取り組むべき、という考えがあるためです。ベイジのエンジニアは整備されたワークフローの中で働いているため、過酷なスケジュールで仕事をすることもありません。デザイナーとは完全に対等で、双方が意見できる社風もできています。エンジニアからは他社と比べてかなり働きやすい環境であるという話も聞いています。</p><p>それにも関わらずベイジにエンジニアの印象がないのは、外部への露出がまったくないからです。どんなに社内で真面目に仕事をしていても、外に発信しなければ、当然の印象に残ることもありません。その流れを変えるべく、今年はベイジのブランドに「エンジニア」を組み込み、技術も強い会社という印象を形成したいと考えています。そのために、新たにスタッフブログを新設しようと考えています。</p><p>企業ブログは手垢のついた手段ですが、SNSでシェアされやすい質の高い記事を作るサポートを行いながら、エンジニアをはじめスタッフが社外に露出する機会を作りたいと考えています。</p><p>これに限らず、登壇や取材も私以外のスタッフの露出が増えるようにしていきたいです。個人のSNSやブログであっても、希望する場合には、情報発信のノウハウやサポートも積極的に行っていこうと考えています。</p><p>またそれ以外に、今年は社長ブログをもう少し更新していきたいと思います。ネタは色々溜まっているので、6本くらいは公開していきたいです。その合間に、noteの方も10本くらいは更新していきたいです。</p><p>今年は「今まで以上にベイジをよく見かける」と言ってもらえる年にしていきたいです。</p><h3>主な取り組み</h3><ul><li>スタッフブログ開設</li><li>日報サイトの運営方針変更</li><li>自社イベントの開催</li><li>SNS活用</li><li>広報ライターの採用</li></ul><h2 id="04">4. サービス</h2><p>2018年に力を入れて取り組んだのはワークフローの改善でした。2017年には既に旧ワークフローの問題が顕在化していたため、2017年末には改善チームを作り、職能別にグループディスカッションを行い、問題の洗い出しと具体的な案出しを行い、ワークフローやドキュメントに反映していきました。内容の詳細は、社長ブログにも掲載しています。</p><p><a title="ベイジのweb制作ワークフロー2018（140のタスクと解説）" href="https://baigie.me/sogitani/2018/08/baigie-workflow/" target="_blank">ベイジのweb制作ワークフロー2018（140のタスクと解説）</a></p><p>タスクを約140に分解し、トラブルが起きやすい箇所のタスクの細分化と、非属人化/定型化を進めました。現在集計中ですが、一つ一つを丁寧に実施するようにしたため、プロジェクト全体の工数は増えましたが、サービスの質は向上した実感を得ています。</p><p>私は取材等で、「1年に1回くらいうまくいかないプロジェクトが出てくる」という話をします。これは、私たちの仕事の成否は、顧客との関係性構築力に依存しています。ただしそれは曖昧な能力のため、一定の確率で失敗することがある、ということです。</p><p>しかしながら実は、2018年は「うまくいかないプロジェクト」が発生しませんでした。理由は一つではないでしょうが、洗練化させたワークフローが影響したことは間違いありません。</p><p>このように2018年の取り組みが成果を上げる中で、次の課題も見えてきました。</p><p>ベイジのサービス上の大きな課題は、依頼が多すぎるためにキックオフまで2か月以上待たせてしまうことです。その条件を飲んだ上で「それでもベイジに依頼したい」と発注いただけるので、収益面で大きな問題が発生しているわけではありません。</p><p>ただ、発注を決めてから2か月待たせ、さらに戦略フェーズで2か月費やし、結局プロトタイプに着手するのは発注の意思決定から4か月後、というのはスピードに欠けすぎるのでは、と思うわけです。</p><p>これを解決するため、昨年からデザイン思考等で用いられる手法等を戦略フェーズの中で積極的に取り込み、前半を顧客主導の調査や現状整理、後半を我々主導の専門的な調査と戦略提案で構成する進め方を模索していました。うまく実践すれば、発注からプロトタイプ着手までを最大2か月短縮できそうな感触を得ています。</p><p>デザイン思考には批判的な見解もありますが、基本的には手段であり、使い方次第だと思います。マーケティングと営業で認識共有する、プロトタイプベースでマーケティングを再考するなど、サービスデザインやプロダクトデザインに留まらず、応用範囲は無限にあると考えています。流動的な市場環境に柔軟に対応することを求められる「創発型戦略」を必要としている企業には特に有効な手段だと考えています。こういった手法やノウハウを活用して、サービスの提供スピードをもう少し上げていきたいと考えています。</p><p>もう一つ2018年にやり残したことが、業務用システムのUX/UIです。戦略の変更を行ったため、2018年は活動がやや停滞しましたが、2019年は再び加速させたいと考えています。具体的には、業務システムのUX/UIのサービス体系を一新する予定です。また、いわゆる業務システムとSaaSとではサービス体系を変えて、それぞれに最適化したサービスの打ち出し方をしていこうと考えています。</p><p>またこれ以外に「小さなコンサルティングサービス」の提供も検討中です。予算と納期が合わなくても、せめて私たちの知見を短時間＆少額で提供できないかと考えたサービスです。例えば1時間＝5万円くらいの価格設定で、企業に出向いて相談に乗るようなサービスです。</p><p>このような大小さまざまなサービス改善を今年も実施しながら、ベイジの強みをより磨き込んでいきたいと思っています。</p><h3>主な取り組み</h3><ul><li>戦略フェーズの再編成（デザイン思考の積極活用）</li><li>業務システムUX/UIのサービス体系の見直し</li><li>小さなコンサルティングサービスの開始</li><li>ワークフロー改善の継続</li><li>ドキュメントの刷新</li><li>プロジェクトマネジメントの啓蒙</li></ul><h2 id="05">5. 採用</h2><p>2018年の採用活動は停滞していました。オフィスが手狭になって空いている席がなくなったためです。しかしながら良いタイミングで同じビルに空きができたので、9月にはオフィスを増床しました。マーケティングで言及したように今一番の課題は採用です。そのため今年は採用活動をこれまでになく積極的に行って行きたいです。</p><p>実は今のベイジは、転職サイトや転職エージェント経由で採用したスタッフが2名しかいません。後は皆、自社の採用サイトからのエントリー、もしくはSNSでのコンタクトです。このような、いわゆる「インバウンドリクルーティング」の方が相性が良く、そこからジョインしてくれたスタッフも長く定着する傾向もあります。そのため当然、今年重点的に取り組む採用施策もまた、インバウンドリクルーティングの強化になります。</p><p>まず着手しているのが採用サイトの更新です。年末にはコンテンツを、現状のベイジに合ったものにコンテンツをすべて書き換えて、さらには「ベイジの失敗談」といったような新規コンテンツも追加しました。</p><p><a title="採用サイト｜株式会社ベイジ" href="https://baigie.me/job/" target="_blank">採用サイト｜株式会社ベイジ</a></p><p>先日は新オフィスでの撮影も完了し、近々写真もアップデートする予定です。また、求職者の方には是非読んでほしい社内向けスライドがいくつか存在するのでので、これらも公開して、採用サイトに張り付けようと考えています。このように、とにかくベイジのことをよりよく知ってもらうための情報発信を強化していきます。「15人の会社でこんなに情報発信しているのスゴイ」「制作会社の採用サイトでは一番情報が豊富」と言ってもらえるような採用サイトに仕上げていきたいです。</p><p>また、これまでやったことがないまったく新しい取り組みとして、自社開催の採用イベントを考えています。既にエントリー用のページは完成していて、あとは告知を待つだけです。第一回は2月末には開催する予定です。</p><p>もちろん、採用サイトや採用イベントに絡んで、SNSやオウンドメディアも積極的に活用していきます。</p><p>現在、自社採用サイトからのエントリーは月2～3件くらいあります。2019年は積極的な採用活動により、月5～6件くらいに増やしたいと思っています。そして今年だけで3～4人を新たに採用したいです。</p><p>ただこのような目標をひとまず掲げながらも、この目標達成に固執するつもりはありません。目標人数の達成を最優先し、その結果ミスマッチな人材を採用し、現場が混乱し、現場の不満が高まり、退職者も出てくる、という会社をこれまで多く見てきました。それと同じ轍を踏む気はありません。</p><p>よい人と出会えれば採用するが、出会えなかったら無理はしない。会社が本来やりたいことの優先順位を間違えず、焦り過ぎず、よい意味でマイペースを維持したまま、採用活動を積極的に展開します。</p><h3>主な取り組み</h3><ul><li>インバウンド採用の積極化</li><li>採用サイトの改修</li><li>自社採用イベントの開催</li><li>採用プロセスの刷新</li><li>外部交流会への積極参加</li><li>Twitterの有効活用</li><li>採用向け情報発信の継続</li></ul><h2 id="06">6. 労働環境・制度</h2><p>労働時間の短縮、勉強会や交流会の実施など、細かな施策を単発的に行った2018年と異なり、2019年は「自然に学習する組織」という明確なテーマを掲げて活動したいと考えています。それを実現するサブテーマが、①学習機会の創出、②ナレッジの共有、③評価制度の見直し、の3つです。</p><p>学習機会の創出に関しては従来から力を入れてきました。しかし、業務外の学習機会を増やすほど、業務時間の圧迫、労働時間の長期化に繋がります。より大事なのは「自然に学習する機会を創出すること」です。つまり、労働時間を増やさず、業務パフォーマンスを落とさず、でもベイジで働いていると、他の会社にいるより自然と学習して成長できる、という環境を作ることです。</p><p>その中核的な取り組みになるのが、前述の広報施策で紹介したスタッフブログです。これは広報目的だけでなく、社員のスキルアップ目的の活動としても考えています。しかし問題は無理のない活動にすることです。単に記事をアップするだけのブログにするのではなく、無理のない運用習慣から、スタッフが自然に学習できる習慣を身に付けるキッカケにしたいと考えています。</p><p>二つ目のナレッジ共有は、要するにスキルの言語化です。既に、未経験者を即戦力にするための『デザインドリル』の編纂が走っています。webデザイン/UIデザインに必要な基本的な知識と実践問題をセットにしたこのドリルによって、効果的な実務未経験者の採用とオンボーディングを実現しようと考えています。</p><p>また、「デザインポリシー」「コーディングポリシー」といったドキュメント制作も考えています。日々学んだことを更新し、知識を言語化し、再利用可能な状態にし、社内のスタッフ間の知識・ノウハウをできるだけ底上げしていく取り組みです。</p><p>最後の評価制度の見直しについて、ベイジはかつて、スキルをハードスキルとソフトスキルに分類し、約100項目の評価指標を定めたスコアリングと、年初に設定した目標の達成率で評価することを行っていました。これは私がかつて所属していた会社で実施していた方法をアレンジしたものです。</p><p>しかしこのような評価方法はカタチだけの評価になりがちで、本質的な成長に繋がらないと感じました。成長に繋がらないのに、年末年始の忙しいときに手間がかかる評価システムを社員に強いるのは、利口なやり方ではありません。</p><p>そこでやり方を改め、A3用紙1枚にまとめた『評価基準シート』を元にした面談中心の評価方法に変えました。大事なのは、主観を排除して客観的になることではなく、お互いの課題を共有すること、それから待遇や給与に関して納得感を得ることです。そもそも人事評価から主観を排除することは難しく、どんなに指標を細分化しても、最終的には主観的評価が入り込むものです。それをできるだけ客観的にする努力は無駄であり、むしろ主観であることを前提に、お互いが対話し、納得できる場を提供することの方が有益と考えました。</p><p>このシンプルな評価システム自体は、個人的にはとても気に入っています。海外企業でもスコアリング型の評価システムを止めてコミュニケーションの機会を増やす企業も増えているという話も聴き、方針として間違っていないと思っています。</p><p>ただ人数も増え、このような評価を、私と社員との関係だけで行うのも難しくもなってきました。私が実務をあまり見れていない社員も増えてきました。そのため、面談型の評価システムを全社員に展開し、複数社員で評価しあう多面評価（360度評価）へのアップデートを考えています。これを実現するためには、『評価基準シート』をもう少し精緻に仕上げる必要があり、それにまず取り組んでいます。</p><p>ご紹介したものは代表的なものですが、これ以外にも、学習機会の創出・ナレッジの共有・評価制度の見直しに繋がることは随時行っていき、2019年の終わりには「自然に学習する組織」により一層近付きたいです。</p><h3>主な取り組み</h3><ul><li>スタッフブログの開設</li><li>デザインドリルの作成</li><li>デザインポリシーの作成</li><li>エンジニアポリシーの作成</li><li>評価制度の見直し</li></ul><h2 id="07">7. 新規事業</h2><p>私は創業当時から「自社サービスをやる」という話を色々なところでしていました。実際、2008年から2012年ごろまでは断続的にそれにトライしていました。しかしなにしろリソースが不足しがちな社内状況で、受託ビジネスと並行で自社サービスを立ち上げるのは現実的でないと判断し、しばらくは受託に集中し、自社サービスを模索する活動は止めていました。</p><p>しかし社員数も15人近くになり、安定して仕事を獲得できるようになってきました。クライアントワークから様々な企業の経営やマーケティングの現状を知り、事業の立ち上げ方や戦い方も学習しました。既に以前のベイジとは知見も実行力も変わっていると考え、自社サービスの取り組み復活を決心しました。</p><p>既に昨年の秋にはキックオフを行っており、2度のワークショップを開催しました。ただ、市場調査を進める中で当初考えていたプロダクトは新規参入が難しいと判断し、次に作りたい別プロダクトに取り掛かることにしました。このような判断ができるようになったのも、クライアントワークで様々な企業を見てきた賜物だと思っています。</p><p>今年に入り既に一度インプットのためのミーティングを行いました。次回アイデア発想のワークショップを開催します。開発規模がまだ見えないのでスケジュールは未定ですが、今年中にはローンチにこぎつけたいです。</p><h2 id="08">まとめ</h2><p>大小様々な新しい取り組みをしながら、今年もベイジなりに進化をしていければと思っています。ここであげた計画に固執するつもりはなく、より良いアイデアが生まれたらどんどん積極的に検討していきたいと思っています。</p><p>今年も株式会社ベイジをよろしくお願いします。</p>]]></content:encoded>
			<wfw:commentRss>https://baigie.me/sogitani/2019/01/2019/feed/</wfw:commentRss>
		<slash:comments>0</slash:comments>
		</item>
		<item>
		<title>デザイナーと働くなら知っておきたい4タイプのデザイナー像</title>
		<link>https://baigie.me/sogitani/2017/11/4type-designers/</link>
		<comments>https://baigie.me/sogitani/2017/11/4type-designers/#comments</comments>
		<pubDate>Tue, 28 Nov 2017 07:56:53 +0000</pubDate>
		<dc:creator><![CDATA[枌谷 力]]></dc:creator>
				<category><![CDATA[Webデザイン]]></category>
		<category><![CDATA[仕事]]></category>

		<guid isPermaLink="false">https://baigie.me/sogitani/?p=3956</guid>
		<description><![CDATA[世間一般ではデザイナーは一括りに語られがちですが、デザイナーも千差万別、一人一人に個性があり、異なる価値観を持 [&#8230;]]]></description>
				<content:encoded><![CDATA[<p>世間一般ではデザイナーは一括りに語られがちですが、デザイナーも千差万別、一人一人に個性があり、異なる価値観を持っています。この多種多様なデザイナーを一種類にまとめて扱うことは、デザイナーとのミスマッチに繋がり、デザイナーを擁する組織のマネジメントにとって、深刻な問題を引き起こすこともあります。</p><p>自分自身は経営者兼デザイナーとして仕事をし、今まで多くのデザイナーを見てきました。その私の経験則でいえば、デザイナーは大きく4つのタイプに分類できると考えています。例えば採用面接などで新たにデザイナーと出会った際には、まずはこの4タイプを手がかりにして、その方の理解を深めていったりします。</p><p>私が考えるデザイナーの4つのタイプとは、縦軸に「挑戦的」「保守的」、横軸に「感覚的」「論理的」を置いた4象限で表現できます。以下がその図です。</p><p><img src="https://baigie.me/sogitani/wp-content/uploads/management01.png" alt="4種類のデザイナー像" width="800" height="543" /></p><p>ここからは、理想実現型、成果追求型、共同作業型、実務遂行型の順に、それぞれのデザイナーの典型的な特徴について、もう少し詳しい解説を行っていきます。</p><h2><img src="https://baigie.me/sogitani/wp-content/uploads/management02.png" alt="理想実現型" width="800" height="543" /></h2><p>自らが考えるデザインの理想を実直に追求するタイプのデザイナーです。</p><p>言語化できない感覚的・エモーショナルな領域を大切にします。デザイントレンドにも敏感です。「ダサい」ことを極端に嫌います。口癖は「本当にいいものが作りたい」です。ただし「いいもの」の定義は曖昧で、多くの場合は「自分がいいと思うか」に帰結します。ビジュアルに寄ったデザインを特に好む傾向があり、未熟なデザイナーはUXやユーザビリティやコンテンツよりビジュアルの印象を優先する傾向があります。</p><p>仕事のモチベーションは高く、非常に勉強熱心です。自分がいいと思うものを作るためなら時間を惜しみません。ディテールが好きで、普通の人が気づかない細部にも心血を注ぎ込みます。デザインのあるべき姿について語りだすと止まりません。勉強熱心なので基本的にはとても優秀です。あるいは優秀に育ちます。</p><p>ただし自我、あるいは承認欲求が強い部分がマイナスに働く場合もあります。ビジネス上の要求と承認欲求が対立する場合、理由を付けて後者を優先させる傾向があります。自らの美意識にそぐわない仕事が続くと会社を辞めてしまいます。給与や待遇、福利厚生、最新のマネジメント、売上や生産性は、モチベーションの源泉にはなりません。経営やビジネスサイドの理屈は頭で理解できても、それだけでは気持ちが付いていきません。近年のUXデザインの潮流に対して、その基本的な考え方に理解を示しつつも、手を動かすことができない人たちが「デザイナー」と名乗っていることを歯痒くも思っています。</p><p>新しいことに挑戦し、創造性を発揮する仕事を好みます。半面、ルーチン作業や事務処理が苦手です。仕様書や原稿をなぞるような仕事をさせるとミスを連発する傾向があります。バナーやLP制作の仕事ばかりになると会社を辞めたくなります。</p><p>結局は自分の感性を優先させるため、筋の通った言語化はやや苦手です。自分のアイデアや好みが採用されるための都合のいい理由付けをしてしまう傾向があります。ビジネスに貢献したいという気持ちはウソではありませんが、業界内の尊敬する先輩デザイナーたちから「すごいね！」「いい仕事してるね！」と評価されること方が嬉しかったりします。コンバージョン率が2倍になることより、デザイン賞を獲得することの方に喜びを感じます。オールドスクールなデザイナー像に近く、美大や美術系専門学校からデザイナーになる人に比較的多いタイプともいえます。</p><h2><img src="https://baigie.me/sogitani/wp-content/uploads/management03.png" alt="成果追求型" width="800" height="543" /></h2><p>成果を上げなくては意味がないと考えているタイプのデザイナーです。</p><p>成果といっても「ブランディングに貢献する」といった曖昧な成果ではありません。利用者が増える、売上が上がる、コスト削減される、といった事業に直接影響する成果を求めます。近年のビジネスシーンで特に求められているデザイナーともいえます。元々理想実現型のデザイナーであったけど、紆余曲折を経て成果追求型になる場合もあります。ビジネスの成長・課題解決のためにデザインしているという点でいえば、本質的な意味でのデザイナーであり、スタートアップや事業会社が求めるタイプのデザイナーともいえます。ただし成果主義が行き過ぎて、デザインをドライに捉えすぎる傾向もあります。</p><p>目に見える数字以外の成果を軽視するため、感情に作用する非言語化領域／非数値化領域に無頓着です。理想実現型と同じく、モチベーションが高く勉強熱心な人が多いですが、優秀な理想実現型デザイナーが時に作りあげるような、一目見て心を鷲掴みされるようなデザインを作るのはやや苦手です。</p><p>業界のデザイナーの間での評価などはあまり気にしておらず、デザイナーより経営者やマーケターとの交流を好みます。勉強熱心であるためデザインには詳しいですが、例えばタイポグラフィなどのデザインの細部を深堀するより、マーケティングや経営などに興味が向かいがちです。UXデザインに対して好意的な印象を持ち、求められれば自らそれを利用します。A/Bテスト、グロースハックといった経験、知識も持っています。</p><p>このタイプも成長や挑戦を感じられない仕事は好みません。事業が安定してルーチンワークが多くなると、仕事や会社に興味を失いがちです。ルールやガイドラインを作ることは楽しめますが、それらを厳格に遵守することにモチベーションが保てません。特に他人が作ったルールは、守るより壊したいと思うタイプです。事業の立ち上げに関わることに喜びを感じるため、ジョブホッパー的なキャリアを歩むことも珍しくないでしょう。</p><h2><img src="https://baigie.me/sogitani/wp-content/uploads/management04.png" alt="共同作業型" width="800" height="543" /></h2><p>チームで一緒にいいものを作り上げることにやる気を見出すタイプのデザイナーです。</p><p>クオリティや数字といった成果より、メンバーが喜んでいる、顧客が満足している、といった人間関係におけるポジティブな結果を大事にするタイプです。良いデザインを追求するうえで良好な人間関係や信頼関係の構築が重視だと誰よりも強く感じています。そのための関係構築が自らの強みと考えています。</p><p>チーム意識が高く、チームワークを大切にする反面、デザインや技術のトレンドにはやや疎い傾向もあります。不真面目な怠けものではありませんが、理想実現型や成果追求型ほどストイックに勉強しません。コミュニケーション能力が高く、それ故に知識や技術ではなく人間関係で問題を解決しようとしがちです。スキルや知識ではなく、人間関係に依存した仕事の仕方をする傾向があります。プレイヤーとしてあまり優秀でなくても、ディレクターやマネージャーになったときに才能が開花する可能性があります。</p><p>人間関係に依存した仕事を好むため、周囲に流されます。保守的な環境で働くとそれに馴染み、時代の変化に気づかず、いつまでも古い価値観を持ち、時代遅れの仕事の仕方をし続ける可能性があります。学習意欲が高すぎる理想実現型や成果追求型からは尊敬されないこともあります。</p><p>このタイプがチームリーダーになったとき、衝突を好まず、周囲の顔色を見すぎた結果、中途半端なデザインになるリスクがあります。短絡的に協調することを優先するがゆえに、成果やクオリティを追求せず、納期や顧客満足をゴールに仕事をし、結果として目立った成果が出ないというパターンに陥ることもあります。</p><p>組織やチームの規模がある程度大きくなると、デザイナーたちとの潤滑油的な存在として必要となります。また、共同作業型のデザイナーばかりを集めると、アットホームで衝突の少ない、一見過ごしやすい組織になります。ただし協調性を重視するあまり、ビジネスやデザインに対して妥協するような風土が生まれ、知識やスキルを軽視し、組織力が低下するリスクも高まります。</p><h2><img src="https://baigie.me/sogitani/wp-content/uploads/management05.png" alt="実務遂行型" width="800" height="543" /></h2><p>与えられた職務をきちんと丁寧に遂行していきたいと考えるタイプのデザイナーです。</p><p>明確な指示を好み、速やかに対応します。曖昧な指示は好まず、場合によっては指示を出した側に差し戻します。9時-5時の働き方を好み、朝令暮改を嫌います。理想実現型や成果追求型のような時間を惜しまない働き方はブラック労働の温床と考えています。仕事以外に大事なことがあり、デザインは経済的手段と考えています。</p><p>0から1を生むことも1を10にすることも苦手ですが、10から11、12、13と段階的に改善するアプローチは得意です。創造的ではないと思われがちですが、経験者の発想力は豊かであり、それなりのクオリティのデザインを素早いペースで生み出すことができます。労働生産性が高く、作業量が読みやすいため、このタイプのデザイナーのスケジュール管理は容易です。創造的でなくともプロ意識は強く、ルール厳守、時間厳守を徹底します。</p><p>一般的なデザイナー像からするとクリエイティブではなく、デザイナーではない、とすら言われる可能性もありますが、組織がある程度の規模になると確実に必要になってきます。特に決まったスケジュールで決まったタスクが発生するサービス、運用案件を多く請けている受託会社では、地味な仕事に不満を言わずコツコツとミスなく時間内に仕上げてくれる彼らは非常に頼もしい存在になります。</p><p>元々デザイナーになりたかったわけではなく、消去法でデザイナーを選んできた人が多いです。そのためそれほど勉強熱心ではなく、同じやり方を繰り返します。トレンドには疎く、勉強会などにも参加せず、業界の著名人なども知りません。ただし仕事はでき、ルールの整備や品質構造の取り組みなどを任せると結果を出します。組織の立ち上げ期、成長期には不向きですが、拡大した組織を維持するフェーズで俄然必要とされます。</p><h2>デザイナーのいる組織でよくある問題</h2><p>このように同じデザイナーであっても、デザイナーのタイプによってモチベーションの源泉や価値観、最適な接し方は大きく異なります。そのことを考慮せずにデザイナーを採用したり、プロジェクトを編制したりすると、例えば以下のようなことが起こりえます。</p><h3>例1）売上や生産性の話をしてもやる気を出してもらえない</h3><p>理想実現型や共同作業型のデザイナーで起こりがちです。売上や生産性は、組織やビジネスを発展・維持ために必要ということは、多くのデザイナーは頭では理解できています。しかし仕事のモチベーションの源泉がそこにないデザイナーにとっては、そのことが仕事に関心を持つ理由にはなりません。仕事に対する感覚的・感情的な不満が解消されなければ、いくら売上や生産性の面から見て合理的な取り組みや説明であっても、心理的な問題の解消に繋がりません。</p><p>特に理想実現型は「売上や生産性の面で大事なんだ」といくら丁寧に説明をしても、彼らの美意識を満たすような仕事を提供できず、ルーチンワークや、ルールやガイドライン遵守の性質の強い仕事ばかりさせていると、やがてその会社から去っていくことでしょう。</p><h3>例2）ディレクションの仕事を頼んでいたら辞めたいといわれた</h3><p>基本的に、デザイナーを管理できる人材というのは非常に希少です。そのため、デザイナーが2人、3人と増えていくと、一番優秀なデザイナーに彼らの教育や管理を任せてしまいがちです。しかしこの判断こそが、優秀なデザイナーを失う切っ掛けになります。</p><p>特に理想実現型、成果追求型は、一日の大半を人の管理や調整で過ごすようになると、かなりの確率で辞めたくなってきます。事実私もデザイナーとしてまだまだやりたい時にディレクター職を命じられ、会社を辞めようと決意しました。今となってはその経験が良かったと思える面もありますが、やはり本人が心から納得していないディレクターへの配置転換は避けるべきと考えます。</p><p>そもそもデザインを通じて何かを作り上げる仕事と、教育や管理の仕事とでは、喜ぶポイントが全く異なります。経営者や管理者の中には「教育や人の管理もクリエイティブの一貫だ」などと強引な理屈を立てる人もいますが、その二つを自然に結びつけて、心から納得して捉えることは非常に困難です。多くのデザイナーは「こんなことをするためにデザイナーになったのではない」と思うことでしょう。</p><p>基本的に、デザインの仕事に満足しているデザイナーにはデザインの仕事をさせ続けるべきです。彼らにマネジメント業務をさせるのは、彼ら自身が自発的に、「マネジメントがやりたい」「自分にはマネジメントの経験が必要だ」という気持ちになる、そう言いだすまで、待つしかないのです。</p><h3>例3）デザインに関心がない人の下で働きたくないと言われた</h3><p>これも特に理想実現型、成果追求型のデザイナーにありがちな発言です。デザイナーに限らず、多くの人は仕事に「生活の質」と「仕事の質」の向上もしくは安定を求めています。生活の質とは、給与、勤務体系、福利厚生などです。仕事をするうえで生活の質を重視する人は多いでしょう。多くのデザイナーにとってもそれはとても大事で、許容できる最低限のラインというものがあります。</p><p>しかし一方、生活の質だけではやる気が出ないのがデザイナーです。意識の高いデザイナーほど仕事の質にも非常にこだわり、時には生活の質が低下しても仕事の質の向上を選ぶこともあります。私自身も一般のサラリーマンからデザイナーに転職した際に年収が半分になりましたが、デザイナーになりたくて仕方がありませんでしたし、デザイナーの仕事が楽しくて仕方ありませんでした。</p><p>ともあれ、多くのデザイナーにとって、仕事を通じて、仕事の質を上げる体験ができるということは非常に重要です。そのためには、「誰と働くか」ということが重要な条件となります。デザイナーももちろん馬鹿ではないので、すべての経営者や上司がデザインに精通してくれるとは思っていません。非デザイナーがデザインのことを知らないのは当たり前ということは分かっています。</p><p>しかし、上長が「デザインに無関心」となると話は別です。知らないなりにも興味は持ってほしいと考えています。にも関わらず、「おれにはよくわからん」といって権限委譲という名の無関心と放置を繰り返していると、デザイナーはやがてそういう人の下で働きたくない、もっと価値を分かってくれる人の下で働きたい、と思い始めます。デザイナーにやりたいようにやらせているのに、ある日突然「辞めたい」と言われてしまうのは、このパターンが多いです。勘のいいデザイナーは人の無関心を見抜くのです。</p><h3>例4）凡ミスが多い</h3><p>理想実現型や成果追求型は、作る過程からある程度形が見えて固まるくらいまでにモチベーションのピークがあるため、ある程度の完成が見えてしまうと緩やかに集中力を失っていく傾向があります。ここでいう完成とは、納品という意味ではなく、それぞれが理想とする形がようやく見えた、と思える状態です。</p><p>そのため、最終段階でのチェックなどで抜け漏れや凡ミスをしてしまうデザイナーが多いです。ゼロ段階から没入して作っているため、客観的な視点を失い、当たり前のミスに気付かなくなる傾向もあります。これはデザイナーの注意力というより、人間が誰しも持っているバイアスであり、普遍的な特性であるともいえます。</p><p>もちろん、あまりにもミスが多すぎる場合には、ミスが発生しにくい制作プロセスへの見直しやチェックシートによる自助努力を促す必要もあります。しかしそもそもデザイナーに対して一番期待していることは、一片のミスもなく完璧に仕事をすることなのでしょうか。多くの会社や組織は、デザイナーには他の職種が持ち得ていない発想力や視覚化能力に一番期待しているのではないでしょうか。もしそうであれば、ミスを神経質に指摘してデザイナーを委縮させてしまうより、自由に発想させる環境作りを優先し、ある程度のミスはワークフローで吸収することを考えるべきです。</p><p>またあるいは、決まった通りのことを決まった通りにこなしてほしいのであれば、実務遂行型のデザイナーに仕事を依頼すべきです。ただし彼らは、創造的な仕事が苦手な傾向もあります。デザイナーだからと言って、なんでもかんでもできると考えるのはやめて、他の職種と同じく、適材適所で考えていかなければなりません。</p><h3>例5）残業がなく給与も低くないのに辞めたいと言われた</h3><p>サービスが安定稼働してきたり、受託でも継続案件が増えてきたりすると、売上も経営も安定します。やがて給与水準が上がり、労働環境も安定します。経営者としては望ましい状態です。しかしデザイナーにとっては必ずしも望ましい状態とは限りません。</p><p>サービスや事業が安定してくると、徐々に保守や運用の仕事が増えてきます。デザイナーも小さな改善や更新業務が増えてきます。しかしこれは、「ゼロからデザインを作りたい」「色々なデザインを経験したい」という志向のデザイナーには苦痛な環境です。こういったデザイナーを満足させ続けるためには、「デザイン的な挑戦」ができる環境を作り続けなくてはなりません。さもなければ、残業もなく給与も悪くないのに優秀なデザイナーが辞めてしまう、という事態を止めることは難しいでしょう。</p><h3>例6）デザイナー同士が仲良くない</h3><p>デザイナー同士であれば、同じ職種同士、似たような価値観で、阿吽の呼吸で仕事をしてくれるのと思いがちです。しかし現実はそんなに甘くはありません。それどころか、同じデザイナー同士だからこそ、仕事に対する価値観や働き方の違いを許容できない、という事態も起こりえます。</p><p>例えば、理想実現型デザイナーには、他のデザイナーが以下のように見えている可能性があります。</p><p><img src="https://baigie.me/sogitani/wp-content/uploads/management06.png" alt="理想実現型の目" width="800" height="543" /></p><p>成果追求型からはこう見えているかもしれません。</p><p><img src="https://baigie.me/sogitani/wp-content/uploads/management07.png" alt="成果追求型の目" width="800" height="543" /></p><p>共同作業型はどのタイプのデザイナーとも比較的うまくやっていけるでしょうが、それでも本心ではこう思っていたりしませんか。</p><p><img src="https://baigie.me/sogitani/wp-content/uploads/management08.png" alt="共同作業型の目" width="800" height="543" /></p><p>また実務遂行型にとっては、他のタイプのデザイナーはこのように見えていないでしょうか。</p><p><img src="https://baigie.me/sogitani/wp-content/uploads/management09.png" alt="実務遂行型の目" width="800" height="543" /></p><p>ここにあげた例はやや極端なものですが、お互いが本心で認め合っていない状態のまま一緒に仕事をしていると、日々のコミュニケーションがうまく行かなくなり、アウトプットの質にも影響を与えます。</p><p>ここでいうそれぞれのタイプは、デザイナーが意識的・計画的に身に付けたものではありません。幼少期から成長期を経て社会人になるまでの一連の人生経験の中で培われた価値観などに基づいており、急に別のタイプのデザイナーに変わることは極めて困難です。</p><p>そのため、会社やチームとしてやれることは、以下のようなことに限られてきます。 </p><ol><li>どの種類のデザイナーを採用するか、採用段階から方針と基準を決める</li><li>仕事における最低限必要な価値観を、デザイナー同士できちんと合わせる</li><li>異なるタイプのデザイナーと協業することの意義を、常日頃から啓蒙する</li></ol><p>なお、2や3のためのツールとして行動指針があげられます。しかしこの行動指針も、抽象的で耳当たりが良い綺麗事ばかりでは意味はありません。仕事の中でどのような行動・判断を取ることを会社として推奨するのか、それを具体的に表明したようなものでなければなりません。また当然ながら、それを浸透させる活動がなければ、絵に描いた餅になるだけです。</p><h2>まとめ</h2><p>ここまで、私が考えるデザイナーの4つタイプを中心に紹介してきました。当然ですが全てのデザイナーがこの型に収まるというわけではありません。またこの型に収めてデザイナーを理解しましょう、という話でもありません。これは、千差万別なデザイナーを理解する手がかりの一つにすぎません。</p><p>イベントなどで経営者や管理者の方から話を伺うと、「デザイナーのマネジメントに苦労している」といった悩みを打ち明けられることがあります。実は私自身は「デザイナーをマネジメントする」という言葉に若干抵抗があります。なぜなら私自身もデザイナーであり「マネジメントする」という言葉に、クリエイティブとは正反対のニュアンスを感じるからです。</p><p>しかし一方、私は経営者でもあるので、「デザイナーのマネジメント」と呼ばれる領域で悩みを持つ方の気持ちもよく分かります。私自身、似たようなことで今まで数多く悩んできました。さらにいえば、未だに「こうすればいいですよ」といえる正解を持ってもいません。</p><p>しかし、このように難解で正解の見えないデザイナーのマネジメントについて、忘れてはいけない大事な視点が一つあると思っています。それは「なぜ彼・彼女は、数ある職業の中からあえてデザイナーを選んだのか？」ということです。</p><p>働いて生計を立てるためであれば、数多くの選択肢があります。もっと楽な仕事、もっと華やかな仕事、もっと穏やかな仕事、もっと儲かる仕事を選ぶことだってできたはずです。しかしそれらを選ばず、彼・彼女はデザイナーになりました、そこには、デザイナーに繋がるその人だけの人生とストーリーがあるはずです。</p><p>そのストーリーの先を会社が描いてあげられるのか、そのストーリーと人生に、きちんと本心から関心を持ち、（迷惑がられない程度に）向き合ってあげられるか。それがデザイナーをマネジメントする経営者や管理者には、最低限不可欠な視点ではないかと思うわけです。</p><p>こういった大前提を理解した上で、ここで紹介したタイプ別のデザイナー特徴を一つの参考にしていただけると幸いです。</p>]]></content:encoded>
			<wfw:commentRss>https://baigie.me/sogitani/2017/11/4type-designers/feed/</wfw:commentRss>
		<slash:comments>0</slash:comments>
		</item>
		<item>
		<title>「やったことがないからできません」という人が淘汰される理由</title>
		<link>https://baigie.me/sogitani/2017/05/no_experience/</link>
		<comments>https://baigie.me/sogitani/2017/05/no_experience/#comments</comments>
		<pubDate>Tue, 09 May 2017 05:24:37 +0000</pubDate>
		<dc:creator><![CDATA[枌谷 力]]></dc:creator>
				<category><![CDATA[仕事]]></category>

		<guid isPermaLink="false">https://baigie.me/sogitani/?p=3797</guid>
		<description><![CDATA[「やったことがないので分かりません」というのはある種、正論です。人は基本的に経験がないことをゼロから発想できま [&#8230;]]]></description>
				<content:encoded><![CDATA[<p>「やったことがないので分かりません」というのはある種、正論です。人は基本的に経験がないことをゼロから発想できません。しかし、このような理由で仕事を断ることができるのは20代くらいまででしょう。30代くらいになると「やったことがないから分かりません」といえない状況が増えてきます。</p><h2>キャリアアップで変わる仕事の性質</h2><p>「キャリアアップする」「ポジションが上がる」というのは、会社や組織の中で優秀な人だと認められることです。優秀な人には当然、簡単で価値が低い仕事ではなく、難しく価値が高い仕事が任されます。難しくて価値が高い仕事とは、基本的に誰もができる仕事ではなく、限られた人しかできない仕事です。限られた人しかできないということは、経験者が少ない、もしくはいないということです。ネットで検索しても具体的な解決策は出てこず、知り合いに聴いても誰も分からず、自分で考えるしかない仕事です。</p><p>優秀さが認められてキャリアアップするということは、経験者が少ない仕事、セオリーがない仕事、誰にも教えてもらえない仕事にシフトすることを意味しています。</p><p>こういった仕事を依頼される頃には、「やったことないから分からない」「経験したことないからできない」と言えなくなります。なぜなら、誰も経験したことがない、誰もが簡単にできることじゃない、だからあなたにお願いしたいんだ、という依頼者の気持ちが理解できるからです。</p><h2>やったことがなくてもできること</h2><p>先日、とある地方自治体の方々が来社されました。相談内容は、その地域で暮らす人や観光で訪問する人を増やすためにwebサイトをうまく活用できないか、というものでした。</p><p>私自身がこれまで経験してきたのはほとんどが企業サイトです。一部で学校法人や福祉法人などの経験はありますが、地方自治体の経験はありません。だから「こうすればいいですよ」と直接語れることはありません。</p><p>しかし、何もアイデアが出てこないわけでもありません。企業サイトのノウハウから応用できそうなことは思いつきます。畑違いが考えた想像上の話だからこそ、逆に新鮮で参考になるということもあるでしょう。</p><p>また先日参加したとあるセミナーで、組織改革の話が出てきました。私は会社を経営してはいるものの、10名未満の小さな会社であり、価値観が比較的似ているクリエイターばかりの組織です。マーケ、営業、開発などが混在する複雑で規模の大きな組織を束ねた経験はありません。</p><p>しかしその「組織改革を成功させる方法」を聴きながら、もしかしたら自分でもある程度できるのでは、などと思いました。なぜならそのプロセスが、</p><ol><li>組織横断で情報共有をし、認識合わせをする</li><li>取り組むべき共通の目標を定める</li><li>目標に対して具体的な計画を立てる</li><li>計画を細分化・タスク化し、期限と担当を決める</li></ol><p>というものだったからです。実はこれは、webサイトの制作プロセスとほとんど同じです。</p><p>組織や人の不確実性、特有の専門性を軽視しているわけではありません。実際に取り組めば、相応の苦労と思考錯誤があり、失敗するかもしれません。しかしそれでも「自分にもできるのかも」と思えたのは、以下のようなweb制作の仕事のプロセスと似ていたからです。</p><ol><li>クライアントと制作会社で認識合わせをする</li><li>webサイトの目標を定める（確認する）</li><li>目標に対して計画を立てる（スケジュール策定）</li><li>計画を細分化し、タスク化し、期限と担当を決め、実行する</li></ol><p>もちろん、大企業の組織改革など相当難易度の高い仕事で、簡単にできると舐めてかかるつもりは毛頭ありません。ただ、もし自分がそういう役回りを担当することになったなら、web制作の数多くのプロジェクトをこなしてきた知見を応用し、収集した情報を整理し、問題を構造化し、優先度を付け、合意を取り、ステータス管理をするなど、構造的な共通点をベースにして組織改革の音頭取りをするだろうな、とも感じました。</p><h2>仕事の抽象化と構造化</h2><p>異分野や他業務でも「共通する何か」は必ずあり、それを応用すれば、未経験の分野でもアイデア出しや計画立案くらいはできるようになります。そのために必要なのが、仕事を抽象化し、構造化する能力です。</p><p>時々、どんな業種・職種に就いても一定の成果を上げる人がいます。彼らは大抵仕事を抽象的に捉えており、未知の仕事であっても、過去に経験した仕事との構造的な共通点を見出し、持っている知見を応用します。V字回復請負人のような経営者やマーケターは、異分野から突如参入して数字を残しますが、彼らは仕事の抽象化能力・構造化能力が極めて高い人たちなのでしょう。</p><p>あなたが30代以上か、あるいはその業界のキャリア5年以上なのに、今の仕事と隣接している領域であるにも関わらず、専門領域を外れるとまったく頭が働かなくなる、話のポイントが掴めなくなる、アイデアが全然出てこなくなる、何も話せなくなる、ということはないでしょうか。それを「経験がないから仕方がない」「やったことがないから分からなくて当たり前」と捉えていないでしょうか。</p><p>しかしそれは「今までの経験を応用できないことが問題」と解釈すべきかもしれません。ある程度の年齢やキャリアになれば「なぜ今まで経験したことを応用できないのか」「なぜ今まで培った知識を、新しい分野に活かせないのか」という危機感に転化した方がいいのではないでしょうか。</p><p>与えられた仕事と目前の締め切りしか考えずに仕事をしていると、上記のように仕事の抽象化・構造化が苦手になります。仕事を期限通り「こなす」ことから脱却し、仕事の背景や構造的特徴、今までの仕事との共通点まで考える習慣がなければ、仕事をしながら物事を抽象化・構造化する力は身に付きません。仕事の根底にある「普遍的な法則」を読み解くような、そんな仕事の仕方をしなければなりません。</p><h2><strong>時代の要求</strong></h2><p>抽象化・構造化能力はキャリアの要求だけでなく、時代の要求でもあります。ケビン・ケリーが執筆し、2016年ベストセラーになったビジネス書『＜インターネット＞の次に来るもの～未来を決める12の法則』では、現在も進行し、この先より顕著になる12のトレンドについて詳しく解説されていますが、その中で以下のような言及があります。</p><blockquote><p>あるツールをどんなに長く使っていたとしても、際限ないアップグレードのせいであなたは初心者、つまりどう使っていいかまるで分らない新米ユーザーになってしまう。この＜なっていく世界＞では、誰もが初心者になってしまう。もっと悪いことに永遠に初心者のままなのだ。</p></blockquote><p>これはツールに限った話ではありません。仕事自体も、進化を続けるテクノロジーによって常にアップデートされ、数年サイクルで初心者に引き戻されます。そのたびに強みを失い、ゼロから成功パターンの学習を積み重ねるようでは、やがて変化に追いつけなくなるでしょう。培ったノウハウを抽象化・構造化し、古い仕事と新しい仕事の共通点を見出して、自分の強みを関連付けなければなりません。</p><p>ここ数年、「AIが普及すると失業者が大量に生まれる」という記事を見かけます。しかし、仕事の抽象化・構造化を当たり前のように行っている人にとっては、AIの普及はさほど不安ではないでしょう。なぜなら、AIが浸透した世界とAIが浸透していなかった世界との構造的な共通点を見つけ、差異点は情報をインプットして補完し、あとは自分の強みを投下していく、というプロセスはこれまでと大差ないからです。</p><h2>会社や組織の使命</h2><p>抽象化能力・構造化能力に対するキャリアの要求、時代の要求に対し、会社や組織はどのように向き合うべきでしょうか。私は、以下の3つの使命があると思います。</p><h3>背景や経緯をきちんと説明して仕事を依頼する</h3><p>社会人になって数年は、基本スキルを身に付けながら、抽象化・構造化能力の下地を作る時代です。この頃の若い社員に生産性第一主義で、最低限の指示しか与えない様な仕事のさせ方をしてはいけません。業務に直接影響がなくても、その仕事の存在理由、背景にあるビジネス構造も説明したうえで、仕事を依頼すべきです。背景や経緯も含めた立体的・多面的な業務理解こそが、抽象化・構造化能力の土台になります。</p><h3>専門職以外の仕事にも触れさせる</h3><p>核となるスキルをある程度身に付けたら、時々他の領域に触れることも、抽象化・構造化能力の研鑽には効果的です。実際に手を動かす以外に、打ち合わせへの同席や意見交換も良い経験になるでしょう。専門領域をきちんと磨く環境を維持するのは当然ですが、一方で、できるだけ色々な仕事、色々な職種、色々な価値観に触れる体験を、仕事の中で提供していくことも忘れてはいけません。</p><h3>前例主義者を管理者にしない</h3><p>管理者には通常、経験豊富な人物が任命されます。経験豊富だから抽象化・構造化能力に優れ、未知の事柄にも対応できると期待できるからです。しかし実際には「前例がないから意思決定できない」という管理者も存在します。必要以上にデータを集めさせる管理者も根幹は同じでしょう。「明らかな地雷」を排除するためのリサーチは重要です。しかし、いかに前例やデータを収集しても、不確実性にどう対応すべきかの答えが見つかることはありません。地雷を取り除いた後は、自らの経験を応用し、先頭を切って道筋を提示するのが管理者の本来の姿です。前例主義者はこれに反する存在です。彼らを管理者にすると、事業の停滞だけでなく、組織内で抽象化・構造化能力を持った社員が育つ風土自体が生まれないでしょう。</p>]]></content:encoded>
			<wfw:commentRss>https://baigie.me/sogitani/2017/05/no_experience/feed/</wfw:commentRss>
		<slash:comments>0</slash:comments>
		</item>
		<item>
		<title>なぜ私たちは「web制作会社」という古臭くてダサい肩書を使うのか？</title>
		<link>https://baigie.me/sogitani/2017/04/wearewebpro/</link>
		<comments>https://baigie.me/sogitani/2017/04/wearewebpro/#comments</comments>
		<pubDate>Tue, 18 Apr 2017 06:54:51 +0000</pubDate>
		<dc:creator><![CDATA[枌谷 力]]></dc:creator>
				<category><![CDATA[Webビジネス]]></category>
		<category><![CDATA[仕事]]></category>

		<guid isPermaLink="false">https://baigie.me/sogitani/?p=3713</guid>
		<description><![CDATA[現在公開中の自社サイトリニューアル時に悩んだことの一つが「自分たちをどう名乗るか」ということでした。様々なこと [&#8230;]]]></description>
				<content:encoded><![CDATA[<p>現在公開中の自社サイトリニューアル時に悩んだことの一つが「自分たちをどう名乗るか」ということでした。様々なことを熟考した結果、「web制作会社」が相応しいと判断したのですが、その結論に至るまでの諸々の考えを、改めてまとめてみました。</p><h2>目次</h2><ul><li>web制作業の実態</li><li>業界で嫌われている「制作」という言葉</li><li>web制作に対する市場ニーズ</li><li>事業ドメインを変えるリスク</li><li>ドリルと穴の話</li><li>ブランド・レレバンスとブランド選好性</li><li>顧客の選考プロセス</li><li>顧客を具体的にイメージする</li><li>私たちがweb制作会社でなくなる時</li></ul><h2>web制作業の実態</h2><p>web制作会社というのは、一般的には、「企業から依頼を受けてwebサイトを作ることができる会社」と認識されていることでしょう。しかし、具体的な業務内容は千差万別です。</p><p>2000年代中頃のFlash全盛時代あたりまでは、グラフィックデザインから派生した商業デザインの一形態として、ビジュアルデザインにプログラミングを組み合わせた業務を主体とするweb制作会社が支配的でした。マーケティングに言及する会社もいましたが、多くがクリエイティブ偏重だったように思います。</p><p>しかし近年、webサイトはビジネスの課題解決ツールという考えが強まる中で、web制作においても具体的なマーケティングやブランディングの成果に繋がる提案を求められる機会が増え、中にはコンサルティングやマーケティングを主事業とし、制作の看板を下ろす会社も出てきました。</p><p>このようにwebの制作工程を垂直にシフトしていく会社がある一方、web制作のノウハウを水平展開していく会社も存在します。ブラウザで表示するwebサイトに留まらず、アプリやIoT、サイネージ、インスタレーションなど、webの技術で実現できる様々な制作業務を事業ドメインに内包していくようなケースです。</p><p><img src="https://baigie.me/sogitani/wp-content/uploads/webpro011.png" alt="web制作会社における事業展開の方向性" width="800" height="510" /></p><p>このように「webサイトを作ることができる会社」を取り巻く環境とニーズの変化は、web制作会社を名乗ってきた私たちにも大きな影響を与えています。特に私たちは「ビジネスへの貢献」を標榜しています。そうなると、webの実装技術やデザインのことだけを考えてwebサイトを作るわけにはいかず、当然ながら、事業ドメインを垂直方向に拡げる動きを見せてきました。</p><p>今となっては、スケジュールの3分の1が、調査・企画・設計となることは珍しくありません。制作を伴わない分析や予算算定、改善提案だけのコンサル案件、webサイトのビジネス的な目標を達成させるために改善チームを組織してデータ解析、A/Bテストを細かく実施するグロース案件、ユーザ行動を起点としてロジカルに設計・デザインにブレイクダウンさせていくノウハウを応用した業務用アプリやwebアプリのUX/UIデザイン案件も存在します。</p><p>このようにかつてとは大きく変化しつつある業務内容を考えると「私たちはweb制作会社と名乗り続けるべきなのか？」という疑問は湧いてきます。今でも少なからず、その疑問を持ち続けています。</p><p><img src="https://baigie.me/sogitani/wp-content/uploads/webpro021.png" alt="当社の新規獲得案件におけるコンサル・戦略・設計系業務の売上比率の推移" width="800" height="390" /></p><h2>業界で嫌われている「制作」という言葉</h2><p>実は、自社サイトをリニューアルする際、約70社のweb制作会社（外からそう見える会社）の自社サイトや採用メディアにおけるキャッチコピーをリサーチし、各社が自らをどう表現しているか調べてみました。</p><p>印象的だったのは、「web制作会社」という言葉がほとんど使われていなかったことです。「制作」という言葉自体が避けられているようでした。代わりに、デジタル、クリエイティブ、インタラクティブ、テクノロジー、エクスペリエンス、コミュニケーション、エージェンシー、カンパニー、プロダクションなどといった横文字を駆使し、自らを表現していました。</p><p>これは前述のように、web制作業の業務変化だけでなく、業界内でのweb制作会社に対する負のイメージも大きく影響していると思われます。端的にいえば、web制作会社を格下に見る風潮があるからです。</p><p>web制作会社を自称する会社が、調子のいいことを言いながら質の低い成果物しか作れなかったり、クリエイティブやブランディングの名のもとにビジネスにコミットしなかったり、言われたことをやります的な御用聞き体質でリーダーシップに欠けていたり、ビジネスの基本に疎く仕事の管理が稚拙だったり、まともにコミュニケーションが取れなかったりといった、過去の悪しき行いがその背景には当然あるでしょう。</p><p>またあるいは、マーケティングにおいて常に下流に位置し、下請け、孫請けの立場であることが多かったことも、どことなく馬鹿にされるイメージが定着している理由の一つかもしれません。「ただのweb制作会社」「しょせんweb制作会社」という言葉が成立し、おそらくは今日もどこかでそんな言葉が発せられているのが、制作会社の立ち位置を物語っています。</p><p>身も蓋もない言い方をすれば、業界内の人にとって、web制作会社は古くてダサくて、もう使いたくない言葉なのです。事実上、web制作会社は90年代のネット黎明期から存在しています。つまり約20年以上もの歴史がある業態です。ブログ、SNS、アプリ、IoT、UXなど年単位で目まぐるしくトレンドが移り変わるweb業界において、web制作という言葉はあまりにもレガシーで、クールではないのです。</p><p>私たちが調査した約70社の中には、web制作会社からの脱却を図っている会社と、実態はweb制作会社と自覚しながら、ブランディングとして「制作」という言葉を避けている会社が混在していると思います。ただいずれにしろ、上記のようなネガティブなイメージから、web制作という言葉は使いたくない、自分たちはweb制作会社と見られたくない、そんなダサい呼び方をしたくない、というアレルギーのようなものを、共通して持っているのではないでしょうか。</p><h2>web制作に対する市場ニーズ</h2><p>webの技術を活かし制作をメインで行っている会社がweb制作会社と名乗りたがっていないことに対し、では市場はどのような言葉で「webサイトを作ることができる会社」を探しているのでしょうか。</p><p>キーワードの検索数はその一つのヒントにできるでしょう。Googleのキーワードツールで表示される月間検索数は概数で正確ではありませんが、言葉の利用頻度を相対比較するには十分参考にできます。</p><p>2017年4月現在、「web制作会社」の月間検索数はだいたい2,900くらいです。類似キーワードである「ホームページ制作会社」は1,900です。制作会社を探すキーワードはこの他にも多数あり、地名との組み合わせなども含めると膨大な数になりますが、ひとまずこの2つを基準としてみましょう。</p><p>一方、「デジタルマーケティング」は6,600あります。ただこの言葉は必ずしも会社を探している言葉ではないので、さらに絞り込んで「デジタルマーケティング　会社」とすると90になります。「デジタルマーケティング　エージェンシー」は50です。「webマーケティング　会社」だともう少し増えて210です。</p><p>脱web制作会社がよく使う「クリエイティブ　エージェンシー」だと880です。たまに「クリエイティブ　ブティック」と名乗っている会社もありますがこれだと90です。「インタラクティブ　カンパニー」は少なすぎて数字がありません。「UXデザイン　会社」だと90です。「ユーザ体験　デザイン　会社」だと数字なしです。UX関連のキーワードは比較的多いのですが、会社まで絞り込むとほとんどが超スモールワードです。</p><p><img src="https://baigie.me/sogitani/wp-content/uploads/webpro032.png" alt="web制作に関連するキーワードの月間検索ボリューム（2017年4月）" width="800" height="290" /></p><p>これは、検索数の大小で会社の肩書を決めるのがいい、という話ではありません。SEOやリスティング広告での集客に頼る必要がない、社長が有名人でメディア露出していればインバウンドで仕事が来る、広告代理店との繋がりや人脈で仕事がバンバン来る、そんな制作会社ならなんと名乗っても経営に深刻な影響は出ないでしょう。また、顧客数だけでなく顧客単価やLTVも大事なので、検索数が少ない＝市場性が低い、と断言できるわけでもありません。</p><p>ただ現実問題として捉えなければいけないのは、世の中の人は「web制作会社」や「ホームページ制作会社」という言葉で「webサイトを作ることができる会社」を探していることが多く、他のキーワードで近い検索数があるのは「クリエイティブ　エージェンシー」くらい、それ以外のキーワードの市場規模は、20分の1以下という事実があり、これは業態の認知度の大小をほぼ表していると推測されることです。</p><p>web制作会社が「web制作会社」と名乗ることを避けているのに対し、市場は「web制作会社」をトリガーに「webサイトを作ることができる会社」を探しています。これは皮肉な状況です。私たちは、このことを前提に自社の肩書を考える必要があります。</p><p>例えば「ホームページ」という言葉は、意識が高いweb業界の人々はおそらく避けるでしょう。なぜなら、どことなくリテラシーが低く、知的でなく、素人臭い印象を受けるためです。和製英語で海外では通じない言葉というのも、これを自らの肩書として選択することを躊躇させます。</p><p>しかし、実際の検索数はそれなりに存在します。また、顧客企業の意思決定権者や、デジタル系のリテラシーが高い企業担当者であっても「うちのホームページどうにかしたいんだけど」といったように、「ホームページ」という言葉を普通に使う人はそれなりにいたりします。</p><p>もちろん、話し言葉で使う言葉と検索で使うキーワードが一致しないこともありますが、「ホームページ　制作会社」と検索している、一般企業の担当者や意思決定者が意外と多いということを、1,900という検索数は表してはいないでしょうか。</p><p>繰り返しますが、だから「web制作会社と名乗ったほうがいい」「ホームページ制作会社と名乗った方がいい」という話ではありません。すべては、その会社のマーケティング戦略やブランド戦略全体の中で考えることです。重視する集客手段やターゲット次第でその判断は変わります。</p><p>ただ、響きのカッコよさを優先し、一般にあまり使われていない言葉、聞き覚えのない造語を自身に冠することは、ターゲットから発見されない、発見されても何をしている会社か理解されないリスクが生じます。その上でどうすべきか、ということを考えなくてはなりません。</p><h2>事業ドメインを変えるリスク</h2><p>仕事にはなりませんでしたが、私たちの元にwebサイトとweb戦略の相談に来た、とある企業の話です。具体的にするとどの会社か分かってしまう可能性があるので詳細はボカしますが、実際の話です。</p><p>その会社は、広告の中でセグメントされたある領域を事業としている企業でした。数年で大きく成長し、それなりの規模になりました。その領域を極めようとするとマーケティング的な課題も解決していく必要があり、事実広告領域を超えた仕事も増えていました。そこでその企業はより上位レイヤーであるマーケティング領域に事業ドメインを移し、タグラインを変更し、webサイトもリニューアルしました。</p><p>結果、具体的に何をやっていて、何を強みとしている会社なのか、よく分からなくなりました。売上自体は既存顧客との繋がりで維持していましたが、webサイトからの問い合わせ数は20分の1以下に大幅減少し、特に新規顧客の獲得に深刻な影響をもたらし、彼らのビジネス上の大きな課題となりました。結局2年後にマーケティング会社と名乗るのをやめ、元の肩書に戻しました。</p><p>企業が成長するために、事業ドメインを変更することは珍しくはありません。IBMはPCメーカーから「企業の課題をITで解決する企業」に、ブロックバスターはレンタルビデオから「自宅で素晴らしい夜を提供する企業」に自身の立ち位置を変え、サービス内容を変更し、成功を収めました。その会社も、マーケティング課題を解決する企業を目指したこと自体が問題ではなく、やり方やタイミングが問題だったのだと思います。</p><p>ただ言えるのは、このように領域を変えることは、単に肩書を変えればいいわけではなく、それに伴った計画や組織の実態がないと、単に自分たちの強みを失うだけになる、ということです。そしてもちろんweb制作会社も、例外ではないでしょう。</p><h2>ドリルと穴の話</h2><p>マーケティングの世界では有名な「ドリルと穴」の話があります。ドリルを探している人は、ドリルをほしがっているのではなく、穴をほしがっているのだ、という話です。1960年代から引用されている話ですが、これは現代のweb制作業にもそのまま通じます。つまり、web制作会社を探している企業は、webサイトをほしがっているのではなく、事業上の課題を解決したがっているのだ、というわけです。</p><p>web制作会社やweb制作者は、webのデザインや技術にフォーカスするあまり、顧客の真のニーズが見えなくなりやすいものです。最新のweb技術を取り入れること、トレンドのデザインに仕上げること、業界内で注目を集めることに気を取られ、そこに時間とコストを使ってしまいがちです。顧客の利益が1円でも上がることに時間を使うべきなのに、成果と相関関係のないスクリーン上の1ピクセルの調整に多く時間を使ってしまいます。「ドリルと穴」の話は、このように迷走するweb制作者たちを正気に戻してくれる優れた例え話です。</p><p>web制作会社が自社を紹介するメッセージとして、「私たちはコミュニケーションをデザインする会社です」「私たちは体験をデザインする会社です」「私たちは新しい価値を創造する会社です」と、単なる制作ではなく、もっと本質的な課題に応えることをアピールするケースは少なくありません。その真意はおそらくは「私たちはドリルを売る会社ではない、穴を開ける会社だ」ということを内外に知らしめたいからでしょう。</p><p>このようなメッセージを起点にすると「コミュニケーション・デザイン・ファーム」「エクスペリエンス・デザイン・エージェンシー」「インタラクティブ・バリュー・クリエイター」といった肩書を自らに冠するのは自然な発想かもしれません。</p><p>しかし、「ドリルを探している人は、ドリルをほしがっているのではなく、穴をほしがっている」というのは確かに正しいのですが、これは「ドリルメーカーは穴あけ屋と名乗るべきだ」という話ではない、ということも一方で忘れてはいけません。</p><p>私たちが穴を開けたいと思ったとき、ほとんどの場合、穴を開けるべき素材は自覚しています。分厚く硬い木の板に等間隔で12個、同じ深さと大きさの穴を、できれば5分以内で開けたいと思っています。そうなると多くの人は「ドリルを使わないと無理だ」と発想するでしょう。そういった解決策のアタリをひとまずつけたうえで、まずはドリルを探しているわけです。</p><p>そして、ドリルを作ったり売ったりする会社は、ドリルの性能や技術でなく、「その目的のためにはこういう穴を開けるべきだ」「こういう素材にはこういう穴の開け方をしないといけない」「それならばこのドリルがいい」という提案をしなければいけません。それがこの話の核心です。しかしこれは、ドリルメーカーやドリル屋から足を洗いなさい、という話ではありません。</p><p>もし、穴を開けるのに卓越した技術とスキルがあっても、その会社が「穴あけコンサルティングファーム」と名乗っていたならどうなるでしょうか。私たちが分厚い木に穴を開けたいとき、ドリルメーカーのwebサイトやドリルを扱っているECサイト、あるいは東急ハンズのような実店舗に行くことはあるでしょうが、「穴あけコンサルティングファーム」を探すことはありません。そんな業態や会社が存在することを知らないからです。</p><p>webを使って企業の課題を解決する会社が、例えば「デジタル・クリエイティブ・プロダクション」といった聞き覚えのない肩書を名乗るということは、ドリルメーカーが「穴あけコンサルティングファーム」と名乗ることに近い行為といえます。</p><p>もちろん、新規カテゴリを創出し、自身にそれを冠し、新たな市場を創造し、その新カテゴリでNo.1にポジショニングするのも、戦略的な選択肢の一つです。業界内である程度の規模や知名度を確立している企業なら、こういった戦略を取ることも可能でしょう。一方で、誰もがこの戦略を取れるわけでもありません。例えば私たちであれば、以下のような事業上の制約があります。 </p><ul><li>下請けではなく直取引を基本としたい</li><li>一般企業の意思決定者や担当者をターゲットにしたい</li><li>現時点ではターゲットにほとんど知られていない</li><li>社員が10人未満で、全員クリエイター</li><li>マーケや営業に特化して活動できる人間がいない</li><li>認知に多額の費用を投じる経済的・組織的体力がない</li></ul><p>このような条件下にある私たちが、誰も知らない造語を自身に冠するのは、リターンよりもリスクの方が大きいと思うわけです。さらにいえば、力のある制作会社がこぞって「web制作」という言葉との関連性を断ち切ろうとしているが、市場では「web制作」という言葉が頻繁に用いられているという現状は、「web制作会社」と名乗りたい私たちにはむしろ有利に働くと思ったりもします。</p><h2>ブランド・レレバンスとブランド選好性</h2><p>「レレバンス【relevance】」とは「関連性」という意味です。あるブランドがあるカテゴリと関連付けされた状態は、「レレバンスがある」「レレバントしている」と表現されます。この用語が浸透するキッカケとなったデヴィッド A.アーカー教授の著書『カテゴリー・イノベーション』には、ブランド選考性とこのブランド・レレバンスの関係を表現した以下のような図が登場します。（図の下の文章は私の方で加筆したものです）</p><p><img src="https://baigie.me/sogitani/wp-content/uploads/webpro041.png" alt="ブランド・レレバンス、ブランド選好性とブランドの課題" width="800" height="410" /></p><p>書籍の中では、以下のようにも語られています。</p><blockquote><p>ブランド・レレバントに関わるのは、最初の二つのステップである。あるブランドが、対象となるカテゴリーに属していると見なされること、そして購入を検討しているグループに入ることは、そのブランドが消費者との関わり、レレバンスを持っているということになる。この両方の条件のどちらかが欠けていると、どれほど差別化し、肯定的な態度がもたれ、ブランドと顧客の良好な関係が構築されていても、役に立たない。</p></blockquote><p>例えば、突然小一時間ほど空いてしまい、コーヒーを飲みながら一休みしようかと思ったときに、おそらく私たちは「カフェ」を探し始めるでしょう。</p><p>最近であればスマートフォンを使い、まずはGoogleMapで現在地を表示するかもしれません。そして入力フィールドに「カフェ」と入力し、近隣にあるカフェを検索します。その中から距離や広さ、味の好み、既に持っているブランドイメージなどを総合的に評価し、カフェを一つ選択します。あるいは思いつくカフェブランドの中から、今行きたいブランドを選択し、そのブランド名で検索をかけることもあるかもしれません。</p><p>ここで重要なのは、「カフェ」と認識されていないブランドは選択肢に上がってこない、ということです。周辺に行きたいと思えるカフェが見当たらなかった時、カフェ以外に「ファーストフード」や「ファミリーレストラン」を連想し、再検索する人もいるかもしれません。しかしこの場合も同じで、「ファーストフード」や「ファミリーレストラン」で想起されないブランドは決して選択されません。</p><p>スターバックスが好きな人は「カフェ」ではなく、いきなりスターバックスを探し始めることもあるでしょう。これは過去にスターバックスを認知あるいは体験し、スターバックスに対して他ブランドを排除するだけの好意的かつ強固なイメージが形成されている場合に起こります。しかし例えスターバックスであっても、認知がなかった時代はカフェで想起され、そのカテゴリ内で優位性や差別性を訴求していたはずです。</p><p>この理屈は、web制作でも同じではないでしょうか。「web制作会社」のような市場に馴染んでいる名前をカッコ悪い、古臭いという理由で排除し、「クリエイティブ・ブティック」「インタラクティブ・プロダクション」「コミュニケーション・カンパニー」などという市場に浸透していない肩書を冠することは、言葉のクールなイメージと引き換えに、最初の段階で選考される機会を失うようにも思えます。</p><h2>顧客の選考プロセス</h2><p>web制作会社と名乗るリスクは、「webのことしか分からない」「ビジネスが考えられなさそう」「IT業界の中では古臭い業態」という先入観で見られることでしょう。しかし、顧客の体験プロセスを冷静に考えると、こういったネガティブなイメージを払拭する機会はそれなりにあると感じています。</p><p>これは、web改善に踏み切る企業が課題を形成し、発注するまでを描いた簡単なカスタマージャーニーです。</p><p><img src="https://baigie.me/sogitani/wp-content/uploads/webpro052.png" alt="当社における典型的なカスタマージャーニー" width="800" height="790" /></p><p>「web制作のことばかりでビジネスのことを考えられない会社である」という烙印を押されることを回避するチャンスは、最初の「課題形成」の段階から存在しています。例えばここで、web制作にビジネス視点を持ち込んだような情報発信をブログやSNSで積極的に行うなどで、対策を打つことができます。</p><p>また「会社選び（情報収集）」「比較・検討」の段階でもチャンスはあります。ビジネスにこだわり、webマーケティングやブランディングの観点から課題を解決できることを証明するような具体的で説得力あるコンテンツ群で自社サイトを構成すれば、「制作のことばかりでビジネスのことを考えられない」というweb制作会社にまつわる負のイメージをある程度払拭できるでしょう。</p><p>我々のビジネスには対面営業は不可欠ですが、その対面営業がメインとなる「最終選考」では、より具体的かつ説得力を持った紹介や提案を行うことで、「web制作のことばかりでビジネスのことを考えられない」という印象をゼロに近づけることができます。</p><p>忘れてはいけないのは、web制作は典型的なBtoBビジネスであり、リードタイムが長く、情報収集がきちんと行われるビジネスであるということです。もちろん第一印象であまりにも悪い印象を与えてしまっては元も子もありませんが、顧客と接点を持ち、ネガティブな印象を払拭する機会は、長期間、複数回存在しています。</p><p>つまり、「古臭い」「ダサい」といったイメージを持たれるリスクより、世に浸透している言葉を使わないことのリスクの方が高いのでは、というのが私たちの見解です。</p><p>先ほどのブランド・レレバンスの話にあるように、「webコンサル会社」、「webマーケティング会社」、「web制作会社」もしくはそれに類するカテゴリ名との関連がない企業は、極端に発見されにくくなります。例え実力があっても、選考の俎上に上がらなくなるわけです。</p><p>「企業探し（情報収集）」の段階にいる顧客との出会いに、自社サイトを活用しようと思うのなら、当然、自社サイト内のコピーもそれに合わせた戦略性が求められます。「クリエイティブ・ブティック」のような一般に使われない言葉を選択し、ポエムのような情緒的だが具体的に何も伝わってこないメッセージと、言葉足らずの実績で埋め尽くしたようなwebサイトでは、新しい顧客との出会いは難しいでしょう。これはSEOを考慮しろという話ではなく、コピーひとつとっても、自社が目指すビジネス上のゴールとそれを解決するための戦略的な意図を考えて決めないといけないのでは、という問題提起です。 </p><h2>顧客を具体的にイメージする</h2><p>私たちは、単に言葉のカッコよさや好みではなく、ターゲットが課題解決を目指すときに、どのようなことを思い、どういう言葉を思い浮かべるかを、真剣に考えなくてはなりません。例えば、具体的なビジネス上の課題解決を計画し始めた企業のweb担当者は、おそらくこのように思っているはずです。 </p><ol><li>ビジネス上の課題（売上、顧客獲得、コスト削減、人材獲得など）があり、解決したい</li><li>解決策にはいろいろあるが、おそらくwebも手を入れないといけないだろう</li><li>しかし、今付き合いがある代理店や制作会社には任せられない</li><li>課題を解決してくれる、webに詳しい会社と新たに知り合いたい</li></ol><p>この時点で、企業の担当者の頭の中には、webコンサル会社、webマーケティング会社、web制作会社が候補カテゴリとしてひらめくでしょう。しかし、一つには絞れません。なぜならそれぞれのカテゴリに、不安要因が存在するためです。</p><p>webコンサル会社やwebマーケティング会社には、きちんと質の高いアウトプットが作れるのか、プロジェクトを滞りなくマネジメントできるのか、制作や開発が必要になった場合、リソースをすぐに確保できるのか、中間マージンでコストが膨らまないか、といった不安が付きまといます。</p><p>web制作会社には、きちんとビジネスのことまで考えてくれるのだろうか、課題に見合った適切な提案をしてくれるのか、という不安が付きまといます。</p><p>これらの不安をある程度払拭できたwebコンサル会社、webマーケティング会社、web制作会社が候補となり、エクセルなどで管理している候補リストに登録され、上司に途中報告をし、その合意が取れた会社に対して問い合わせをします。</p><p>弊社のデータでは、担当者の多くは20代後半から30代前半、入社歴1年以内の正社員、6～7割が女性です。7～8割は、13:00～18:00の午後の勤務時間内に問い合わせフォームから問い合わせをします。電話とフォームの比率は1:9くらいです。朝一番や月曜日、連休明けに問い合わせするのは少数派です。問い合わせにもある程度の心の準備が必要なのだと推測されます。</p><p>上司は彼女たちに会社探しを指示し、ある程度集まった情報を確認します。上司の多くは入社歴5年以上の35歳～45歳くらいの男性です。彼らはwebサイトを隅々まで見ることはなく、詳しくは直接話を聴けばいいと思っています。ただ、闇雲に声をかけて無駄な時間は費やしたくないので、どんな特徴があり、何が強みの会社かを、担当者の情報からざっと確認します。そのため、web制作会社の自社サイトには、1ページでその会社の特長が分かるページや会社紹介のPDFがあると重宝されます。</p><p>企業の担当者や上司の顔や状況を具体的に想定すると、私たちは自身自身にどのような言葉を冠し、どのように情報発信をし、どのようにコミュニケーションを取るべきかが、おぼろげながら見えてきます。</p><p>このような顧客特性と、私たちの組織構造、スキル構成なども含めて総合的に考えた結果、私たちは「web制作会社」以外を名乗る必然性がなく、少々ダサくても、キャッチーで浸透している肩書を名乗っておく方が戦略上都合がいい、という判断になったわけです。</p><p>さらにいえば、私たちは単なる「web制作会社」ではなく、ターゲットとする企業に対して「コンサル型のweb制作会社」というサブカテゴリのトップブランドであると認識されるよう、コミュニケーションを取ろうと考えています。そのための細々とした施策の一つが、自らに「web制作会社」を冠することであり、自社サイトのコピーに明確に「web制作会社」という単語を含めることであり、SNS上で「私たちはweb屋だ」と堂々と発言することなのです。</p><h2>私たちがweb制作会社でなくなる時</h2><p>今のところ、上記の仮説に基づく取り組みはうまくいっているようです。サイトリニューアル後、問い合わせは約30件／月に増えました。うち、予算と納期が合う5～7社と面談をしますが、当然web制作だけやってくれればいいという方は皆無です。やはり本当に解決したいのはビジネス上の課題です。でもwebサイトの改修は必要と見込んでて、そうなると制作に強くないwebマーケ系の会社に依頼するのも妥当ではない気がし、迷いながらもweb制作会社もあたっている、という話をうかがいます。</p><p>ただ、現状がそうだからといって、未来永劫「web制作会社」を名乗るつもりはありません。不都合になれば、私たちはあっさりと「web制作会社」という肩書を捨てるでしょう。例えば、以下のいくつかが満たされるようになった時に、私たちはその判断を下すはずです。 </p><ul><li>受注の半数以上がコンサルやマーケ系の案件になる</li><li>社内にコンサルやプロデューサー系のリソースが充実する</li><li>ビジネスも制作もできる会社を表す別の業態名が浸透する</li></ul><p>逆にいえば、このような状況が整うまで、私たちは自信と誇りをもって、時代遅れの「web制作会社」という肩書を堂々と名乗り続けようと思います。</p><p>web制作業を取り巻く環境は急変しています。制作会社がコンサル会社やマーケティング会社に買収されるニュースを聴いても驚かなくなってきました。そしてこのようなニュースがあるたびに「いつまでもweb制作やってる場合じゃない」などという言葉が飛び交っていることを想像してしまいます。</p><p>しかし、そういった大きな潮流には目配せしながら、今の自分たちの顧客、自分たちが求められること、自分たちができること、自分たちがやりたいこと、自分たちが手を伸ばせる範囲、共に働くスタッフのビジョンなど、自分たちの足元やその周辺にある現実をしっかり見据えた上で、むやみやたらと心に波風を立てることなく、大きな流れに乗ろうと焦ることもなく、地に足の着いた活動を続けていきたいと思っています。</p>]]></content:encoded>
			<wfw:commentRss>https://baigie.me/sogitani/2017/04/wearewebpro/feed/</wfw:commentRss>
		<slash:comments>0</slash:comments>
		</item>
		<item>
		<title>学生と社会人の違い</title>
		<link>https://baigie.me/sogitani/2017/04/studentandworker/</link>
		<comments>https://baigie.me/sogitani/2017/04/studentandworker/#comments</comments>
		<pubDate>Thu, 06 Apr 2017 06:24:54 +0000</pubDate>
		<dc:creator><![CDATA[枌谷 力]]></dc:creator>
				<category><![CDATA[仕事]]></category>

		<guid isPermaLink="false">https://baigie.me/sogitani/?p=3670</guid>
		<description><![CDATA[当社にも今年1名の新社会人が、正社員として入社してきました。新社会人が入社するのは3年連続です。当社に入社する [&#8230;]]]></description>
				<content:encoded><![CDATA[<p>当社にも今年1名の新社会人が、正社員として入社してきました。新社会人が入社するのは3年連続です。当社に入社する方には必ず最初にオリエンテーションを行っていますが、新社会人には「学生と社会人の違い」といったことも教えていたりします。その内容は業種や職種に関わらず割と普遍的なことでもあり、他の会社でも参考になると思うので、ここで共有しようと思います。</p><p><img src="https://baigie.me/sogitani/wp-content/uploads/studentandworker1.png" alt="学生と社会人の違い" width="800" height="481" /></p><h2>本業</h2><p>学生は自由な時間も多いため、アルバイト、ボランティア、インターンなど、様々な課外活動を行うことができますが、本業は学業です。社会人の本業は仕事です。学生と社会人の違いの多くは、学業と仕事の性質の違いに起因しています。</p><h2>本業の目的</h2><p>学業の目的は、知識（技術）の習得です。豊富で高度な知識が身に付いていることを試験で証明できれば評価されます。一方、仕事の目的は成果です。社会や周囲への貢献、影響と言い換えることもできます。社会人になっても学習は不可欠ですが、知識を身に付けただけでは評価されません。身に付けた知識で周囲に影響を与えなければなりません。それ故に「自分の方が知識豊富なのにあいつの方が高く評価されている」ということは、学業ではほとんど起こりませんが、仕事では当たり前に起こります。</p><h2>目的の達成方法</h2><p>学業で求められるのは、自分自身の努力だけです。自分が努力しなければいけないし、自分の努力だけでなんとかなります。一方仕事では自分の努力だけではどうにもならないことも多いです。自分一人でがんばるのではなく、周囲と協調し、反対する人がいたら説得し、時には妥協をし、周囲を巻き込まなければいけないことが多いです。あるいは自分のがんばり度合と周囲からの評価の相関が少ない世界ともいえます。漫画やドラマでよく描かれる「一番努力した人が一番成功する」という綺麗事があまり通じないのが社会人です。</p><h2>責任</h2><p>学業は自分の努力次第なので、責任は自分に返ってきます。怠けたツケは低い成績や留年という形で自分に返ってきますが、周囲に迷惑がかかることはあまりないでしょう（親は心配するでしょうが）。逆に努力で手に入れた評価はすべて独り占めにできます。</p><p>社会人の場合、ほとんどのことが上司や会社の責任になります。あなたがミスをして顧客に損失を与えても、多くの場合、顧客に謝罪に行く必要はありません。上司が謝罪し、必要なら会社が違約金を払います。まともな会社なら、経験の浅い人をきちんと守る風土や仕組みがあります。これは学生より楽と思えるかもしれませんが、自分の失態で周囲の人が謝罪したり困ったりする姿を見るのは、それはそれでかなり苦痛です。また、責任の分界が曖昧なため、自分が貢献したと思っても評価を独り占めにはしにくいです。時には上司や部下の手柄にしなければならないこともあります。</p><h2>収入源</h2><p>学生は本業で収入を得ることはできません。収入源は副業です。本業である学業での成績の良し悪しで生活が苦しくなったりはしません。一方で社会人は本業が収入源になります。本業である仕事での評価の良し悪しが収入に直接響き、生活や人生に大きな影響を与えます。</p><h2>本業の時間</h2><p>人それぞれでしょうが、基本的に学業の拘束時間はそれほどでもなく、私的な時間の確保は難しくありません。一方で社会人は本業が生活時間の大半を占めます。通勤や休憩も含めると平日は10時間以上を仕事に拘束されます。残業のない職場であっても、学生ほどの時間的余裕はなく、大きなストレスを感じる可能性があります。また、収入と直結するため、私的な時間を削って仕事に費やす人も存在します。仕事以外の限られた時間をどのように使うかの判断が、社会人生活の大きな課題となりがちです。</p><h2>正解</h2><p>学業において、多くの場合は正解があります。もちろん論文のように正解が明確ではない課題もありますが、期限までにある一定以上の質と量で完成させれば、ひとまず正解と見なされることがほとんどでしょう。わからないときは先生に聞けば、正解もしくはヒントをもらうこともできます。</p><p>一方、仕事は正解がないものがほとんどです。上司や先輩の言うことが間違っていることもあります。短期的には正しくても、長期的には間違っていることもあります。ある人には良い影響を与えても、ある人には悪い影響を与えることもあります。売上的には良いアイデアだけど、人材育成的には悪いアイデアなこともあります。自分なりの正解をひとまず仮定し、それが正解か確かめられないまま行動を迫られ、失敗すると怒られることもあります。でもそれが良い経験となることもあります。正解を先生や教科書が教えてくれるのが学生、何が正解かは自分で決めるのが社会人、といえるかもしれません。</p><h2>評価基準</h2><p>学業においては、評価基準は明快です。多くの場合は試験が基準となり、その内容に応じて点数や評価のランクが提示されます。一方、仕事においての評価は曖昧です。その一つの理由は、基本的に組織で動いており、成果への影響が複雑で突き止めることが難しいためです。</p><p>例えばあなたが営業担当で、一人でプレゼンし、10億の仕事を受注したとしましょう。このような分かりやすい状況においても、あなたの評価は簡単にできません。例えば、あなたにプレゼン方法を教えた先輩はどのくらい評価を受けるべきでしょうか。あなたにその仕事を割り当てた上司はどうでしょうか。あなたにその仕事を引き渡したマーケティング担当者はどうでしょうか。たまたま配属された部署で、たまたま難易度の低い高額案件に出会えただけという可能性はないでしょうか。このように考えるほど、評価基準は分からなくなります。</p><p>曖昧で主観的な評価基準は不満の一因になりやすいため、まるで通知表のように、仕事における評価基準を明確にしてスコアリングするような人事評価システムを導入している企業も数多く存在します。しかし私の不勉強かもしれませんが、このようなシステムが評価に関する問題を抜本的に解決したという話は聴いたことがありません。なぜなら、どんなに精緻に評価基準を作り、それに合わせて厳格にスコアを付けても、結局は曖昧で主観的な評価がそこに含まれてくるからです。GE、Google、Adobe、Accentureといった外資系企業のように、このようなパフォーマンス評価型のシステムは非生産的だとしてやめる企業も出始めています。</p><p>評価基準が曖昧で明確ではない社会人において、学生のように「正しい評価」「適切な評価」「明快な評価」を期待すること自体、間違いかも知れません。あなたがもし「高く評価されたい」と思うなら、適切な評価基準なるものを提示してもらい、それに合わせて行動するのではなく、ターゲットとする人や組織が本質的に求めている曖昧で主観的な価値の核心を考え、それを継続的に提供し、彼らの心をとにかく大きく動かす、と考えた方がうまくいくでしょう。誰かが決めた基準に従う杓子定規な人より、曖昧で感覚的で矛盾を含む人間の特性を受け入れて、相手の心を動かすことにフォーカスして行動する人の方が高く評価されるのが、社会人の世界ともいえます。</p><h2>対人関係</h2><p>学生もいろいろな人がいますが、一般的に学生の人間関係は同級生中心で、あとは上下2～3年の先輩・後輩が基本ではないでしょうか。アルバイトなどで他年代と交わることもあるでしょうが、その人数は少なく、関係はあまり深くないことの方が多いでしょう。つまり、対人関係の幅が狭いのが学生の特徴です。</p><p>社会人において、同世代だけと仕事をするケースは稀です。それなりの規模の会社なら、同じ部署でも、様々な年代・経歴の人が入り混じっています。さらに他部署の人、顧客、社外の協力会社など、様々な年齢・性別・立場・価値観の人と関わり合って仕事をしなければなりません。最近は国籍が違う人と仕事をすることも珍しくありません。このように多種多様な人々と協調しなければいけないのが社会人です。</p><p>また、対人関係の選択権がほとんどないのも社会人の特徴です。学生であれば、気の合う人や好きな人だけで集まったり、気の合わない人とは距離を置いてコミュニケーションを取らないようにできます。社会人は気の合う人や好きな人だけで仕事をすることは難しく、気が合わない人、価値観が違う人とも深く関わらなければいけないケースも出てきます。これは新社会人が早い段階で直面する大きな問題の一つとなるでしょう。ただしこれは人生のほとんどで起こることでもあり、これこそが人間社会の基本的な姿ともいえます。逆にいえば学生というのはかなり特殊な環境ともいえます。複雑な人間関係の中で渡り合っていく力を身に付けることも、社会人になると求められます。</p><h2>価値観</h2><p>本業が一番大切なのは学生も社会人も基本的に同じですが、学生の価値観で特徴的なのは、友人中心の価値観が強いことでしょう。人によっては学業以上に価値を置いていることもあります。一方で社会人になると友人の存在は薄くなります。あるいは友人の定義が変わります。</p><p>学生の頃は、友人の親密度は過ごす時間量に概ね比例します。しかし社会人になると仕事以外の時間を確保することが難しくなります。学生の頃毎日会っていた友人とは週に1度も会わなくなります。やがてそれぞれ異なる仕事をする中で、異なる価値観や考えを持つようになり、話が合わなくなることも珍しくありません。それでも、お互いのことを忘れず、数年に1度近況を報告しあうならば、それは立派な友人といえるでしょう。</p><p>一方で社会人になると、仕事が価値観の中心になってきます。そして、仕事で毎日顔を合わせる先輩や上司、同僚との関係が重要になってきます。顧客や協力会社がそこに加わることもあるでしょう。彼らとの関係は友人ほど気楽なものではなく、時に油断のならない相手だったりします。本音で話すことより、建前で話すことも多いでしょう。必ずしも好きな相手でもなく、しばしば顔を見たくないほど嫌いになることもあります。しかし、その人への好意の度合いと重要度が一致しないのが、社会人の特徴です。怖くて気の抜けない先輩だけど自分を導いてくれる人だったり、苦手な上司だけれども仕事の仕方は尊敬できる部分があったり、人間的に軽蔑している同僚だけど実力は認めざるをえなかったり、というように、仕事中心の価値観では、好き嫌いがあまり重要ではなくなります。多少の好き嫌いは誰しもありますが、好き嫌いをあまりにも強く出し過ぎる社会人は、学生的と言えるかもしれません。</p><p>結婚をして子供が誕生して家族を持つと、さらに難しい価値観の衝突が生まれがちです。多くの人にとって家族は仕事よりも優先されますが、仕事と家族は相互依存関係にあり、家族優先で判断しているつもりが、長い目で見ると家族にマイナスに作用するケースも起こりえます。自己啓発の名著『7つの習慣』では、家族中心の価値観に固執することも、仕事中心の価値観に固執することもいずれも好ましくはなく、状況に応じて取るべき行動を選択しなければならない、といったことが書かれていますが、家族と仕事のバランスで悩むというのも、社会人の特徴でしょう。</p><p>また社会人では、趣味を重視する価値観が取りにくくなります。独身の時はまだ維持できても、家族ができると趣味を諦める人も多く出てきます。しかしこれは必ずしも熱意の問題というわけではなく、限られた時間をどこに配分すべきか、という判断の末、下される決断です。一方で経済力が増すので、趣味への投資の仕方が変わることもあり、中には学生時代よりも趣味が充実する人もいます。ただ、社会人は関心があることすべてに時間を使うことができず、重要な価値観から順に時間を割り当てて取捨選択していかなければならないというのは、共通して言えることでしょう。</p><h2>ゴール</h2><p>学生のゴールはいうまでもなく卒業です。成績の良し悪しはあるでしょうが、卒業すればひとまず成功になります。一方、社会人のゴールは夢や理想の実現です。それは誰かに提示されるものではなく、自分で設定しなければなりません。つまり自己実現です。このゴールは次々と新しくなったり、永久に満たされなかったりすることもあります。しかし、ゴールに翻弄されている人はまだ幸せかもしれません。社会人はゴールを持たなくても生きていけるからです。毎月振り込まれるお給料で満足し、それをできるだけ長く維持するために働くこともできます。ただしこのような仕事の仕方で割り切れる人は案外少数派で、多くの場合は葛藤が生じます。葛藤の結果、これで満足しようと手を打つことができるかもしれませんが、年老いて振り返った時にそれで満足するのかどうかは定かではありません。</p><p>また、明確なゴールを設定している人は、やるべきこととやらざるべきことの区別がついており、周囲から高い評価を得られる傾向はあります。また変化する市場環境に耐えられる人も、ゴールを持っている人の方が多い印象があります。毎月振り込まれるお給料で満足している人は、その会社が無くなったときに人生の危機が訪れるかもしれません。しかしもちろんこれも、必ずしそうと言い切れることでもありません。ゴールを設定するのか、しないのか、あるいはどういうゴールにするのか、これらをすべて自分で決めるのが社会人です。先ほど社会人は、自己責任ではなく組織責任が強いと説明しましたが、しかし大局的に見れば、社会人は学生以上に重い自己責任を負っているといえるかもしれません。</p><h2>さいごに</h2><p>人によってはこれを読んで、社会人怖い、学生に戻りたい、と思ったかもしれません。しかし、あまり恐れることもありません。なぜなら人は案外慣れるものだからです。慣れた頃には、トータルで見ると社会人は学生以上に楽しい、と思えるかもしれません。また正解がないので、本当に辛かったら環境を変えるという判断もありえます。経営戦略において「撤退」は重要な選択肢の一つになっていますが、個人のキャリアにおいてもこれは例外ではありません。</p><p>社会人になると、2つの矛盾することを言われるでしょう。一つは、石の上にも三年、忍耐強く取り組め、という話です。もう一つは、ダメと思ったらすぐ動け、自分に合った環境は必ずある、という話です。これはどちらも正論ですが、どちらかに極端に偏ってもいけません。</p><p>会社や周囲のいうことが納得できない。自分には合っていない気がする。でもそれは、社会人になると普遍的に求められることで、会社を変えてもまた同じ不満や苦しみを味わうだけということがあります。また完璧な会社はこの世に存在しません。Googleの人事トップが書いた『Work Rules』では、あのGoogleでさえ、日々手探りで、日々様々な問題に直面していることを伺い知ることができます。あるいは学生が憧れる人気企業に働いている人で、端から見ればくだらないとしか言えないことで悩んでいる人も大勢います。しかしこういうことは、珍しいことではありません。理想ばかりが膨らみ、今の職場環境の欠点ばかりが目に付き、この世に決して存在しない会社や環境を求めてしまっていることもあります。こういう時はやはり、一時的な感情に流されず、状況を冷静に判断する「石の上に三年」の気持ちが必要でしょう。</p><p>一方で、社員に対する明確なビジョンもなく、社員を使い捨てにしているような会社もあります。倫理観が薄く、パワハラやセクハラが横行している会社もあります。業績は安定しているが、旧態依然としてて、働けば働くほど今の世の中から取り残される会社もあります。プロ意識が薄く、まともなスキルやビジネス感覚が身に付かない会社もあります。こういう会社に三年もいるのは得策ではないこともあります。そういう時は、さっさと辞めた方が良いかもしれません。今は終身雇用の時代ではありませんし、その会社で成功しなければ人生が終わる、という時代でもありません。精神を病み、健康を害するほどに悩むのなら、一層のこと環境を変えた方が良いこともあります。</p><p>結局は、何が正解というわけでもなく、こういったことをケース・バイ・ケースでバランスを取って、自分で判断しなければなりません。しかもその判断が良かったか悪かったかは、5年、10年経たないと分からないことも多いです。5年や10年先では分からないこともあります。ただ一ついえることは、あまり短期的に物事を考えない方が良い、というのは言えるかもしれません。</p><p>結局は自分の経験でしか語れませんが、私自身は、社会人になって最初の2年間は本当につまらなかったです。しかし自分の目標を見つけてから社会人が楽しくなりました。10代よりも20代の方が楽しく、20代よりも30代の方が楽しくなりました。40代は老後や健康の問題などが過ってきますが、そのことを除くと、40代は、10代よりも20代よりも30代よりも、自分の力が高まっているようにも感じます。</p><p>社会人では、学生の頃には味合わなかった苦しみや辛さも経験します。その一方で、学生の頃には味わえなかった喜びや楽しさや刺激もあります。本当に楽しいのは仕事の中の3割だけと誰かが言ってましたが、確かに仕事とはその3割の喜びのためにしている気もします。</p><p>仕事の中でどうしても辛くなった時には、ここに書いた「社会人と学生の違い」を思い出し、自分の状況を客観的に見てみましょう。「この辛さはいつか去るもんだ」「こういう苦しみはみんな経験してもんだ」と思えれば、少しは楽になるかもしれません。</p><p>最後に、以下は上記のことを含めて、社会人が求められること、キャリアパスや評価基準などをまとめた、当社の新社会人向けオリエン資料です。クリエイター前提の内容ですが、他の職種に当てはまる部分も多いかもしれません。こちらも参考までにご覧ください。</p><p><iframe style="border: 1px solid #CCC; border-width: 1px; margin-bottom: 5px; max-width: 100%;" src="//www.slideshare.net/slideshow/embed_code/key/tzzoY9oKImZmcq" width="800" height="652" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no" allowfullscreen="allowfullscreen"> </iframe></p><div style="margin-bottom: 5px;"><strong> <a title="学生と社会人の違い" href="//www.slideshare.net/sogitani_baigie/ss-74493147" target="_blank">学生と社会人の違い</a> </strong> from <strong><a href="//www.slideshare.net/sogitani_baigie" target="_blank">Tsutomu Sogitani</a></strong></div>]]></content:encoded>
			<wfw:commentRss>https://baigie.me/sogitani/2017/04/studentandworker/feed/</wfw:commentRss>
		<slash:comments>0</slash:comments>
		</item>
		<item>
		<title>「やりたくない仕事」が教えてくれた大事なこと</title>
		<link>https://baigie.me/sogitani/2017/02/need-can-want/</link>
		<comments>https://baigie.me/sogitani/2017/02/need-can-want/#comments</comments>
		<pubDate>Tue, 07 Feb 2017 07:05:19 +0000</pubDate>
		<dc:creator><![CDATA[枌谷 力]]></dc:creator>
				<category><![CDATA[仕事]]></category>

		<guid isPermaLink="false">https://baigie.me/sogitani/?p=3466</guid>
		<description><![CDATA[「やりたい仕事をしよう」「やりたいことを見つけよう」など、キャリアの話には「やりたいことを仕事にする＝幸せ・成 [&#8230;]]]></description>
				<content:encoded><![CDATA[<p>「やりたい仕事をしよう」「やりたいことを見つけよう」など、キャリアの話には「やりたいことを仕事にする＝幸せ・成功」を前提としたものが多いです。しかし「やりたい」を基準にした仕事選びは、すべての人にとってベストな選び方なのでしょうか。実はある条件下だけで成立する選び方であって、もっと視野を広く持って考えるべきではないでしょうか。</p><p>実は私自身は「やりたくない仕事」に嫌気がさし、「やりたい仕事」に転職した経験を持っています。その「やりたい仕事」を今も続けています。当然「やりたい仕事」に就くことの喜びは理解しているつもりです。しかしその経験を持ちながらも、若い時に「やりたい仕事」に固執しすぎるのはマイナスの方が大きいのでは、という考えを持ってます。それは以下のような経験があるからです。</p><h2>「やりたくない仕事」に配属され、会社を辞めた</h2><p>私が学生の頃、一番やりたくなかった仕事は営業でした。ひどく人見知りでしたし、売上やノルマに追われて仕事をするなんてまっぴらごめんと思っていました。</p><p>一方でやりたかったのは、企画や商品開発のような仕事でした。今となっては恥ずかしい話ですが、当時は自分をなかなかのアイデアマンだと思っていましたし、そういった職種でこそ実力が発揮できると思っていました。（ちなみに、このような理由で営業を嫌い、企画や商品開発の仕事を希望する学生は多く、いうなれば没個性的で短絡的な発想です）</p><p>当然就職活動では、製造業や広告業、エンタメ業界などを志望しました。しかし時代は就職氷河期の真っ只中、特に光るものもない私に内定を出してくれた会社は1社だけでした。その会社に入ると営業への配属が確実だったため、私は内定を辞退、就職浪人の道を選びました。</p><p>2年目の就職活動では1年目の反省から、業界を絞って企業研究をし、職種もSEに定めました。その甲斐あり、面接はほとんどうまく行き、第一志望の企業に入ることができました。畑違いな日本史専攻、当時はまだ珍しい就職浪人、特段話し上手じゃない、にも関わらず成功体験をしたことは「やはり自分は時間をかけてじっくり取り組む仕事が向いている」という思いをさらに強めました。</p><p>500人ほどの新入社員のほとんどがSEに配属されるその会社で、自分も当然SEになると思っていました。しかし、研修最終日に発表された配属先は営業でした。営業の仕事を避けるために就職浪人までしたのに営業に配属されたのです。当時は人事部の決定をひどく恨んだものでした。</p><p>幸いその会社の営業は、私が特に恐れていた、ノルマを負わされて飛び込みをするようなスタイルではありませんでした。しかし、引き合いのあった顧客へのヒアリング、契約書類の手配、提案資料作成、顧客への挨拶、社内決裁、開発チームの打ち合わせ同席など、仕事内容は紛れもなく営業でした。</p><p>残念ながら、その会社にいる間は、営業の仕事にほとんど興味が持てませんでした。最初の半年は大量の契約をエクセルで管理をし、処理が終わった契約書類をファイリングする仕事でした。徐々に顧客とのミーティングに同席する機会も増えましたが、開発経験もない新卒入社の私は自信をもった発言ができず、ただ議事録を書くだけでした。</p><p>無力さを痛感し、自分の人生はこんなはずじゃないと考える毎日でした。結局2年目になった頃に辞めることを決意、その後2年間は、仕事をしながらデザインの勉強ができるキャリアスクールに通ったり、面接用の作品を作るなどの転職準備をし、計4年でその会社を退職しました。営業のような、コミュニケーション能力で優劣が決まる仕事は自分には不向きだ。確固たるスキルを持ち、一つのことにじっくり向き合い、自分が作ったものはこれだ、と言える仕事がしたい。そう思い、デザイナーに転職しました。</p><h2><strong>「やりたい仕事」の中で知った、「やりたくなかった仕事」の価値</strong></h2><p>デザインの仕事は確かに、自分の貢献が明確に見える世界でした。私はすぐにデザイン、特にWebデザインの世界にのめり込み、公私無くPCを触って何かを作る日々を続けました。</p><p>その仕事の中で最初に私の強みとなったのは、実は営業の経験でした。もちろん業界も職種も異なるため、デザイン力に直接作用したわけではありません。しかし、資料作り、議事録作成、プレゼンテーション、顧客とのコミュニケーションは、あまり分業化されていなかった当時のWebデザイナーには重宝されるスキルでした。</p><p>向いていないと思っていた4年間の営業経験でいつの間にか人見知りはなくなり、知らない会社に一人で訪問し、一人で話をし、大勢の前で話すことに、不安もためらいもなくなっていました。営業時代の資料作りで鍛えられたロジカルシンキング、タスクとステータスを管理するマネジメントの基本、議事録や社内外の様々な人とのメールで培った文章力は、デザインの仕事でも重宝しました。</p><p>私は計画通り35歳で独立し、37歳でWeb制作会社を作りました。今は経営のみならず、デザイン、アートディレクション、UXデザイン、情報設計、プロデュース、解析、人事、広報、掃除をすべてこなしています。当然、仕事を獲得する営業活動もまた、重要な任務です。</p><p>小さい会社なので、営業に特化する余裕はありません。そこでSEOやコンテンツを強化し、こちらから働きかけずとも集客できる環境作りに力を入れました。問い合わせ内容は細かく記録し、メッセージは定型化し、電話やメールを活用した事前確認など、営業前段階の案件精査をできる限り行い、顧客化の可能性が高い企業にだけ会うようにしました。コンペには参加基準を設け、提案書作りのノウハウも蓄積しました。</p><p>このような効率化の努力もあり、顧客にならない問い合わせに対処する時間は最小限になりました。提案書を書いてコンペに臨んだ時の勝率は9割近くになりました。もちろんそれでも1割以上は失注するので完ぺきとは言えませんが、受注確度の高い顧客を見極め、受注確度の低い依頼には乗らないことを今も愚直に続けています。</p><p>こういった営業ノウハウの一部について、企業から依頼を受けて、時々講演するようになりました。さらに話は発展し、出版社から書籍発売のお誘いも来ました。現在、仕事の合間にその執筆を行っています。</p><p>さて、20年前に営業を毛嫌いしていた学生の頃の私や、営業が嫌でデザイナーに転身した15年前の私は、自身に起こるこのような未来が見えていたでしょうか。営業嫌いだったあの頃の私は、将来営業に関する講演をし、営業に関する本を執筆すると予想していたでしょうか。営業にまつわる仕事を「楽しい」とさえ思う自分が想像できていたでしょうか。言うまでもなく、まったくの想定外です。つまり若い頃の自分には、未来を見通す力がなかったわけです。</p><h2><strong>若い頃の「やりたい」にあまり意味はない</strong></h2><p>私は、計画を立てて石橋を叩きながらキャリアを築くタイプで、スピードに欠ける一面があり、これは私の弱点です。しかし、そういった慎重派で計画的行動を好む私でさえ、以下のように今の自分が持っているスキルを列挙してみると、計画的に身に付けたスキルが少ないことに気が付きます。</p><p>Webデザイン★／アートディレクション★／Webマーケティング／UXデザイン／情報設計／コピーライティング／アクセス解析／ディレクション／ファシリテーション／プロジェクト管理／セールス／企画書作り★／プレゼンテーション／ブログ運営・執筆／講演・登壇／会社経営★／広報／経理／法務／人事・採用</p><p>この20個あるスキルのうち、最初からやりたいと思って選んだのは、★のついた4つくらいです。あとは立場上求められて、あるいは必然性を感じて後から身に付けたものばかりです。さらにいえば、かつて「やりたい」と思って身に付けたHTMLコーディングやFlash（ActionScript）は、今はまったく関わっていません。</p><p>若い頃は「やりたい仕事」に強くこだわる必要はないと考えるのは、上記のような経験から得た、以下の様な結論から感じるところです。</p><ul><li>若い頃の「やりたい」の多くは、実態を知らない勝手な想像や思い違いも多い</li><li>若いので、そもそも自己分析が適切にできていない</li><li>「やりたい」を仕事にできても、やりたい通りにはキャリアは進まない</li><li>技術や社会環境の変化で「やりたい仕事」が無くなったり、変質したりする</li><li>若い頃の「やりたい」の根拠は自分の欲求だけで、世の中のニーズが無視されている</li><li>「やりたい仕事」に就くことが「続けられる仕事」に就くことを保障しない</li><li>「やりたい仕事」をやり続けた結果、自分がなりたい姿になれるかどうかの保証はない</li><li>「やりたい仕事」以外のセレンディピティも、キャリア形成に重要な意味を持つ</li><li>期待に応え、その能力が備わると「やりたくない」が「楽しい」に変わることがある</li><li>若い頃の「やりたい」が10年も20年も変わらずにいるとは限らない</li><li>キャリアとは複雑な要因が複雑に絡み合って築かれていく</li><li>「やりたい仕事」以外を一切経験しないキャリア形成は不可能である</li><li>「やりたくない仕事」の中に、無駄にはならない機会が存在している</li><li>この世には、今の自分が知らない楽しいことが山ほど存在している</li></ul><h2><strong>仕事の3属性</strong></h2><p>「やりたい仕事」というのは、分解して考えると、仕事全体のある一部分に過ぎません。仕事というものをもっと大きな視点で捉えると、私たちの仕事やその中に含まれる様々な業務は、WANT、NEED、CANの3つに大別できると考えられます。</p><p><img class="alignnone size-full wp-image-3506" src="https://baigie.me/sogitani/wp-content/uploads/やりたい仕事2.png" alt="仕事の3属性" width="720" height="500" /></p><p>WANTは、やりたい仕事です。NEEDは広い意味では社会や市場、狭い意味では会社や上司から求められる仕事です。CANは自分ができる仕事です。</p><p>職業人として最も幸せなのは、WANT、NEED、CANが重なった領域に身を置くことです。3つの円の重なりが大きくなり、その領域の仕事が多くなるほど、仕事から得られる満足感は高くなるでしょう。ある程度キャリアが進んだ人は、WANT、NEED、CANが重なる領域の仕事に多くの時間を費やす方がおそらく幸せでしょう。しかし、経験のあまりない人が3属性が重なる領域にいきなり身を置くことは非常に難しいです。そこで、まずは3属性のどこかに携わり、徐々に3属性が重なるようスキルアップするか、自分の立ち位置をズラしていくのが現実的です。では、どの属性から切り込んでいくのが一番いいでしょうか。</p><p>私が3属性でもっとも大事と思うのはNEEDです。NEEDは仕事の存在意義そのものです。NEEDに属さない仕事、NEEDが薄い仕事は、無給か薄給で働くしかありません。もしくはNEEDを掘り起こすかです。いかにその仕事がWANTやCANに属していても、NEEDがない仕事を続けることはできないでしょう。NEEDの仕事を実行し、NEEDの主から対価をもらうのが、仕事の根幹です。</p><p>次に大事なのはCANでしょう。苦も無く続けられること、少しの努力でできることもCANに含めていいでしょう。もしNEEDに属する仕事に携わっていても、それを完遂する能力がなければ仕事としては評価されません。若い頃は簡単な仕事から機会を与えられますが、できる限りのスピードでCANの仕事を増やさなければ、やがて評価されなくなります。</p><p>そして最後に来るのがWANTです。WANTは重要ではない、というわけではありません。しかし、WANTはそれ単体で価値を生み出しにくく、不安定で、曖昧です。</p><p>WANTだけでは仕事が成立せず、NEEDやCANがともなっていなければなりません。しかもWANTは置かれた状況や気分で弱まったり消えたりします。さらにWANTは極めて主観的です。WANTは自分の中の相対的な感覚なので、自分では「強いWANT」と思っていても、他者と比べると実は「弱いWANT」で、競争しても勝負にならないことがあります。消去法で選んだことをWANTと置き換えて考える人が陥るパターンです。</p><p>ともあれWANTは主観的で流動的で曖昧です。さらにNEEDやCANを満たし、周囲から褒められ、評価されることで、その仕事にやりがいを覚え、WANTになることもあります。WANTは後から付いてくることも多いのです。だからWANTは、この3属性の中では最も重要でないと言えます。</p><p>「やりたい仕事をしよう」「やりたいことを見つけよう」というメッセージはWANTを重視した価値観です。しかし、最も重要ではないWANTに価値を置き、その一点突破で仕事を選ぶことは、全ての人にとってベストではないでしょう。NEEDに応える仕事を選ぶ、CANだから仕事にする、という選び方だって、同じく大切なのではないでしょうか。</p><h2><strong>「やりたい」を捨てる必要はないが、こだわりすぎない方がいい</strong></h2><p>学生や未経験者には、そもそもNEEDやCANに応じる能力がないことが多いです。だからWANT、つまり「やりたい」でしか仕事を選べないのはよく分かります。もちろん「やりたい」に携わる機会が得られたなら、それは存分に活用すべきでしょう。最初から「やりたい」をあきらめる必要もありません。挑戦の機会があれば、全力で挑戦した方がいいでしょう。</p><p>しかし、「やりたい仕事」にこだわりすぎ、排他的になることは得策ではありません。「やりたい仕事」に就けなくて絶望する必要も、焦る必要もありません。まだそのタイミングではないのかもしれません。やがて「やりたい仕事」でなくなるかもしれません。「やりたくない仕事」が将来の強みになるかもしれません。今は「やりたくない仕事」が将来は「やりたい仕事」に変わるかもしれません。</p><p>若いころから「やりたい仕事」と「やりたくない仕事」を明確に区別し、「やりたくない仕事」をできるだけ切り捨てたり、なるべく関わらないようする人を時に見かけます。しかし、そのような排他的な姿勢が、大事なチャンスを捨てていないでしょうか。経営の世界では「集中と選択」の重要性が語られることは多いですが、こと若い頃のキャリアに関していえば、過度な「集中と選択」はスキルの幅を狭め、将来の可能性を奪うことも多いのではないでしょうか。</p><p>器用貧乏という言葉があります。あれこれ経験することを避ける人は、自らが器用貧乏化することを恐れているのかもしれません。しかし器用貧乏な人というのは本当に存在するのでしょうか。仕事に関しては、器用な人（＝スキルの幅が広い人）はだいたい裕福（評価が高い）であり、不器用な人（＝スキルの幅が狭い人）の方が貧乏（評価が低い）なことの方が多いのではないでしょうか。</p><p>スキルは単体では価値を持ちにくく、複数のスキルが合わさって「スキルセット」になったとき、その人ならではの個性、他者には真似しにくい優位性が生まれます。そのスキルセットを獲得するには、「やりたい仕事」に特化するより、それ以外のことにも貪欲に関わった方が有利です。NEEDに答え続けた人の方が、WANTだけで純粋培養された人より、遥かに強いスキルセットが形成されるのが、実態ではないでしょうか。</p><h2><strong>30</strong><strong>代、40代になっても仕事を楽しむために</strong></h2><p>私自身、何かをやり切ったと満足できる結果はまだ得られていません。仕事をしていて、辛いこと、苦しいこともたくさんあります。しかし大好きなWebやマーケティング、デザインに関わりながら、様々な人と出会い、様々な業界の人に自分の得意分野で応えることができる今の仕事は総じて好きで、楽しくて、やりがいを感じています。40代ともなれば先が見え、モチベーションを失う人も出てくるでしょうが、未だ興味関心が衰えず、実現したい夢があり、そこに挑戦する機会をひとまず持てていることは、とてもラッキーだと感じます。</p><p>そんな私ですが、今まで歩んできたキャリアの中で反省点は多々あります。その一つが、若い頃に「やりたい仕事」「やりたくない仕事」を明確に分けて考えすぎたことです。</p><p>最初の会社で営業に配属された時に、営業という仕事の価値をもっと早くに感じ、前向きにとらえ、濃密な体験をし、もっと早くその会社を辞めていればよかったと思います。排他的にならず、もっと柔軟に物事を考えていれば、私のキャリアは、あと5年は早送りできたように感じています。</p><p>人生なるようにしかなりませんし、後になればどうとでも言えます。しかしそれでもやはり、若い頃に持っていた「やりたい仕事」に固執する考えによって、せっかくの機会を逸した実感はあります。そして、残りのキャリアで同じようなことを繰り返したくはないとも考えています。</p><p>人生は思い通りになることもあれば、そうでないこともあるでしょう。しかし思い通りにならなかったことが、将来を閉ざすわけではありません。「やりたいこと至上主義」に捕らわれる必要もありません。最短距離で行くより、寄り道をしたことが、自分の人生に良い影響を与えることもあります。何が何でも今の仕事にしがみつけ、嫌な仕事でも我慢してやれ、というわけではありません。ただ、今の仕事でなければ経験できないこと、今の自分が人から求められていること、それらを冷静に考えて仕事をすることもまた、大事な経験になるかもしれません。もしかしたらその仕事が、自分の人生を充実させる「天職」の入口かもしれません。</p><p>キャリアに悩む若者が、「やりたい仕事」の幻想に惑わされず、色々な角度から仕事や人生を考えられるよう、老婆心ながら記事としてまとめてみました。</p>]]></content:encoded>
			<wfw:commentRss>https://baigie.me/sogitani/2017/02/need-can-want/feed/</wfw:commentRss>
		<slash:comments>0</slash:comments>
		</item>
		<item>
		<title>デザインに関わるすべての人が知っておくべき色と配色の基本</title>
		<link>https://baigie.me/sogitani/2016/12/color-basic/</link>
		<comments>https://baigie.me/sogitani/2016/12/color-basic/#comments</comments>
		<pubDate>Tue, 13 Dec 2016 12:32:33 +0000</pubDate>
		<dc:creator><![CDATA[枌谷 力]]></dc:creator>
				<category><![CDATA[Webデザイン]]></category>
		<category><![CDATA[仕事]]></category>

		<guid isPermaLink="false">https://baigie.me/sogitani/?p=3538</guid>
		<description><![CDATA[色は私たちの身近に存在する視覚要素であり、日々の生活や行動に多大な影響を与えています。しかし、美術やデザインの [&#8230;]]]></description>
				<content:encoded><![CDATA[<p>色は私たちの身近に存在する視覚要素であり、日々の生活や行動に多大な影響を与えています。しかし、美術やデザインの専門教育を受けない限り、これほど身近な色を体系的に学ぶ機会はほとんどありません。</p><p>近年、ビジネスの現場でもデザインの重要性がよく語られます。ビジネスレイヤーで語られるデザインは課題解決を意味する広義のデザインであることも多いですが、その概念がプロダクトに落ちる段階では、ビジュアルデザインのような狭義のデザインも考えていかなくてはなりません。自身がデザイナーでなくとも、デザインをジャッジすべき立場になることも当然あるでしょう。</p><p>非デザイナーであっても、仕事の中で色を扱うシーンは他にもあります。PowerPointで文書作成をするとき、誰もが色を用いるでしょう。色の知識があればより効果的なドキュメント作成が可能になります。このように考えると、色はデザイナーだけの専門知識ではなく、デザインに関わるビジネスパーソンを含めたすべての人が知っておくべき基礎知識の一つではないでしょうか。</p><p>このエントリーでは、デザイナー以外の方が読むことを想定し、最低限知っておくといい色と配色の基本をまとめました。基本なので、細かいことは端折って簡単にまとめています。しかし、駆け出しのデザイナーでも十分参考にできる骨太な内容ではないかとも思います。</p><p>基本とはいえ、いきなりすべてをマスターする必要はありません。理解できる部分から使うという考えでまったく問題ありません。この記事をブックマークしておき、必要になったら読む、ということを繰り返していれば、1～2年もすればあなたにデザイナー並みの基本的な色の知識が身に付いているでしょう。</p><h2>発色方法</h2><p>まず手始めに、色には2種類の発色方法があることを知っておきましょう。</p><p><img src="https://baigie.me/sogitani/wp-content/uploads/color1-01.png" alt="2つの発色方法" width="800" height="240" /></p><h3>加法混色</h3><p>黒を下地とし、色を重ねるごとに白に近づきながら色を作り出していく発色方法です。スマートフォンやPCのスクリーンにおける発色はこれにあたります。R（赤）、G（緑）、B（青）の配分を変えていくことで、様々な種類の色を生み出します。</p><p>加法混色は、光による混色とも言えます。そのため、光を出力する装置が必要になります。このことは、装置の性能やメーカーによって、発色が異なることを意味してきます。また、個々人のディスプレイ設定の影響もうけますし、モバイルなどでは、環境光の影響も強く受けます。つまり加法混色は、状況によって見え方が変わりやすい混色方法であるとも言えます。</p><p>しばしばWebサイトなどで、意思決定者や担当者のディスプレイに合わせた微妙な色味調整の指示が飛ぶことがありますが、これはほとんど意味がありません。加法混色によってデザインされるものは、環境による色の差異はある程度許容する必要があります。</p><h3>減法混色</h3><p>白を下地とし、色を混ぜることで黒に近づきながら色を作り出していく発色する方法です。絵具やインクを使った発色はこれにあたります。通常の印刷機の場合、C（シアン）、M（マゼンダ）、Y（イエロー）、K（ブラック）のインクを混ぜ合わせることで、様々な色を表現しています。なお、理論上はCMYだけですべての色が表現できるはずですが、黒以外の色を混ぜて黒を作ることが難しいため、黒専用のインク（K）が使われます。</p><p>減法混色は、インクと下地で決まる混色とも言えます。加法混色に比べると、人による見え方の違いが起きにくい混色とも言えます。ただし、インクや素材（材質や紙質など）によって見え方が変わることもあります。また、印刷機器のメーカーによっても微妙に色味が変わることがあります。完全に統一したい場合には、インク、素材、印刷機器をすべて統一して出力する必要があります。</p><h3>加法混色から減法混色へ</h3><p>仕事の中で加法混色と減法混色の違いを身近に感じるのは、PCで作成した文書をプリンタで印刷した時でしょう。PCのスクリーンは加法混色であり、インクを混ぜ合わせる印刷は減法混色となります。発色方法がまったく異なるため、PCのスクリーンでの色を印刷で完全に再現することはできません。特に減法混色では繊細な色表現が難しいため、印刷前提のドキュメントを作成するときには、PCで作成している段階から、コントラストが低い微妙な色使いは避け、なるべくハッキリした配色を行う必要があります。</p><h2>色の種類</h2><p>色を分類にはいくつかのバリエーションがありますが、ここでは代表的なものをご紹介します。</p><h3>有彩色と無彩色</h3><p>青や赤、黄などの色味を持ったすべての色を有彩色と呼び、白と黒およびそのグラデーション上に位置する灰色などの色味を持たない色を無彩色と呼びます。有彩色は色の選択と組み合わせで豊かな表現が可能になる一方、組み合わせによって色の効果を打ち消すこともあります。無彩色は無機質で固い印象になりがちですが、色味がないため、どんな有彩色と組み合わせても馴染む特性があります。</p><p><img src="https://baigie.me/sogitani/wp-content/uploads/color2-01.png" alt="有彩色と無彩色" width="800" height="80" /></p><h3>暖色と寒色、中性色</h3><p>赤や黄など、暖かみを感じさせる有彩色を暖色と呼び、青や紫など、冷たさを感じさせる有彩色を寒色と呼びます。活発さや暖かみの表現に暖色は適しており、飲食店のロゴなどに多く使われます。一方、落ち着きや知的さの表現には寒色が使われやすく、金融機関や公共機関、IT、BtoB企業などは寒色をCIにすることが多いです。なお、暖色と寒色の中間に位置する緑や赤紫は中性色と呼ばれることもあります。</p><p><img src="https://baigie.me/sogitani/wp-content/uploads/color2-02.png" alt="暖色と寒色" width="370" height="370" /></p><h3>純色、清色、濁色</h3><p>鮮やかさが強い色群は純色と呼ばれこともあります。もっとも鮮やかな色相（ヴィヴィッドトーン）がこれにあたります。純色に白もしくは黒を混ぜたものが清色、白と黒の中間色である灰色を混ぜたものが濁色と呼ばれます。清色は色に淀みが少なく、白方向に行く（明清色）とパステル調、黒方向に行く（暗清色）とダーク系の色になります。一方でその中間色が濁色となります。名前の通りに受け取ると濁った色ということになりますが、濁色を上手に使うことで微妙で繊細な色彩表現が可能になります。</p><p><img src="https://baigie.me/sogitani/wp-content/uploads/color2-03.png" alt="純色、清色、濁色" width="300" height="300" /></p><h2>トーン</h2><p>色には3つの属性があります。色相（色味）、明度（明るさ）、彩度（鮮やかさ）と呼ばれるものです。このうち、明度と彩度が同じ色相グループを「トーン」と呼びます。PCCS（日本色研配色体系：Practical Color Co-ordinate System）では、縦軸を明度、横軸を彩度とし、以下のように体系化されています。</p><p><img src="https://baigie.me/sogitani/wp-content/uploads/color3-01.png" alt="トーン" width="712" height="674" /></p><p>トーンはデザイン教育の初期に身に付ける基本知識の一つですが、デザイン教育を受けていない人は、これをほとんど意識していません。そしてこのトーンに対する意識の有無が、デザイナーと非デザイナーにおける色の認識違いを生む一因になりやすいです。例えばデザイナーが作ったグレイッシュ系の配色に対して、発注者がビビッドな赤を入れるように指示してしまうことは、トーンの理解が双方にあればある程度回避できるでしょう。（もちろんトーンを理解したうえで意図的にそうする、というのであれば問題はありません）</p><p>つまり、トーンの概念を理解しているかどうかが、デザイナー的な色彩感覚を持っているかどうかの一つの指標になるのではないかと思います。以下では代表的なトーンについて、詳しく紹介します。</p><h3>ビビッド</h3><p>彩度が最も高い色相群です。色に淀みがなく、色の効果を最大限引き出し、鮮やかで活き活きとした印象を与えることができます。目に付きやすいため、ロゴマークにもよく使われます。色を強く打ち出すことができる半面、繊細な表現には不向きであり、無計画に色を組み合わせると安っぽい印象になることもあります。</p><p><img src="https://baigie.me/sogitani/wp-content/uploads/color3-02.png" alt="ビビッド" width="300" height="300" /></p><h3>ブライト</h3><p>ビビッドよりやや明度を高く、彩度を落とした色相群です。明るく健康的なイメージから、スポーツウェアなどによく採用されています。カジュアルでポップなイメージもあり、女性や子供をターゲットにした商材のパッケージデザインなどにもよく使われます。ファッションでマカロンカラーと言われる色もこの一群に属します。</p><p><img src="https://baigie.me/sogitani/wp-content/uploads/color3-03.png" alt="ブライト" width="300" height="300" /></p><h3>ストロング</h3><p>ビビッドよりも彩度をやや落とした色相群です。ビビッドとほぼ同じ派手で力強い色の印象を与えますが、彩度が少し落ちることでより自然で馴染みやすい色調となるのが特徴です。スクリーンの設定や印刷の仕上がりによっては、ビビッドとほとんど差がなくなることも多く、トーンの解説から外されることもあります。</p><p><img src="https://baigie.me/sogitani/wp-content/uploads/color3-04.png" alt="ストロング" width="300" height="300" /></p><h3>ディープ</h3><p>ビビッドに対して彩度と明度をやや落とした色相群です。少し黒が混ざることで、クラシックで上品な印象を与えます。色の鮮やかさや豊かさを残しながら、落ち着いた印象も与えることができるため、秋冬のファッションなどにもよく使われます。また、和を演出するための配色にもよく用いられます。</p><p><img src="https://baigie.me/sogitani/wp-content/uploads/color3-05.png" alt="ディープ" width="300" height="300" /></p><h3>ライト</h3><p>ブライトからさらに彩度を落とし、明度を上げた色相群です。ソフトで軽い印象があり、爽やかで清潔なイメージを与えるため、生活用品などによく使われます。かわいい印象もあるため、女性向け商材にもよく使われ、逆に男性向け商材にはあまり登場しません。パステルカラーと呼ばれるのもこの一群になります。</p><p><img src="https://baigie.me/sogitani/wp-content/uploads/color3-06.png" alt="ライト" width="300" height="300" /></p><h3>ソフト</h3><p>ビビッドから彩度のみを落とした色相群です。ライトトーン同様、優しく穏やかな印象を与えますが、より鈍くぼんやりしています。扱うのは比較的難しく、下手に使うと、濁って汚れたような配色になりがちです。上手に使えば、色味を感じさせつつ、派手すぎない上品で落ち着いた配色に仕上げることができます。</p><p><img src="https://baigie.me/sogitani/wp-content/uploads/color3-07.png" alt="ソフト" width="300" height="300" /></p><h3>ダル</h3><p>ビビッドから彩度と明度を落とした色相群です。ソフトトーン以上に暗く濁った印象を与えます。やはり微妙な色のバランス感覚を必要とされるため、デザイナー以外には扱いにくい色かもしれません。上手に使うと、大人っぽく落ち着いた、品のある配色になります。</p><p><img src="https://baigie.me/sogitani/wp-content/uploads/color3-08.png" alt="ダル" width="300" height="300" /></p><h3>ダーク</h3><p>ビビッドに黒を多く混ぜた色相群です。ソフトトーンやダルトーンと異なって濁った印象は薄く、色味を感じさせながら、大人っぽく重厚な印象を与えます。国家や王室が開催するイベントや授賞式など、格式を求められる場でも比較的よく使われるトーンです。</p><p> <img src="https://baigie.me/sogitani/wp-content/uploads/color3-091.png" alt="ダーク" width="300" height="300" /></p><h3>ペール</h3><p>白に近づけたような淡い色相群です。透明感があり、優しく女性的な印象を与えることができます。色の印象は弱く、白と組み合わせた時の視認性もよくないため、背景色や模様などによく使われることが多いです。ロゴのメインカラーに使われることもあまりありません。</p><p><img src="https://baigie.me/sogitani/wp-content/uploads/color3-10.png" alt="ペール" width="300" height="300" /></p><h3>ライトグレイッシュ</h3><p>ペールトーンをやや濁らせたような色相群です。やはり背景や模様などに使われることが多いですが、彩度がおさえられているため、ペールトーンよりは大人っぽい印象になります。似たような彩度のトーンと組み合わせて上手に使うと、上品な雰囲気を作り出すことができます。</p><p><img src="https://baigie.me/sogitani/wp-content/uploads/color3-11.png" alt="ライトグレイッシュ" width="300" height="300" /></p><h3>グレイッシュ</h3><p>ライトグレイッシュをさらに明度を落として暗くした色相群です。ライトグレイッシュよりは色の印象は強く、アースカラーともいわれます。ナチュラルさを売りにするようなブランドのキーカラーとしても、しばしば採用されています。</p><p><img src="https://baigie.me/sogitani/wp-content/uploads/color3-12.png" alt="グレイッシュ" width="300" height="300" /></p><h3>ダークグレイッシュ</h3><p>明度も彩度も最大限落とした色相群です。重厚さの表現に適していますが、それぞれの色が持つ個性はほとんどなくなっており、何色を選択しても似たような印象に仕上がります。印刷の仕上がりやスクリーンの設定によっては、黒とほとんど区別がつかなくなることもあります。</p><p><img src="https://baigie.me/sogitani/wp-content/uploads/color3-13.png" alt="ダークグレイッシュ" width="300" height="300" /></p><h2>代表的な色</h2><p>色の印象はトーンによっても左右されますが、当然、同じトーンの中でもどの色を選ぶかによっても大きく変わります。また、色にはポジティブな印象とネガティブな印象があり、使われる文脈で変わります。ここでは代表的な色をいくつかピックアップし、基本的なイメージの違いをご紹介します。</p><h3>赤【Red】</h3><p>RGBで三原色の一つを構成する色です。青と並び、非常に多くの企業ブランドで採用されてる人気のある色です。日本を象徴する色でもあることから、特に日本人には好印象を抱かれやすい色ともいえるでしょう。赤から受ける印象は「炎」と「血」からの連想が多くを占めます。</p><p>■ポジティブなイメージ<br /> 熱く、エネルギッシュで、生命力に溢れる赤は、勝者や成功者、リーダー、ヒーロー、正義の象徴です。アメリカ大統領は重要なスピーチで赤いネクタイをし、アカデミー賞では受賞者が赤いカーペットの上を歩きます。戦隊ヒーローのリーダーの色は必ず赤です。</p><p>■ネガティブなイメージ<br /> 赤は危険や警告も意味します。信号の赤は停止を意味し、緊急車両には赤いランプが搭載され、非常ベルは赤くカラーリングされ、警告文の多くで赤文字が使われ、サッカーで即退場を意味するのはレッドカードです。ホラー映画では、血を連想させる赤を大々的に用い、生命に及ぶ危険や不吉さを演出しています。</p><p>■バリエーション<br /> 明度を落としたワインレッドは、高貴さや王者の象徴として世界中で使われています。彩度や明度を大きく落とした赤は一般的に茶色といわれ、大人っぽさや高級感、大地に由来するオーガニックさから、排泄物に由来するネガティブなイメージまで、幅広い印象を形成します。また青にやや近づけた赤や明度が高い赤はピンクや桃色といわれ、女性の象徴や性的な色として使われます。一般的に「赤」というとビビッドもしくはそれに近いトーンの色を指し、明度や彩度が変わると「赤」以外の呼び方がされることが多いです。</p><p><img src="https://baigie.me/sogitani/wp-content/uploads/color4-01.png" alt="赤" width="800" height="481" /></p><h3>青【Blue】</h3><p>RGBで三原色の一つを構成する色です。代表的な寒色であり、赤同様に企業のブランドカラーとしてはよく用いられます。落ち着いた色で鎮静効果があり、信頼や誠実さも感じさせるため、保守的な日本人が好む色といえます。その印象は、「空」「水」「地球」といったものからの連想が多くを占めます。</p><p>■ポジティブなイメージ<br /> 清潔感、爽快感を想起させ、信頼や誠実さ、平和を象徴します。ビジネスマンのスーツは青系が多く、国連は青をシンボルカラーにし、信号の青は進行可能な状態を表現しています。落ち着いた印象は冷静さや知性の象徴ともなり、テクノロジー系企業やコンサルティングファームのCIカラーなどにもよく使われています。</p><p>■ネガティブなイメージ<br /> 青は寒色であることから、冷たさや不安の象徴にも使われます。憂鬱な月曜日は”ブルーマンデー”と表現され、血色がない顔は青冷めているといわれます。写真に青みがかったフィルターをかけると、途端に暗く陰鬱な印象になることもあります。</p><p>■バリエーション<br /> 明度を上げた青や水色、空色などといわれ、清涼感や透明感をより強調する色として使われます。明度を落とした青は紺色などともいわれ、フォーマルで礼儀正しい印象を与えます。また、明度を落としてやや紫に近づけた色は群青色やウルトラマリンなどとも呼ばれます。なお、日本の信号の青は緑に近く、青緑や青紫も含めて、非常に多くの色が「青」と表現されるのも特徴です。</p><p><img src="https://baigie.me/sogitani/wp-content/uploads/color4-02.png" alt="青" width="800" height="481" /></p><h3>緑【Green】</h3><p>RGBで三原色の一つを構成する色です。身近な色でありながらも、暖色でも寒色でもない中間色で、主張が強くないため、緑をCIに採用する企業は少数派です。緑から受ける印象は植物からの連想が圧倒的に多いのも特徴です。</p><p>■ポジティブなイメージ<br /> 自然やエコ、環境といった、植物にちなんだイメージを受けることが多く、そこから穏やかさや安らぎといった印象に繋がります。また「若葉」という言葉から想起されるように、若さを象徴する色としても使われます。英語では信号の青は「グリーン」と表現され、安全を表現する色としても使われます。</p><p>■ネガティブなイメージ<br /> 主張が強くないため、直接的にネガティブな印象を与えることは稀ですが、中途半端で平凡、魅力がない印象を与えることもあります。また、海外ではモンスターの肌や血の色に緑が採用されることも多く、醜さの象徴として使われることもあります。</p><p>■バリエーション<br /> 黄に寄せた緑（黄緑）の効果は暖色に近く、明るい、ポジティブ、ポップ、幼い、といった印象を与えます。明度を落とした緑は深緑といわれ、カモフラージュカラーや、上質感の訴求に使われます。また、彩度を落として明度を上げた緑としては、うぐいす色、抹茶色、カーキ、オリーブ色などが存在します。</p><p><img src="https://baigie.me/sogitani/wp-content/uploads/color4-03.png" alt="緑" width="800" height="481" /></p><h3>黄【Yellow】</h3><p>赤と並ぶ代表的な暖色です。色相の中で最も明度が高い色です。白と組み合わせるとコントラストが弱くなるため、ロゴなどでは他の色との組み合わせて使われることが多いです。黒と組み合わた黄色は、警戒色としてよく用いられます。</p><p>■ポジティブなイメージ<br /> 「ヒマワリ」「レモン」「とうもろこし」といった植物のイメージが強く、そこから明るさ、暖かさ、幸福、親しみやすさ、といった印象を与えます。太陽や光の色としてもよく使われ、かわいらしさ、子どもっぽさ、愛嬌の意味も持ちます。戦隊ヒーローでは黄は大抵ひょうきんものです。</p><p>■ネガティブなイメージ<br /> 代表的な警戒色で、信号では注意を、サッカーでは警告を意味します。黒と組み合わせて工事現場や危険物の表示にも使われます。人が黄色と黒に警戒するのは、ハチの色から来ているともいわれています。また、幼さとともに、幼稚で軽薄な印象を与えることもあります。</p><p>■バリエーション<br /> 明度を上げた薄い黄は卵色などと呼ばれ、子供っぽい印象をより強調します。彩度を落とした黄色は白や黒と組み合わせて金の代替色としても用いられます。赤にやや寄せた黄は山吹色と表現されることもあります。また、やや赤に近づけて彩度と明度を落とした黄は黄土色やラクダ色などと表現されることもあります。</p><p><img src="https://baigie.me/sogitani/wp-content/uploads/color4-04.png" alt="黄" width="800" height="481" /></p><h3>紫【Purple】</h3><p>色相環では赤と青の間に位置する中間色です。暖色と寒色の両面を持つゆえに、高貴さと品のなさ、神秘性と不安などの両極端な印象を内包します。企業やブランドのカラーとしては、黄色以上に使われない色です。</p><p>■ポジティブなイメージ<br />日本では古くから高貴さの象徴とされ、冠位十二階では最も高い位は濃紫の絁を身に付けていました。また、女性的な色でもあり、ファッションでは優雅さの象徴とされます。またその神秘的なイメージから、王や神、宇宙と結び付けられることもあります。</p><p>■ネガティブなイメージ<br /> 使い方によっては上品さとは正反対のイメージを持ち、不良、水商売、自信過剰、不遜さを想起させることがあります。また紫の持つ神秘性は不安の象徴ともなり、怪しく信頼のおけないイメージや、不健康なイメージを与えることもあります。</p><p>■バリエーション<br /> 赤に寄せた紫は赤紫、青に寄せた紫は青紫とも呼ばれます。明度を落とした紫は藤色と呼ばれるなど、日本の伝統カラーであることから、日本語には紫のバリエーションを表現する様々な色名が存在します。ただし一般的にほとんど使われず、赤紫や青紫も含めて、「紫」とひとくくりに表現されることが多いです。</p><p><img src="https://baigie.me/sogitani/wp-content/uploads/color4-05.png" alt="紫" width="800" height="481" /></p><h3>橙【Orange】</h3><p>色相環では赤と黄の中間に位置する色で、暖色です。色の効果は赤や黄に似ており、非常に人気が高い色で、赤や黄と組み合わせて使われることも多いです。いわゆるビタミンカラーの一つとしても扱われます。</p><p>■ポジティブなイメージ<br /> 太陽や柑橘類の印象から、エネルギッシュ、元気、ビタミン豊富といったイメージを持ちます。食欲をそそる色であることから、飲食ブランドのロゴにもよく使われます。夏を象徴する色でもあり、楽しく賑やかな印象を与えます。また、黄や黄緑、ピンクと同じく、ポップで子供っぽい印象も与えます。</p><p>■ネガティブなイメージ<br /> 企業ロゴなどにオレンジがよく使われる理由の一つには、ネガティブな印象があまりないためです。ただし使い方によっては、安っぽく大衆的、高貴さや知的さに欠ける、といった印象を与える可能性があります。</p><p>■バリエーション<br /> やや黄を加えて明度をかなり上げたオレンジは肌色と呼ばれ、明度を上げて彩度を落としたオレンジはベージュとも呼ばれます。肌色やベージュは温かみがありながら他の色との親和性も高く、背景色にもよく使われます。彩度と明度を落としていくと、赤と同じく一般には茶色と呼ばれる色になります。</p><p><img src="https://baigie.me/sogitani/wp-content/uploads/color4-06.png" alt="オレンジ" width="800" height="481" /></p><h3>黒【Black】</h3><p>代表的な無彩色です。もっとも明度が低い色であり、他の有彩色と組み合わせて使うことで、その色が持つ効果を際立たせることもできます。様々なイメージ展開をする子ブランドを多く抱える親ブランドでは、特定イメージに流されない中立的な立場を示すために、黒をメインカラーにしていることも多いです。</p><p>■ポジティブなイメージ<br /> 真の黒は明度も彩度も持たない唯一無二の色であり、硬質で重厚さを感じさせ、権威、気高さ、プロフェッショナリズム、伝統の象徴として扱われます。黒字という言葉のように安定や優秀さの象徴としても使われます。他になびかない強く先鋭的なイメージがあり、ラグジュアリーブランドではかなりの頻度で使われます。</p><p>■ネガティブなイメージ<br />黒は一方で、闇や死を想起させます。多くの悪魔は黒をメインカラーとしており、喪に服すときは世界中で黒を身にまといます。暗い、寒い、古い、陰鬱、冷酷といったイメージもあり、黒を支配的に使うと、全体をネガティブな印象に覆ってしまう懸念も出てきます。</p><p><img src="https://baigie.me/sogitani/wp-content/uploads/color4-07.png" alt="黒" width="800" height="481" /></p><h3>灰【Grey】</h3><p>黒と白の中間に位置する無彩色です。一口にグレーといっても、濃いグレーと薄いグレーでは使われ方や印象が異なります。多少色が含まれていても、極端に彩度が低い場合には一般にはグレーと呼ばれることも多いです。また、シルバーの代替色として用いられることもあります。</p><p>■ポジティブなイメージ<br /> 彩度の低い色と同じく、落ち着いた上品な印象を与えます。大人っぽさ、エレガントさを引き立てます。都市や金属から連想される、先進的でスタイリッシュな印象、鋭く知的なイメージ作りにもグレーはよく使われます。</p><p>■ネガティブなイメージ<br /> 無機質で曖昧な視覚的印象から、不安や薄暗い印象を与えます。グレーゾーンという言葉のように、疑惑がある、信用できない、といった意味が込められることもあります。また、機械的で温かみがない、煤けてて廃れたような印象を与えることもあります。</p><p><img src="https://baigie.me/sogitani/wp-content/uploads/color4-08.png" alt="灰・シルバー" width="800" height="481" /></p><h3>白【White】</h3><p>黒と対極にある、もっとも明度が高い無彩色です。プロダクトの世界では色の一種になりますが、紙やスクリーンにおいては、白＝無色透明と認識され、他の色と組み合わせなければ存在しえない色になります。</p><p>■ポジティブなイメージ<br /> 純粋さ、けがれのなさを表し、クリーン、公正、神聖、平和の象徴として使われます。結婚式のドレスは白と決まっており、平和を祈る場では白いハトを飛ばします。清潔なイメージを持つことから、医療現場や水回りなど、衛生的な印象を与えたい場合にも、白はよく使われます。</p><p>■ネガティブなイメージ<br /> 白は無を意味し、白の多い配色は空虚さや味気なさを感じさせることがあります。特にデザインのリテラシーが低い利用者をターゲットにすると、白が多い＝何もしていない、手抜き、デザインされていない、という印象を与える可能性もあります。特定の色のイメージを持たないゆえに、冷たく人間味がない印象も与えます。</p><h2>配色</h2><p>複数の色を組み合わせる「配色」には、いくつかのセオリーや考え方があります。配色は奥が深く、マスターするにはデザイナーでも数年かかりますが、ここまでお伝えしてきた知識の範囲で、簡単に応用できる基本的なものをいくつかご紹介します。</p><h3>無彩色を使った配色</h3><p>白、黒、グレーといった無彩色は特定の色を持たないため、どの有彩色と組み合わせてもうまくまとまります。特に黒・白は、合わない色はほとんどありません。色が苦手な人でも、有彩色は1色にし、あとは無彩色で構成すれば、手軽にまとまりある配色を実現できるでしょう。</p><p><img src="https://baigie.me/sogitani/wp-content/uploads/color5-01.png" alt="無彩色との組み合わせ" width="580" height="353" /></p><p>グレーも比較的使いやすい色ですが、明度が近い色と組み合わせると、ボンヤリとした印象になったり、視認性が悪くなったりしがちです。グレーと組み合わせるときは、明度に差が付けるようにこころがけましょう。</p><p><img src="https://baigie.me/sogitani/wp-content/uploads/color5-02.png" alt="無彩色との組み合わせ2" width="580" height="353" /></p><p>隣接してると馴染んでいないように感じられる色同士でも、間に無彩色を挟むことで調和させることもできます。セパレーションと呼ばれる配色テクニックです。（セパレーションは無彩色以外でも行われます）</p><p><img src="https://baigie.me/sogitani/wp-content/uploads/color5-03.png" alt="セパレーション" width="580" height="353" /></p><p><img src="https://baigie.me/sogitani/wp-content/uploads/color5-04.png" alt="無彩色との組み合わせロゴ" width="800" height="510" /></p><p>&nbsp;</p><h3>同系色を使った配色</h3><p>無彩色との組み合わせと同様に、非デザイナーでも比較的うまくまとめることができるのが、同系色を使った配色です。同系色とは、主に以下の3パターンとなります。</p><ul><li>明度もしくは彩度だけが異なる色の組み合わせ</li><li>トーンは異なるが同じ色相の色の組み合わせ（トーン・オン・トーン）</li><li>トーンは同じで、色相上隣り合う色（隣接色）の組み合わせ</li></ul><p>まとまりが出やすく、洗練された印象を与える半面、単調で抑揚のない配色になってしまうこともあります。それを避けるために、明度や彩度、トーンでコントラストをつけることも多いです。</p><p><img src="https://baigie.me/sogitani/wp-content/uploads/color5-05.png" alt="同系色のグラデーション" width="600" height="104" /></p><p><img src="https://baigie.me/sogitani/wp-content/uploads/color5-06.png" alt="同系色のトーン" width="452" height="500" /></p><p><img src="https://baigie.me/sogitani/wp-content/uploads/color5-07.png" alt="同系色の色相" width="300" height="334" /></p><p><img src="https://baigie.me/sogitani/wp-content/uploads/color5-08.png" alt="同系色のロゴ" width="800" height="508" /></p><h3>色相差を使った配色</h3><p>無彩色や同系色を使った配色は簡単に実践できる半面、配色に大胆さが欠けてしまいがちです。色の効果をより引き出すためには、色相差を利用した配色がおすすめです。色相を変えて配色するには、同一トーン内での配色がもっとも簡単です。隣接トーンも比較的まとまりますが、トーンが離れると、配色は難しくなる傾向にあります。ここでは主に、色相差を用いた代表的な配色パターンをご紹介します。</p><p>■類似色相配色<br /> 色相環の角度で30~60度の色相差がある色を類似色相と言います。ほぼ同系色となる隣接色相と比べると、より色の変化を感じさせることができる配色です。色相環上は比較的近い色になるため、同系色と同様に、比較的扱いやすい配色ともいえます。</p><p><img src="https://baigie.me/sogitani/wp-content/uploads/color5-09.png" alt="類似色" width="550" height="482" /></p><p><img src="https://baigie.me/sogitani/wp-content/uploads/color5-10.png" alt="類似色のロゴ" width="800" height="508" /></p><p>■補色色相配色<br /> 色相環の角度でほぼ正反対にある色（補色）を組み合わせた配色です。色の差が大きいため、ダイナミックな印象、カジュアルな印象を与えることが可能になります。また、補色を少量用いることで、主となる色を強烈に引き立てることもできます。</p><p><img src="https://baigie.me/sogitani/wp-content/uploads/color5-11.png" alt="補色" width="550" height="413" /></p><p><img src="https://baigie.me/sogitani/wp-content/uploads/color5-12.png" alt="補色のロゴ" width="800" height="508" /></p><p>■対照色相配色<br /> 色相環の角度で120~150度の色相差がある色を対照色と言います。補色と比較的近い、ダイナミックな印象を与えることができます。補色と比べる色の距離は近く、選択肢も多いため、より多彩な印象形成が可能です。ロゴなどでは、補色よりも多く使われる配色です。</p><p><img src="https://baigie.me/sogitani/wp-content/uploads/color5-131.png" alt="対照色" width="550" height="600" /></p><p><img src="https://baigie.me/sogitani/wp-content/uploads/color5-14.png" alt="対照色のロゴ" width="800" height="508" /></p><p>■マルチカラー配色<br /> 3色以上の色を組み合わせた配色です。トーンや色相を合わせるというルールがあるわけではありませんが、同一トーン内で規則性のある色を選択すると、比較的まとまりやすい配色になります。</p><p><img src="https://baigie.me/sogitani/wp-content/uploads/color5-15.png" alt="マルチカラー配色" width="754" height="854" /></p><p><img src="https://baigie.me/sogitani/wp-content/uploads/color5-16.png" alt="マルチカラーのロゴ" width="800" height="508" /></p><h3>自然界の法則に習った配色</h3><p>人の目は、見慣れた配色には調和を感じ、見慣れない配色には違和感を覚えるようにできています。特に自然界が生み出した色の組み合わせには、調和を感じる傾向があります。つまり、自然界の色の原則に従うと、調和した配色を生み出すことができるというわけです。</p><p>自然界では、明るい光は黄、暗い影は青紫を帯びています。この法則にしたがい、黄に近い色の明度を上げ、青紫に近い色の明度を下げると調和した配色になります。これを「ナチュラル・ハーモニー」と呼びます。</p><p>逆に、黄に近い色を暗くし、青紫に近い色を明るくすると、自然界の法則に反するため、違和感のある配色が生まれます。これを「コンプレックス・ハーモニー」といいます。違和感があるがゆえに、個性を生み出したい際には意図的に使われる配色でもあります。</p><p><img src="https://baigie.me/sogitani/wp-content/uploads/color5-17.png" alt="自然界の配色" width="720" height="446" /></p><p>プロのデザイナーは、狙いたい効果に合わせてナチュラル・ハーモニーとコンプレックス・ハーモニーを意図的に使い分けています。しかし、非デザイナーが業務の一環として色を使う程度の目的であれば、ナチュラル・ハーモニーに従って配色するのが無難といえるでしょう。</p><h2>最後に）色を扱う時に覚えておきたい5つのこと</h2><p>ここまで色と配色の基本をお伝えしてきました。非デザイナーであれば、このレベルを知っているだけで十分かと思いますが、最後にそんな色と上手に付き合うために覚えておきたい4つの心構え的なことをお伝えして、本エントリーを終えたいと思います。</p><h3>1. 色はプロのデザイナーもいつも悩んでいる</h3><p>私がビジネスマン向けに時々開催している『提案書デザイン講座』などで、非デザイナーの方に聴くと、皆さん「色は難しい」といいます。しかし実は、デザイナーやアートディレクターも色は難しいと思っています。入稿の最後の最後まで色が決まらず、微調整を加え続けることも難しくありません。それほどまでに難しい色だからこそ、「自分には色のセンスがない」と、ことさらに苦手意識を持つ必要はありません。</p><h3>2. 色数はできるだけ少ない方がいい</h3><p>色が難しくなるのは、たくさんの色を同時に使おうとするからです。例えば、白と黒、白と赤だけの配色を見て、バランスが悪い、まとまりがないと思うことはほとんどありません。しかし、そこに青や黄などが混ざってくることで、配色は一気に難しくなります。裏返せば、色をできるだけ使わないようにすれば、誰でもそこそこまとまりのある配色にすることができるということです。</p><h3>3. 色で意味を伝えようとしない</h3><p>色をたくさん使おうとしてしまう人の根底には、意味の違いを色で表現しようという発想があります。しかし、色には意味を正確に伝える機能はありません。例えば、信号の青・黄・赤を見て私たちが行動を決めることができるのは、色に意味があるからではありません。その色に何の意味をあるのか、という情報が頭にインプットされているからです。だから例えば、情報がまったくインプットされていないWebサイトで赤と黄と青のボタンが並んでいても、私たちはそれを見て何をすべきか判断することはできません。色ではなく、文字や文脈による説明があってはじめて、私たちは意味を知るのです。このような色の限界を知ったうえで、本当に必要な色だけを使おうと心がけるようにしましょう。</p><h3>4. 色以外にも大事なデザイン要素がある</h3><p>無計画に色を使わないためには、色以外にもデザインできる要素があることを知るべきです。情報の区切りをハッキリさせるために、色の帯を引く必要はありません。線でも余白でも表現できます。注意を惹きたいからと言って、必ずしも赤にする必要はありません。文字を大きくする、太くする、左上に置く、アイコンを併用する、などでも目立たせることはできます。そして何よりも大事なのは文字情報です。文字がしっかりしていれば、ことさらに色付けしなくても、大事な情報は伝わります。色を活用することで様々な効果を引き出すことはできますが、色だけがデザインの中で特別な要素というわけではありません。色の効果を知りながらも、色以外の要素も含めて、総合的に考えるようにしましょう。</p><h3>5. 人は色だけで印象を決めていない</h3><p>印象形成に色はもちろん影響を与えますが、色だけが印象を決めているわけではありません。例えばオレンジは明るく賑やかで食欲をそそる色と一般に言われていますが、オレンジをブランドカラーにしている吉野家とエルメスで同じ印象は持つ人はいないでしょう。印象とは、文脈によっても変わるものなのです。当然、その背景にある社会や文化の特性によっても変わります。同じ色でも日本人と欧米人で受け取り方がまったく違う、ということも珍しくありません。色を使う場合には、色の効果だけを単純に考えるのではなく、その色が使われている文脈、背景、そして伝えたい相手のことを考えて判断する必要があります。</p>]]></content:encoded>
			<wfw:commentRss>https://baigie.me/sogitani/2016/12/color-basic/feed/</wfw:commentRss>
		<slash:comments>0</slash:comments>
		</item>
		<item>
		<title>なぜ新人が雑用をしなければならないのか？</title>
		<link>https://baigie.me/sogitani/2015/06/%e3%81%aa%e3%81%9c%e6%96%b0%e4%ba%ba%e3%81%8c%e9%9b%91%e7%94%a8%e3%82%92%e3%81%97%e3%81%aa%e3%81%91%e3%82%8c%e3%81%b0%e3%81%aa%e3%82%89%e3%81%aa%e3%81%84%e3%81%ae%e3%81%8b%ef%bc%9f/</link>
		<comments>https://baigie.me/sogitani/2015/06/%e3%81%aa%e3%81%9c%e6%96%b0%e4%ba%ba%e3%81%8c%e9%9b%91%e7%94%a8%e3%82%92%e3%81%97%e3%81%aa%e3%81%91%e3%82%8c%e3%81%b0%e3%81%aa%e3%82%89%e3%81%aa%e3%81%84%e3%81%ae%e3%81%8b%ef%bc%9f/#comments</comments>
		<pubDate>Wed, 03 Jun 2015 05:50:22 +0000</pubDate>
		<dc:creator><![CDATA[枌谷 力]]></dc:creator>
				<category><![CDATA[仕事]]></category>

		<guid isPermaLink="false">https://baigie.me/sogitani/?p=3137</guid>
		<description><![CDATA[以前勤めていた会社に、ちょっとした雑用も全部自分で行ってしまう上司がいました。高いポジションに就いてて、少しの [&#8230;]]]></description>
				<content:encoded><![CDATA[
<p>以前勤めていた会社に、ちょっとした雑用も全部自分で行ってしまう上司がいました。高いポジションに就いてて、少しの会話でも頭の良さが滲み出てくるような、非常に優秀な方でした。</p>
<p>こういった人の影響もあって、若い頃は、部下に雑用をさせるような上司より自分も一緒に雑用をこなすようなフラットな上司の方が素晴らしいと思っていました。しかし今、自分が組織を作る立場になってみると、上司が雑用をするような会社にしてはダメなんじゃないか、とまったく逆のことを思うようになりました。</p>
<p>仕事ができる人はその得意領域にできるだけフォーカスし、そこに時間を集中して使ってもらった方がいいというのは、当たり前に理解できることでしょう。デザインが得意な人はデザインをする時間を、プログラミングが得意な人にはプログラミングをする時間を、企画が得意な人は企画をする時間を、営業が得意な人は営業をする時間を、できるだけ確保した方がいいわけです。</p>
<p>しかし会社には必ず雑用というものが発生します。雑用というと印象が悪いですが、重要度は低いが誰かがやらなければならない軽微な業務です。</p>
<p>誰宛かわからない電話への一次対応、誰宛かわからない郵便物の受け取り、誰宛かわからない来客への対応、ゴミ出し、コピー用紙の補充、ファックスの回収、植物の水やり、トイレットペーパーの補充、切れた電球の交換、いらなくなった書類の処分などなど。</p>
<p>これらの多くは誰でもできる仕事です。そして誰でもできるのであれば、専門知識を持った優秀な人ではなく、パフォーマンスがより低い人にやってもらった方がチームとしては助かるわけです。もちろん、社内でやることがコスト的に明らかにデメリットならアウトソースするという手段もありますが、多くはそこまでするほどのことでもないでしょう。</p>
<p>今の時代、新人や後輩に雑用を押しつけるような会社は、徒弟制度の名残がある古臭い会社のように思われるかもしれません。しかし私はそれは合理的な組織がとる合理的な選択なのだと思います。また別の観点でいえば、経験もスキルも足りない新人が一番てっとり早く貢献できるのが、この分野ではないかとも思います。もし自分は雑用をする人間でありたくないと思うのなら、早く何らかの成果を出し、「この人に雑用ばかりさせてたらもったいない」と思わせればいいわけです。</p>
<p>雑用であっても、案外その人の仕事の仕方が現れたりします。雑用が丁寧だと、この人は仕事も丁寧なのかな、何かやらせてみようかな、という気持ちになったりするものです。雑用一つでも自分をアピールするチャンスだったりします。また、新人が成長して先輩になった時には、雑用は後輩に任せて本来の業務に集中してほしいと思うからこそ、新人の間は雑用を行う習慣を身に付けてほしいと考えたりするものです。</p>
<p>もちろん、すべての雑用は新人がやるべきとは思いません。例えばうちの会社では週に一回の掃除は全員でやります。社長である私も掃除機をかけています。これは、自分の手で会社をキレイにすることに心理的な意味があると思っているからです。このように、役職や職能に関係なく意義が見出せる雑用だったら、新人だのベテランだの関係なくフラットにやっていいでしょう。また、先輩が自主的に気を利かせ、忙しい新人のために何かをしてあげる行為まで控える必要はありません。そういった臨機応変な対応は推奨されるべきことだと思います。</p>
<p>ただ、基本的な話としては、上司や先輩が行うべき妥当な理由がない雑用は新人や経験の浅いスタッフが行った方が合理的だし、そういう習慣があるチームの方がより機能的になるのではないかと思います。</p>
<p>もしかしたらこの春から社会人になり、本来の主体業務じゃない雑用が多い人がいるかもしれません。しかしここは腐らず、まずは一生懸命雑用をがんばりましょう。できるだけ丁寧に、周囲の人が驚くレベルまで工夫して、雑用をこなすようにしてみましょう。その働きはきっと誰かの目に留まり、何らかのチャンスが巡ってくるはずです。</p>
<p>一方、新人に助けてもらっている先輩たちは、上記のような雑用の意義をキチンと説明すべきでしょう。そうするだけで、新人たちは雑用の価値を理解して前向きに受け取れるようになるし、自分たちも心置きなく雑用をお願いできるようになるのではないでしょうか。</p>
]]></content:encoded>
			<wfw:commentRss>https://baigie.me/sogitani/2015/06/%e3%81%aa%e3%81%9c%e6%96%b0%e4%ba%ba%e3%81%8c%e9%9b%91%e7%94%a8%e3%82%92%e3%81%97%e3%81%aa%e3%81%91%e3%82%8c%e3%81%b0%e3%81%aa%e3%82%89%e3%81%aa%e3%81%84%e3%81%ae%e3%81%8b%ef%bc%9f/feed/</wfw:commentRss>
		<slash:comments>0</slash:comments>
		</item>
		<item>
		<title>好きなことを仕事にして成功する人と失敗する人の違い</title>
		<link>https://baigie.me/sogitani/2015/04/like_is_not_happy/</link>
		<comments>https://baigie.me/sogitani/2015/04/like_is_not_happy/#comments</comments>
		<pubDate>Thu, 30 Apr 2015 06:28:14 +0000</pubDate>
		<dc:creator><![CDATA[枌谷 力]]></dc:creator>
				<category><![CDATA[仕事]]></category>

		<guid isPermaLink="false">https://baigie.me/sogitani/?p=3044</guid>
		<description><![CDATA[世の中には「夢を実現しよう」「好きなことを仕事にしよう」といったメッセージで溢れています。まるでそれが、幸せな [&#8230;]]]></description>
				<content:encoded><![CDATA[
<p>世の中には「夢を実現しよう」「好きなことを仕事にしよう」といったメッセージで溢れています。まるでそれが、幸せな人生を掴むための重要な条件であるかのようです。</p>
<p>確かに、大好きなことを仕事にできれば、苦労や努力も前向きに受け取れるでしょうし、なんでも仕事と結び付けて生活するようになるから、仕事で成功する確率も上がるでしょう。</p>
<p>しかし現実に目を向けると、「夢だったこと」「好きなこと」「やりたかったこと」を仕事にして、全員が成功している（＝この仕事を選んでよかったと心から思えている）わけではありません。そのことで、苦しく辛い毎日を送ったり、大きな挫折を味わったりする人もいます。</p>
<p>同じように「好き」という気持ちを仕事にして、こういう差はなぜ生まれるのでしょうか？つい、才能やセンスの違いと思ってしまいがちですが、それ以前の問題が大きいのではないかと感じています。そのあたりの考えを少し整理してみました。</p>
<h2>人によって異なる「好き」のレベル</h2>
<p>例えば、「ビートルズが好き」という人がいます。でも、同じ「ビートルズが好き」という人の中でも、以下のようなパターンがあるのではないしょうか。</p>
<ul>
	<li>【レベル1】ベストアルバムを持っているだけの人</li>
	<li>【レベル2】アルバムを全部コンプリートしている人</li>
	<li>【レベル3】すべての曲を覚え、演奏できる人</li>
</ul>
<p>どの人も、「ビートルズが好き」なのはウソではないでしょう。しかし、「好き」から導き出された結果はバラバラです。同じ「好き」でも、それぞれ「好き」の強さが違うし、「好き」から起こしている行動の量が違います。</p>
<p>趣味であれば、どれも一様に「好き」ということでいいでしょう。しかし仕事となると、この「好き」の強度が大きな差を生みます。例えば、上記の3タイプのうち、ビートルズが好きという気持ちから生計を立てることができるのはどの人でしょうか。言うまでもなく、成功の確率で考えると、レベル3&gt;レベル2&gt;レベル1となるでしょう。</p>
<p>レベル1の人の「好き」は、強度が低いため、そこから起こしている行動量も多くありません。確かに「好き」なのだろうけど、多くの行動を起こすほど好きではない、とも言えます。</p>
<p>こういう人がその時の「好き」という気持ちを基準にして仕事を選んでも、うまくいく確率は、レベル2やレベル3の人に比べると低いでしょう。そもそも、好きな仕事に就こうと思っても、その権利すら手に入れることができないかもしれません。</p>
<p>例えばデザイナーやエンジニアのような仕事に未経験で就くためには、「とにかく自分の作品を作れ」といわれるのは、一つにはこういう理由からです。いくら「好きです」「興味があります」「がんばります」と口では言えても、そこから起こしている行動量が少ないと、好きの強度が低い→仕事で成功する確率が低い、とみなされ、選考で落とされてしまうわけです。</p>
<p>レベル1くらいの強度の人が、運よく面接をくぐりぬけ、晴れて「好き」を仕事にしても、何しろ「好き」の強度が低いので、困難なことがあってもがんばれない。24時間そのことばかり考えている人たちがライバルになるので、本人はがんばっているつもりでも差が埋まらない。差が埋まらないから、がんばっていないとさえ判断されてしまう。結果、仕事がうまくいかない。ということになりがちです。</p>
<h2>「好き」が高まる人と高まらない人の違い</h2>
<p>では、レベル1の人が就職しても100%絶対にうまくいかないのか、と言われると、実は必ずしもそういうわけでもありません。</p>
<p>最初はちょっと興味があるレベルだったけど、仕事をこなす中で、徐々に好きの強度が高まり、レベル1からレベル3にランクアップして活躍する人が少なからず存在します。</p>
<p>特に、事前に経験できないような職種では、未経験で「好き」の強度を高めることが難しいため、仕事に就いてからどこまで「好き」を高められるかが勝負になることが多いでしょう。</p>
<p>では、最初はレベル1だったのにうまくいく人と、うまくいかない人は、どういう違いがあるのでしょうか。ここでも、例え話を元に、その典型的な行動パターンをシミュレーションしてみました。</p>
<h3>ケース：</h3>
<p>ビートルズのすべての曲を高水準に演奏できる人が集まり、カバーバンドを組むことになりました。しかし、どうしてもベーシストだけが見つかりません。そこで、そんなにビートルズに詳しくなく、演奏が下手でも、とりあえずベースができる人を迎え入れて育てることになりました。</p>
<h3>青山さんの場合</h3>
<p>青山さんはビートルズが好きですが、ベストアルバムを持っている程度の興味しかない人でした。好きの強度でいうならレベル1の人でした。カバーバンドが面白いと思い、なによりメンバーのスキルが高く、共に活動すれば自分の演奏技術もあがると思い、参加を決定しました。</p>
<p>青山さんはビートルズが好きといっても、ベストアルバムを聴いたレベルなので、メンバーとは思い入れの強さも、知識量も、大きな差がありました。そのため、自分の立場をわきまえ、まずは他のメンバーを尊重し、余計なことはせず、メンバーの指示に従っていこうと決めました。</p>
<p>また青山さんは、ビートルズだけが好きなわけでありません。他にも聴きたい音楽、演奏したい音楽もあります。その時間を失ってしまうのは、充実したライフスタイルとは相反します。そうしないと、バンド活動へのモチベーションも維持できない気がしていました。</p>
<p>そのため、ビートルズを演奏するのは、みんなで集まった練習の場だけとしました。一人で行う自主練はなるべく減らし、バンドと切り離された自由時間もきちんと確保しながら、効率よくバンドに貢献していこうと思いました。</p>
<p>しかし当然ながら、好きの熱量も低く、演奏技術も高いわけではなく、割いている時間も少なく、ただ指示されたことをするだけなので、なかなかうまくは行きません。特に、言葉では伝えにくい感覚的な部分を自分なりに解釈して演奏するということができず、メンバーに指示された通りに演奏し、そのたびになんか違うなぁ、とやり直しさせられ、ということがずっと続きました。</p>
<p>やがて、なかなか上達せずいつもダメ出しされるばかりなので、練習に行くのが億劫になってきました。メンバーと心に溝ができるようにもなりました。また、なんとなくビートルズを聴くとバンドの嫌なことを思い出すようになり、ますますビートルズを聴くことから遠ざかってしまいました。</p>
<p>そのうち、自分には向いていなかった、才能がなかった、と思うようになり、バンドから脱退してしまいました。</p>
<h3>赤川さんの場合</h3>
<p>赤川さんも、ビートルズはベストアルバムを持っている程度の関心しかない、レベル1の人でした。カバーバンドのコンセプトが面白いと思い、なにより演奏技術が高い人たちと活動することで自分の演奏力も上がると思い、バンドに参加しました。</p>
<p>赤川さんがバンドに入ると、他のメンバーのビートルズ愛に圧倒されました。そして、明らかにタイプが違う自分がここにいることはマズいと強い危機感を持ちました。</p>
<p>そのため赤川さんは、プライベートで聴く音楽は全部ビートルズに変えました。アルバムもすぐにすべて取り揃えました。主要な曲はできるだけ弾けるよう、時間があれば自主練をしました。他に聴きたい音楽や、観たい映画、読みたい本もありましたが、まずメンバーに追いつくまではそれらを封印し、割り当てることができるすべての時間をバンド活動に捧げました。</p>
<p>ある日、メンバーが決めた曲を音合わせする場になりました。当然、ビートルズのことはにわか仕込みで、演奏技術も高くないので、結果はボロボロでした。</p>
<p>しかし、そのことにさらなる危機感を覚えた赤川さんは、プライベートの時間を割き、指摘された箇所、失敗した個所をひたすら練習して、克服するようにしました。また、今は演奏力だけでは他のメンバーに貢献できないと思い、Youtubeでポール・マッカートニーのステージアクションを研究し、ライブでそれをやることを提案してみたりしました。</p>
<p>赤川さんは演奏力も未熟で、ビートルズのことも詳しくなかったので、しばらくはバンドに馴染んでいる実感が持てませんでした。しかし、その熱心な姿勢、自分からもっとこうしたらいいのでは、と提案する前向きな姿勢、さらには未熟だからこそ感じることができる新鮮な視点は、メンバーの気持ちにも良い影響を与えるようになってきました</p>
<p>さらに、打てば響く赤川さんに何かを教えることはメンバーにとっても楽しいことで、積極的に何かを教えるようになりました。赤川さんも、みんなが優しくしてくれるので徐々にバンド活動が楽しくなっていきました。当然、ビートルズのことも詳しくなり、気付けば、ビートルズの話をすると止まらないくらいのビートルズマニアになっていました。</p>
<h2>「好き」を仕事にしても成功しない人の条件</h2>
<p>青山さんも赤川さんも、スタート時点ではレベル1でした。しかし、バンドに入ってからの行動の仕方で、結果に大きな差が生まれました。</p>
<p>青山さんは、レベル1のマインドのまま、レベル1の行動様式のまま、何も変えずに、活動をしました。自分を変えるのではなく、周りに引き上げてもらおうとしていました。結局、活動を続けるための小さな成功体験ができず、困難なことがあっても踏ん張ることもできなくなり、期待した結果になりませんでした。</p>
<p>一方の赤川さんは、レベル3の人たちとの歴然とした差を感じ、レベル3に追いつかなければいけないと必死に行動を続けました。周りに引き上げてもらうのではなく、自分からそこに上っていこうと行動しました。他のメンバーが動きを止めているときが差を縮めるチャンスとばかりに、プライベートのほとんどをレベル3の人に追いつくための活動に捧げました。それだけの時間と気持ちを込めれば、そこに愛着や愛情や拘りが自然と芽生えるものです。結果、レベル1で始めたにもかかわらず、レベル3になっていったわけです。</p>
<p>作り話なので、都合のいいストーリーになっていることは否定しませんが、これを仕事に置き換えても、案外ありがちな話ではないでしょうか。</p>
<p>確かに、仕事を選ぶ時点での好きの強度は高い方が有利です。強度を上げ、行動量でそのことを証明しないと、働く権利すら手に入らないこともよくあります。なので、本当に「好き」という気持ちを仕事に繋げたいのなら、できる限りレベル3に近づいておく必要はあります。</p>
<p>しかし、本当の勝負は、その仕事に就いてからともいえます。好きなことを仕事にできたのに、それに安心し、あまり勉強をしないでいると、愛着も増さず、「好き」という気持ちをエネルギーに転換して困難を乗り切ることもできず、結果うまくいかない、ということになります。</p>
<p>これは、才能やセンスの問題ではありません。才能やセンスが求められるのは、レベル3同士のハイレベルな戦いにおいてのみ。そのレベルに至るまでは、才能やセンスではなく、好きの強度、好きから生まれる行動量で、勝負は決するのです。</p>
<p>結局のところ、青山さんに象徴される、以下のようなタイプの人は、「好き」という気持ちで仕事を選んではいけないのではないでしょうか。</p>
<ul>
	<li>自分の「好き」なことに全力を傾けられない。あるいは今まで傾けたことがない。</li>
	<li>「好き」なことに関しては誰にも負けたくない、とまでは思ったことがない。</li>
	<li>「好き」という気持ちが、周囲の人と比べて実はそんなに強くはない。</li>
	<li>一番「好き」なことで食べていきたいとは思わない。</li>
	<li>「好き」なことはたくさんあるが、どれが一番かと言われてもうまく答えられない。</li>
	<li>自分より「好き」の強度が高い人に対抗意識を燃やしたり、行動を起こしたりしたことがない。</li>
	<li>いくら「好き」だからと言っても、そのことに支配されたくはないし、支配されたこともない。</li>
	<li>いつもある程度やってみないと「好き」かどうかが判断できない。</li>
	<li>自分で目標を見つけるより、誰かに課題を与えられた方が一生懸命になれる。</li>
</ul>
<h2>好きなことを仕事にすべきという先入観を捨てる</h2>
<p>では、今まで何かに夢中になったことがない人、「好き」という気持ちが今まであまり強くならなかった人は、仕事で成功しないのでしょうか。ここまでの話と相反するようですが、私はそうは思いません。そのヒントは、赤川さんの行動の中に隠されています。</p>
<p>仕事選びに成功している人、楽しそうに仕事をしている人が皆、最初から好きな仕事に就いたわけではありません。最初は義務感だったかもしれません。あるいは生活のためだったかもしれません。</p>
<p>でも、夢中に仕事をするから、仕事のことが気になっていくのです。仕事が気になるから、勉強する気が起き、知識やスキルが付くのです。知識やスキルが付くから、人から頼られる機会が増え、喜びが生まれるのです。喜びを感じるから、仕事が好きになるのです。最初から大好きだなんてことは、必ずしもあるわけではないのです。目の前の仕事を一生懸命こなしながら、人から色々なことを頼まれるうちに、自分の好きな仕事に巡り合えた、好きな仕事であると実感できるようになった人も多いのです。</p>
<p>逆に、好きな仕事に就いたつもりでも、仕事の時間以外に勉強をしなかったり、急速に基礎を身に付けるべき成長期に優先度の低い余暇のことばかり考えていたり、緩い環境でのんびり仕事をするのが習慣化してしまったりすると、好きの強度が高まらず、継続的な学習を苦痛と感じ、十分な知識やスキルが自然と身に付かず、いつまでも周囲の期待に応えられず、好きなことを仕事にしたのに仕事がうまくいかない、青山さんのようなタイプの人になってしまいます。</p>
<p>結局のところ、最初に「好き」であるかどうかは、実はあまり重要ではないのです。仕事に就いてから、どれだけその仕事に没入できるかが問題なのです。「この仕事は本当に好きな仕事じゃないから」「自分に向いていると確信できたら本気を出そう」「自分にはこれ以上は無理なんで」などといって力をセーブして働いているようでは、どんな仕事もプロとしてやっていけるほどに十分な「好き」にはならないでしょう。</p>
<p>また、自分や社会が見えていない未熟な頃に、「好き」の気持ちに従って仕事を選ぶことを促すようなメッセージを真に受けてはいけません。こういうメッセージをなんの問題意識もなく受け取ると、仕事の中で出会う困難から逃げることに口実を与え、本当に好きなことを見つけられない人、継続や努力の積み重ねを軽視して何も極められない人になってしまうのではないでしょうか。</p>
<p>もちろん、明らかに自分はレベル3だと思える人は、今の自分が見ている「夢」や「好き」に向かってどんどん突き進んでいいでしょう。未経験の段階でも、それだけ好きな気持ちを高めることができる人なら、有利に仕事を選ぶことができますし、仕事に就いてからも、成功する確率は高いでしょう。</p>
<p>しかし、今の自分に強い「好き」「やりたいこと」がないのなら、あるいはどう考えてもあまり強くないのなら、好き探し、やりたいこと探し、自分に向いている仕事探しは一旦止めましょう。向き合うべき困難から逃げ、自分の好きなことを仕事にしたら幸せになれるんだという変な固定観念を持ったまま、存在するかどうかも分からない理想郷を探すのは名案ではありません。素人が感じる「これこそが自分のしたい仕事だ」という判断には、その仕事のキレイなところしか見ておらず、勘違いや誤解も多分に含まれてるものです。</p>
<p>それよりもまず、今の自分が手にできる仕事やチャンスの中からベターなものを選び、あとは、今の自分が求められること、できることを必死でやればいいのではないでしょうか。夢中に仕事をしていれば、その中で自分の好きなことが見つかったり、本当に好きなことがなんなのか見えてきたり、好きという気持ちが育ったりしていく可能性が高いわけですから。</p>
<h2>最後に</h2>
<p>さて、ここで、「好き」という気持ちと仕事選びについて考えさせられる映画を2つご紹介します。</p>
<p>一つは『アンヴィル! 夢を諦めきれない男たち』。80年代初頭に瞬間風速的に注目を浴びたものの、その後大きく成功することなく、50歳を超える今もロックスターになることを夢見て活動している2人のカナダ人ミュージシャンのドキュメンタリー映画です。</p>
<p>登場する二人の生き方から、本当に好きなことを追求することの幸せと苦悩の両極端を垣間見ることができます。いやどちらかというと、この映画では、辛く惨めなことの方が多いかもしれません。私自身は、彼らの人生が非常に素晴らしいと思いましたが、家族の不安や屈辱的な数々の試練、結果として成功していない現実をどう受け取るかは、人によって変わると思います。</p>
<p>ここで描かれているのは極端な例ですが、「好き」を仕事にするのは、甘いものではない、このくらいのことが待ち受けているかもしれない、それでも彼らのように、「好き」という初期衝動に従ってやっていけるのか、という自分の中の覚悟を試すことができる映画ではないかと思います。</p>
<p class="movie"><iframe src="https://www.youtube.com/embed/wsIgGA-KZWQ" width="720" height="540" frameborder="0" allowfullscreen="allowfullscreen"></iframe></p>
<p>もう一つは『シュガーラッシュ』というディズニー映画です。ゲームの中の悪役である主人公は、自分に与えられた役割が、自分が本当にやりたいことではない、ということで思い悩みます。そして、みんなから注目されるようなヒーローになろうと旅を続ける中で、自分が与えられた仕事、自分だからできる仕事に全力で取り組むことの大切さに気付いていきます。</p>
<p>ディズニー映画らしく、綺麗にまとまったお話でありつつ、大人が見ても十分に楽しめる骨太な内容になっています。特に、仕事で悩みがちな学生や社会人こそ観るべき傑作ではないかと思います。</p>
<p class="movie"><iframe src="https://www.youtube.com/embed/GIuzlAQtkzs" width="720" height="405" frameborder="0" allowfullscreen="allowfullscreen"></iframe></p>
]]></content:encoded>
			<wfw:commentRss>https://baigie.me/sogitani/2015/04/like_is_not_happy/feed/</wfw:commentRss>
		<slash:comments>0</slash:comments>
		</item>
		<item>
		<title>良い上司の条件、ダメな上司の条件</title>
		<link>https://baigie.me/sogitani/2014/08/good-leader-bad-leader/</link>
		<comments>https://baigie.me/sogitani/2014/08/good-leader-bad-leader/#comments</comments>
		<pubDate>Thu, 28 Aug 2014 08:00:30 +0000</pubDate>
		<dc:creator><![CDATA[枌谷 力]]></dc:creator>
				<category><![CDATA[仕事]]></category>

		<guid isPermaLink="false">https://baigie.me/sogitani/?p=2650</guid>
		<description><![CDATA[会社に入ると、ほぼ間違いなく、最初は部下として働きます。その部下もやがては上司となり、後進の指導にあたります。 [&#8230;]]]></description>
				<content:encoded><![CDATA[
<p>会社に入ると、ほぼ間違いなく、最初は部下として働きます。その部下もやがては上司となり、後進の指導にあたります。そして、上司と部下の関係の中で、様々な問題が起こります。</p>
<p>上司と部下というのは、誰もが必ず通る道です。それ故に、上司と部下に関するブログや書籍も多いです。しかし、みんなの関心が高いテーマであるにもかかわらず、理想の上司・部下を定義している会社がほとんど存在しないのは不思議なことです。</p>
<p>もちろん、職能や個性によって、理想の上司・理想の部下は変わるので、一概に定義しにくいという面があるでしょう。しかし、行動指針として会社の価値観を定義するのなら、理想の上司・部下も定義すべきなのでは、と思ったりもします。</p>
<p>特に、上司の定義は、非常に大事なことなのではないでしょうか。会社として推奨する上司像が定義されていれば、新米上司も、まずはそれを基準にすることができます。部下も、上司の言動を、上司の目線から理解することができるようになります。</p>
<p>私たちの会社は現在7名ですが、これから20～30人程度に人を増やしていく予定です。規模を大きくしても、会社の強みや仕事のやりやすさを失わないために、私たちの会社なりの理想の上司像を整理してみました。本エントリーはその共有となります。</p>
<p>なお、行動指針を含めるこの手のステートメントは、抽象的な話にまとめてしまうと、個人の解釈に任され、実効性に乏しくなりがちです。そこで、「良い上司」と「ダメな上司」の対比にし、より具体的な言動をイメージできるものにしてみました。</p>
<h2>1：良い上司は、部下を育てる。</h2>
<ul>
	<li>ダメな上司は、部下は勝手に育つ、あるいは育てるのは会社の誰かだと思う。<br />良い上司は、部下は自分が育てるものだと思い、責任をもって育成する。</li>
	<li>ダメな上司は、優秀な部下はすぐに変わるものだと思い込んでいる。<br />良い上司は、人が変わるには時間が必要と理解し、根気よく育成する。</li>
	<li>ダメな上司は、ただ言われた通りやればいいと、部下に教える。<br />良い上司は、期待を超えることの大切さを教え、自発的な思考・行動を促す。</li>
	<li>ダメな上司は、部下の「気付き」を育てず、すぐに解決する方法だけを教える。<br />良い上司は、時には部下の「気付き」を育てるために、辛抱強く待つこともする。</li>
	<li>ダメな上司は、部下の失敗を恐れ、新しいことをさせない。<br />良い上司は、部下の失敗を恐れず、新しいことをさせ、サポートにまわる。</li>
	<li>ダメな上司は、思考と行動のいずれかだけを変えさせて、部下を育てようとする。<br />良い上司は、思考と行動の両方を同時に変えるための具体的な方法を提示し、部下を育てようとする。</li>
	<li>ダメな上司は、部下が自分より優秀になることを望まず、情報を出し惜しみする。<br />良い上司は、部下が自分より優秀になることを望み、惜しみなく情報提供する。</li>
	<li>ダメな上司は、部下に感情移入せず、義務的・事務的に育てようとする。<br />良い上司は、部下の将来を心から案じ、期待し、愛情をもって育てようとする。</li>
</ul>
<h2>2：良い上司は、部下とよく話す。</h2>
<ul>
	<li>ダメな上司は、自分から部下に話しかけない。<br />良い上司は、自分から部下に話しかける。</li>
	<li>ダメな上司は、部下の顔を見ずに、部下の話を聴く。<br />良い上司は、部下の顔を見て話を聴く。</li>
	<li>ダメな上司は、部下の人間性に無関心で、自ら話題を振ったりしない。<br />良い上司は、部下の人間性にも関心を持ち、誠実に話を聴く。</li>
	<li>ダメな上司は、忙しいときに話しかけると迷惑そうにし、話しかけにくい雰囲気を醸し出す。<br />良い上司は、例え忙しくても、いつもしっかりと部下の話を聴く。</li>
	<li>ダメな上司は、部下の長話を無駄な時間と思い、早く終わらせようとする。<br />良い上司は、部下の長話にもじっくり付き合う。必要なら、最後まで聴いて、短く話すコツを教える。</li>
	<li>ダメな上司は、会話ではなく議論で部下を打ち負かそうとする。<br />良い上司は、議論を避けて、論理的な説明と感情への配慮で部下と会話する。</li>
	<li>ダメな上司は、他人の情報を重視し、部下が持ってくる情報の価値を軽視する。<br />良い上司は、部下が情報を持ってくるという行動そのものに、価値を見出す。</li>
	<li>ダメな上司は、会合などで、自分ばかり話し、場を支配しようとする。<br />良い上司は、会合などで、部下が万遍なく話せるように話題を振り、わき役・聴き手に徹する。</li>
</ul>
<h2> 3：良い上司は、上手に褒める。</h2>
<ul>
	<li>ダメな上司は、部下を褒めない。<br />良い上司は、小さなことでも部下の長所を見つけて褒める。</li>
	<li>ダメな上司は、褒めるところがない部下もいると思い込んでいる。<br />良い上司は、どんな部下にも自分より優れた所があると思っている。</li>
	<li>ダメな上司は、部下をうまく使ってやろうと、口先だけで褒める。<br />良い上司は、部下の言動に心を動かされ、心の底から褒める。</li>
	<li>ダメな上司は、部下が学んでも、自分の方が優れていることを誇示し、褒めない。<br />良い上司は、部下が学んだら、そのことを褒める。</li>
	<li>ダメな上司は、現在の自分と比較し、部下が劣っている点ばかり見て、褒めない。<br />良い上司は、過去の自分と比較し、部下が優れている点を見て、褒める。</li>
	<li>ダメな上司は、部下に「了解」などの事務的な回答しかしない。<br />良い上司は、部下に「ありがとう」「よくできたね」と労いの言葉をかける。</li>
	<li>ダメな上司は、部下への高い評価を、他の人に伝えない。<br />良い上司は、人前で部下を褒めたり、部下のいないところで褒めたりする。</li>
	<li>ダメな上司は、褒めているつもりでいても、部下に伝わっていない。<br />良い上司は、部下に伝わるように褒め、自信を持って行動できるようにする。</li>
</ul>
<h2>4：良い上司は、上手に叱る。</h2>
<ul>
	<li>ダメな上司は、叱ることをしないで、良い上司になろうとする。<br />良い上司は、部下との衝突を恐れず、叱るべき時にはきちんと叱る。</li>
	<li>ダメな上司は、怒りの感情に流され、叱るというより怒る。<br />良い上司は、冷静に判断し、叱るという選択を取る。</li>
	<li>ダメな上司は、「だからお前はダメなんだ」といった叱り方をする。<br />良い上司は、人格否定を行わず、起こした失敗や考え方に対してのみ叱る。</li>
	<li>ダメな上司は、叱りっぱなしで部下の心のケアをしない。<br />良い上司は、叱った後は必ずフォローし、期待やポジティブな評価を伝える。</li>
	<li>ダメな上司は、部下のメンツを考えずに叱る。<br />良い上司は、部下のメンツを重んじ、場所をわきまえ、方法を選んで叱る。</li>
	<li>ダメな上司は、誰に対しても同じ叱り方をする。<br />良い上司は、相手を見て、その相手に合った叱り方をする。</li>
	<li>ダメな上司は、自分の失敗体験を語らずに叱る。<br />良い上司は、叱るだけでなく、自分の失敗体験も語り、そこからの学びも教える。</li>
	<li>ダメな上司は、部下を叱るだけで、自分には甘い。あるいは叱らないことで、自分も甘やかす。<br />良い上司は、部下を叱ることで、自分自身も成長しようとする。</li>
</ul>
<h2>5：良い上司は、部下の感情を大事にする。</h2>
<ul>
	<li>ダメな上司は、理屈だけで部下を動かそうとする。<br />良い上司は、部下の感情の大切さを理解し、部下の気持ちに訴えかける。</li>
	<li>ダメな上司は、部下の熱意を無視し、できた・できなかったしか見ない。<br />良い上司は、部下の熱意に共感し、口に出して理解を示す。</li>
	<li>ダメな上司は、部下よりも熱意が見られず、熱意で部下に負ける。<br />良い上司は、部下以上の熱意を持ち、熱意で部下に負けることを許さない。</li>
	<li>ダメな上司は、部下がやる気を失うようなネガティブな発言をする。<br />良い上司は、部下がやる気を出すようなポジティブな話をする。</li>
	<li>ダメな上司は、部下に期待をかけない。または期待を部下に伝えない。<br />良い上司は、部下に対する期待を、具体的に伝え続け、やる気を起こさせる。</li>
	<li>ダメな上司は、感情がぶつかることを嫌い、平和主義であろうとする。<br />良い上司は、必要なら、対抗意識や闘争心も刺激し、やる気を引き出す。</li>
	<li>ダメな上司は、部下の気持ちが分かっていると思い込み、油断する。<br />良い上司は、部下の気持ちが理解できてると油断せず、常に注意を払う。</li>
	<li>ダメな上司は、部下同士の相性や波長には無頓着である。<br />良い上司は、部下同士の相性や波長に敏感で、配慮した対応を行う。</li>
</ul>
<h2>6：良い上司は、部下に仕事を任せる。</h2>
<ul>
	<li>ダメな上司は、部下にもできる仕事を、自分でする。<br />良い上司は、部下にできる仕事は任せ、自分しかできない仕事にフォーカスする。</li>
	<li>ダメな上司は、自分がしたくない仕事を、部下に押し付ける。<br />良い上司は、自分が大切にしている仕事を、部下に任せる。</li>
	<li>ダメな上司は、部下に仕事を任せっぱなしにして放置する。<br />良い上司は、仕事を任せながらも、最悪の事態が起こらないよう状況を観察する。</li>
	<li>ダメな上司は、部下に任せた仕事を隅々まで確認し、結局は自分の時間を削る。<br />良い上司は、時間をかけなくても品質が保てるような確認の仕方をする。</li>
	<li>ダメな上司は、部下に任せることで、アウトプットの質を下げる。<br />良い上司は、部下に任せながらも、アウトプットの質は下げない工夫をする。</li>
	<li>ダメな上司は、情に流されて、部下に任せる範囲を決める。<br />良い上司は、能力、熱意、考え方を冷静に判断し、任せる範囲を決める。</li>
	<li>ダメな上司は、自分が部下よりも優れた人であろうとし続ける。<br />良い上司は、仕事を任せ続けることで、優れた部下を育て、それを動かすリーダーであろうとする。</li>
	<li>ダメな上司は、なんでも自分で行うことで、部下が上司に甘える組織を作る。<br />良い上司は、積極的に仕事を任せ、上司に頼り過ぎない自律的な組織を作る。</li>
</ul>
<h2>7：良い上司は、部下の模範となる。</h2>
<ul>
	<li>ダメな上司は、部下にやれといいながら、自らは行動しない。<br />良い上司は、部下以上に行動的であり、いつも率先して動く。</li>
	<li>ダメな上司は、部下と同じ目線で考え、部下と同じレベルの行動をする。<br />良い上司は、部下よりも高い目線で考え、部下の目指すべき模範となる。</li>
	<li>ダメな上司は、職場の雰囲気を作るのは、部下や他人だと思っている。<br />良い上司は、職場の雰囲気を作るのは、まずは自分だと思っている。</li>
	<li>ダメな上司は、恐怖で部下を従わせようとする。<br />良い上司は、部下の人間性に響く言動で、自然に引っ張ろうとする。</li>
	<li>ダメな上司は、自分がされて嫌だったことを部下にもする。<br />良い上司は、自分がされて嫌だったことは部下にはしない。</li>
	<li>ダメな上司は、自分の好みや興味を満たす話や行動ばかりし、部下に嫌がられる。<br />良い上司は、部下の好みや興味を満たす話や行動をし、部下に敬意を持たれる。</li>
	<li>ダメな上司は、上司と部下の違いを理解せず、画一的な考え方を押し付ける。<br />良い上司は、上司と部下の違いを理解し、それぞれで異なる考え方を受け入れる。</li>
	<li>ダメな上司は、部下の将来に影響を与えず、共に働いた経験が活かされない。<br />良い上司は、部下の将来に影響を与え、共に働いたことが貴重な経験となる。</li>
</ul>
<h2>8：良い上司は、トラブルこそ自分の出番と考える。</h2>
<ul>
	<li>ダメな上司は、トラブルが起こっても、なかなか表に出てこない。<br />良い上司は、トラブルはすべて自分の責任と考え、真っ先に最前線に立つ。</li>
	<li>ダメな上司は、トラブルが起こった時に部下を矢面に立たせ、部下に謝らせる。<br />良い上司は、トラブルが起こった時に、部下を矢面に立たせず、自らが謝罪する。</li>
	<li>ダメな上司は、トラブル対応を部下に委ね、自分はなにも考えない。<br />良い上司は、トラブル対応のリーダーとなり、積極的に対策を考える。</li>
	<li>ダメな上司は、トラブルに対して、「～つもりだった」と言い訳をする。<br />良い上司は、トラブルという結果を直視し、言い訳はせず、解決に動く。</li>
	<li>ダメな上司は、専門的なトラブルだと、自分には分からないと思考停止に陥る。<br />良い上司は、専門的なトラブルでも、発生のメカニズムを理解し、対策を考える。</li>
	<li>ダメな上司は、トラブルの対策を精神論で終わらせる。<br />良い上司は、トラブルの対策を具体的な施策に落とし、その日から実行する。</li>
	<li>ダメな上司は、トラブルが今後も続く印象を部下に持たせたままにする。<br />良い上司は、今後トラブルが減ることを部下にきちんと説明し、不安を和らげる。</li>
	<li>ダメな上司は、トラブルが起こったことで、役立たずな印象を残す。<br />良い上司は、トラブルが起こったことで、より尊敬され、信頼されるようになる。</li>
</ul>
<h2>9：良い上司は、絶対に諦めない。</h2>
<ul>
	<li>ダメな上司は、「時間がない」「人がいない」「予算がない」「仕方ない」「難しい」といったことをすぐ口走り、それ以上考え抜かず、諦める。<br />良い上司は、諦めずに考え抜き、今できることや代替案を見つけだし、成果に向かって行動を続ける。</li>
	<li>ダメな上司は、すぐにネガティブに考え、短絡的に考えや行動をやめる。<br />良い上司は、考えや行動のメリットできるだけ多く、ポジティブに捉え、諦めずに継続する。</li>
	<li>ダメな上司は、すぐに妥協し、成果の質を落とそうとする。<br />良い上司は、決して妥協せず、成果の質をより高く保とうとする。</li>
	<li>ダメな上司は、人はたいして変わらないと諦める。<br />良い上司は、人は何歳でも変われると考え、決して諦めない。</li>
	<li>ダメな上司は、部下にやる気がない、部下の努力不足だ、といったことを口走る。<br />良い上司は、誰しも成長の欲求があると理解し、根柢から部下の心を育む。</li>
	<li>ダメな上司は、一度や二度の説明で「部下に伝わらない」といって諦める。<br />良い上司は、自分の考えや思いを、熱意をもって、何度も繰り返し部下に話す。</li>
	<li>ダメな上司は、諦める姿勢を常態化させて、諦め癖のある部下、諦め癖のある組織を育てる。<br />良い上司は、自らが「ネバーギブアップ」の精神を貫き、諦めない部下、諦めない組織を育てる。</li>
	<li>ダメな上司は、諦めないことと固執することを勘違いし、自分の考えや方法といった手段にこだわり、本来のゴールを見失う。<br />良い上司は、諦めないことの本質を理解し、手段に固執せず、柔軟に変える。</li>
</ul>
<h2>10：良い上司は、人間力が高い。</h2>
<ul>
	<li>ダメな上司は、部下は気付かない、部下は見ていないと思い、油断する。<br />良い上司は、部下は気付く、部下は見ていると思い、自分を律する。</li>
	<li>ダメな上司は、強い信念を持たず、楽な方法に従って自分を甘やかす。<br />良い上司は、強い信念を持ち、部下の模範となるよう自分を律する。</li>
	<li>ダメな上司は、成果が出たとき、自分のおかげだと勘違いする。<br />良い上司は、成果が出たとき、部下の力の大きさを知り、感謝する。</li>
	<li>ダメな上司は、自分がミスをしても部下に謝らない。<br />良い上司は、自分がミスをしたら部下に謝る。</li>
	<li>ダメな上司は、部下に見返りを求める。<br />良い上司は、部下に見返りを求めず、できることを惜しみなく行う。</li>
	<li>ダメな上司は、社外の人に、部下の悪口や部下を貶めることをいう。<br />良い上司は、社外の人に、部下の良い点を話す。</li>
	<li>ダメな上司は、自分の好むペースにこだわり、部下を巻き込み、混乱させる。<br />良い上司は、あるべきペースを意識し、自分や部下のペースをそこに合わせる。</li>
	<li>ダメな上司は、自分を満たすため、自分の不安を解消するために100%を追求し、周囲を巻き込む。<br />良い上司は、自分の気持ちは二の次にし、部下や組織のバランスを最優先にして100%を目指す。</li>
</ul>
<h2>11：良い上司は、正しく評価をする。</h2>
<ul>
	<li>ダメな上司は、情や気分に流されて、一貫性のない評価をする。<br />良い上司は、情に流されず、信念や行動指針に基づき、一貫性のある評価をする。</li>
	<li>ダメな上司は、部下のネガティブな面ばかりを見て評価する。<br />良い上司は、部下のポジティブな面を特に重視して評価する。</li>
	<li>ダメな上司は、一時的な成果で、人間性まで評価しようとする。<br />良い上司は、一時的な成果に惑わされず、人間性の良い点を理解し、評価する。</li>
	<li>ダメな上司は、「若い」「ゆとり」「男性・女性」「学歴」といったレッテルで決めつける。<br />良い上司は、レッテルに惑わされず、その人に向き合い、その人の個性を理解しようとする。</li>
	<li>ダメな上司は、相手の肩書やポジションで、接し方に差を付ける。<br />良い上司は、相手の肩書やポジションに流されず、接し方に差を付けない。</li>
	<li>ダメな上司は、顧客には低姿勢だが、部下には粗雑な対応をする。<br />良い上司は、顧客、部下で差を付けず、ゴールへの優先順位で行動を決める。</li>
	<li>ダメな上司は、「～と比べてダメだ」といった、自分や他人を基準にした、人と比べる評価を行う。<br />良い上司は、目指すべき成果を基準に、部下の個性に向き合った評価を行う。</li>
	<li>ダメな上司は、部下を評価するばかりで、部下から自分への評価には無頓着で、成長しない。<br />良い上司は、部下の評価を通じて、部下から自分への評価も高めようと努力し、成長する。</li>
</ul>
<h2>12：良い上司は、組織全体で考える。</h2>
<ul>
	<li>ダメな上司は、自分一人でなんとかする、という手段に固執する。<br />良い上司は、自分一人にこだわらず、頭を下げてでも人を動かし、成果を得る。</li>
	<li>ダメな上司は、一人の部下のことしか考えず、決断を下す。<br />良い上司は、すべての部下のことを総合的に考えて、ベストな判断を下す。</li>
	<li>ダメな上司は、計画なく打ち合わせをし、部下や組織の時間を消耗させる。<br />良い上司は、計画的に時間を決めて打ち合わせし、部下や組織の時間を確保する。</li>
	<li>ダメな上司は、自分の考えを客観的に捉えず、それしかないという固定観念のもと、意思決定する。<br />良い上司は、自分の考えも客観的に捉え、組織の視点からフェアに意思決定する。</li>
	<li>ダメな上司は、時間がかかる管理を行い、忙しくなると「時間がない」といって、組織を変えない。<br />良い上司は、効率の良い管理をいつも考え、忙しくても目標を達成できる組織を作る。</li>
	<li>ダメな上司は、狭い領域の100%を目指し、中途半端な結果を生む組織を作る。<br />良い上司は、全体のバランスを常に考えながら、全体として120%の結果が生み出せる組織を作る。</li>
	<li>ダメな上司は、組織の底上げを、部下個人のがんばりに委ねる。<br />良い上司は、組織の底上げを、仕組みづくりやマニュアル化など、組織全体を動かす具体的施策によって実現する。</li>
	<li>ダメな上司は、2年後も3年後も、自分がいないと回らない組織のままでいる。<br />良い上司は、2年後、3年後には、自分がいなくてもある程度回る組織を作る。</li>
</ul>
<h2>13：良い上司は、未来に向けて行動する。</h2>
<ul>
	<li>ダメな上司は、日々の仕事のことしか話さない。<br />良い上司は、ビジョンについて頻繁に話し、部下に将来の夢と希望を抱かせる。</li>
	<li>ダメな上司は、目の前の業務をこなすのに必要最小限のことしか教えない。<br />良い上司は、業務の背景にある考え方や理念、意義をきちんと教える。</li>
	<li>ダメな上司は、その場しのぎの方法論しか考えず、仕事をこなすこと以上の経験を部下にさせない。<br />良い上司は、行動指針や信念から考え、将来に繋がる経験を部下にさせる。</li>
	<li>ダメな上司は、部下と雑談をしない。あるいは部下に実りのない雑談しかしない。<br />良い上司は、部下との雑談の中で、仕事観や生き方をわかりやすく自然に説く。</li>
	<li>ダメな上司は、自分自身の将来のキャリアプランを持たない。<br />良い上司は、自分自身の将来のキャリアプランを明確に持つ。</li>
	<li>ダメな上司は、部下の将来のことを考えない。<br />良い上司は、部下の5年後、10年後を想像し、部下の将来に良い影響を与える。</li>
	<li>ダメな上司は、1週間後や1か月後のための仕事に忙殺される。<br />良い上司は、上手に権限委譲や時間管理をし、1年以上先に繋がる仕事をする。</li>
	<li>ダメな上司は、過去の失敗から学ばず、部下にも同じ轍を踏ませる。<br />良い上司は、過去の失敗から学び、部下の将来をより良くするために教える。</li>
</ul>
<h2>まとめ</h2>
<p>この「良い上司」「ダメな上司」をまとめるにあたって、いくつかの書籍を参考にしましたが、特に強く影響を受けたのは、『<a href="http://www.amazon.co.jp/gp/product/4569638430/ref=as_li_qf_sp_asin_il_tl?ie=UTF8&amp;camp=247&amp;creative=1211&amp;creativeASIN=4569638430&amp;linkCode=as2&amp;tag=sogitanibaigi-22" target="_blank">上司の哲学</a>』と『<a href="http://www.amazon.co.jp/gp/product/4422100513/ref=as_li_qf_sp_asin_il_tl?ie=UTF8&amp;camp=247&amp;creative=1211&amp;creativeASIN=4422100513&amp;linkCode=as2&amp;tag=sogitanibaigi-22" target="_blank">人を動かす</a>』です。</p>
<p>『上司の哲学』は、長年松下幸之助に仕えた江口克彦氏の著書で、松下幸之助の行動を通じて、上司とはこうあるべき、というポイントを20の要諦にまとめたものです。非常に読みやすくわかりやすい内容で、おすすめです。</p>
<p>『人を動かす』はD.カーネギーの名著です。部下やチームを動かすのが上司の仕事の根幹と考えると、この書籍もまた、上司にとってマスターピースといえる本でしょう。</p>
<p>これらの書籍の内容をもとに、私および弊社スタッフで議論を繰り返し、この13の要諦と104の例にまとめあげました。</p>
<p>なお、一つだけ注意してほしいのは、これはあくまで「上司のための心がけである」という点です。</p>
<p>例えば、部下がこれを「上司を評価するための基準」として扱ってしまうと、うまくいかないことはすべて上司のせいだ、と考える部下になってしまうでしょう。なぜなら、これらがすべて満たされる上司は、おそらく存在しないからです。</p>
<p>仕事というのは、上司も自責で考え、部下も自責で考え、その歩み寄りとお互いの自己反省があってこそ、うまく回るものです。これは、上司の優劣を評価する物差しではなく、上司の行動を理解する物差し、自分が将来上司になった時にやらなければならないことの基準、そして、上司が自分自身を戒め、自分を顧みるためのツール、と受け取ってもらえるといいのではないかと思います。</p>
<p>あくまで、私たちの会社にとっての定義ですが、これを読むことで、日々発生し、ストレスの原因にさえなっている上司と部下の問題が、少しでも改善できれば幸いです。</p>
]]></content:encoded>
			<wfw:commentRss>https://baigie.me/sogitani/2014/08/good-leader-bad-leader/feed/</wfw:commentRss>
		<slash:comments>0</slash:comments>
		</item>
	</channel>
</rss>
