ディレクターに求められる「真のリーダーシップ」とは

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執行役員 / コンサルタント 今西 毅寿

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Webサイトの制作工程の中で、ディレクターはクライアントと直接的にやりとりをする立場ゆえに、特にリーダーシップが求められる職種と言える。

もちろん、全ての職域でリーダーシップは必要になるが、プロジェクトの全体を通してクライアントと接点を持ち、スケジュール管理と同時に、品質を担保するのがディレクターに課せられた重要な役割と言えるからである。ディレクターのリーダーシップと言うと、決められた納期に対してぐいぐいとタスクを終わらせていくことのように思いがちだが、本質的に気を付けなければならないのは納期に間に合わせることではない。

キャンペーンサイトのように、大前提として公開日は死守する必要があるプロジェクトもあるが、納期を最優先にする考え方になった途端、議論すべきポイントで波風を立てないような進め方を選んだり、品質管理の面でも納期優先の考え方ゆえに妥協を許したりするようになる。結果的に品質も低く、クライアントが望んでいたビジネス的な成果も出ず、さらに我々自身がクライアントからの信頼も失うという最悪の結果に繋がってしまう。

普遍的に意識しなければいけないのは「納期」ではなく、クライアントの抱える課題を解決できるのか?目的を達成できるのか?という「成果」であるべきだ。様々な事情でスケジュールが押し迫った際、その「成果」の達成が難しいと思われる場合は、経緯を説明した上で設計やデザインを見直し、スケジュールを引き直すのがディレクターの真のリーダーシップと言えるだろう。

こうした本質を忘れないように普段からディレクションを行うことが重要だが、プロジェクトが順調に進んでいる時や、ふと他のことに気を取られた時、まさに受け身で、スケジュールを守るという、手段を優先してしまうような「御用聞き」になりがちである。

日頃から自らの果たすべきリーダーシップは何であるか?を考える習慣を身につけ、今の進め方、とろうとしている手段は本当に正しいのか?自分達に都合が良いやり方を選んでないか?と問い続けることで、本来の目的を見失うことなく、ディレクターが果たすべきリーダーシップを発揮できるのではないかと思う。

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