過去2年間で応募者数が最多に。求職者と企業視点をかけ合わせ「スタメンらしさ」が伝わる採用サイトへ

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チームの成果を最大化するためのサービスを開発・提供する株式会社スタメン(以下、スタメン)。同社は、エンゲージメント経営を支援するサービス「TUNAG(ツナグ)」をはじめ、組織と人のつながりを深める事業を展開しています。

スタメンでは、事業の成長に伴い採用活動も活発化しており、その一環として採用サイトのリニューアルを行いました。今回ベイジは、戦略立案からコンテンツ制作までをご支援。本記事では、執行役員COOの森川さん、組織開発部の久保田さんへのインタビューと共に、リニューアルの背景や成果を紹介します。

株式会社スタメン

プロジェクト
採用サイトリニューアル
制作期間
2024年7月~2024年12月
業種
情報・通信業
対象
採用サイト

課題

  • スタメンで働くべき理由や魅力が自社視点に偏り、発信内容にバラつきが出ていた
  • Notionや採用媒体などに情報が散らばり、求職者が必要な情報を取得しづらくなっていた
  • 「働きやすい会社」というイメージが先行し、実態のカルチャーとのギャップが生まれていた

解決策

  • 市場・求職者・自社の多角的な視点でスタメンの魅力を整理
  • 求職者の知りたいこと起点でサイトを設計し、情報を一元化
  • 企業理念や求める人物像など価値観の言語化
  • 「人と組織」をサイト全体のテーマに据え、求職者に伝えるメッセージを統一

効果

  • 採用サイト経由での応募数が過去2年間で最多に
  • サイトを読み込む求職者が増え、面接でより深堀りできるようになった
  • 他採用媒体にもサイトの文章を活用できるようになり、発信効率が向上
  • 価値観の共通言語化が進み、社内外で説明のブレが減少した
  • 「スター人材」など会社を象徴するキーワードが生まれた

課題:発信する情報が統一されておらず、求職者とのミスマッチが起こっていた

スタメンが採用サイトのリニューアルを検討し始めたのは2024年4月ごろです。事業拡大に伴い、前年からエージェント活用を始めとする採用活動を強化していました。しかし、従来の手法ではコストがかさむため、自然応募を増やす仕組みづくりが必要でした。

当時の大きな課題は、働く魅力や価値観が自社視点かつ、明確に言語化されていないまま発信されていたことです。職種や候補者によって響くポイントは異なるにもかかわらず、内容や切り口の整理が不十分で、発信する人によって伝え方にもばらつきがありました。

さらに、発信する情報自体も、採用媒体、Notion、社員インタビューなどに点在していたため、求職者に伝わる情報に差が生じていました。

その結果、外部には「働きやすい」「人間関係がよい」という優しい側面だけが伝わり、「成果重視なカルチャー」や「ストイックさ」という実際のカルチャーが伝わりづらい状況だったのです。

久保田さん:
自然応募を増やす仕組みを整えるためには、コアとなるコンテンツ制作が必要だと考えていました。ただ、基本的な情報や企業理念などの価値観は言語化しようにも難しく、情報発信が属人化していたのが一番の課題でした。

応募者によって知っている情報がバラバラだったり、面接担当者もコンテンツを使いこなせている人とそうでない人の差があったり。そんな中で、外部への発信情報を統一したいということが目的のひとつでした。

森川さん:
情報の散らばりにより、求職者が抱くイメージにもズレが生まれていました。私たちが重視しているのは「働きやすさ」よりも「働きがい」、仲の良さよりも、個人の高いコミット力がチームの力を高めるという考え方です。しかし、外部には「人間関係がよい」という印象だけが伝わり、ミスマッチにもつながっていました。

このような背景から、単なるサイト制作ではなく、採用のあり方の再定義やコンテンツ設計といった上流工程から支援してくれるパートナーを探していました。ベイジさんのことは、上流の戦略からコミットしてくれる会社として以前から知っていました。サイトリニューアルの際にはぜひお願いしたいと思っていました。

執行役員COO 森川さん

ベイジの提案

①市場・求職者・社内の声を突き合わせ、“スタメンの魅力”を再定義

課題のひとつには、働く魅力や価値観が自社視点に偏り、整理ができていない点が挙げられていました。そこで、サイト制作の方針を決める戦略工程では、市場・求職者・スタメンの3視点を取り入れ、「求める人物像」「スタメンの魅力と入社便益」を定義しました。

ここでの狙いは、「自社が感じている魅力」「求職者が知りたいこと」「市場で比較される基準」を洗い出し、共通点と差異を整理することでした。その上で、全社・各職種ごとに響く魅力を明確化しました。

検討にあたっては、自社視点は社内アンケートやヒアリングを参考に、求職者や市場視点はベイジが独自に実施している採用サイトの利用実態調査(中途採用における採用サイト利用実態調査新卒採用における採用サイト利用実態調査)などを活用しました。

この工程で活用したのは、以下の「WHY・WHO・WHAT」というフレームワークです。そこで得られた示唆をまとめました。

実施内容得られた示唆
WHY①経営層・現場へのヒアリングで採用活動の現状を整理
②採用サイトの方針と注力職種(デザイン職・開発職・ビジネス職)を設定
▼現状の課題
①情報が複数媒体に点在しており、採用施策の受け皿として不十分
②働く理由・魅力が整理されていない
③「優しい会社」という側面だけが伝わり、ミスマッチにつながっている
WHO社内アンケートや経営層へのヒアリングを基に、全社共通・注力職種別に「求める人物像」を定義①ビジネス職は「成果志向」、デザイン職と開発職は「協調志向」の傾向がある
②各職種で響く魅力が異なるため、訴求ポイントを職種ごとに設定
WHAT①全社・職種ごとの競合を定義
②スタメンで働くことで得られる便益を「経済・スキル・キャリア・環境・生活・社会/自己表現」の6分類で整理
①ビジネス職は成長機会やキャリアアップなど「キャリア・スキル便益」重視
②デザイナー・開発職は社会貢献ややりがいなど「環境・自己表現便益」重視
③採用競合と比較した際、スタメンの強みは「キャリアやポジションの魅力」「事業の勢いや将来性」にある

結果的に、以下のような便益とそこに紐づくコンテンツアイデアを整理しました。

【全職種共通の便益】

【職種別の便益】

久保田さん
一番記憶に残っているのは入社便益の議論です。これまでは「私たちはこうである」「こういう人材が欲しい」と企業視点に寄りがちでしたが、求職者・市場・自社の3視点で見直したことで、職種ごとに何が便益として響くかがはっきりしました。採用サイトの“勝ちパターン”など、データや知見に基づき議論を主導してもらえた点も、非常に参考になりました。

森川さん
最初の段階でデザインの話に終始しなかったことも良かったと感じています。採用サイトの制作は、デザイン検討から始まることが多いイメージです。しかし、判断軸が定まらないまま提示されたデザイン案に対しては、意思決定が難しくなると感じます。

私たちは、一時的な改善ではなく、数年先を見据えた上段から戦略を練りたかったんです。そうした中で、ベイジさんが「求職者の求める情報を整理して、届くようにすることが大切」という本質から議論を始めてもらえたおかげで、迷うことなくサイトを完成させることができました。この考え方は、今の採用活動の指針にもなっています。

組織開発部 久保田さん

②企業理念をブラッシュアップ。社内外で使える「共通言語」を確立

本プロジェクトで最も時間をかけたのが、企業理念や求める人物像などの価値観を「求職者に伝わる形へと磨き上げること」です。

リニューアル前も理念やビジョンは存在していましたが、言語化が十分でなく、発信する表現が人によって異なるため、求職者に届く情報に統一感がありませんでした。その結果、スタメン本来のカルチャーが正しく伝わりづらい状況でした。

そこで、戦略工程からコンテンツ制作にかけて、既存の理念や面接・面談で語られていた内容を整理し、言葉をブラッシュアップする作業を繰り返しました。定期的なミーティングで、お互いに意見や候補案を出し合い、より求職者に伝わりやすい形へ整えていきました。

【企業理念ページ】

以下は「求める人物像」ページです。人物像の定義だけでなく、「マッチする人」「マッチしない人」という項目を設け、求職者が自分に置き換えて判断しやすい構成にしています。さらに、このページを作成する中で、「スター人材」などスタメンを象徴する新たなキーワードが生まれました。

【求める人物像ページ】

久保田さん:
企業理念や求める人物像については、以前から採用活動で伝えていたものの、明文化されていませんでした。毎週のミーティングで、社内で出た意見を受けて、ベイジさんから「こういう言葉はどうですか?」と案をいただくことで、客観的に求職者へ伝わる表現に整理できました。

この過程で生まれたのが「スター人材」という言葉です。一体感を大事にしつつも、スターのように尖った個性や熱量を持ったメンバーが連携することで人と組織の強さにつながる、と求職者へ伝えています。サイト制作を通じてこのキーワードを確立できたことは、大きな成果だと感じています。

森川さん:
採用活動において、価値観を言語化する必要性は理解していたのですが、自分たちだけでは抽象的になったり、社内だけで通じる言葉になってしまい、行き詰っていました。

そこの生みの苦しみに伴走いただけたのは、非常に価値が大きかったです。自分たちだけでは、あれほどの時間とエネルギーを注ぎ続けるのは難しかったと思います。ブラッシュアップした企業理念は社内でも好評です。みんなが馴染みやすいひとつの“指針”ができたように思います。

③評価も給与レンジも公開。“求職者目線”を徹底したサイト設計

リニューアル前は、情報が他媒体に分散しており、求職者が一度で知りたい情報にたどり着けないことも課題でした。今回のプロジェクトではまず、それらの情報を採用サイトに集約し、求職者が迷わず必要な情報にたどり着ける環境を整えました。

そのうえで実施したのが、「求職者が入社前に知りたいこと」起点のサイト設計です。求職者の知りたいことを調査するために、社員インタビューやアンケートを実施し、入社前に感じた不安と、入社後に魅力と捉えられているポイントを整理しています。

以下は調査結果の一例です。給与や仕事・事業内容、社風といった点で不安を抱く一方、入社後には仕事内容や事業の将来性、社風などが魅力とされていることが分かりました。つまり、本来アピールすべき魅力が事前には十分伝わっていないというギャップが明らかになったのです。

入社前の不安入社後に感じた魅力
1.スキルや経験が活かせるか分からない
2.報酬が十分かどうか分からない
3.完全出社であること
4.仕事・事業内容がイメージできない
5.どのようなスキルや経験が得られるか分からない
6.社風や会社の雰囲気が分からない
1.会社やプロダクトの特性・価値観
2.働く社員の人となり
3.仕事内容
4.事業戦略や事業成長の可能性
5.ミッションビジョンバリュー
6.挑戦を応援してもらえる社風
7.獲得できるスキルや経験 

こうしたギャップを埋めるために、以下のようなページを新設・改善しています。一部をご紹介します。

【評価・給与制度ページ】

不安の声が多かった給与に関しては、「評価・昇給制度」を作成し、評価基準や給与レンジを細かく記載。成果を出せばそれに報いる評価制度があること、挑戦を後押しするカルチャーを伝えています。

【職種紹介ページ】

「仕事内容が見えない」「どんな経験が積めるか分からない」といった不安には、各職種の紹介ページを用意。役割・部門長メッセージ・扱うプロダクト・業務内容・キャリアパスまで網羅的にまとめることで、自分が入社した場合の働き方を具体的に描けるようにしました。

【キャリア形成】

「キャリア形成」というページも個別に作成しています。社員のキャリアパス事例を見せることで、スタメンで経験できる成長ステップを具体的に理解できる構成にしています。

④「人と組織」をテーマに定め、メッセージングの統一を図った

スタメンの事業は「人と組織で勝つ」という価値観を軸に展開されています。ところが、採用活動ではその軸が十分に反映されず、事業面とは異なるメッセージが発信されていました。その結果、スタメンのカルチャーが求職者に正しく伝わらない要因となっていたのです。

こうした状況を踏まえ、新しいサイトでは「人と組織」を採用サイト全体の共通テーマとして設定しました。求職者が最初に触れるトップページ冒頭に会社のスタンスを明示し、事業紹介などの詳細ページでも一貫して「人と組織」という言葉を使うことで、事業の軸と採用のメッセージを統一する設計としています。

【トップページ】

【事業紹介ページ】

リニューアルの成果:応募者数が過去2年間で最多に

リニューアルから数カ月が経ち、定量・定性の両面で確かな効果が現れています。

まず定量面では、採用サイト経由の応募者数が大幅に増加しました。採用サイトを公開した2025年3月以降、応募数は増加傾向に転じ、5月には前年同月比で2倍以上に。これは過去2年間で最多となる数字です。

定性面では、求職者が事前にサイトを読み込んで面接に臨むケースが増え、面談の質が変わりつつあります。また、社内でもリファラル採用や情報発信の場面でサイトを活用する動きが広がっています。

森川さん:
事前にサイトを読み込んでくれる求職者が増えたので、面談ではスムーズに話を進められるようになりました。以前は事業についてなど基本的な説明に充てていた時間を、求職者の人となりの深堀りや、会社の魅力を伝える時間に使えるため、相互理解も深められるようになりました。

また、社内からも「情報が整理されたことで会社を紹介しやすくなった」という声があり、リファラル採用の後押しにもつながっています。

久保田さん:
採用サイトは採用活動のあらゆる場面で活用しています。例えば求人媒体やオファーレターの文章も、ゼロから作成することなくサイトの文章を転用できるので、発信内容のズレが少なくなり効率も上がりました。伝え方や情報の正しさに悩んだときに、一旦立ち返られるようなコアコンテンツになっていますね。

以前、ベイジ代表取締役の枌谷さんがおっしゃっていた「サイトのコンテンツ量は企業の誠実さにつながっている」という言葉がとても印象に残っています。プロジェクト中は、コンテンツ量も多く大変でしたが、スタメンの魅力や誠意が伝わるサイトになったと思います。

最後に、今後の取り組みにおいてベイジに期待することを伺いました。

久保田さん:
今回のプロジェクトを通じて、自分自身も文章を書くことが好きになりました。今後は日々のイベントや事業戦略についても積極的に発信していきたいと考えています。ただ、社内だけで完結するとどうしても客観性に欠けてしまう部分もあるので、「求職者に伝わる言葉」に磨き上げるための相談相手になっていただければ嬉しいです。

森川さん:
採用の世界は常に変化しています。マーケット環境や自社のポジショニングは言語化して固めるべき部分もありますが、一方で外部環境の変化によって見られ方は変わっていきます。そこに僕たちだけで気づくのは難しい。だからこそ、幅広い企業を支援されているベイジさんから、市場の最新情報や知見を共有いただきながら、私たち自身もアップデートしていきたいと考えています。

今回サイトが大きくパワーアップしたからこそ、オファーレターや動画といった他の採用体験にも広げていきたいですし、数年後に再び市場や自社を見直す機会でもご一緒できれば嬉しいです。

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