
「コンテンツ量が多い」というのが、私たちベイジの採用サイト制作における基本スタイル・基本方針となっています。
それに対して、「多すぎても読まない」という反対意見が出てくるのは日常茶飯事です。その結果「文字が多くても読まない→文章を減らす」という方向に流れがちです。
こうした意見にどんな答え方をしているかを、この場で軽くまとめておきます。
「文章が多いと読まない」という発想は、サイトを俯瞰的・システム的・構造的に見れてないから生まれるんだろうな、と私は考えています。
別の言い方をすると「1人が1回の訪問で1ページをワンパターンに読む」という前提での発想だと思います。
実際の採用サイトの使われ方はそうではなく、「複数の人が複数の訪問で複数ページをいくつかのパターンで読む」です。そういう捉え方をすると、コンテンツの分量に対する判断が変わります。
まず、複数の人がいるということは、複数のニーズがあるということです。同じ会社に応募していても、ある人にとってはAのニーズが強く、ある人にとってはBのニーズが強かったりします。
そのため、A、B、Cの情報しか載せてない採用サイトは3つのニーズにしかヒットしなくなります。しかしA〜Zの情報を載せていれば、26のニーズにヒットするようになります。
当然後者の採用サイトの方が、訪問者がランダムに訪問してきた時の「ヒット率」があがります。だから、コンテンツ(ページの種類)は多い方が有利、という判断になります。
また、訪問についても、1回の訪問だけで考えるのは、採用サイトにおいては不適切です。多くの求職者は選考プロセスの中で、複数回採用サイトに訪問してます。私たちの独自調査でも、60%以上の人が採用サイトに複数回訪問し、20%以上の人が4回以上訪問しているという結果が出ています。
さらにいえば、エントリー前と最終面接前では、見る情報も見方も変わってくるため、同じ人だから同じコンテンツを載せ続けていればいい、というわけでもありません。
もう一つ付け加えると、採用サイトにおいて大事なのは、平均的なユーザーではなく、内定に極めて近いところまで進むエクストリームなユーザーです。
こうした何度も訪問してくるユーザーを絶対に逃さないようにコンテンツ編成しているサイトの方が、採用においては有利に働くのです。
次の論点、各ページ内の作り方の話ですが、これについても、「たくさんの文章があると読まないからもっと削ろう」という意見がよく出てきます。しかし、人はそんなワンパターンに情報を取得してるのか、というとそうでもありません。
これは採用サイトに限らない話ですが、ネット上での情報取得において、人は以下の2つのモードを瞬時に切り替えています。
①ファストモード…さっと読み飛ばしながら大事なポイントを掴む
②ディープモード…気になったところを深掘りしてじっくり読む
「文字を減らす」というのをやると、ファストモードには対応できるのですが、ディープモードには対応できなくなります。もっと情報が知りたいと思っても情報がないので、特に意思が固まってない、熱量がまだ高くないユーザーを逃す確率が高まります。
そのため、各ページのコンテンツの作りはファストモードにもディープモードにも対応できる方が理想です。
より具体的には、全体の情報量は多くても、以下のような作りにすることで、文字量/情報量が多くてもファストモードにも対応できるページに設計することができます。
文字量・情報量を減らすとき、同時に「分かりやすいキャッチーなコピーにする」という方針を立てがちですが、これは方針として打ち出すのは簡単ですが、制作難易度はかなり高まります。
「刺さるコピー」の感覚が人それぞれなうえ、それを補足説明するための文章がなくなってしまうので、コピーとしてのギャンブル度/博打度が増してしまうのです。
そういうクリエイティブに挑戦するのも一つの選択肢かもしれませんが、確率論でいえば、「情報はなるべく多く掲載し、その上で読みやすく工夫する」という方針の方が、制作難易度が下がり、成功確率が高まる、最適解になることの方が多いと思います。
このように、「コンテンツが多い」ということにはサイトの人の流れを構造的に見た時の必然的な理由があり、かつ「多い」と「読みやすい」を両立させるやり方は色々ある(というかそれこそがデザインやコピーにおけるクリエイティブ)、そして個別の印象や意見だけでなく、全体の確率論も踏まえて考えましょう、という話をよくします。
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