リファラル採用を機能させるには

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当社が支援している企業からも「リファラル採用に力を入れたい」という声をよく聞きます。紹介料が発生しない、人柄がある程度保証される、カルチャーフィットの確度が高いなど、メリットは明確です。

しかしながら、リファラル採用の制度を作ったものの、ほとんど紹介が発生しないという話もよく聞きます。制度を作れば紹介が増えると思いがちですが、実際にはそう簡単ではありません。

そもそも、リファラル採用には向いている会社とそうでない会社があります。

機能しやすいのは、仕事の難易度に幅があり、社員が外交的でネットワークを持っている、あるいはその両方を備えている会社です。仕事の難易度に幅があれば紹介できる候補者が広がりますし、社員に外部とのつながりが豊富であれば紹介の母数自体が増えやすくなります。

逆に、専門性が極めて高い職種に限られ、かつ社員が内向的でネットワークが限定的な場合は、制度を整えてもなかなか紹介が生まれません。

また、リファラル採用を機能させるには、紹介する側の心理的な負担も見過ごせません。社員は自分の人間関係を使って紹介しています。友人が不採用になったとき、あるいは入社後にミスマッチが起きたとき、その関係が傷つくリスクを抱えています。

この点への配慮がない制度だと、社員が紹介を躊躇する原因になります。

さらに、社員が紹介したいと思っても、「具体的に何をどう伝えればいいか分からない」という壁もあります。

以前、当社の採用勉強会にお越しになった会社の人事担当者の話で印象的だったのが「紹介したい気持ちはあるけど、給与体系や評価制度が不透明で、自信を持って勧められない」という社員の声がある、という話でした。

こうした課題を踏まえると、リファラル採用を機能させるために必要なのは、制度の通知ではなく、仕組みの設計と情報の整備です。具体的には、以下のような項目を一つずつ詰めていく必要があります。

①仕組みづくりの設計

まずはなによりも報酬設計です。

金銭的なインセンティブだけが動機になるわけではありませんが、会社として紹介を歓迎しているという姿勢を示す意味でも、報酬の明示は重要です。

最近では1人採用するたびに50万円から100万円などの高額な報酬を設定している会社も増えています。金額に企業の本気度が表れているとも言えます。

次に、条件整理も必要です。

どの職種が対象か、紹介者と候補者の関係性にどこまで制約を設けるか、選考を進む上で最低限どんな条件を満たすべきか、過去の応募者は対象になるかなど、曖昧になりやすいポイントを事前に決めておきます。

そしてプロセスを設計します。

社員がどこに・誰に・どうやって紹介を伝えるのか。紹介後の選考状況をどこまでフィードバックするのか。プロセスが不透明だと、社員は紹介した後に放置されている感覚を持ち、次の紹介が起きにくくなります。

②情報コンテンツの整備

社員が友人に送るだけで済むよう、募集要項への直リンクと簡単な紹介文のテンプレートを用意しましょう。「このリンク送るだけでOK」と伝えるだけで、紹介のアクションが格段に取りやすくなります。

加えて、採用サイトやPDFなど、紹介を受けた候補者が自分で情報を確認できる環境を整えます。給与テーブルや評価基準を採用サイトで公開していると、社員が自信を持って紹介できるようになります。

定期的な「紹介ネタ」の提供も効果的です。採用サイトのブログ記事や新しい福利厚生、社員インタビューなど、「今月はこれをネタに紹介してみて」という情報を月1回全社メールで配信する。これがリマインドとして機能し、紹介の機会を自然に作り出します。

③選考フローの調整

リファラル経由の候補者を、通常の応募者とまったく同じ選考フローに乗せるのが適切とは限りません。

すでに社員を通じて一定の情報交換ができている分、カジュアル面談からスタートする、書類選考を簡略化するなど、通常フローとは異なる導線を設計することで、候補者体験が向上します。

また、リファラルならではの配慮として最も重要なのが、採用が見送りになった場合のケアです。

紹介者である社員と候補者の人間関係を守るために、見送りの理由を丁寧に伝える、紹介者にも適切なタイミングで状況を共有するなど、通常の不採用通知以上の配慮が必要です。ここが雑だと、社員は「紹介して嫌な思いをした」という記憶が残り、二度と紹介しなくなります。

リファラル採用は、制度を作ることがゴールではありません。

  • 自社がリファラルに向いている環境かどうかの見極め
  • 紹介者の心理的負担への配慮
  • 紹介を簡単にする仕組みづくり
  • 情報を整える地道な作業
  • 選考フローの調整
  • 見送り時の丁寧なケア

こうした要素を一つずつ積み重ねていくことで、リファラルが本当に機能し始めるのではないかと、私は考えます。

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