
ビジネスでは、取り組んだことの成否を数字で示すのは基本中の基本です。ただ、それが難しい領域も多々あります。ブランディングもその一つでしょう。
ブランディングの成果といえる認知拡大や印象変化は時間をかけて起きることも多いですし、大抵は何が原因で変わったかを特定するのも容易ではありません。
これは採用ブランディングにおいても同様です。商談の中で「採用ブランディングの成果を、どう報告すればいいかわからない」といった課題感を相談されたこともあります。
ただ、説明が難しいからといって測定を諦めれば、予算も継続も守れなくなりがちです。特に「応募の増加」や「理想の人材の獲得」というように目的がはっきりしている採用ブランディングの場合、コーポレートブランディングなどと比べて、効果測定は比較的容易な面もあります。
採用ブランディングという名目で何かを実施するなら、その成果基準を積極的に定義すべきだと、我々は考えます。
そのひとつのアプローチとしては、指標を「行動」「成果」「認知」「印象」の4つのカテゴリで整理し、どの指標が今回の採用ブランディングにおいては重要か、と考えて成果を定義するやり方があります。
行動の定量測定とは、施策に対する求職者の直接的な行動反応を見るものです。採用サイトの閲覧や滞在、説明会の参加、応募、書類選考通過、内定承諾などにまつわる数字がここに入ります。
成果の定量測定とは、採用活動の生産性などに関する最終的なビジネス成果に近い指標です。採用コスト、採用工数、採用数、早期離職、入社後の定着、エンゲージメントスコアなどの数字がこれにあたります。
認知の定量測定とは、社外にいる人たちからそもそも候補として認識されているかを測るものです。企業名の認知度アンケート、検索数、SNSでのUGC数、口コミサイトの投稿数などがこれに該当します。
印象の定性測定は、数字では拾いきれない部分ですが、5段階評価などのアンケートを実施し、疑似的に定量化していきます。企業イメージに関するアンケート、インターネットリサーチから、口コミサイトの評価やSNSで語られていることの定性的な内容を集計して見るものです。
この4カテゴリーは、組み合わせて使うこともできます。
たとえば採用ブランディングの一環でSNSでの露出を強化した場合、認知の指標である指名検索数が動いたか、行動の指標である採用サイトの訪問数が伸びたか、さらに成果の指標として応募者の質に変化があったか、といった流れで組み合わせることで、採用ブランディングの効果を時系列や立体的に説明できます。
以前支援したある会社の採用責任者は、追っていたのが応募者数だけだったため、経営会議で「それは転職サイトに出稿した予算が増えたから当たり前で、ブランディングによって増えたまでは言えないのでは」と指摘されて、うまく説明できず行き詰まっていました。
そこで、この4カテゴリーで指標を整理し、施策ごとにどの指標がどう動いたかを語れる仕組みを作りました。それ以来、採用活動の成果を筋道立てて経営層に報告できるようになったと聞いています。
完璧な測定設計を最初から目指す必要はありません。自社で取れる指標を洗い出し、2〜3個の組み合わせから始めるだけでも、採用活動の見え方はかなり変わるはずです。
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