開設は1950年代、日本を代表する法律事務所のひとつとされる、アンダーソン・毛利・友常法律事務所(AMT)。ベイジは、同事務所の秘書やパラリーガル(※法律事務所で、弁護士の監督のもと法律業務のサポートをする職種)、IT部門などの採用サイトを制作しました。
課題
解決策
効果
AMTで本プロジェクトを担当された、古沢さん・布上さんへのインタビューをもとに、サイトリニューアルの過程や効果を紹介します。
2023年8月から始まった本プロジェクト。古沢さんによると、サイト制作の構想は実は数年前から頭の中にあったと言います。
古沢さん「私がAMTに入所する前に、転職活動中にウェブサイトを見たときから、もし入所できたらサイトをリニューアルしたいと考えていました。法律事務所ならではの厳格な雰囲気のウェブサイトは、敷居の高さを感じさせていると思ったからです」
既存の採用サイトは、弁護士の採用とスタッフの採用が1サイトにまとまったもの。敷居の高さに加え、情報量や構造の整理が十分ではなく、使いづらさを感じさせる部分が多々ありました。
加えて、AMTのスタッフ採用において課題になっていたのが下記の3点です。
・新卒採用において優秀層の採用難易度が上昇した
・面接に来る求職者の職種理解が浅い
・内定辞退が多い職種がある
布上さん「募集職種の種類が多く専門性が高いため、業務の内容をあまり理解しきれず、志望理由が十分に定まっていないまま面接にいらっしゃる方が多いように感じていました。なので、リニューアルしたサイトでは業務に関する内容をしっかりと伝え、AMTへの理解をより深めたうえで選考に臨んでいただけるようになれば、と考えていました」
こうして、求職者に業務内容や事務所の雰囲気を知ってもらい、効率的に採用活動を行うためのウェブサイト作りがスタートしました。
AMTでは、サイト制作にあたり、複数の制作会社の検討が行われました。そのなかでも、ベイジにプロジェクトをお任せいただいたのには次のような理由があったそうです。
古沢さん「さまざまな制作会社さんとお話をしましたが、初回の打ち合わせの段階からベイジが一番“プロ”だと感じたんです。ここにお任せしておけば安心だと」
布上さん「他社さんからも面白そうなアイデアはいただきました。でも、そのアイデアをどう実現するのか分からないなと感じることが多くて。一方で、ベイジさんはどんな風にプロジェクトが進むのか丁寧に説明いただいて安心できました」
ベイジでは、ウェブサイト制作の初期に1〜2か月程度かけ、リサーチやヒアリングをもとにした戦略立案を行います。本プロジェクトでは、古沢さん・布上さんへのヒアリングに加え、既存のウェブサイトを使ったユーザーテストや、AMTの新卒所員を対象にしたワークショップ、競合分析を実施しました。
布上さん「ウェブサイトのプロジェクトで、ここまでしっかりと戦略作りをしていただけるのかと正直びっくりしました。ワークショップやアンケートなどを通して、サイト以外にも採用に活かせる情報がたくさん得られました」
これらのリサーチの結果、次のような方針でウェブサイトを制作することになりました。
このような方針のもと、下記のように、サイトがリニューアルされました。
柔らかな印象を与えるフォントや色使い、豊富に用いた写真などで、AMTのスタッフさんの雰囲気を表現しました。情報取得のしやすさは考慮しつつ、単調になりすぎないレイアウトの工夫も施しています。
業務内容はもちろん、AMTのカルチャーや制度を多面的に理解してもらうことを目指し、インタビューコンテンツや所員の方々の率直な声を掲載するコンテンツなども制作。計60ページ超えのボリューミーなサイトとなりました。特に求職者に人気の高かった所員インタビューや座談会は、20記事近く掲載しています。
情報量を重視するサイトでは、文章量も多くなりがちです。文字がたくさん並ぶサイトでも疲れず、飽きることなく読めるよう、スクロール時に追従する目次や、文章に合わせたアイコンなどを設置しました。
古沢さんは、数多くのコンテンツの中でも、特に印象的だったのは「ひと言アンケート」のページだと語ります。長い文章を読まずとも、AMTの雰囲気を感じてもらえるコンテンツを作りたいと思い、ベイジより提案したページです。
古沢さん「ひと言アンケートのページは意外性があってよかったです。ご提案いただいたときにまず面白そうだと思いましたし、自分たちだけでは出てこないアイデアでした」
サイト制作は通常、原稿やデザイン、開発など各所でクライアントチェックが必要なため、ボリューミーなサイトは依頼者様の負荷が高まり、遅延につながることもあります。しかし本プロジェクトは遅れもなく、公開までスムーズに進行しました。
布上さん「原稿はGoogleドキュメント、コミュニケーションはSlackを使ったのがとてもよかったなと思っています。WordやExcelとメールで60ページのサイトを作ろうとしていたらとても大変だっただろうなと。インタビューや座談会に出た所員たちが積極的に確認に協力してくれたことも、スムーズに進められた理由のひとつだと思います」
古沢さん「ベイジさんの対応スピードもすごく早かったですよね。デザインも原稿もいろいろな要望を出させていただきましたが、すぐに反映してくださったので、私たちも絶対に納期を守らなきゃという気になりました。また、制作に入る直前に『次に何をやればいいか分からなくて困るような事態には絶対にしません。やることがすごくたくさんあるので(笑)』とベイジさんから言われたのですが、本当にその通りでした。大変さもありましたが、表現ひとつから考え抜いてウェブサイトを作ることは、クリエイティブで楽しい経験でした」
ベイジでは、デザイナー・ライター・エンジニアといったクリエイターが直接お客様とコミュニケーションを取って制作を進めます。だからこそ、スピーディーかつ依頼主様との目線のずれが少なく制作を進められると考えています。
サイトの公開から数か月を経て感じる効果について、古沢さん、布上さんは次のように語ります。
古沢さん「就活生たちから、『AMTの採用サイトがとても参考になった。情報も多くて良い』という声をもらう機会はありますね。また面接をしていて、以前よりも求職者の業務理解が深まっているようにも感じます」
布上さん「私も、内定者の方とお話しした際に『AMTのサイトが一番見やすかった。情報が探しやすかった』と言っていただき、うれしいなと感じました」
当初の目的通り、敷居を下げることと充実した情報提供によって、求職者の方々に満足いただけているようでした。
しかし、採用サイトは「作って終わり」ではなく、「作ってからがスタート」です。その年の求職者や事務所の状況に合わせてアップデートを加えることで、より効果を発揮します。AMTでも今後、さらなるコンテンツの追加や広告施策などを実施し、さらにウェブサイトの活用を強化する予定だと言います。
古沢さん「当事務所の良いところは働く所員の多様性だと思っています。より多くの所員の個性が伝わるようなインタビューコンテンツなどを追加していきたいです」
最後に、今回のプロジェクト全体を振り返り、今後、ベイジへの依頼を検討されている方に向けてコメントをいただきました。
古沢さん「ベイジさんは、ただかっこよく作るのではなく、リニューアルの目的を整理するところから伴走し、しっかりと戦略的に採用サイトを作ってくれます。目的に即した内容の濃いサイトを作りたいという企業にはおすすめです」
布上さん「ウェブサイトを作ったことがない、どこから手を付けていいのか分からないという状態の方も、ベイジさんなら安心してお任せできると思います。先回りして導いてくださるので、安定感のあるプロジェクトが実現します」
AMT様の採用サイトは、コンテンツの種類と量の豊富さで、他の採用競合を圧倒していると感じます。古沢様、布上様はもちろん、アンケートやワークショップなど、所員の皆さまにたくさんのお力添えをいただいたおかげで、AMT様らしさが多面的に伝わるサイトに仕上がりました。あらためて、ありがとうございました。
今回のプロジェクトでは、AMTの皆さまに多大なるご協力をいただきました。ワークショップやヒアリングを通じて多くの所員様の声を直接聞くことができ、応募者が求める情報を的確に提供する採用サイトを完成させることができました。法律事務所の専門性と応募者への親しみやすさを両立させ、AMT様の独自性をしっかりと表現できたと感じております。
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