ウェブ制作の仕事をしていると、「御社以外におすすめのウェブ制作会社を教えてくれませんか?」と聞かれることがあります。
また、「どの制作会社がいいかよく分からない…」「前回選んだ制作会社とはなかなかうまく行かなくて…」と相談されることもあります。
ウェブ制作会社はウェブ制作のプロですが、残念ながら、多くのウェブ制作会社は自らを売り込むことがあまり得意ではありません。
そのため、ウェブ制作業界を超えて多くの人に知られているようなウェブ制作会社は、ほとんど存在しません。ウェブ制作と隣接しているはずのデジタルマーケティング業界やIT系のスタートアップ業界でさえ、ウェブ制作会社のことをほとんど知りません。(もちろん、当社もこれに当てはまります)
このような現状だからこそ、ほとんどの発注企業からすれば、ウェブ制作会社は「探しにくい」「見つけにくい」「見極めにくい」のだと思います。
そこで、ウェブ制作業界歴20年をまもなく迎える私が、「もし私が発注者の立場だったら」という視点で、失敗確率をできるだけ下げるためのウェブ制作会社の上手な選び方をまとめてみました。
これを書くにあたり、私たちの会社が有利になるような言い方はなるべく避け、できるだけフェアになるように心がけました。
ただ、私には「ウェブ制作会社かくあるべし」という信念があり、それに合わせてベイジという会社を作っています。そのため、客観的でフェアな説明を心がけても、私たちに有利な話をしてしまう部分は、どうしても出てしまいます。
これを読まれる発注企業の皆様におかれましては、他の人の情報も参考にしながら、自社・自分に当てはまる話なのかどうか、冷静にご判断いただければ幸いです。
「ウェブ制作会社選びに失敗した」という話を詳しく聞いてみると、ウェブ制作会社の能力の問題というより、単にミスマッチだったのでは?と感じることが多々あります。
このような不幸なミスマッチを減らすために、自分たちが求めているのは果たしてどのタイプのウェブ制作会社か?というのは、改めて確認した方がよいでしょう。
ウェブ制作会社も多種多様なので 、様々な切り口での分類が可能ですが、私がオススメするのは、以下のような分類です。
マーケティング型とは、数字やロジックを重視し、ビジネス上の成果を絶対的な価値基準とするタイプのウェブ制作会社です。クリエイティブ型とは、センスや感性を重視し、視覚的な刺激や心地よさを価値基準とするウェブ制作会社です。そしてファクトリー型とは、工場のようにHTMLを大量生産することに長けたウェブ制作会社です。
誤解を招きそうなので少し補足しておくと、マーケティングとクリエイティブは、そもそも対立軸ではありません。優れたマーケティングに創意工夫は不可欠ですし、ビジネスで求められるクリエイティブには市場感覚が不可欠です。
ただ、ここのタイプ分けで使っているのは、もう少し俗っぽい意味のマーケティングやクリエイティブで、KPIやROIを明確に意識してリサーチも含めてロジカルにウェブ戦略を立てるタイプのウェブ制作会社をマーケティング型、企画の斬新さや見た目の美しさやインパクトを重視するタイプのウェブ制作会社をクリエイティブ型、と呼んでいます。
もちろん、マーケティング型であり、クリエイティブ型であり、そしてファクトリー型でもある、というウェブ制作会社は、理論上は存在しえます。ただ現実的には、そんなに器用なウェブ制作会社はほとんど存在しないのではないでしょうか。
見た目を重視する会社は、大抵マーケティングが苦手です。「マーケティングも考えます」と自称している場合もありますが、大抵、ウェブサイト以外のマーケティングについて、専門のマーケターと対等に会話するほどの知識は有していません。
一方、マーケティングを重視する会社は、ビジュアル表現を得意としない傾向にあります。というより、無意味に予算を削る可能性があるビジュアル表現の追求を、そもそもの価値基準として置いてないともいえます。
そして、大量生産を得意としている会社は、量とスピードに優れる半面、マーケティング的な分析や戦略立案も、クリエイティブも、いずれも苦手なことが多いです。
1~2万は存在すると言われるウェブ制作会社ですから、例外は存在するでしょうが、これが現実的かつ一般的な傾向といえるのではないかと思います。
このような前提を踏まえた上で、マーケティング型、クリエイティブ型、ファクトリー型を手っ取り早く見分けるためのチェックリストを作ってみました。
マーケティング課題を解決したいのにクリエイティブ型やファクトリー型のウェブ制作会社を選んだり、自社商材の言語化できない美しさをウェブサイトで再現したいのにマーケティング型やファクトリー型のウェブ制作会社に発注したりすると、ウェブリニューアルのプロジェクトは失敗しやすくなります。
こういった不幸なミスマッチを引き起こさないためには、「自分たちがしたいことは何か?」を明確にすることが何よりも重要です。
自社サイトが抱えている課題が、マーケティング上の数字を追うことなのか、表現を極めることなのか、予算内・期間内に決められた量をこなすことなのかを、きちんと見極めて、優先順位を付けることです。
このような自社の課題とウェブ制作会社のタイプの見極めを行うだけで、「ウェブ制作会社とうまく行かなかった…」という不幸なミスマッチの発生確率を抑えることができるのではないでしょうか。
「ウェブ制作会社の探し方が分からない」というのも、よく聞く話です。
ネットで検索すれば、たくさんのまとめサイトやウェブ制作会社が出てきますが、よほど業界に精通していないと、膨大に存在するそれらの情報から最適な会社を選ぶのは、難しいでしょう。
そもそも、ウェブ制作会社の本当の良し悪しは、納品の日を迎えるまで分かりません。つまり、「ここにしよう」と決断してから、その決断がよかったかどうかが判明するのが数か月後、場合によっては一年以上先、という商材です。
そんなウェブ制作会社の見つけ方・探し方には、主に以下の5つの選択肢があります。
ひとつずつ、詳しく解説しましょう。
先程、「ウェブ制作会社の良し悪しは納品まで分からない」という話をしましたが、ということは、一番有益な情報は、そのウェブ制作会社と実際に取引をした人が持っているともいえます。
ウェブ制作会社を実際に利用した人の口コミや感想は、ネット上にはほとんど存在しません。そのため、社内・同業種・同業界から聞くのが現実的な手段になります。もちろんそれでも「自分たちの場合は違った」というケースは出てくるでしょうが、実際にそのウェブ制作会社と付き合ったことがある人の評価ほど、信ぴょう性の高い情報は存在しないといえるでしょう。
ウェブ制作会社を探す手段として、Google検索はもっともポピュラーで手軽です。しかし残念ながら、「良いウェブ制作会社を選ぶ」という観点でいえば、ベストな選択肢とは言い難い面があります。
理由の一つとしては、検索上位にいることが、ウェブ制作会社の能力の証明にはならないということです。「ウェブ制作会社」のような比較的ビッグワードで上位表示されているウェブ制作会社に関しては、SEOに強いウェブ制作会社を探している場合には一定の参考にはできるでしょう。しかしながら、SEO以外の能力は未知数です。
また検索をすると、オススメのウェブ制作会社をリストアップした「まとめサイト」が多く出てきますが、この手のまとめサイトは、利害関係のある会社や人物が作っていることも多い、情報の信頼性・客観性の意味では、やや不透明なところがあります。
このようにネット検索だけでは限界もありますが、口コミ情報だけでは十分な候補を探すことができない場合、例えば4社ある候補のうち、2社を口コミ、残り2社をネット検索で探す、といったような使い方はできるかと思います。
「このウェブ制作会社が良かった!」といった口コミが、SNS(この場合は特にTwitter)ではほとんど流れてきません。そのため、ネット検索の代替手段としてのSNS検索は、ほとんど期待できません。
また、ほとんどのウェブ制作会社はSNSでの情報発信を得意としていないことが多く、ウェブ制作会社の公式アカウントを探しても、十分な量の会社を見つけることができませんし、そこからウェブ制作会社の実力を推し量るのは難しいでしょう。
ただし、SNSで日頃から様々な人と交流して、ネットワークを作っておけば、「良いウェブ制作会社を教えてください」とフォロワーやフレンドに質問し、口コミに相当するような貴重な情報が入手できる可能性があります。
SNSでネットワークを作ることは、今日明日でできることではないので、即効性のある解決策ではありませんが、日ごろからSNSを運用しておくとこのようなメリットを享受できるため、その意味ではSNSはオススメです。
デザイン専門誌なども置いている大きな書店に行くと、ウェブ制作会社を多数掲載したような年鑑を見かけることがあります。結論から言えば、クリエイティブ系のウェブ制作会社を見つけるには、こういった年鑑は便利です。実績が見開きで豊富に掲載されているため、好みのビジュアルを作ることができるウェブ制作会社を素早く探すのには、最適な手段かもしれません。
ただし、こういった年鑑はウェブ制作会社がお金を出して掲載してもらっている、いわば広告であるため、掲載基準の客観性には欠けています。つまり、掲載されているから良いウェブ制作会社とは言えない、ということです。
またそもそも、マーケティング型やファクトリー型を選ぶための情報が十分に載っていることはほとんどありません。そのため、クリエイティブ系に特化した探し方であることと、割り切って考える必要があるでしょう。
全国のウェブ制作会社を紹介しているサイトです。問い合わせをすると、要件や課題をヒアリングしてくれた上で、自社の条件に合ったウェブ制作会社を数社、紹介してくれます。口コミだけでは有力な会社が見つけられず、ネット検索で見つけても自分たちでは判断できない場合、このような紹介サイトに頼るのは一つの手です。
デメリットがあるとすれば、紹介料がかかってくるのでやや割高になるとの、自力での集客が難しいウェブ制作会社が登録している可能性が高い点があげられます。また、プロジェクトが始まると、ウェブ制作会社との直接交渉になり、そこまで紹介会社が面倒を見てくれることは少ないです。
ただ、周囲に頼る人が身近にいない場合は、多少お金をかけてでも、紹介会社に頼った方が、多少は失敗確率を下げることはできるでしょう。
さてここからは、情報提供者となる人物が存在しない場合にどうやってウェブ制作会社を見つけていけばいいかを、それぞれのタイプ別にもう少し詳しく説明しましょう。
まずは、比較的見つけやすいクリエイティブ型のウェブ制作会社です。基本的にはGoogle検索ですが、「ウェブ制作会社」「ホームページ制作会社」などで検索して出てくるウェブ制作会社を見ても、あまりピンとこないでしょう。
なぜなら、そういったワードで上位表示されているウェブ制作会社の多くは、クリエイティブな見た目をしてないことが多いためです。クリエイティブな会社はSEOが苦手という以外に、クリエイティブな会社はそもそも「ウェブ制作会社」などという「どんくさい肩書」で名乗っていない、という理由もあります。
そこで確認したいのが、例えば「私がおすすめする東京のウェブ制作会社10選」のように、ウェブ制作会社がリストアップされている「まとめページ」です。
まとめページも千差万別で、SEOが強いだけのページが上位表示されていることもありますが、5~10ほどのまとめページの中から選んでいく方が、ネット検索で無尽蔵に出てくるウェブ制作会社をひとつずつ見ていくよりは、遥かに効率的です。
まとめページを活用しながら、目ぼしいウェブ制作会社をリストアップしたら、あとはその会社の自社サイトと実績を見て、ビジュアルが好みかどうかを判断します。
基本的に、デザイナーやデザイン会社にセンスのような非言語的な能力を、言葉から見極めようとするのは無理があります。やはり実際のアウトプットで判断するのが確実です。会社によっては、担当するディレクターやデザイナーによってテイストが違うこともあるので、クレジットを確認しながら選ぶと、さらにいいでしょう。
また、これを読んでいるあなたが担当者であれば、クリエイティブの決定権を握っているキーマンに、実際にサイトや実績を見てもらい、意見を聞いておくのも重要です。受賞歴などがあれば、それを伝えてもいいでしょう。キーマンが「ここが気に入った!」「この会社に作ってほしい!」というウェブ制作会社であれば、プロジェクトが始まった後も比較的スムーズに進むでしょう。
こうして、「ここは感覚が合いそう」「この会社のセンスが好き」という会社を3~5社選んだら、あとは実際に会って決めましょう。進め方などはウェブサイト上では分からないことも多いので、過去案件などを例に、具体的な仕事の仕方を聴いていきましょう。
ウェブ制作は属人的な仕事なので、どの会社にお願いするか以上に、どの人にお願いするかが重要です。担当するディレクターやデザイナーも、できるだけこの段階で会っておきましょう。デザインも好みで、コミュニケーションのスタイルやフィーリングも会いそうなら、その会社に選んで良いと思います。
クリエイティブ型と違い、案外見極めるのが難しいのがマーケティング型のウェブ制作会社です。
先ほど、クリエイティブ型のウェブ制作会社を探すにはまとめページが便利、という話をしましたが、マーケティング型の場合、まとめページは役に立たない可能性が高いです。なぜならまとめページはクリエイターが編集していることが多く、紹介されているのはクリエイティブ型の会社が多いからです。
そこで頼れるのはやはりGoogle検索ということになりますが、この時、単に「ウェブ制作会社」「ホームページ制作会社」と検索するのではなく、「マーケティング」や「コンサル」「戦略」などのいくつかのキーワードを組み合わせながら探したほう確実性が上がります。また、制作対象が「コーポレートサイト」「ECサイト」「BtoBサイト」など明確に決まっているのであれば、それを複合ワードに入れるのもいいでしょう。
ただ、それでいくつか目ぼしいマーケティング型のウェブ制作会社をピックアップしたとしても、その会社が本当にマーケティング型かを見極めるのは、もう一工夫必要です。
というのも、マーケティングスキルは自社サイトなどの外面的な情報だけで証明することは難しく、書籍などを数冊読めば、具体的な言及を避けながら、専門用語を並べてそれっぽいセールスコピーが書けてしまうため、「マーケティング型のように振舞う」ということが可能だからです。
実際、明らかにクリエイティブ型のウェブ制作会社であるのに、サービスとして「戦略提案」「マーケティング戦略立案」などの文字が躍り、「ビジネスに貢献する」「ユーザーファースト」「ブランディング」などと謳っていることもあります。もちろんそれはその会社が目指しているところなのだと思いますが、現時点で、マーケティング型のウェブ制作会社と等しいスキルがあるかというと、そうでないことも多いでしょう。
そこで、本当にマーケティングのスキルがあるかを確かめるには、ウェブサイト上の情報から実際に会った時のヒアリングまでを通じて、さらに以下のポイントで精査をするとよいのではないでしょうか。
これらに多くのチェックが入るようであれば、その会社のマーケティングスキルは高いレベルにあると判断していいでしょう。ほとんどチェックが入らない場合は、「マーケティング型を目指しているクリエイティブ型のウェブ制作会社」の可能性が高く、そういった会社にマーケティング課題の相談をするののは厳しいと考えられます。
なお、マーケティング型のウェブ制作会社は絶対数が少なく、上記のようなチェックを入れると、ほとんどいなくなることもあります。
その場合は、マーケティング部分はマーケティングの専門会社に依頼し、制作部分をクリエイティブ型のウェブ制作会社に発注する、と考え方を変えたほうがいいかもしれません。いずれにしろ、クリエイティブ型のウェブ制作会社にマーケティング課題の解決を依頼すると高確率で失敗するので、それだけは避けたほうがよいかと思います。
ファクトリー型を探すのもGoogle検索が基本になりますが、「ウェブ制作会社」「ホームページ制作」といった曖昧なワードではほとんど見つけられません。
そこでキーワードとして使いたいのは、「コーディング代行」です。このキーワードで検索すると、まとめサイトや該当する会社のサイトが多く出てくるので、先ほどのチェックリストに合わせて、条件に合ったサービスや価格帯の会社を探すといいでしょう。
なお、ファクトリー型のウェブ制作会社に対するニーズは、「早くたくさん作ってほしい」ということが多いと思いますが、品質が高く、人気があるファクトリー型のウェブ制作会社ほど、直近の予定は埋まっていることが多いです。
お願いしようとしてから探しても時すでに遅しで、結果的に品質が低いウェブ制作会社に頼まざるを得なくなる、ということが往々にしてあります。そのため、日頃から会社を探してコンタクトを取っておくといいでしょう。
ちなみに、ファクトリー型のウェブ制作会社の中には、海外に拠点を持ち、海外にアウトソースすることで、格安でのコーディングを実現している会社も存在します。ただこういう会社の場合、極端にコーディングの質が低かったり、取次をしている方のコミュニケーション能力の問題で意思疎通できなかったりすることもあるので、その点をよく見極めて選ぶ必要があります。
ここまでは主にスキルや技術力を中心に、ウェブ制作会社を見極める方法をお伝えしてきました。しかし、ウェブ制作会社を選ぶにはもう一つ大事な視点があります。それは、ウェブ制作会社のコミュニケーション能力です。
新規のお問合せを受けて私たちが営業訪問をすると、それまでに付き合ってきたウェブ制作会社への不満を聞くことは非常に多いですが、その経験でいうと、ウェブ制作会社のスキルや技術力が不満の主原因になっていることは、それほど多くありません。それよりも多いのが、コミュニケーションに関する不満です。
残念ながら、自社サイトが立派であることと、付き合ってみてからのコミュニケーション能力はあまり一致しません。特にウェブ制作会社の場合、技術やスキルを重視する故に、コミュニケーションやマネジメントを軽視し、そういった分野の教育をあまりしていないことも珍しくありません。
ウェブ制作会社のコミュニケーション能力を外部から見極めるのはなかなか難しいですが、兆候は、発注前にも現れます。例えば以下のような観点でチェックし、該当する項目が多い場合には、コミュニケーション能力(およびマネジメント力)が怪しいと判断していいでしょう。
これ以外に会った時の印象も重要です。コミュニケーションが噛み合うかは、相性による部分も多いので、上記のチェックに照らし合わせるだけでなく、コミュニケーションのスタイルやペースが自社の社風と合いそうか、という点も確認するといいでしょう。
ここまで書いたこと以外に、自分たちに合ったウェブ制作会社を選ぶために覚えておくといいことを、最後にあと二つ、お教えします。
まず一つ目は、日頃からできるだけアンテナを立てておくこと。
「半年後にサイトをリニューアルしないといけない」と会社に言われ、そこからウェブ制作会社をゼロから探し始めると、選定して契約するまでに、最低でも2か月を失います。つまり、ウェブ制作会社を選んだ時点で、残り4か月しかありません。
4か月というのは、ウェブサイトの規模によっては十分ではないでしょう。せっかく優秀なウェブ制作会社を選定しても、時間の少なさ故にその会社の良さを引き出せずに終わることもありえます。
もし、ウェブ制作会社と付き合う可能性がある部署に配属されたなら、いざという時のためにSNSを活用するなどして常にアンテナを立てて情報収集をしておき、機会があれば小さな案件から一緒に仕事をして、相性が合うかどうかを確かめておくといいでしょう。
もう一つは、問題なくプロジェクトが進むことを重視すること。
ウェブ制作会社の魅力は、プロジェクト序盤の企画やデザインに現れることが多く、この領域の力を重視しがちです。しかし、実際のウェブ制作のプロジェクトにおいては、文化が違う企業同士が、複雑に入り組んだ多くの項目について濃密なコミュニケーションを長期間取ることから、意思疎通がうまく行かないことが日常茶飯事で起こります。それらが積み重なって、プロジェクト全体がスムーズに進まない、というが高確率で発生します。
「問題なくプロジェクトが進む」というのは地味な魅力であり、ウェブ制作会社と付き合ったことがない会社には、その価値は分かりにくいかもしれません。しかしながら、プロジェクト進行で100%問題が起きないウェブ制作会社というのは、おそらく皆無ではないかと思います。あるとすれば、問題の発生確率が高いウェブ制作会社か、問題の発生確率が低いウェブ制作会社かの、いずれかでしょう。
そしてウェブ制作会社と数多く付き合ったことがある担当者ほど、「プロジェクトが問題なく進む」ということの重要性を理解し、ウェブ制作会社選びにおいてもその観点を重要視します。
ストレスが少ないプロジェクト進行を求めるなら、マーケティング型でも、クリエイティブ型でも、ファクトリー型でも、そのプロジェクト管理能力については慎重に見極めることをオススメします。完璧はありませんが、高確率で問題を起こしそうな会社は、発注前の時点で色々なシグナルが出ているはずです。それを見逃さないようにしましょう。
というわけでここまで、「もし私が発注企業の担当者だったら」という視点に立ち、できるだけ客観的になって、ウェブ制作会社の選び方について解説してみました。
ただ冒頭でもお話ししたように、この記事には私自身のこだわりや価値観が多く反映されているはずです。その部分は差し引いて、冷静にご覧いただければ幸いです。
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