小さな会社がはじめてリモートワークしてみた結果

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代表/マーケター/デザイナー/ブロガー枌谷力

新型コロナウイルスの影響で、急遽、テレワーク/リモートワーク/在宅勤務(以下、リモートワーク)の導入を迫られた企業も多いかと思います。

私たちもそんな企業の一つです。

今回のことに限らず、多様な働き方を実現する手段として、リモートワークはここ数年注目されていました。先駆的に取り組んできた企業も少なからず存在し、ここ1~2週間は、リモートワークの実績がある企業の有益な情報発信も目にします。

一方、私たちのように今までリモートワークの習慣がなく、今回のことで突然リモートワークを始めた企業も多いはずです。そして、そういう企業が実際にリモートワークを始めた結果、社内がどのように変わったか、どのように受け止めたか、というの話も役立つ情報になるのではないかなとも思い、まとめてみました。

新型コロナウイルスの脅威はやがて去ります。しかし今後も、台風や地震や大雪、あるいは家庭の事情などで、リモートワークが必要となる機会は発生するはずです。だからきっと、今回のことを機にリモートワークの推進を本格的に考える企業が一気に増えると思います。この記事が、そんな時の参考になれば幸い。

リモートワークを始めるまで

私が全社的にリモートワークを導入しようと考え出したのは、新型コロナウイルスの騒動が大きくなり始めた2月中旬頃でした。

ただ、社員の家庭も含めた個別事情を完全には把握していなかったので、強制力のない「推奨」という形で、2月17日の朝に以下のようなメッセージを社内に発信しました。

【新型コロナウイルス対策について】

新型コロナウイルスがいよいよ拡がりつつあります。そこで、今後の会社の方針をお伝えします。

① 体調不良時の欠勤
対象不良が見られた場合、無理せず休むようにしてください。予定された業務が進まないことより、社内に感染が広がる方が危険なためです。

体調不良が今回の新型コロナウイルスに当てはまらないケースも多いと思いますが、インフルエンザなどの他の病気の場合もありますし、いずれにせよ今後も「体調不良時は欠勤する」を基本方針としましょう。

② リモートワークの準備・推奨
今後、通勤を控えるように等の政府や自治体の方針が出る可能性があります。

当社の場合、今日からすぐ全社員リモートワークというのはなかなか難しいと思いますが、特に電車通勤のスタッフは、リモートワークができる準備をお願いします。

購入が必要な機器や、インストールが必要なアプリケーションがあれば、会社で購入しますので言ってください。セキュリティのルールについては、就業規則に在宅勤務時に関する注意事項の記載があるので、それをご覧ください。

ディレクターやエンジニアなど、すぐにリモートワークが実施できる方は、今日からでも実施してもらって構いませんが、一点、お願いです。

リモートワークは途中経過が見えない故に、成果報告が必要になります。そのため、以下の運用を始めたいと思います。

・勤務開始時に、その日の作業内容を全社員に連絡する
・その内容が妥当か、上長や関連スタッフが確認する
・勤務終了時に、成果物を目に見える形で報告する
・予定された仕事が終わらなかった場合、その理由を説明する

本心としては細かい管理はしたくはありませんが、人によって不公平になるとよくないので、いつも通りに仕事が進んでいることの証明には、できるだけ気を配るよう、お願いいたします。

③ ネットミーティングの推奨
クライアントとのミーティングについて、特に支障がなければネットミーティングを活用してください。

新型コロナウイルス対策としてだけでなく、往復で約2時間の移動時間がなくなり、仕事の生産性も上がるのではないかと思います。

④ 時差通勤の推進
混雑時の通勤は、感染のリスクを高めると思います。そこで、なるべく接触しない時間帯に通勤する「時差通勤」を推奨します。

ただし、18時以降は電車が混んでいることがほとんどなので、事実上、7時に来て16時に帰る、といったいつもより早い出勤を推奨するということになります。

皆さん早起きはあまり好きではないと思いますが、私は、7時や8時ごろから仕事をするのが好きで、これに慣れると、とても快適です。一説には朝の方が脳の働きが良く、クリエイティブな仕事に向いているという話もあります。これを機に試してみてください。

リモートワークと併用し、12時-16時でオフィス、それ以外の時間リモート、という組み合わせも推奨します。この場合も、リモートワークのルールに従って、連絡等を小まめにしてもらえればと思います。

しかしながら、このメッセージを読んで実際にリモートワークを行った社員は、わずか1名だけでした。

こういう時、いつもなら現場の自然な判断に任せるところですが、今回はウイルスの問題もあり、また先々のことも考えると、これを機にリモートワークの経験値を一気に貯めておきたいとも思っていました。

そこで、改めて社員にヒアリングをした上で、電車通勤をしている10名について、2月26日より強制的にリモートワークを実施しました。当社は全社員17名なので、半数以上がリモート化したわけです。

以降の内容は、リモートワーク4日目に行った社内アンケートの結果に基づいています。少人数かつ短期間の集計ですが、経営者としては色々と学びになる結果が得られましたので、ここで共有したいと思います。

※1 通常のリモートワークでは、働く場所はカフェやシェアオフィスなど自由ですが、今回は新型コロナウイルス対策という側面があるため、在宅勤務を前提としています。

※2 リモートワークを実施しなかったメンバーについても、リモートワークを行ったスタッフとの共同作業はどうだったかという点から一部の質問に答えてもらっています。

リモートワークの印象

社内アンケートではまず、リモートワークを実施する前と、実施した後の印象の違いについて聞いてみました。(13名回答)

リモートワークの印象

当社の場合、開始前からほとんどの人が「おそらく問題はない」と考えており、実際に実施してみて「大きな問題はなかった」という印象を持ったことが分かります。

このことからは、二つのことが分かります。

一つは、私たちの会社が元々リモートワークに向いていた、ということです。社員の多くが大きな不安を抱いていなかったのは、その証ではないかと思います。そしてもう一つは、そんな会社でもリモートワークは自然発生的には起こらなかった、ということです。

先ほどもお話ししたように、最初に「推奨」という形で会社のスタンスを示しても、実際にリモートワークを行ったのは1名だけでした。私が半強制的に始めてやっと、組織的なリモートワークが実現しました。

社員の立場になると、分からなくもありません。リモートワークをやっても問題はなさそう。でも、今のやり方を変えてまでそれを選択する理由がない。もしかしたら想定外の面倒なことが起こるかもしれない。そんな気持ちがブレーキになったというのは、十分に考えられます。

こういった漠然とした心理的な障壁は、リモートワーク化が進まない会社でよく起きることかもしれません。

仕事内容自体がリモートワークに向いていないというケースは当然あるでしょうが、そうではなく、本当はリモートワークができるのに、なんとなくリモートワークを選択しない、あえて選択する強い理由が見つからない、それを強く推し進めるリーダーがいない、というケースも意外とあるのではないでしょうか。

平常時はそれでもいいでしょうが、今回のような非常事態で、スピーディーな変化を求める場合には、現場が自然にリモートワークを始めるのを待っていてはダメで、ある程度の責任を負う覚悟でリーダーが率先しないといけないな、と感じました。

一方で、なんでもかんでもリーダーが勝手に決めるべきか、というとそうでもないと思います。今回の件も、リモートワークをするにあたって行った全体ミーティングで、「私も全社的なリモートワークの経験があるわけではなく、間違った指示をしてしまう可能栄もある。もし不都合なことがあれば是非遠慮なくいってほしい」という話をしました。

リモートワークをするいう基本方針は決めつつ、無理に進めるのではなく、細かな運用方法に関しては現場の実状を吸い上げながらそれに合わせていく、ということが大事なんじゃないかと思っています。

リモートワークのメリット

次に、実際にリモートワークをしたメンバーに、リモートワークの良さを聞いてみました。(9名が回答・最大3つまで選択)

リモートワークの良さ

やはり、「通勤がない」というのは最大のメリットのようです。片道1時間かかる人であれば、1日に2時間の余裕が生まれます。これが平日5日となれば、1週間で10時間、4週間≒1カ月で40時間、1年間で480時間になるので馬鹿になりません。

また、「自宅ではオフィスより集中できないかもしれない」という不安も多少ありましたが、半数以上の方がオフィスよりも集中できるとのことでした。また、家族との物理的距離が近づくことで、家事や子育てに協力しやすくなったことも、大きなメリットになっているようです。

リモートワークのデメリット

当社の社員に関しては、ほぼ全員がリモートワークに前向きな感想を持っているようですが、あえてデメリットについて、いくつか聞いてみました。(13名が回答)

社内コミュニケーションの手間

私が一番不安視していた社内コミュニケーションについては、6割の人はオフィスと変わらないと答え、4割の人は少し手間が増えると答えました。大きく手間が増えると感じる人はいませんでしたが、リモートワークの方が楽という意見は皆無でした。

つまり、リモートワークによって、社内コミュニケーションの手間が増える可能性がある、と考えておいた方がいいでしょう。

次に、手間の内容、あるいはリモートワークの方が不利なことについて聞いてみました。(13名が回答・最大3つまで選択)

社内コミュニケーションでリモートワークの方が不利なこと

リモートワークになり、コミュニケーションはチャットがメイン、チャットで伝えにくいことは電話やオンラインミーティングで補完する、というのが基本スタイルになりました。「本来口頭で済む簡単な連絡」は、わざわざ言葉に起こすか、わざわざ電話をかけて伝える必要があり、当然ながらこれが一番手間が増えるという回答になりました。

そしてこの手の、「細かな連絡」が頻繁に発生する仕事では、リモートワークによって生産性が下がるのかもしれません。

これ以外にも、成果物の報告や確認、メンバーの気持ちやモチベーションの察知、納品や公開などの重要業務において、リモートワークの方が不利だという回答がありました。

事実、リモート期間中に納品があり、それに合わせて社員が1名出社していました。絶対に失敗ができないような仕事では、業務効率よりも、オフィスに居ることの安心感の方が上回るのかもしれません。

また、社内コミュニケーション以外でも、リモートワークの方が不都合なことを聞いてみました。(13名が回答・最大3つまで選択)

社内コミュニケーション以外で在宅勤務の方が不利なこと

これを見ると、「運動不足」と「雑談・世間話ができない」が上位2つとなりました。運動不足に関しては、移動距離が極端に減るので当然起こることでしょう。これは、通勤しないことで増えた時間で是非補ってほしいものです。

また、雑談・世間話が上位に来たのは私的には少し意外でした。というのも、リモートワークは、多様性のある働き方を実現する、よりストレスの少ない働き方という固定観念がなんとなくあったからです。

しかし今回アンケートを取ってみると、社員同士のちょっとした雑談や世間話が息抜きになっていると気が付きました。別の設問では「ランチで皆と話すのが楽しみなのにそれがなくなった」といった意見も出てきました。

合理的に無駄をなくせば、仕事のストレスが減って皆が喜ぶ、という単純なものではないんだな、と改めて思い知らされました。

なお、「ハードウェアの問題」を3名、「ソフトウェアの問題」を1名があげていますが、これについては企業側が積極的に解決すべきと考えています。具体的には、大型ディスプレイがほしいと申請してきたスタッフには、購入して自宅に郵送しました。またソフトウェアのライセンス購入も、申請してもらえれば会社負担で行うことにしています。

リモートワーク、あるいは在宅勤務について、会社の所有物と私物の境目が曖昧になりがちですが、基本的なルールを決めつつも、ハードもソフトも最近はそんなに高額じゃないことも多いですし、会社側で積極的に購入していった方がいいかと思っています。

リモートワークのマネジメント

リモートワークにするということは、途中の仕事の様子がまったく見えなくなるので、できあがった成果だけで評価する、ということになりがちです。

仕事とは本来そういうものだと思いつつも、オフィスにいれば「今日はあの人は忙しそうだった」と察知できるのに、リモートワークだとそういうことが一切分からなくなるのは、一つのデメリットではあります。

これはマネージャー側のニーズだけではなく、働く側のニーズとしてもあります。進捗が悪かった時に、きちんとその理由を伝えられる場がないと、「仕事をしてないと思われるんじゃないか」と、不安になってしまう可能性があります。

そこで、元々あった日報に、以下のようなフォーマットで、毎日の進捗と翌日の予定を日報に追加するルールの運用を始めました。

●本日のタスク

【予定タスク】
・A案件 資料レビュー(1.5h) 進捗 100%
・A案件 資料レビュー反映(2.0h) 進捗 100%
・B案件 画面設計サポート(1.5h) 進捗 100%
・M案件 ディレクション作業(1.0h) 進捗 100%
・N案件 設計(1.0h) 進捗 100%

【突発タスク】
・A案件 追加資料作成(1.0h) 進捗 100%
・業務システム戦略打合せ(0.5h) 進捗 100%

●明日のタスク
・B案件 画面設計サポート(1.5h)
・M案件 ディレクション作業(1.0h)
・N案件 質問反映(0.5h)
・ブログ記事作成(5.0h)

この仕組みについてのアンケートを取ってみたのが、以下の結果です。(13名が回答)

業務報告について

業務報告の有無に関しては、無くてもいいといったスタッフが1名いただけで、概ねその存在意義を感じてはもらえたようです。アンケートとは別に、日報の中では以下のような意見もありました。

リモートワークと同時に始まった、1日の作業の進捗報告と翌日の作業の報告について、自分は好意的にとらえている。

もちろん今までも自分の中ではある程度計画を立てていたものではあったけれど、他者に共有することで、少なからず「見る目」が働き、正確さが上がっているように思える。

また「突発タスク」を記録するのも良いと感じた。これまでも突発タスクは発生することはあったが、こうして振り返りとして記録することはなく、なんとなく全体のスケジュール遅延に繋がっていた。

突発タスクを書き出すことで、「これを想定するのが抜けていた」「これは完全に想定できない物だから良しとしよう」と、判断することができるようになる。

ただ、報告の粒度については、少し細かくて面倒と感じた方も多かったようです。報告が面倒だと形骸化しがちなので、報告の仕方については改善の余地があると思いました。

ちなみに私自身は、リモートワーク化することで、管理の手間を増やそうという気はまったくありません。世の中にはリモートで働いている人をカメラで監視するようなツールもあるそうですが、私自身はそういったツールの導入には反対です。

というのも、リモートワークの基本姿勢は「性善説」だと思うからです。「性悪説」で捉えると、管理の手間が増え、リモートワークの良さはどんどん失われます。

そもそもうちの会社には、リモートワークだからといって手を抜くような社員は一人もいません。WBSを作ってその月・その週・その日にやるべき仕事が明確に決まるため、仕事をしている振りをして遊ぶようなことは、そもそも難しい仕組みになっています。

その上さらに、リモートワーク中の行動を監視するような仕組みやルールを導入するのは、完全に悪手だと思います。性善説に立ち、リモートワークの良さを最大限発揮する方向にマネジメントした方が、会社も社員も有意義になるはずです。

この基本姿勢はブラさず、理想のマネジメント方法を試行錯誤して編み出していきたいと思っています。

リモートワークを上手に進めるコツ

リモートワークを進めるうえで、スタッフが気を付けていたことについても聴いてみました。(13名が回答・最大3つまで選択)

リモートワークで気を付けたこと

これを見ると、小まめな連絡に特に気を使っていたことが分かります。「リモートワークのデメリット」でも触れましたが、リモートワークをするとコミュニケーションが疎遠になるというよりむしろ、良くも悪くもコミュニケーションが頻繁になる、といえるのかもしれません。

また、仕事を予定通り終わらせることも、皆気を付けているようです。これを見ても、ベイジのスタッフは真面目で、リモートワークだからサボろうとは決して思わず、リモートワークだからこそ緊張感を持って仕事をするのだと、改めて思いました。

これ以外に、リモートワークを有意義にするために工夫していたこととして、こんなアイデアがありました。

  • いつもと同じ時間に起床し、同じ時間に仕事をする
  • 部屋の片づけと整理
  • 私服に着替える・顔を洗う・化粧をする

私も2年間フリーランスの時代があり、その頃はパジャマのまま、ガッツリ寝癖を付けたまま、昼頃から深夜まで仕事をしていたこともありましたが、こういう生活をするとどんどんとルーズになり、その結果、時間の使い方が下手になっていきます。

スタッフがあげたように、「いつもの生活サイクルを変えない」というのは、リモートワークを続けるうえで大事なことだと、私も思います。

その他の質問

リモートワークについては、その他、以下のような質問もしてみました。

家族の反応と今後

会社としては家族の反応も気になるところですが、概ね好意的に受け取っていただけたようです。これはリモートワークの効果というより、スタッフの皆さんが、日頃から家族と良好な関係を作れているからでしょう。

また、新型コロナウイルスの騒動が終わった後もリモートワークを続けたいか、という質問に対しては、多くの方がリモートワークの一部導入を希望しつつも、完全リモートワーク化を希望する声はありませんでした。オフィス中心のワークスタイルが望ましいという声も、少なからずありました。

理由は様々あるでしょうが、マルチセンサリー・エクスペリエンス(multisensory experience:多感覚体験)という言葉があり、五感をより多く刺激した方が、体験の充実度や幸福感が高まりやすいと一般に考えられています。その理屈に従えば、色々な感覚が制限されるリモートワークは、現時点では明らかに不利です。私たちのスタッフも、そんなマルチセンサリー・エクスペリエンスの価値を、リモートワークによって再確認したのかもしれません。

世の中には完全リモートワークを進めている会社も存在しますが、私たちの会社の場合、リモートワークは選択肢の一つくらいの方が好まれるように思いました。具体的には、週に2日はリモートワーク可能日にし、残り3日はオフィス勤務にするといった運用です。

また、リモートワークを本格導入すると起こりえる懸念点については、以下のような意見が集まりました。

  • リモートワークではやりにくい技術的な相談
  • 新入社員の教育やサポート
  • 電話対応のときに、個人の電話番号を使わなければいけないこと
  • オフィスにかかってきた電話の転送
  • オフィス内でオンラインミーティングをする時のルール
  • クラウドストレージなどを使ったデータ共有方法のルール化
  • オフィスの掃除や備品管理
  • 会社への所属意識が低くなる懸念
  • 自宅で仕事ができない人の代わりの場所
  • 対面する機会が減ることによる人間関係の希薄化
  • テキストコミュニケーションが下手な人が誤解される
  • IP制限などが使えないときのセキュリティルール
  • 時間外につい仕事をしてしまうなど、結果的に仕事時間が増える
  • リモートワークが増えると、カルチャーを浸透させるのが難しくなりそう
  • サービスの質を維持するのが難しくなることもありそう

ただいずれも、完全リモートワークにしなければ、それほど問題にはならないのでは、とも感じました。

その他、こんなことができればリモートワークがもっと楽しくなるかも、という意見もありました。

  • 雑談専用のチャットのチャンネルを作る
  • オフィスの様子をカメラでのぞけるようにする
  • オンラインMTG飲み会
  • オンライン勉強会(XDなどの共同編集機能を使った勉強会など)
  • オンラインランチ

リモートワークだからできる楽しいこともきっとあるはずなので、単に緊急時に生産性を維持する合理的手法としてではなく、仕事をもっと楽しむための選択肢としてリモートワークが活用できるといいな、と思いました。

リモートワークに向いている組織の条件

最後に、まだ短い期間しか試していませんが、私自身の所感を交えて、こんな組織がリモートワークに向いているのでは、という条件をいくつか紹介します。

性善説

「悪事は見逃さない」という意識が強い組織だと、リモートワークを進めるうえで新しいルールや仕組みが必要になり、リモートワークは進まなくなるし、推進しても「オフィスより仕事がしにくい」となってしまうでしょう。社員を性善説で捉え、各自が理性を持って自己解決すると信じ、マネジメントコストを極力低く抑えるのが、リモートワーク成功の秘訣であるように思います。

フラット(ホラクラシー)

リモートワークは、社員の自律性にある程度依存する働き方です。そのため、上下関係が強く、承認が頻繁にある様な組織、ヒエラルキー構造を重視するような組織とは相性が悪く、逆にフラットな自律型の組織とは相性が良いでしょう。

実は私たちの会社も、未経験者などが入社した場合には必ず先輩社員がつくため、強い上下関係が生まれます。こういった時にはリモートワークだとやりにくくなると予想しています。リモートワーク=厳密なホラクラシーが必要、というわけではないでしょうが、ある程度の強い上下関係があった方がいい状況においては、リモートワークが不都合になることも多そうです。

クラウド

リモートワークの三種の神器といわれたら、間違いなく私は以下の3つをあげます。

  • チャット
  • オンラインミーティング
  • クラウドストレージ

実際に社内でも、もっとも利用頻度が高かったのが、これらのクラウド型ツールでした。これらのツールを日ごろから使っている企業ほど、リモートワークへの移行はそれほど抵抗なく行えるでしょう。

逆にセキュリティなどの理由で、クラウドツールの活用が進んでいない、利用を厳しく制限されているという場合には、リモートワーク化をするにあたっての障壁が増え、スムーズには開始できないかもしれません。

言語化・非同期コミュニケーション

リモートワークをしている会社は、チャットをコミュニケーションの中心にしていることも多いでしょう。もちろんメールでも代替できますが、そのスピードと気軽さには大きな違いがあり、一度チャットを使えば、メールでリモートワークをしようという気にはならないはずです。

ただ、チャットが中心になってくると、当然スピーディーな言語化能力を求められるようになります。逆に、対面や電話などの音声による同期型コミュニケーションが中心の会社でリモートワークを始めようとすると、これが障壁になるかもしれません。特にチャットが苦手な人には、リモートワークはパフォーマンスを下げる要因になりかねません。

ただそもそも、インターネットが普及して以降のビジネスは、同期型コミュニケーションから非同期型コミュニケーション中心にどんどんとシフトし、言語化能力の重要性は増しています。このようなことを考えると、リモートワークに限らず、日頃から社員の言語化能力を高める活動をしておいた方が良いのかもしれません。

またリモートワークの開始とともに、チャットに関して、以下のようなルールやマナーを定義して、社内で啓蒙・教育をしていくといいのではないかと思います。

ディープ・ワーク

オフィスにいれば、誰かに話しかけられたり、電話がかかってきたりと、集中力が途切れる機会が頻繁に起こります。リモートワークの良さの一つは、そういった機会をできるだけ減らし、集中力を高めて深く没頭するディープ・ワークを可能にする点です。私たちの大半を占めるデザイナーやエンジニアはまさにディープ・ワーク型の働き方を理想とする職種であり、その意味ではリモートワークのメリットを享受しやすいタイプの会社であったといえます。

一方、例えば接客業や一部のマネジメント業務のように、常に五感を開放し、突発的に起こる出来事に反応していくことが求められる仕事も存在します。私たちの中でも、進行管理をするディレクター職は、時にそういった性質を帯びることがあります。このような職種・仕事の場合、リモートワークはデメリットの方が強く出るかもしれません。

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というわけで、以上、17人の小さな会社が突然行ったリモートワークに関するレポートでした。リモートワークについては引き続き推進していこうと思いますので、新しいノウハウや知見が蓄積されたら、また皆さんに共有いたします。

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