この度、BtoBに強いウェブ制作会社ベイジと、オールインワン型BtoBマーケティングツール『ferret One』を提供するベーシック社が業務提携しました。それに伴い、両社のノウハウを組み合わせた新サービスをリリースします(詳しくはこちら)。
ウェブ制作会社であるベイジと、ウェブサイト制作をノーコード化する『ferret One』を提供しているベーシック。BtoBマーケティング領域で別の業態を営む2社が、なぜ業務提携することになったのか。
ベイジ代表の枌谷とベーシック代表の秋山氏に話を聞くと、世の中の多くのBtoBサイトが抱えている課題、BtoBマーケティングで成果を出すためのヒント、そしてBtoBにおけるウェブサイトの未来が見えてきました。
これからBtoBマーケティングに力を入れていこうと考えている企業の方、もしくは正直ウェブサイトに予算をかける理由がわからないと考えている方も、ぜひ一読ください。
枌谷 力
新卒でNTTデータに入社して企画営業職を経験したのち、制作会社のデザイナーに転身。フリーランスを経て、ベイジを起業。デザイン、BtoBマーケティング、コンテンツ、SNS、組織マネジメントなど幅広いテーマで活動している。2021年よりクラスメソッド株式会社のCDOに就任。
秋山 勝
高校卒業後、5年間パチンコで生計を立てたのち、商社へ入社。グッドウィルコミュニケーション、トランス・コスモスを経て、ベーシックを起業。オールインワン型BtoBマーケティングツール「ferret One」、フォーム作成管理ツール「formrun」、ウェブマーケティングメディア「ferret」を展開している。
――まずは業務提携に至った経緯と理由を教えてください。
秋山:僕から枌谷さんにお声がけしたのがきっかけですね。もともとベーシックには「ウェブマーケティングを大衆化する」というビジョンがあります。それを実現するために、ベイジさんのノウハウを借りたいと考えたんです。
たとえばスマホとか自動車とか一般に普及している製品って、裏側では高度な処理が行われているけど、使ってる人はそんなこと気にしないじゃないですか。でも、ウェブマーケティングって難解なまま進化してるなと感じていて。ツールの使い方とか専門用語とか、そういう難しい部分が気にならないようにしないと大衆化までは届かない。だとすれば、誰でもわかるメソッドを用意して標準化していく必要があると、我々は思ってるんです。
そんな中で、ベイジさんが自社のノウハウを言語化してガンガン発信しているのを見て、おそらく同じような考えを持っているんじゃないかと。ただ今回のような業務提携って秘伝のタレを他社に渡すようなものなので、断られる可能性もあるなと思いつつ、声をかけさせてもらいました。
枌谷:ちょうどウチが直面している課題にも、今回の業務提携の話がフィットしていたんですよね。ベイジはウェブサイトを作る前段の戦略整理や調査に時間をかけて、制作後も緻密にワークフローを作っていることから、数百万円の予算ではお請けできなくなってきていて。年間400件以上のお問い合わせいただいているのですが、そのうち顧客になるのは数パーセント。せっかくの機会を自ら捨てているようなモヤモヤがずっとありました。
BtoB企業に貢献するというメッセージを掲げながら、「1000万円以上は用意できないと請けません」みたいなスタンスで本当にいいのか。組織が拡大していく中で、今の受注基準で本当にやっていけるのか。そんな迷いもありましたね。
だからといって安易な安売りはしたくない。それは利益を減らすだけですから。なので、利益率を下げずに提供価格を下げる方法はないかと、ずっと考えてたんです。そんなとき秋山さんにお声がけいただいて、ferret Oneにデザイン以降の実装をお任せすれば解決できそうだなと。私たちの価値をもっと広い人に届けられる体制が作れると感じました。
――お二人の考えが重なったからこそ業務提携につながったということですね。ベイジとベーシックは両社ともBtoBマーケティングの中でウェブサイトに主軸を置いていて、その点でも似ています。お二人がウェブサイトを重要視するのは、なぜでしょうか?世の中にはウェブサイトに力を入れる必要性を感じていない企業もあると思いますが。
枌谷:「BtoC」に限って言えば、企業がウェブサイトを用意する必然性って、どんどんなくなってきていると思います。実はこの取材まで少し時間があったのでドトールで仕事をしていたのですが、わざわざ行く前にドトールの公式サイトは見ませんでした。Googleマップは見ましたけど。BtoCってこういうことが多いですよね。家電を買うときも、公式サイトよりAmazonのレビューとかを見るんじゃないでしょうか。
秋山:たしかにBtoCにおける公式サイトの役割って、ECサイトのように商品を陳列するくらいになっていくのかなと思います。商品のコンセプトとかを出しておくのは大事だと思うけど、それを公式サイトで見て購入を決めるわけじゃなかったりする。
じゃあBtoBとの違いは何なのかというと、BtoBの商材はひとりが衝動的に買うものではなくて、複数人で協議を重ねてから購入されるという点が大きいと考えています。社内で検討を進めるときに、公式の信用できる情報が揃ってないと困りますよね。
コスメとか自動車だったら口コミも参考になるけど、そもそもBtoBの商材は口コミが全然ないし、企業として素性が知れない人の感想を鵜呑みにできないじゃないですか。
枌谷:だから信用できる公式情報をウェブサイトに置いておく必要があるし、企業の購買プロセスでは必ず公式サイトを訪れる。実際トライベックさんの調査(※)などでも、企業の購買担当者が参考にしている情報源は「公式サイト」の圧倒的1位が続いています。
※BtoBサイト調査 2022:トライベック・ブランド戦略研究所
秋山:BtoBにおいては、購買に複数人が関与するという状況が変わらない以上、しばらくは引き続きウェブサイトの存在が重要になるでしょうね。
――ウェブサイトの重要性については理解できました。では、企業はどんなサイトを用意すればいいのでしょうか?
秋山:僕がいつも思っているのは、「優秀な営業の代わりになるようなサイト」ですね。優秀な営業というのは、顧客の課題を理解して自分たちのソリューションとつなげられる人のことだと考えています。自分語りをするだけじゃなくて、事例や客観的な証明を交えて話してくれるのも大事かな。
ただウェブサイトの場合は、相手の話を聞いてから答えられるわけではないので、あらかじめターゲットを明確にして、求められるであろう情報を用意しておく必要があります。
枌谷:私も同意です。その上で秋山さんとは少し違う視点の話をすると、ウェブサイトは時間や場所に関係なく自動で働いてくれます。しかも広告と違って掲載場所や期間に応じてコストがかかるようなことも基本的にはありません。こういうメディア特性があるので、理想的にはエントリーポイントが多い、つまりは顧客との接点が数多く用意されているウェブサイトが良いと私は考えています。
機能がひとつの製品でも、実は買う側の動機って複数あるんですよね。たとえばベイジなら「BtoBマーケティングに効くウェブサイトがほしい」というのがひとつ。ただ他にも、ウェブサイトの制作にあたってスムーズな進行をしてほしいとか、上司を説得するのに協力してほしいといった要望も聞くことがあります。そうした顧客のニーズにできるだけ応えたほうが、ビジネスでは有利になるはずです。逆に会社として出せる情報を出していないから、機会を失っているケースも多いと思います。
秋山:たしかに。何か困りごとがあってネットで調べるたびに、何度もその企業のウェブサイトに出会うと、単純接触効果で好感度も上がりますよね。「自分が知りたいことは全部あるんじゃないか」と感じるくらい、サイト内に情報が網羅されてたら安心しますし。
枌谷:これは企業や商材のブランディングをどう考えているか、という話にもつながるのですが、特にBtoBでは見た目がカッコいいウェブサイトを作ることよりも、丁寧な情報がたくさん載った見やすくわかりやすいウェブサイトを作るほうがブランドに貢献しやすくなると思うんですよね。
――逆に世の中にあるBtoBのウェブサイトで、どんなところが問題だと感じますか?
秋山:顧客の担当者から話を聞くと、たまに「他とは違う変わったサイトにしたい」みたいなオーダーってありますよね。でも、その要望に応えることで「コンバージョンを増やしたい」といった本当の望みが叶わなくなってしまうケースが多いです。
たとえば、すごく奇抜なデザインでカッコいいけどメニューの文字が見つからない、なんてユーザーからすると嫌じゃないですか。世界的なハイブランドだったら別に良いかもしれないけど、大体はどこの馬の骨かもわからない企業なわけで。だったら、英語で「Brand New」とか書かないで、日本語で「新着情報」ってわかりやすく書いてくれよ、という話だと思うんですよ。
枌谷:会社情報を探しにきたのに「Who We Are」みたいに書いてあると、なんとなく伝わりはするけど、不親切な感じもしますよね。我々ウェブ制作会社としても、「結構お金かけて見た目はよくなったけど、情報が探しにくくなった」と言われたくはないので、ユーザーが本質的に求めているもの、その企業に対する期待は何か、という点はけっして外したくないところです。
秋山:見た目に関しては、まず損をしないレベルで十分だと思います。ウェブサイトを見ていて「こんなデザインを作るってことは、さぞかしすごい会社なんだろうな」とは、あまり考えないじゃないですか。
枌谷:実際にサイトを見ているときは、そこまでデザインのことは気にしていなくて、何が書かれているのかに集中してるほうが多かったりしますよね。だから文章を読んでもらうためなら、もうNotionでもいいんじゃない?って思うこともあります。Wikipediaだって何の装飾もされてないけど、別にストレスを感じないじゃないですか。結局のところ、ユーザーが求めているのは中身のコンテンツなんですよね。
秋山:うん、中身ですよね。たとえば顧客へのプレゼンとかも、最低限の体裁だけ整えて内容を考えることに集中したほうが上手くいったりして。むしろ全体の作業時間は短縮されたりもするし。同じことがウェブサイトでも言えると思います。
枌谷:顧客のウェブサイトを見ていて課題に感じるのも、ほとんどがサイトの中身であるテキストの部分ですね。BtoBにおいて大人数で論理購買する時に強い影響を及ぼすのは言語化された情報ですから、ウェブサイトでもテキストの重要度は非常に高い。なのに「トータルソリューションで価値を提案します」みたいな、その商材の便益や独自性が全く伝わらない内容ばかりだと、「これでいいのかな?」と思ってしまう。
秋山:「明日の未来を輝かせる」とか、ぼんやりしたメッセージを書かれても、自分には関係ないかなって思っちゃいますよね。僕らの作ったサイトで、ファーストビューに書かれたテキストの表現を変えたら最大20%くらいコンバージョンが上がったこともあったので、テキストが持つ力の大きさは本当に痛感してます。ただ、それを理解されている企業は10社に1社もいないですね。
枌谷:ウェブサイトの無駄な演出にこだわるくらいなら、もっとコンテンツを作るのにお金と時間をかけたほうがいいですね。今回の業務提携に関しても、ferret Oneのような完成度の高いプラットフォームを使うことで、お客様には中身を考えることに集中してほしいという思いがあります。
秋山:もちろん、たくさんコンテンツを作っても一気に全部読んでくれるわけではないですけど、顧客が気になって訪れる度に少しずつ読み進めてくれると思うんで。そのタイミングで目的に合わせたコンテンツを、ちゃんと用意しておけるかどうか。そういう意味ではウェブサイトって即効性があるものではなく、遅れて効果が表れるという一面もありますね。
枌谷:コーポレートサイトやサービスサイトの場合、広告やLPのように、これをやったら流入やコンバージョンが増えた、みたいな変化がわかりにくいですよね。流入元になる認知施策が上手くいっていないと、ウェブサイトをリニューアルしたところで何も変わらないこともありますし。
そもそもBtoBのビジネス自体が、1年とか2年かけて億単位の仕事を1件取るだけで成り立つ、みたいなことが起こりうる世界じゃないですか。だから、もちろん短期的な指標に意味がないとは言いませんが、それだけではなく中長期的な視点を持っておかないとウェブサイトへの投資を見誤るなと思います。
――BtoBマーケティングやウェブサイト制作で失敗しないためには、どんなことに気をつけたらいいんでしょうか?
秋山:すごく使い古された言葉ですけど、「先人から学べ」という姿勢は大事ですね。下手にオリジナリティにこだわると、結果的に本来の目標から遠のいてしまうことが多い。何でもそうですよね。初めての料理を作るんだったら、自分流のアレンジとかいらないからレシピ通りやろうよと。
歴史を紐解いていけば、どんな偉大な人も何かしらの影響を受けてるじゃないですか。ワンピースの尾田栄一郎先生だって、鳥山明先生をめちゃくちゃ尊敬していたりね。まずは先人を徹底的に模倣して学ぶことで、初めてオリジナリティが出てくるものだと思うんですよ。
枌谷:まさに「守破離」ですよね。基本の型を身につけておかないと、型破りなこともできない。ferret Oneという製品も、BtoBマーケティングにおける基本の型みたいなものを分解して、ツールという形に落とし込んだものだし、この秋山さんの考え方は一貫してるなと思います。
秋山:そうかもしれないですね。僕はゴルフが好きで、先日すごく良いスコアが出たんですけど、これも着実なセオリーに沿って、最も確率が高そうな方法を選んでるだけなんですよ。でも多くの人が300ヤード飛ばすみたいな成功確率の低い方法に憧れて挑戦してしまう。それで最初は「今日は良いスコア出すぞ」と意気込んでたのに、終わったら「気持ちよく振れたからよかった」と矛盾したことを言っていて。
別に僕らにとってのゴルフは遊びだからいいんですけど、ビジネスでも同じようなことが起こってるし、それをやっている限りは、いつまでも目標に辿りつかないんじゃないかなと思います。
枌谷:よく言う話ですが、成功に再現性はないけど、失敗には再現性がありますよね。たとえば人材の採用を確実に成功させるのって、ほぼ不可能で。その人が活躍するかどうかを事前に見極めるための面接方法や採用基準を考えるのには、そもそも無理があると思うんです。一方で、この人はウチでは上手くやれないだろう、という高確率で失敗しそうなパターンの共通点は意外と見つかりやすいですよね。
秋山:野村監督の言葉でもありましたね。「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」だったかな。僕この言葉にすごく共感していて。たとえば麻雀が強い人って、負けない打ち方をするらしいんですよね。調子が悪いときはミスをしないようにして、確実なタイミングでアガる。そうすると結果的には1位になってるみたいな話で。常に攻めたら勝てるかというと、そうじゃない。
僕が昔パチンコで生計を立てていたときも、同じようなことを考えていました。結局は確率なので、大事なのは勝つことより負けてドツボにハマらないことなんですよ。いかに「そろそろ当たるはずだ」みたいな誘惑に乗らず、引くべきときに引けるかが重要だと、何度も試行を重ねることでわかったんです。
枌谷:絶対に成功する方法を探すより、失敗パターンを学んで排除していくほうが何事も現実的なんじゃないか、という話ですよね。
――よくある失敗パターンを避けるためにあるのが、まさにベイジとベーシックが提供しているメソッドやテンプレートだと思います。一方で「ウェブサイトをテンプレで作るなんて」と感じている企業の方もいそうですが、お二人はどのように考えていますか?
秋山:たしかに、僕らが用意したテンプレートを使ったら100%成功しますという話ではないんですよね。先ほども言った通り、美味しい料理を作りたかったら、まずはレシピ通りに作ってみるべきです。それで、ある程度わかってきたら自分なりのアレンジを加えていく。
基本の型に従ってやったら、月間50件のコンバージョンが取れるようになったと。じゃあ、さらに100件に増やすには?そうなると自分で問いを立てて、やり方を変えていかなければならないですよね。
枌谷:ある程度の定石とかセオリーみたいなものを知っておく必要はあるんだけど、それに対して疑問を感じるのも大事ですよね。
たとえばベイジでは事例コンテンツの在り方に疑問を抱いていて。事例って意思決定に迷っている人が見て参考にするものだから、たくさん読まれることはないし面白くもないというのが基本だと思うんですよ。でも、めちゃくちゃ読まれる事例コンテンツって作れないのかな?と。その考えで実際にサイボウズさんの採用サイトの事例記事を書いたら、1週間で1万PV以上も見られたんですよ。PVが高ければいいという話ではないですが、まだまだやりようはあるなと感じましたね。
秋山:ホットリンクさんのメルマガとかもね、メルマガでこんなの送っちゃっていいのかなみたいな内容があったりして。でも、次どんな話が来るのかな?みたいに、それを楽しみにしてる人も結構いますもんね。
枌谷:そうしたチャレンジは随所に必要だなと思います。「この施策はこういうものだ」という考えに捉われすぎないほうがいい。
秋山:あとは正しいことを単に正しくやっていれば上手くいくかというと、それも違う。もちろんユーザーを騙すような仕組みは長い目で見るとファンが減るので良くないですよ。でも、あまりに綺麗すぎて引っかかりがないと、みんなスルーしていっちゃう。
ferret OneのサイトにはBtoBマーケティングのTIPS記事を載せていて、すごくタメになる内容なんですよ。でも以前は、記事中にferret Oneの話が一切出てこなくて。それでいいんだという考え方もあるかもしれないけど、ちゃんと商売としてやろうよと。その記事のTIPSをferret Oneならどんな手順でどのくらい簡単にできるか書くとかね。別にそれは悪いことじゃないから。
枌谷:企業のオウンドメディアの相談を受けると、よくありますね。「このメディアは成果につながらないんです」と言われて見てみたら、たしかに記事はちゃんと書いてるけど、どこの会社がやってるか全然わからないという。ヘッダーにロゴは載ってるけど、そんなの誰もちゃんと見てないじゃないですか。文章の最後にコンバージョンポイントが置いてあって、初めてどんな企業のどんな製品なのかわかる。
やっぱりマーケティングは人間の心理を理解して行動を促すものなので、表面的な正しさだけを考えても上手くやれないかなと思います。
秋山:人間の心理を考えると、マーケティングって情緒的な部分も切り離せないですよね。アート&サイエンスみたいに言う人もいますし。でも、データに強い人ほど、そこが苦手だったりして。
アクセス解析のレポートを綺麗にまとめて、先月よりPVが伸びましたとか言われても、いや誰が見てもわかるよと。なぜその結果になったのか問いを立てるところまでいって分析と言えるじゃないですか。
枌谷:私も若い頃、お客様にレポートを出したら「だから何?」と言われてしまったことがありましたね。数字が見えるからこそ、それに飛びついてしまって思考が深まらない。
むしろアート&サイエンスで言えば、アートの領域が多いんじゃないかと最近は感じています。特にマーケティングの上流におけるターゲット市場の選定とかセグメントって、正解がないじゃないですか。優秀な経営者とかマーケターほど、感覚的な部分も大事にしているなと思いますね。
――お二人は今後、BtoBにおけるウェブサイトはどうなっていくと考えていますか?
枌谷:個人的に、インターフェースの部分はferret Oneのようなサービスで共通化されていくと予想しています。それによってUIやビジュアルが差別化要因ではなくなり、コンテンツがウェブサイトの主体になるのではないでしょうか。これまでウェブ制作の世界では比較的デザイナーが中心として扱われることが多くありましたが、たぶん今後はコンテンツを作れる人が中心になるんじゃないかな。だからベイジではウェブ制作会社で珍しく、正社員のライターを採用しています。
秋山:結局のところ、ウェブサイトはどこまでいっても「箱」なんですよね。情報構造は型にできるけど、コンテンツの中身はテンプレ化できない。だからこそ価値があるんだと思います。なので今回ご提供するメソッドだったり、ferret Oneのようなプラットフォームを使って余計なところにかかる手間を減らし、どれだけ中身を考えるのに投資してもらえるか。それに尽きますね。
枌谷:ちなみにferret Oneとしては、今後どういう方向を目指していくみたいな話ってあるんですか?
秋山:まだ本格的なマーケティングオートメーション(MA)の機能は実装されていないのですが、今後は従来のMAツールでは実現できないferret Oneならではの体験価値を重視した実装を予定しています。MAツールって機能が多すぎて、多くの企業が導入しても使いこなせていないんですよね。僕らが目指しているのは大衆化なので、ユーザーに高度な知識を求めない形で、BtoBマーケティングに必要な機能を網羅していくつもりです。
枌谷:まずは受け皿となるウェブサイトを作って、その周辺の機能はステップバイステップで必要になったら使えるようにする、という形は理にかなってますよね。
あとferret OneってBtoBマーケティングのツールですけど、採用サイトにも活用できるんじゃないですか?
秋山:できますね。実際に我々ベーシックの採用サイトはferret Oneで作ってますし。コンテンツの追加・更新はもちろん、エントリーの管理とかもやろうと思えばやれてしまうので。
枌谷:実はベイジもBtoBに強いウェブ制作会社と名乗っているんですが、実績の3分の1くらいは採用サイトなんですよ。BtoBサイトと採用サイトって戦略の考え方とかは非常によく似ているなと思っていて。今回の業務提携のように、ベイジの採用戦略メソッドを使ってferret Oneで採用サイトを作るプランを用意してもいいかもしれません。
――ベイジとferret Oneの今後の進化にも期待ですね。ありがとうございました。
(写真/加藤アラタ)
この度、ベイジとベーシックは両社のノウハウを組み合わせた、以下の新サービスをリリースします。
①ferret One連携プラン
ベイジが多くの実績から導いた成功法則をもとに戦略設計の工程をコンパクトに圧縮し、実装にferret Oneを活用することで、マーケティング戦略にもとづいたウェブサイトをリーズナブルかつスピーディに納品します。②ベイジ監修のferret Oneデザインテンプレート
これまでにベイジが蓄積してきたノウハウを詰め込んだデザインテンプレートをferret Oneに搭載。これからferret Oneを利用する企業が、手早く成功確率の高いウェブサイトを制作できるようにします。
そんな方は、ぜひ一度ご相談ください。
私たちはBtoBサイトを得意分野とするweb制作会社です。ただ作るだけではなく、BtoBマーケティングの豊富な知見を活かし、成果にこだわったBtoBサイトをご提案します。webサイトのことでお悩みのBtoB企業、良いweb制作会社がいないとお困りのBtoBマーケターの方は、ベイジまで気軽にご相談ください。