集客が難しい福祉学校の応募者を増やす:日本福祉教育専門学校サイトリニューアル
日本福祉教育専門学校は、学校法人敬心学園が運営する福祉専門学校です。1984年の開校以来、社会福祉士、介護福祉士、精神保健福祉士、言語聴覚士といった福祉・医療分野の国家資格取得を目指すための養成校として、多くの卒業生を輩出しています。
今回のリニューアルは、学校ウェブサイトが「コンテンツの継ぎ足しによって、サイト構成が煩雑になっている」「訪問者数は確保できているのに、申込数が減少している」という問題を抱えていたことがきっかけで、ベイジにご相談いただきました。
そのためプロジェクトでは、ウェブサイトが持つ「入学検討層への情報提供と集客の受け皿」としての機能を最大化させるために、ベイジが得意とする採用サイトのノウハウを活かした支援をおこないました。
本記事では、プロジェクトメンバーの沖さん・川上さん・福田さん・照沼さんのインタビューを交えて、ウェブサイト制作の舞台裏とプロセスを紹介します。
- プロジェクト
- 学校サイトリニューアル
- 制作期間
- 2025年1月~2025年10月
課題
- 長年の継ぎ足し更新により、読者が必要な情報にたどり着けない構造になっていた
- 強みは把握していたものの、魅力づけが弱く他校と十分に差別化できていなかった
- ターゲットに沿った情報が不足し、検討を促すコンテンツが提供できていなかった
解決策
- 入学検討者目線で情報を整理し、読者が探しやすい形に再構築
- 学内での調査を通して、日本福祉教育専門学校の独自性を明確化
- ライフスタイルに着目し、入学者の不安に訴求するコンテンツを作成
効果
- サイト構造の整理により「わかりやすい・見やすい」と、学内から好評を得られるようになった
- 強みの可視化によって「選ばれる理由」が明確になり、比較検討時の優位性を示せるようになった
- ターゲットに必要な情報が充実し、入学検討者の不安を解消して意思決定を後押しできるようになった
目次
ベイジの提案 1:入学検討者目線で情報を整理し、読者が探しやすい形に再構築
課題のひとつとして、長年にわたるサイトの増改築により、読者が知りたい情報にたどり着きづらい構造になっていることが挙げられていました。そのため、構造の整理にあたって、単なる情報整理ではなく、情報の優先順位そのものを見直す必要がありました。
そこで今回の優先付けにおいては、ベイジが得意とする採用サイトの考え方を応用しました。採用サイトでは、多くの企業が自社の伝えたい情報を起点に構成してしまい、結果として求職者が判断に必要な情報を見つけにくくなっているケースが少なくありません。
ベイジではこの課題に対して、
- ほとんどの企業は自社視点が優先的になり、求職者視点が二の次になっている
- 求職者のニーズに応える“求職者ファースト”が最も重要である
という2つの軸をもとに、“求職者起点”での情報整理をおこなってきました。
この構造は、学校サイトにおいても同じことが言えます。学校サイトでは、学校側の都合を起点に情報を伝えてしまいがちですが、入学検討者が「自分に合うかどうか」を判断するために、どの情報を、どの順番で知りたいのかという視点で捉え直す必要があります。
そのため、本プロジェクトでは求職者を入学検討者に置き換え、入学者視点に立った情報の整理をしました。その結果、「学科の表示形式の変更」と「グローバルナビゲーションの変更」において、探しやすさとわかりやすさを高める構造改善につながりました。
(1)学科の表示形式の変更
リニューアル前の学科表示形式は、大カテゴリが「通学部」「通信教育部」で分かれており、その中に学科が並べられていました。
【リニューアル前の学科一覧】

この形式では、学科が各大カテゴリ(「通学部」「通信教育部」)に分散してしまうため、読者から見て、自分が入るべき学科がどれなのかがわかりづらくなっていました。
そこで、学科一覧を「取れる資格」で分類し直し、各ページの中で「昼間部」「夜間部」「通信課程」などのコースの説明をおこないました。加えて、コースを比較表形式で説明することで、コースごとの特徴が一目でわかるようになりました。
【リニューアル後の学科一覧】

【リニューアル後に追加されたコース一覧】

これによって、読者は自分の取りたい資格に対応する学科を選んだ上で、スムーズにコースの情報を比較し、自分に適した申込対象が判別できます。
(2)グローバルナビゲーションの変更
リニューアル前のグローバルナビゲーションは、読者が知りたい順に情報が並んでおらず、必要な情報にたどり着きにくい構造でした。そこで、読者の本当の優先度を探るために、アンケートやヒアリング調査を実施。「入学検討時に特に求められる情報」を当社調査のデータに基づいて洗い出し、その優先度に合わせて構成を整理しました。
【リニューアル前のグローバルナビゲーション】

【リニューアル後のグローバルナビゲーション】

読者視点で設計とラベリングを見直したことで、読者が訪問の目的に合わせて「自分はどこを見ればいいのか」を迷わず判断し、調べたい情報に自然とアクセスできるナビゲーションへと改善しました。
ベイジの提案 2:高い合格率の背景にある“教育の姿勢”を独自性として伝える
専門学校の入学検討において、多くの人が最初に注目するのは「資格の合格率」です。日本福祉教育専門学校も例外ではなく、アンケート調査においても、入学検討時に重視するポイントとして最も多く挙げられました。
一方で、学生へのインタビューで学校の魅力を深掘りしていくと、単に合格率が高いというだけでなく、「資格を取った先で、どう働くかまで教えてくれる。」「現場で活躍するために必要なことを学べる。」といった、学びの中身や指導姿勢に価値を感じている声が多くありました。
先生へのインタビューやヒアリングからも、資格取得はゴールではなくスタートであり、その先を見据えた学びを得て欲しい、という共通の考えが語られました。これらのことから、高い合格率を支えている「先生の手厚いサポートと、現役実務家による指導」と「資格合格の先で活きる、実践を見据えた指導」こそが、日本福祉教育専門学校の独自性であることがわかりました。
そこで、今回のリニューアルでは、合格率を単なる数字として打ち出すのではなく、なぜその結果がでているのか?という背景を伝えることで、日本福祉教育専門学校らしさを体現しました。
ベイジでは、物事の表面だけではなく、「なぜ?」の部分を具体的に言語化することで「リアリティ」を伝えるようにしています。今回も、合格率は入学検討者にとって重要な指標であるからこそ、その数字を支える根拠となる教育の姿勢や、日々の関わり方という背景まで理解してもらうことが必要だと考えました。そのため、TOPページでも「人の人生と向き合う力を 現場のプロから実践で学ぶ」というコピーを打ち出しています。
(1)先生の手厚いサポートと、現役実務家による指導の訴求
サポートの手厚さについては、先生へのインタビューで語られた具体的な取り組みを各学科詳細ページに反映しました。
【学科詳細ページ:日福で学ぶメリット】

いい情報に思えるほど、読者は「本当にそうなのだろうか?」と疑いの目を向けます。そのため、複数の視点からさまざまな言葉で取り上げ、情報の信頼性を持たせることが読者の安心につながります。
そのため、学生インタビューにおいても「先生のサポートがあったから続けられた」といった実体験を引き出していきました。実際に学ぶ人の目線からその価値を伝えられ、「サポートの手厚さが」より説得力のある情報として届くように配慮しました。
(2)資格合格の先で活きる、実践を見据えた指導の訴求
実践力の部分では、各学科の授業内容を詳細に紹介。加えて、最先端の知識や現場で活きるスキルを学べることを、具体的なカリキュラムとともに説明しました。
【学科詳細ページ:学びの内容】

これにより、「資格を取るだけでなく、その先の現場で本当に役立つ力が身につく」という学校の姿勢が伝わる構成になっています。
ベイジは常日頃、採用サイトにおいて、求職者の入社がゴールではなく、入社後に定着して活躍してくれることを見据えたサイト制作をしています。学校サイトにおいても同様に、入学のその先の将来を見据えたサイト制作をする必要があると考えました。
そのため、これ以外にも、学生インタビュー・卒業生インタビューなどを通して、入学の先、そして卒業した先の姿を思い描くことのできるコンテンツを複数制作しました。
ベイジの提案 3:ライフスタイルに着目し、入学後の生活が想像できる情報設計へ
日本福祉教育専門学校の特徴として、ほかの学校よりも高めの年齢層が多く、仕事や子育てをしながら通う人や、定年後の学び直しなど、多様なライフスタイルの人が在籍していることが挙げられます。
年齢や置かれている状況が多様であるほど、単に実績があるかどうかよりも「入学後に通い続けられるか」が意思決定の大きな判断軸になります。
しかし、従来の情報設計では「資格内容」や「学校説明」などの説明が中心となっており、入学検討者のニーズである「私生活と両立できるのか」「入学後の日常をイメージできるか」という視点での情報が十分に整理されていませんでした。
そこで今回は、ライフスタイルに着目してペルソナ整理をおこない、学習スタイルや入学動機など、学校選びに関連する特性項目を多面的に整理していきました。これによって、ペルソナごとにどんなニーズがあるのかや、それをどこに配置すると効果的かということを逆算して設計することができました。
【1ページでわかる日本福祉教育専門学校:学生生活】

学生層の特性を考慮し、「仕事や育児と両立できるのか」「ブランクがあっても大丈夫か」「年齢差のあるコミュニティに馴染めるか」といったさまざまな不安を解消するコンテンツを充実させました。
例えば、時間に追われる子育て層でも効率的に情報を得られるよう、各学科詳細ページにはサマリーを設置。また、「1ページでわかる日本福祉教育専門学校」というコンテンツを新設し、学校の全体像を短時間で把握できるようにしました。
さらに、入学後の生活をイメージしやすくするため、1日のスケジュールを掲載したほか、各ページに学生の声を細かく配置しました。
【社会福祉士養成学科詳細ページ:時間割】

加えて、授業中の写真をふんだんに使うことで、「普段の日福」の雰囲気が自然と伝わるページ作りを心がけました。こうした工夫により、検討者が情報を眺めるだけでなく、「自分がこの学校で学ぶ姿」を具体的に思い描けるサイト設計を実現しました。
【 サイトリニューアルの裏話 】

※日本福祉教育専門学校 左から照沼様、川上様、福田様
ここからは、改めて日本福祉教育専門学校のプロジェクトメンバーである沖さん・川上さん・照沼さん・福田さんのインタビューをご紹介します。コンテンツ制作を担当した真鍋(ベイジ)も交え、制作の裏側や学び、今後の展望について伺いました。
学校の魅力を引き出すために実施した、学生・先生への調査
今回のプロジェクトでは、“人を起点に戦略を組み立てる”というベイジのアプローチのもと、学生アンケート・インタビュー・先生へのヒアリングなど、多角的な調査を実施しました。
—— 多くの学生の方が、今回の調査やインタビューにご協力してくださったと聞いています。
福田さん:学生インタビューの協力を得られたのは、日頃から先生方が学生とていねいにコミュニケーションを取っているおかげだと思います。先生方の声掛けが、今回のボリュームにつながりました。
川上さん:そうですね、先生たちはおせっかいなぐらいに、学生さんと真摯に向き合ってコミュニケーションを取ってくださっている方が多いですから。
真鍋(ベイジ):実際にお話を聞く中で、どの学生さんも先生を慕っているのがわかりました。普段から密接に関わっているからこそ、インタビューでも具体的なエピソードを聞くことができたと思います。
その温度感に触れたからこそ、「先生のサポートの手厚さ」や「実践に活きる学び」などを積極的に打ち出していけるようにしたいと考え、コンテンツ内容に強く反映していきました。

—— インタビューやヒアリング調査に関して、先生や学生さんからの反応はいかがでしたか?
川上さん:今回を機に、広報活動に携わっていただいたことで、先生たちの気付きにもつながったと感じています。先生たち自身が、「こういうことが大切なんだ。」「こういうところが見られているんだ。」という部分に意識を向けるきっかけになりました。
福田さん:インタビューを受けた在校生も、内容や写真をいい形で載せていただいたので、記念になると喜んでいました。
写真を通して伝えたかった「リアルな日福」
今回のリニューアルでは、文章だけでなく「写真で学校の魅力を伝える」ことも重視しました。授業風景、学生同士の交流、先生との距離感など、学校の空気をそのまま切り取ることが目的でした。
—— 川上さんは、特に「写真を載せる」部分にこだわりを持って、真鍋と連携を取りながら進めていただいたんですよね。
川上さん:そうですね。何かを選ぶときに、まず目に入るのがビジュアルで、説得力もあると思うんです。当校のターゲットとなる社会人や主婦の方は忙しいので、読み込まなくても直観的に理解できて、かつリアリティが伝わるものになって欲しいという想いがありました。
真鍋(ベイジ):学科の詳細ページを作る際に「主婦層の方を取り逃がしたくないので、テキストだけが並ぶようなものではなく、写真で引きを作りたい。」とおっしゃっていました。ターゲットが明確になっている貴校ならではのことで、やり取りとして印象に残っています。
ヒアリングの中でも、以前のサイトでわかりづらいと言われていたのが、入学後の雰囲気や、授業の雰囲気だったので、それが伝わるような写真を意図的に増やしていきました。
実際に、多くのページで写真を用いることで、テキスト量の重さを感じさせないビジュアルになっています。
「1ページでわかる日本福祉教育専門学校」が生んだ、情報整理の価値
今回のプロジェクトで特に好評だったのが、「1ページでわかる日本福祉教育専門学校」という新コンテンツです。
—— 照沼さんと沖さんは、「1ページでわかる」のページを気に入ってくださっているんですよね。
照沼さん:はい、すごくいいなぁと思っています。サイトに来てくれた人にとって、気になる情報が1ページにまとまっていて、ありがたいページですよね。
沖さん:このページがあるかどうかで、サイトに来た人が学校に対して持つ印象が変わってくると思います。
照沼さん:それに加えて、私は設計やデザインに関して、学科一覧の見せ方を変えたことも印象的でした。どの資格を取りたいかで見る場所を選べるようになっているのが、とてもわかりやすくて、こんな方法があったのかと衝撃を受けました。
プロジェクトを通じて生まれた、信頼関係と成長
今回のプロジェクトにおける、ベイジとのエピソードをお伺いしました。

—— プロジェクト進行において印象に残っていることはありますか?
福田さん:主にコンテンツの部分でコミュニケーションを取る際に、真鍋さんのレスポンスが早く、こまめな修正にも対応していただけたので、非常に進めやすかったです。
真鍋(ベイジ):福田さんはいつも即レスしてくださいましたね。ポイントを伝えるようなフレーズに関しては特に、やり取りを重ねながら練っていけました。
お忙しい中でも、皆さんがきちんとドキュメントに目を通して、一緒に考えてくださったので、いいものにできたのだと感じています。
川上さん:ベイジの皆さんが積極的に当校や競合への理解を深めた上で、目線を合わせた提案やアドバイスをしてくださったので、社内の同じ仲間というような感覚でコミュニケーションを取れていたと感じています。
真鍋(ベイジ):ありがとうございます。
川上さん:私たちの腰が重かった中で、ベイジの皆さんが足を動かして調査をしてくださったりとか、ベイジさんならではの視点の意見をくださったり、そういうものが積み重なって、信頼関係ができていったと感じています。それによって我々も、本気で答えようという気持ちでプロジェクトを前向きに進めていけたのだと思います。
サイト公開後の反響と、プロジェクトの波及効果
サイトを公開して間もないですが、現時点でどんな影響があったかをお伺いしました。
—— 学内で、サイト公開後の反応はありましたか?
沖さん:たくさんの先生から「すごくよくなった。」と言ってもらえました。特に、「わかりやすくなった。」「見やすくなった。」という声が多かったですね。
川上さん:具体的にウェブサイトのコンテンツという形になったこともあって、広報部署がどんな活動をしているのかが伝わり、学内で協力的な姿勢が増えたような部分もあります。
—— 今回の活動自体で得られた、副次的な効果もあったということですね。
沖さん:戦略フェーズの議論でメンバーも成長しました。照沼さんは、新しい取り組みとして、説明会で待っている人向けに流す動画を取り始めたんですけど、それも今回の件がヒントのひとつになっているんですよね。
照沼さん:説明会やオープンキャンパスに来る方も、ウェブサイトに来る方と同じように、将来がイメージできるような、生の声が聞きたいのかなと考えました。卒業生の方や在校生の方にインタビューして、各学科ごとに動画を作っています。
沖さん:やっぱりリアルな声が届くといいよね。という、サイト制作で感じた部分を活かしつつ、照沼さんが撮影と編集までやってくれていて、それが好評です。今は、いろいろとチャレンジをしているところです。
まとめ
日本福祉教育専門学校のウェブサイトリニューアルは、見た目を整えただけのプロジェクトではありません。入学検討者が「何を知りたいと考え、何に魅力を感じ、何が入学の決め手になるのか」を起点に、情報と構造を見直すことからスタートしました。
調査や対話を通じて、「独自性となる強み」と「入学者の不安要素」を整理し、さまざまな視点を取り入れてコンテンツ化することで、日本福祉教育専門学校を選ぶ理由が自然と伝わるサイトへと変化しています。
ベイジではこのように、組織の中にある価値を言語化し、サイト訪問者との接点としてウェブサイト全体を設計することを大切にしています。
- 「アクセスはあるのに、申込につながらない」
- 「自校の強みを打ち出しているつもりなのに、差別化できていない」
そんな課題を感じている教育機関は少なくありません。
ベイジでは本事例のように、ユーザーの心理や行動を起点として考え、調査・戦略・設計まで一貫した支援をおこなうことが可能です。今のサイトに悩みを抱えている方は、ぜひ一度ご相談ください。
私たちは顧客の成功を共に考えるウェブ制作会社です。
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