AIに誤学習されると何が起きるのか
「AIに引用されるにはどうすればいいのか」。
ChatGPTやGeminiに質問したとき、回答の中に特定の企業名や記事が引用されているのを見たことがある人も多いでしょう。「うちの会社もああいう形で紹介されたい」「自社のコンテンツをAIに引用させるにはどうすればいいか」。そういった相談が、マーケティング担当者の間で急速に増えています。
その問いへの答えは確かに存在します。構造化データを整える、FAQ形式で情報を発信する、一次情報を明示する、そうした施策が現にAIに引用されやすくなるための方法として語られています。
でも、それを実行する前に知っておくべきことがあります。AIに「引用される」という話と、AIに「学習される」という話は、実は別の問題だということです。そして後者を理解しないまま前者だけを追いかけると、気づかないうちに取り返しのつかない状況が生まれていることさえあります。
この記事では、AIが情報をどう覚え、どう使うのかという仕組みを起点に、「引用される」ことと「学習される」ことの違い、そして間違って学習されたときに何が起きるのかを整理します。LLMOやSEOの施策を検討している担当者に、実際にHowを試す前にぜひ振り返ってもらえればと思います。
目次
AIはどうやって情報を学び、引用するのか?
AIが「知っている」のは、大量の文章から学んだパターンである
AIがどうやって情報を覚えているのか、改めておさらいしておきましょう。
ChatGPTやGeminiのようなAIは、インターネット上の膨大な文章、ニュース記事、企業サイト、ブログ、論文、SNSの投稿などを事前に大量に読み込んで学習しています。その中から「言葉と言葉のつながり方のパターン」を覚え、質問に対して「最もそれらしい続き」を生成する仕組みです。
つまりAIは、情報を「知識として引き出す」のではなく、「学習したパターンをもとに生成する」という動き方をしています。この違いが、後の章で説明する「誤学習」の問題に直結しています。
また、AIが回答を生成するとき、インターネット上の情報をリアルタイムで検索して引用するケースと、事前に学習した内容をもとに生成するケースの2つがあります。前者はGeminiのdeep search機能のように、回答の根拠として「今の情報(URL)」を示してくれます。けれども、一般的なAIチャットはほぼ後者です。つまり学習済みのパターンから生成するため、どの情報をもとにしているかわかりません。
AIに引用されやすくなるために、まずできること
では具体的に、AIに引用されやすくなるためには何をすればいいのか。現時点で有効とされている施策はいくつかあります。
一つ目は、情報を構造化することです。AIは曖昧な文章の塊より、明確に整理された情報を参照しやすいといわれます。見出しで階層を作る、表や箇条書きで整理するなど、「〇〇とは」「〇〇の特徴は」といった形で情報の役割を明示することが有効です。
二つ目は、FAQ形式で情報を発信することです。AIはユーザーの質問に答える形で動いています。「この質問に対してこの答え」という構造が明確なコンテンツは、AIが参照しやすい形式です。想定されるユーザーの問いを予測して、その答えを明示的に書くことが引用率を上げます。
三つ目は、一次情報と根拠を明示することです。AIは信頼性の高い情報を優先して引用する傾向があります。独自の調査データ、専門家の見解、公的機関の統計など、「この情報は信頼性が高い」という根拠を示すことが重要になります。
ただし、ここで一つ立ち止まって考えてほしいことがあります。これらの施策は「AIに引用される」ためのものです。でも、AIとの付き合い方には、もう一つ別の次元の問題があります。それが「AIに学習される」ということなのです。
この章で押さえておきたいこと
- AIに引用されやすくするための施策はすでに存在する
- 情報を構造化する(見出し・表・箇条書きで整理する)
- FAQ形式で「問いと答え」を明示する
- 一次情報・根拠・出典を明示する
- 一つのコンテンツで疑問が完結する網羅性を持たせる
- ただしそれは「コンテンツが参照されるかどうか」の話であり、「自社がどう認識されているか」とは別の問題
「引用される」と「学習される」は何が違う?
2つは似ているようで、まったく別の問題
「AIに引用される」と「AIに学習される」。この2つは混同されがちですが、実際には別の話です。
引用とは、AIが回答を生成するときに「この情報を参照した」という形で、特定のコンテンツを使うことです。ユーザーがAIに質問したとき、回答の中に自社の記事や情報が使われる。これが「引用される」という状態です。
一方、学習とは、AIがあなたの会社やブランドについて「こういう会社だ」というイメージを形成することです。特定のコンテンツが参照されるかどうかという話ではなく、AIの中で「〇〇社といえば〇〇」という認識が作られていくプロセスを指します。
わかりやすくいえば、引用は「その場でどの資料を使うか」という話であり、学習は「その会社についてどのような理解をしているか」という話です。前者はコンテンツの問題、後者はブランド認識の問題ともいえます。
引用はコントロールしやすく、学習はコントロールしにくい
この2つの大きな違いは、コントロールのしやすさです。
引用については、前章で説明したように、構造化・FAQ形式・一次情報の明示といった施策で、ある程度引用されやすくすることができます。つまり、コンテンツの作り方次第で、結果に影響を与えられる可能性があります。
一方、学習については、自社がコントロールできる範囲が非常に限られています。AIはインターネット上に存在するあらゆる情報、さらには自社が発信したものだけでなく、メディアの記事、SNSの投稿、口コミ、他社のサイトに書かれた言及まで学習しています。つまり、自社が発信していない情報、あるいは意図していない形で語られた情報も、AIの認識に影響を与えています。
つまり、引用は「出すコンテンツを工夫する」という能動的な対応で対応できますが、学習は「世の中にどう語られているか」という、より広い文脈の話なのです。
AIの「ブランド認識」はどうやって作られるのか
では、AIはどうやって「この会社はこういう会社だ」という認識を作るのでしょうか。
前章で説明したように、AIは大量の文章からパターンを学んでいます。ある会社について書かれた文章がインターネット上に多く存在すれば、その内容がAIの認識の基盤になります。
重要なことは、AIは「正しい情報」を優先するのではなく、「多く語られている情報」を優先するという点です。たとえばある会社について「化粧品会社」と書かれた文章がインターネット上に多く存在すれば、その会社が実際には食品会社であっても、AIは「化粧品会社」として認識しやすくなります。
これが次の章で説明する、ブランドイメージの固定と自己増殖の問題につながるのです。
この章で押さえておきたいこと
- 「引用される」と「学習される」は別の問題
- AI引用はコンテンツの工夫である程度のコントロールが可能
- AI学習は自社発信だけでなく、世の中全体の語られ方も大きく影響する
- AIのブランド認識は「正しい情報」ではなく「多く語られている情報」をもとに形成される
AIはマーケティングにおいては「新しいチャネル」でしかない
今起きていることを正確に理解する
「LLMO」「AI検索最適化」「AIに引用される方法」ここ1〜2年で、こうした言葉がマーケティングの現場に急速に広がっています。新しい概念が次々と登場し「対応しなければ」という焦りもあるかもしれません。
ただ、少し冷静に整理してみましょう。
AIの登場は、マーケティングの文脈においては何を意味しているのでしょうか。技術的には確かに革新的です。でもビジネスへの影響という観点で見ると、その本質は「新しいチャネルが一つ加わった」ということでしかありません。
テレビCMが登場したとき、企業は映像での訴求を覚えました。さらに検索エンジンが普及したとき、SEOという概念が生まれ、検索上位により選ばれるという認識が広がりました。SNSが広がったことでソーシャルメディアマーケティングが重要になり、そして今AIというチャネルが加わりつつあるわけです。
チャネルが増えるたびに新しい施策が生まれますが、それはあくまでターゲットとなるユーザーに「どう届けるか」の話です。「何を届けるか」「自社が何者であるか」という情報の本質は、チャネルが変わっても問われ続けます。
現在のAI施策は、SEOの考え方の延長線上にある
もう一つ今理解しておくべきことがあります。
現時点でLLMOとして語られている施策の多くは、SEOで培ってきた考え方とかなりの部分で重なります。「ユーザーの問いに正確に答える」「根拠を明示する」「情報を構造化する」こうした本質的な方向性は、AIチャネルでも引き続き有効です。
ただし、具体的な施策はSEOと同一ではありません。キーワードの最適化や被リンク数といったSEO的なテクニックはAIには通用しにくく、より「情報の中身と信頼性」「広く世間に培われたブランド認知」が問われるようになっています。単純に「SEOはもう古い」ではなく「SEOで積み上げてきた良質なコンテンツの考え方は活きるが、やり方(How)は改めて考えなければならない」という理解が正確です。
今は過渡期です。AIチャネル固有の確立された手法はまだなく、各社が試行錯誤している段階です。この状況を正確に理解した上で施策を考えることが、無駄な動きを減らすことにつながります。
「Howだけ」を追いかけると見落とすもの
新しいチャネルが登場するたびに、「そのチャネルで成果を出すための方法」への関心が集中します。AIに引用されるためのHowも、その一つでしょう。
でも、どのチャネルであっても共通して問われることがあります。「あなたの会社は何者で、何を提供しているのか」という情報の本質(中身)です。
テレビCMでも、検索でも、SNSでも、情報の中身が整理されていない会社は、チャネルを増やしても正しく伝わりません。AIも例外ではありません。むしろAIは、説明したように「多く語られている情報」をもとにブランド認識を形成するため、発信する情報が整理されていないと、意図しない形で認識が固定されるリスクが大きくなります。
Howを試す前に、「AIに何を覚えさせたいか」を決めること。それが決まっていない状態でHowだけを積み上げても、効果は限定的です。
この章で押さえておきたいこと
- AIはマーケティングにおいて「新しいチャネル」。チャネルが変わっても情報の中身が問われることは変わらない
- SEOで積み上げてきた良質なコンテンツの考え方は活きる。ただし具体的な施策はSEOと同一ではない
- 現状は過渡期。AIチャネル固有の確立された手法はまだなく、過度に振り回されない姿勢が重要
- Howを試す前に「AIにどう認識してもらいたいのか」のWhoWhatが重要
AIが「あなたの会社のイメージ」を誤認識したら何が起きるのか?
原因になるのは悪いニュースばかりではない
ある食品メーカーが、長年培った製造技術を活かして化粧品事業に参入したとします。その化粧品がヒットし、メディアに取り上げられ、SNSで話題になり、関連記事がインターネット上に大量に生まれました。
マーケティングとしては大成功です。このとき、AIの中で何が起きているでしょうか。
AIはインターネット上に増え続ける「この会社の化粧品が話題」という情報を大量に学習します。その結果、AIの中でこの会社は「化粧品会社」として認識されはじめます。食品メーカーとしての長い歴史や、本業での実績は、新しい情報の量に押されて相対的に薄まっていく可能性もあります。
それが積み重なると、ユーザーがAIに「〇〇社ってどんな会社?」と聞いたとき、AIは「化粧品で有名な会社」と答えるようになります。会社側が意図していない認識が、AIの中で「正解」として固定されていくわけです。
誤認識はAIによって自己増殖していく
ここからが本当の問題です。
AIが「化粧品会社」として認識した情報をもとに回答を生成すると、その回答がまたインターネット上に出回ります。AIが生成したコンテンツを参照した記事が書かれ、それをまた別のAIが学習する。「化粧品会社」という認識が、AIとインターネットの間で自己増殖していきます。
最初の情報が偏っていたとしても、その偏りが繰り返し参照され、繰り返し生成されることで、どんどん「正しい情報」として固まっていきます。修正する機会がないまま、事実との乖離が広がっていくわけです。
AIは嘘をついているわけでも、嘘を作っているわけでもありません。ただ、学習したデータの中で多く語られていた情報をもとに、誠実に答えているだけです。でもその「誠実な回答」が、現実とは異なるブランドイメージを社会に広げていくのです。
「語られ方」をコントロールしないと起こるリスク
この問題が厄介なのは、その問題がなかなか気づかれにくいという点です。
検索結果であれば、自社名で検索すれば何が表示されているかを確認できます。でもAIがどんな認識を持っているかは、実際に質問してみるまでわかりません。しかも複数のAIがそれぞれ異なる認識を持っている可能性があり、すべてを把握することは現実的ではありません。
さらに問題なのは、この認識の固定が悪意ある情報から起きるとは限らないということです。今回の例のように、むしろポジティブなニュースが引き金になることもあり得ます。「良い話題が増えた」と思っていたら、AIの中では意図しないブランドイメージが形成されていた、ということが起こり得るのです。
自社について「何が・どれだけ・どんな文脈で」語られているかを意識せずにいると、AIというチャネルの中で、自社のブランドが意図しない方向に固定されていくリスクがあることを理解しておきましょう。
この章で押さえておきたいこと
- AIのブランド認識は「正しい情報」ではなく「多く語られた情報」が基盤になる
- 一度固定された認識は、AIとインターネットの間で自己増殖する
- 検索結果と違い、AIの認識は視覚的に確認しにくい
- ポジティブなニュースが、意図しないブランドイメージの固定を引き起こすこともある
- 「語られ方」を意識せずにいると、気づかないうちに認識のズレが広がっていく
間違って学習されても修正できない?
検索結果とAIの認識は根本的に違う
「間違った情報が広まっているなら、正しい情報を発信して上書きすればいい」。検索エンジンの時代に培われたこの発想は、AIに対しては通用しにくい部分があります。
検索結果であれば、正確な情報を発信し続けることで、検索順位を上げて誤った情報を相対的に目立たなくすることができました。Googleに対して「この情報は古い」「この情報は正確ではない」という申請をする手段も存在します。
でもAIの学習済みデータは、そうした「上書き」や「修正申請」の仕組みが現時点では整っていません。AIが一度学習した内容は、モデルが再学習されない限り基本的には残り続けます。そしてモデルの再学習は、AIの開発会社が行うものであり、一企業がコントロールできるものではありません。
デジタルタトゥーとしての怖さ
一度インターネット上に刻まれた情報は消えにくい、という意味で「デジタルタトゥー」という言葉が使われることがあります。AIの学習データに入り込んだ情報は、これに近い性質を持っています。
さらに厄介なのは、前章で説明した自己増殖の問題です。誤った認識がAIの回答として出回り、それがまた新たなコンテンツに引用され、そのコンテンツをまたAIが学習する。この循環が続く限り、もとの情報が古くなっても、派生した情報がインターネット上に残り続けます。
タトゥーは時間をかければ薄くすることができるかもしれません。でもAIの誤学習は、薄くするための手段自体がまだ十分に整備されていないのです。現時点では、「完全に修正する」という選択肢は現実的ではないと理解しておく必要があります。
「修正できない」からこそ、出す前に考える
ではどうすればいいのか。正直にいえば、現時点で使える手段は限られています。
一つは、AIに直接正しい情報を提供し続けることです。自社サイトやプレスリリース、公式情報を構造化して発信し続けることで、次のモデルの学習サイクルに正しい情報が含まれる可能性を高めます。即効性はありませんが、中長期的には有効です。
もう一つは、AIに質問して認識を確認する習慣をつけることです。「〇〇社はどんな会社ですか」「〇〇社の主な事業は何ですか」といった質問を定期的に複数のAIに投げかけてみることです。自社がどう認識されているかを把握することが、すべき対応の第一歩になります。
ただし、これらはあくまで「対処」の話です。根本的な対策は、誤った認識が広まる前に、正しい情報を整理して発信しておくことです。修正が難しいからこそ、「出す前」の設計が重要になります。
この章で押さえておきたいこと
AIの誤学習は、検索結果のように修正申請や上書きができません。だからこそ「出す前」の設計が唯一の現実的な対策です。
- AIの学習済みデータは修正申請の仕組みが現時点では整っていない
- 誤った認識は自己増殖するため、時間が経つほど修正が難しくなる
- 現時点では完全なコントロールは難しく手段も確立していない
- 根本的な対策は「出す前」の設計。修正が難しいからこそ、情報を出す前に整理する
「〇〇社はどんな会社ですか」
「〇〇社の主な事業・サービスを教えてください」
「〇〇社はどの業界の会社ですか」
「〇〇社の強みや特徴は何ですか」
複数のAI(ChatGPT・Gemini・Claudeなど)に同じ質問を投げて、認識のズレや偏りを確認する
コントロールできるのは“出す”情報だけ
「何をどう理解してほしいのか」が最初の一歩
ここまでの話を整理して、あらためて「AIに引用される」と「AIに学習される」ことの違いを整理しましょう。
一つは「引用されやすくする」です。コンテンツの構造化、FAQ形式、一次情報の明示といった施策で、AIが回答を生成するときに自社の情報を参照してもらいやすくします。
もう一つは「正しく学習させる」です。AIが自社についてどんな認識を持つかに影響を与えるために、発信する情報を意図的に設計します。
この2つは目的が違います。前者は「どう使われるか」の話、後者は「どう覚えられるか」の話です。そしてどちらにも共通して必要なのが、「自社が何者で、何を提供しているのか」という情報の中身が整理されていることです。
整理されていない情報をいくら発信しても、AIは「それらしい認識」を勝手に形成します。その認識が正しいかどうかは、やり方によっては運次第になってしまうのです。
Who・Whatが整理されていない会社が直面すること
「自社が何者か」「何を提供しているか」これはシンプルな問いのように見えますが、意外と整理できていないケースも多いようです。
事業が多角化している企業、新しいサービスを次々と立ち上げている会社、歴史が長くブランドイメージが複雑に積み重なっている組織。こうしたケースほど、外部からの認識が、内部の実態とズレやすくもあります。
そしてそのズレが大きいほど、AIの認識も実態から離れていきやすいのです。AIは「多く語られている情報」をもとに認識を形成するため、自社が整理して発信していない部分は、外部の語られ方にどうしても引きずられてしまいます。
前章で例に挙げた食品メーカーの話も、根本を辿れば「化粧品事業の成功をどう文脈づけて発信するか」という情報設計の問題ともいえます。「化粧品でヒットした会社」ではなく「食品の技術を活かして化粧品でも成果を出した会社」として語られるためには、そういう文脈で情報を整理し発信しておく必要があるのです。
情報設計が、AIチャネルの土台になる
Webサイトを作るとき、デザインや技術の前に「誰に何を伝えるか」を決める上流の整理があります。ターゲットは誰か、自社の強みは何か、どんな課題を解決できるのか、こうした情報を整理することが、サイト全体の設計の土台になります。
AIチャネルへの対応も、本質的には同じです。「AIに引用されるためのHow」を実行する前に、「AIに何を覚えさせたいか」を決める必要があります。そしてそれを決めるためには、自社のWho・Whatが整理されていることが前提になります。
LLMOやAI最適化という言葉が広がる中で、施策の話が先行しがちです。でも施策は、情報の中身が整理されて初めて機能します。どのチャネルでも、どの時代でも、「何を伝えるか」が「どう伝えるか」に先行する。AIの登場は、その原則を改めて見直す機会でもあるのです。
この章で押さえておきたいこと
- 「引用されやすくする」と「正しく学習させる」は目的が違う
- 両方に必要なことは発信する情報の整理
- Who・Whatが整理されていない状態でHowを積み上げても、AIは「それらしい認識」を勝手に形成する可能性がある
- 事業が多角化している会社ほど、外部からの認識と内部の実態がズレやすい
- 情報設計はAIチャネルに限らず、すべてのチャネルの土台になる
- 「何を伝えるか」が整理されて初めて、「どう伝えるか」の施策が機能する
「AIに自社について質問したとき、どんな答えが返ってきてほしいか」を言語化してみる
以下の問いに答えられるか確認する
・自社は何者か(業種・強み・提供価値)
・誰のどんな課題を解決しているか
・競合と何が違うか
・今後どこに向かおうとしているか
この問いへの答えが社内で統一されていない場合、AIの認識がバラバラになるのは必然
「AIに引用される方法」を探す前にやるべきこと
ここまで「AIに引用されるにはどうすればいいか」という問いを起点に、AIが情報をどう学び、どう使うのかという仕組みを整理してきました。表でまとめてみましょう。
| テーマ | 要点 |
| AIはどうやって情報を覚えるのか | 大量の文章から「多く語られている情報」をパターンとして学習する。正しい情報より、頻度の高い情報が優先される。 |
| AI引用とAI学習の違い | 引用はコンテンツの話、学習はブランド認識の話。施策の効き方もコントロールのしやすさもまったく異なる。 |
| AIはマーケティングではチャネルの増加 | SEOで培った考え方は活きるが、具体的なやり方は異なる。過渡期であることを前提に、Howに振り回されない。 |
| ブランドイメージのコントロールとは | ポジティブな話題でも意図しない認識が固定されることがある。固定された認識はAIとインターネットの間で自己増殖する。 |
| AIの間違った認識は修正ができるのか | 現時点では完全なコントロールは難しい。検索結果のような修正申請の仕組みは整っていない。 |
| 自社でコントロールできるのは出す情報だけ | Who・Whatを整理して情報を設計することが、唯一現実的な対策になる。 |
この記事を通じて伝えたかったことは、「AIに引用されるためのHowは存在するが、それが機能するかどうかはもっと手前の話にかかっている」ということです。
AIというチャネルが加わったことで、情報発信の選択肢は増えました。でも「何を発信するか」「自社が何者であるかをどう整理するか」という問いは、チャネルが増えても変わりません。むしろ、AIのように「多く語られている情報」をもとに認識を形成するチャネルが登場したことで、この問いの重要性はより高まっています。
施策の前に私たちは何を発信すべきなのか。AIの登場は、その原則を改めて問い直す機会です。
私たちは顧客の成功を共に考えるウェブ制作会社です。
ウェブ制作といえば、「納期」や「納品物の品質」に意識を向けがちですが、私たちはその先にある「顧客の成功」をお客さまと共に考えた上で、ウェブ制作を行っています。そのために「戦略フェーズ」と呼ばれるお客さまのビジネスを理解し、共に議論する期間を必ず設けています。
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