【2026年7月最新】LLMO時代の最新効果測定ガイド

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コンテンツマネージャー/AIディレクター小林聖子

2026年6月3日、GoogleがSearch Consoleに「生成AIパフォーマンスレポート」を新設することを発表しました。これは、LLMO(Large Language Model Optimization:大規模言語モデル最適化)の効果測定をしてきた現場にとって、ここ1〜2年で最も意味のあるアップデートかもしれません。

これまで「AI OverviewやAI Modeでの露出は計測ツールでほぼ把握できない」という認識が当たり前でした。しかし、Search Consoleの専用レポートで表示回数だけは独立して見られるようになる方向に動き始めています。

ただし、これで全部が解決したわけではありません。クリック数やクエリのデータは依然として公開されず、GA4でAI流入を捉える難しさも変わっていません。この記事は、その新しい現実を踏まえて、今できるGA4を中心とした効果測定の手順を整理しています。Search Consoleの新機能で何が変わって何が変わらないか、GA4をどう設定し、どうデータを読み解いていくのかを順を追って解説します。

目次

第1章 Search Consoleの新機能「生成AIパフォーマンスレポート」とは

最初に、2026年6月3日に発表された、Search Consoleの新機能の中身を整理しておきます。

1-1. 何が見られるようになるのか

Search Consoleの「検索パフォーマンス」→「検索結果」の中に、新しいタブとして「生成AI」が表示されるようになります。このタブで見られるのは、次の5つの指標です。

指標内容
表示回数サイトのURLがAI Overview・AI Mode内に表示された回数
ページどのURLがAI機能内に表示されたか
どの国で表示されたか
デバイスどのデバイスで表示されたか(Search結果のみ)
日時時間別・日次・週次・月次の推移

これまで通常のウェブ検索データに合算されていたAI Overview経由の数字が、初めて独立した形で把握できます。あわせてDiscoverの生成AI機能についても、別レポートとして提供されます。

1-2. ロールアウト状況:日本は時期未定

ただし、現時点(2026年6月現在)ではこのレポートを全員が見られるわけではありません。

Googleは「一部のサイトオーナーから段階的に展開する」と発表しており、執筆時点では英国のサイトオーナーから順次ロールアウト中です。世界全体への展開には時間がかかると見られており、日本のサイト管理者が利用可能になるタイミングは未定です。

自社のSearch Consoleで利用可能になったかどうかは、ダッシュボード内で随時確認しましょう。

1-3. データは2026年5月18日以降のみ

また、このレポートで見られるデータは、2026年5月18日以降に限られます。それ以前のデータは取得できないため、長期トレンドを追うには、これから数ヶ月の蓄積を待つ必要があることには注意すべきです。(末尾[1] )

この章で押さえておきたいこと

  • 2026年6月3日、Search Consoleに生成AIパフォーマンスレポートが新設された
  • AI Overview・AI Modeでの表示回数を、独立して見られるようになりつつある
  • ただし日本へのロールアウトは未定、データは2026年5月18日以降のみ

第2章 LLMOの効果測定にGA4は使えないのか

Search Consoleの新機能の話に入る前に、なぜこのアップデートがGA4においても意味を持つのかを整理します。

2-1. GA4で見えるのは「氷山の一角」

LLMOの効果測定にGA4を使うとき、最大の壁が「GA4は人がサイトに訪れて初めて記録するツールである」という構造的な制約です。

LLMOの実態は、「AIの回答内で引用・言及されたけれど、ユーザーはクリックしなかった」というケースが多くを占めます。AIが回答内で情報源として紹介してくれたとしても、ユーザーがそれを読んだだけで満足し、サイトに来訪しなければ、GA4には1ミリも記録されません。

引用されただけ、言及されただけのインプレッションは、GA4の数字には現れてこないのです。

2-2. AI Overview・アプリ経由は「Direct」に紛れる

さらに重要な問題があります。Google AI Overview経由のクリックと、ChatGPTアプリやGeminiアプリなどの「独立したアプリ経由」のクリックでは、GA4上での扱われ方が異なり、「AIからの流入」として正確に区別できないという構造です。

Google AI OverviewはGoogle検索結果(SERP)上で表示される機能であるため、リンクをクリックした際は通常のウェブ検索と全く同じリファラが渡されます。そのため、GA4では通常の検索流入と同じ「Organic Search(google / organic)」に合算されてしまいます

一方で、ChatGPTアプリなどのアプリ経由の流入は、技術的な理由でリファラ情報がブラウザから渡されないことが多く、GA4のレポート上では「Direct」(参照元なし)として記録されてしまいます。

ちなみに、AI Overviewによってクリック率がどれだけ下がっているか、というデータも徐々に出てきています。Ahrefsが2025年末に公開した調査では、AI Overviewsの表示前後で検索1位のCTRは、グローバルでは3.7%から1.6%へと約58%減、(末尾[5] )Ahrefsのデータを基にした国内分析では、日本市場でも2.9%→1.8%(約37.8%減) と報告されています。(末尾[6] )さらに、Pew Research Centerの調査では、AI Overviewsが表示された検索においてリンクをクリックする割合は8%まで低下したとされています。(AI要約が出ない場合は15%) (末尾[4] )

つまり、引用や露出があっても、クリックされない。クリックされても、「Organic Search」や「Direct」に紛れてAI経由だと区別できない。これが、GA4でAIからの流入を語るときに、まず認識すべき長年の課題だったのです。

2-3. それでもGA4を使う意味はある

ただし、これは「GA4が使えない」という話ではありません。「GA4だけでLLMOの全体像を測ろうとすることが間違い」という話です。

GA4は、LLMOを測る範囲の、ちょうど真ん中を担当しています。下にはクローラーの巡回や引用そのものがあり、上には指名検索や問い合わせがあります。その間にある「実際に流入してきた人」の動きを捉えられるのは、GA4しかありません。

役割と限界を正しく理解したうえで使えば、GA4は今もLLMOの効果測定における重要な観測点として機能するでしょう。逆に、GA4にすべてを期待すると、失望することになります。上手に使い分けることがAI時代にはますます求められるのです。

この章で押さえておきたいこと

  • GA4は「クリックされて訪問が発生した後」しか映せない
  • AI Overview・アプリ経由のクリックは「Direct」に紛れて区別できない
  • GA4で見えるのはLLMOの氷山の一角
  • GA4だけで全体を測ろうとせず、Search Consoleなど複数の手段との組み合わせが前提となる

第3章 今回の発表で何が変わって、何が変わらないか

ここで、第1章で紹介したSearch Console新機能の意味を、第2章の問題と照らし合わせて整理します。

3-1. 変わったこと:「表示回数」が独立して見られる

今回のアップデートで変わったのは、AI Overview・AI Modeでの「表示回数」が独立して見られるようになりつつあるという点です。

これまでは、AI Overviewでの表示は通常のウェブ検索の数字に合算されていたため、「自社のページがAI Overviewに引用された回数」を直接知る方法はありませんでした。それが、新レポートでは分離して見られるようになります。これは、これまで数値の変化でしか追えなかった指標を、初めて具体的に確認できるようになる、という意味で大きな前進です。

特に、どのページがAI Overview・AI Modeに表示されているかがわかるのは、コンテンツ改善の優先順位付けに直結します。表示回数が多いページは「AIに引用されやすい構造を持っている」可能性が高く、そこから引用パターンを分析できるからです。

3-2. 変わらないこと:クリック数・CTR・クエリは依然として不明

ただし、今回のアップデートで変わらなかったことも多くあります。新レポートで見られるのは「表示回数のみ」で、次の指標は含まれていません。

  • クリック数:AI Overview経由でどれだけのユーザーがサイトに流入したか
  • CTR:表示回数に対してクリックされた割合
  • 平均掲載順位:AI回答内での出現位置
  • クエリ:どんなプロンプト(質問)で表示されたか

つまり、「どれだけ表示されたか」は見えるようになりましたが、「どれだけ流入したか」「どんなプロンプトで表示されたか」は依然として不明です。

Googleの広報担当者は「今後さらに指標を追加する」と表明していますが、特にクリックデータについては、公開時期が明示されていません。AI Overviewからの流入を正確に把握できない問題は、当面残ると見た方がいいでしょう。

3-3. 自社がロールアウト未対象の場合

新レポートは、まずUKから順次ロールアウト中で、日本のサイト管理者が利用可能になるタイミングは未定です。Search Consoleにログインしても「生成AI」タブが表示されていない場合は、今すぐ使えない状態です。

その場合の代替手段として、従来のSearch Consoleデータから「ポイントとなるクエリを読む」方法があります。これは新レポートが使えるようになってからも、補助的に役立つ方法です。詳細は第6章の観点③で解説します。

3-4. 今後どうなりそうか

今回のアップデートとあわせて、もう一つ動きがあります。Googleは「AI Overview・AI Modeへの自社コンテンツの表示をブロックするトグル」も、別途テスト開始すると発表しました。サイトオーナーが「AI回答に使われたくない」と判断した場合に、表示を止められる仕組みです。

ロールアウト対象のサイトオーナーは2026年6月17日まで設定を試せる状態にあり、それ以降にGoogleが本機能をSearchに反映する予定とされています。(末尾[1] )

この動きから読み取れるのは、Googleが「AI機能と通常検索の境界を、より明示的にする方向」に舵を切っているということです。「データは見えるようにする、ただしブロックも選択できるようにする」というスタンスだと言ってもいいでしょう。今後、表示データに続いてクリックデータも段階的に開示される可能性は十分にあります。

この章で押さえておきたいこと

  • 変わったこと:AI Overview・AI Modeでの表示回数が独立して見られる
  • 変わらないこと:クリック数・CTR・クエリは依然として非公開
  • 日本のロールアウトは未定
  • GoogleはAI機能と通常検索を分離する方向へ。今後の追加機能に注目しつつ、今できる手段を組み合わせる

第4章 今、GA4でやっておきたいLLMO向け設定3つ

ここからは、Search Consoleの新機能を踏まえたうえで、今、GA4でやっておきたい設定を3つ紹介します。

「今は」と書いたのは、AI関連の領域全体が過渡期であり、半年後・1年後にはこの設定方法そのものがアップデートされている可能性が高いからです。それでも、何もせずに「計測はできない」と放置するより、現時点で取れる手は取っておく方が得策です。後から振り返ったときに、データが蓄積されているかどうかが大きな差になるからです。

4-1. 設定①:参照元/メディアで主要AIをフィルタする

最もシンプルな第一歩は、GA4の標準レポートで主要AIサービスからの流入を確認することです。

手順

  1. GA4の「レポート」→「集客」→「トラフィック獲得」を開く
  2. グラフの下の表の第一ディメンションを「セッションの参照元 / メディア」に変更する
  3. 表の右上の検索窓に、主要AIのドメイン名を入力する

検索窓に入力するドメインの代表例は以下です。

  • chatgpt.com
  • perplexity.ai
  • gemini.google.com
  • claude.ai
  • copilot.microsoft.com
  • felo.ai
  • genspark.ai
  • notebooklm.google.com

それぞれのAIから、何セッション流入があるかが見えてきます。ただし、毎回検索窓でフィルタするのは面倒かもしれません。その場合は、次の設定もあわせて実装しましょう。

4-2. 設定②:カスタムチャネルグループで「AI流入」を独立させる

毎回フィルタするのではなく、最初から「AI流入」という独立したカテゴリーとして扱えるようにする方法があります。GA4のカスタムチャネルグループという機能です。

手順

  1. GA4の左下「管理」→「データの表示」→「チャネルグループ」を選択
  2. 「新しいチャネルグループを作成」をクリックし、わかりやすい名前(例:「AI流入分析用」)を付ける
  3. 「新しいチャネルを追加」をクリックし、チャネル名を「AI Referral」などにする
  4. 条件として「セッション参照元」を選び、「正規表現に一致」に以下を入力

chatgpt|openai|perplexity|gemini|claude|copilot|bing|felo|genspark|notebooklm

ここで一つ、注意点があります。作成したチャネルは、必ず「Organic Search」や「Referral」より上の順番に並べるようにしてください。GA4は上から順番に「これはどのチャネルか」を判定していくため、AI流入の判定を先にしないと、他のグループに吸い込まれてしまうからです。

設定すると、レポート画面で「AI Referral」というチャネルが独立して表示されるようになります。月次でこの数字を追うだけで、AI経由流入の推移が把握できるようになります。

4-3. 設定③:探索レポートで「AI流入セグメント」を作る

3つ目の設定は、「探索」機能を使って、AI流入ユーザーの行動を深掘りできるレポートを作っておく方法です。

手順

  1. GA4の「探索」→「自由形式」を選択
  2. 変数列でセグメントを新規作成し、「条件」に主要AIドメインを設定(②と同じ正規表現でOK)
  3. ディメンションに「ランディングページ+クエリ文字列」を、指標に「セッション」「エンゲージメント率」「キーイベント」を追加

このレポートで見るべきは、AI経由ユーザーがどのページに着地しているかです。これが、LLMOにおいてGA4が提供してくれる最も価値ある情報になります。なぜそうなのかは、次の章で詳しく解説します。

この章で押さえておきたいこと

  • 今すぐできるGA4の設定は、3つある
  • ①参照元フィルタ、②カスタムチャネルグループ、③探索レポートのセグメント作成
  • カスタムチャネルグループ作成時は、AI流入を判定する順番をOrganic Searchより上に置く
  • これらは「今」できる対応であり、半年後にはアップデートが必要になる可能性が高い

第5章 GA4でLLMOの数字を見るときの注意点

LLMOにおいてGA4を使うとき、SEO時代と同じ感覚で数字を見ると、おそらく失望することになります。「そこに出てくる数字をどう見るか」に視点を切り替える必要があります。

5-1. 流入「数」ではなく「着地ページの偏り」を見る

GA4でAI流入を計測したとき、最初にチェックしたくなるのは「全体で何セッション来たか」という数字でしょう。でも、LLMOにおけるGA4の本当の価値は、その数字ではありません。

価値があるのは、AI経由のユーザーが「どのページに着地しているか」のパターンを掴むことです。

AI経由で来訪するユーザーは、ランダムに各ページに分散して着地するわけではありません。特定のページに偏って着地します。それは、そのページがAIに引用されている可能性が高いということを意味しています。「AIがそのページを情報源として参照し、ユーザーが回答内のリンクをクリックして来訪している。」そう推測できるからです。

着地ページの偏りが見えれば、「AIに引用されている自社コンテンツ」の手がかりが掴めます。引用されているページの傾向がわかれば、なぜそのページが選ばれているのか、他のページとは何が違うのかを分析することで、次のコンテンツ制作の方針も立てやすくなります。

第1章で紹介したSearch Consoleの新機能でも「ページ別の表示回数」が見られるようになりますが、GA4の着地ページデータは「実際にクリックされて流入したページ」の情報です。Search Consoleの「表示されたページ」と組み合わせることで、より複合的に自社コンテンツの強みが見えてくるでしょう。

5-2. 「量」ではなく「質」を見る

もう一つの視点の変化は、量より質を見ることです。

正直に書くと、AI経由の流入は絶対量としてはまだ多くありません。多くのサイトの実感としても、AI経由流入は数%以下にとどまっているのが現実です。

つまり、絶対量で見ると、GA4の数字はあまりインパクトがありません。だからこそ、量ではなく、質を見る必要があります。

AI経由のユーザーは、すでにAIである程度の情報を得たうえで来訪している、いわば「下調べ済みのリード」です。検索流入のユーザーと比べて、

  • 滞在時間が長い傾向がある
  • ページビュー数が多い傾向がある
  • コンバージョン率が高い傾向がある

といった特徴が見られるケースが多いです。指名検索のユーザーに性質が近い、と言ってもいいかもしれません。指名検索流入は、特にBtoBサービスにおいて、商談化率・成約率ともに高い傾向があると言われています。AI経由流入も、似た性質を持っていると考えられます。

第4章で作った探索レポートを使って、AI流入セグメントの「エンゲージメント率」「平均エンゲージメント時間」「キーイベント数」をチェックしてみてください。少数の濃いリードとしてAI経由ユーザーが機能している可能性が見えてくるはずです。

5-3. AI流入数を増やす、をKPIにしない

ここまでの話を踏まえると、「AI経由の流入数」を主要KPIに据えると、施策が機能していないように見えてしまう可能性が高いことがわかります。

引用されてもクリック率は数%程度です。AIで知って、後で指名検索で来訪するルートも多いでしょう。流入の絶対数で評価しようとすると、せっかくの施策が「意味がない」ように見えてしまいます。

LLMOにおいて、GA4で追うべきは「変化のシグナル」であって、絶対数ではありません

  • 特定ページへのAI経由流入が、月次で増えてきているか
  • 新しく着地するようになったページはどこか
  • AI経由ユーザーのエンゲージメント率は、検索流入と比べてどうか
  • コンバージョン率に差はあるか

これらの「変化」を追うことで、初めてGA4はLLMOの効果測定に貢献してくれるツールになるのです。

この章で押さえておきたいこと

  • GA4で見るべきは流入数ではなく「着地ページの偏り」
  • 量ではなく質。AI経由ユーザーは少数だが濃いリードである可能性が高い
  • AI流入数を主要KPIにすると、施策が機能していないように見えてしまう

第6章 GA4とSearch Console以外で補完すべき5つの観点

ここからは、GA4とSearch Console(新機能を含む)と何を組み合わせれば、LLMOの全体像に近づけるのか。GA4以外の手段を5つの観点で整理します。

なぜなら、新機能の生成AIパフォーマンスレポートで「表示回数」が見られるようになっても、「自社がどんな文脈で言及されているか」「言及されているのにクリックされない理由は何か」といった情報は、依然として別の手段で取りにいく必要があるからです。

6-1. 観点①:手動プロンプト確認で「AIでの言及の質」を直接見にいく

最初は、最も泥臭く、最も確実な方法です。そもそも自社がAIで言及・引用されているのか、どんな文脈で扱われているのか。これは、GA4でもSearch Consoleの新機能でも一切わかりません。直接見にいくことが、現時点で最も確実で、最も誤魔化しのきかない方法です。

Search Consoleで「どのページが表示されたか」はわかるようになりつつあります。ただし、「どのプロンプトで表示されたか」「どう言及されたか」「競合と並べてどう扱われたか」は、新機能でも見えません。これを補うのが手動によるプロンプト確認です。

1.プロンプトリストを5〜10個固定する

まず、自社が「出てきてほしい」と思う質問を5〜10個リストアップします。プロンプトの設計は、おおむね次の3パターンに分けられます。

パターンプロンプト例
おすすめ・選定系「BtoBのWebサイト制作で実績のある会社を教えて」
比較・検討系「A社とB社のサービスを比較して」
課題解決系「採用サイトをリニューアルしたい、どんな会社に頼むべきか」

直接の指名(「ベイジというWeb制作会社について教えて」)も加えると、自社が「どう紹介されているか」のトーンも把握できます。

2.複数AI×複数回×複数日で確認する

ここで重要なことは、同じプロンプトを1回投げて終わりにしないことです。生成AIは、同じ質問を投げても、回答が毎回少しずつ変わる性質があります。ある日は自社が推薦されていたのに、翌日に同じ質問をすると別の会社が紹介される、ということは珍しくありません。

そのため、以下のような地道な作業が必要になります。月1回の定点観測として運用するのが現実的でしょう。

  • ChatGPT、Claude、Gemini、Perplexity、Copilotなど、複数AIで同じプロンプトを投げる
  • 同じプロンプトを、複数日にわたって複数回投げる
  • それぞれの結果を記録してデータを蓄積する

記録するべき項目

項目内容
自社言及の有無YesかNoか
引用順位何番目に出てきたか
トーンポジティブ・ニュートラル・ネガティブ
競合の扱われ方比較対象として並んでいるか
引用ページ出典として自社のどのページがリンクされたか

これを月1回計測すれば、立派なLLMOの効果測定レポートになります。Search Consoleの「表示回数」データと突き合わせると、「表示されているページと、AIに引用されている文脈」がセットで把握できるようになります。

注意点:シークレットモード・ログアウト状態で実行する

絶対に守ってほしいことが、シークレットモード・ログアウト状態で確認することです。自分のアカウントでログインした状態でAIに質問すると、過去の検索履歴や利用パターンの影響で、実態より自社に有利な結果が出てしまう可能性があります。

「いつものブラウザでChatGPTに聞いてみたら、ちゃんと自社が出てきた」という感覚を信用しないでください。それは、あなたのアカウントだから出てきている可能性があります。素の状態でどう見えているかを確認することが鉄則です。

6-2. 観点②:Search Consoleで「指名検索の推移」を追う

2つ目は、Search Consoleを使って、ブランド指名検索の推移を追う方法です。AIで自社を知ったユーザーの多くは、すぐにサイトに来ません。「AIで知る → 後でGoogleで社名検索 → サイトに訪問」という間接経路をたどるパターンが、実は最も多いと考えられています。

この流入は、GA4では「Organic Search」に分類されてしまいます。検索エンジン経由の流入として処理されるため、LLMOの成果としては可視化されません。

しかし、ブランド指名検索数の推移はSearch Consoleで追うことができます。これが、引用LLMOの信頼できる「代理指標」になりえます。AI引用と指名検索には、強い相関がある可能性があるのです。

具体的な見方

  1. Search Consoleにログインし、「検索パフォーマンス」を開く
  2. 「クエリ」タブで、自社名・サービス名・代表者名などを含むクエリでフィルタ
  3. 月次・週次で表示回数・クリック数の推移を記録する

Search Consoleには2025年11月に発表され、2026年に順次拡大された「ブランドクエリフィルター」という新機能が追加されており、これを使うと指名検索の動向をより簡単に分析できるようになっています。(末尾[3] )

注意点:即効性はないことを知っておく

指名検索の伸びには時間がかかります。AI引用が増えても、それが指名検索の数字として現れるのは、数週間から数ヶ月後です。

短期で判断せず、3〜6ヶ月の推移で見てください。LLMO施策を始めた時期と、指名検索の動きにラグがあることを前提に追跡することが大切です。

6-3. 観点③:Search Consoleから「AI露出のシグナル」を読み取る

第1章で紹介した生成AIパフォーマンスレポートが、自社で利用可能であれば、まずそちらでAI Overview・AI Modeでの表示回数を確認するのが基本です。

ただし、日本ではロールアウト時期が未定です。また、ロールアウト対象になっても、データは2026年5月18日以降のみという制限があります。それ以前の期間や、より深い分析をしたい場合は、従来のSearch Consoleデータから「AI露出のシグナル」を読み取る方法も併用できます。これは新機能を補完する、地味でも有効な手段です。

表示回数は維持・微増、CTRは下落というパターンを見つける

GoogleはAI Overviewのデータを、新レポートで分離しつつも、Search Consoleの「ウェブ検索」の数字にも含めて表示しています。合算されているからこそ、インプレッションとCTRの乖離という「シグナル」から特定のパターンを読み取ることができます。

具体的な抽出方法

  • Search Console →「検索パフォーマンス」→「ウェブ」検索タイプを選択
  • 「クエリ」タブで「CTR」列を昇順に並べる
  • インプレッションが多いにもかかわらず、CTRが極端に低い(2%未満程度の)クエリを抽出する
  • それらのクエリを実際にGoogle検索で叩いて、AI Overviewが表示されているかを目視確認する

CTRが低くてもインプレッション数が多いクエリは、AI Overviewに自社が引用されている可能性が高いクエリです。これを「AI Overview候補クエリリスト」として管理しておくと、引用獲得を目指すコンテンツ改善の優先順位付けに使えます。

新機能では「どのページが表示されたか」はわかりますが、「どのクエリで表示されたか」はわかりません。クエリレベルの情報は、この「シグナルを読み解く」方法でしか取れない、貴重な手がかりです。

2つのパターンの読み分け

AI Overviewでは次の2つのパターンに分類できます。

パターン状態の解釈対策の方向性
表示回数は維持・CTRは低下引用されているがクリックされていないコンテンツの「クリックされる工夫」が必要
表示回数も低下露出機会自体が減った引用獲得のための情報設計から見直し

同じ「流入が減った」という症状でも、原因と対策が違います。切り分けて把握することが、改善の出発点になります。

6-4. 観点④:問い合わせフォームに「認知経路」を追加する

4つ目は、シンプルですが、現時点で最も信頼性が高いかもしれない方法です。

一番確実で、一番見落とされている方法とは

GA4でいくらデジタルデータを推測しても、AI経由かどうかは推測の域を出ません。Search Consoleの新機能でいくら表示回数を追っても、その人がなぜサイトに来たかまではわかりません。指名検索を追っても、なぜ指名検索したかまではわかりません。

だったら、来てくれたユーザーに直接聞けばいい。これが、結局のところ、最もシンプルで、最も信頼できる方法です。実際、問い合わせフォームでの認知経路ヒアリングは、AI時代の効果測定として、欧米でも取り入れる企業も出てきています。

フォームに追加する設問例

問い合わせフォームに、以下のような設問を追加します。

Q. 当社(または当サービス)を知ったきっかけは何でしたか?(複数選択可)

  • Google検索
  • ChatGPT / Claude / Geminiなどの生成AI
  • SNS(X、Instagram、LinkedInなど)
  • 知人の紹介
  • イベント・展示会・セミナー
  • その他(自由記述)

「生成AI」を選んでくれた方には、自由記述で「どのAIで、どんな質問をしたときに見つけましたか」と聞けると、さらに有効でしょう。

参考までに、Semrush/Datosの調査では、ChatGPTからの外部リファラル流入は2025年に前年比206%増と報告されています。 この変化が「目に見える数字」として現れるのは、おそらくこれからでしょう。(末尾[7] )

だからこそ、今のうちにフォームへの設問追加を済ませておくことで、後から推移を振り返れるデータが蓄積されていきます。さらに営業やカスタマーサポートと連携すれば、より価値が高まります。

6-5. 観点⑤:サーバーログでAIクローラーの巡回を確認する

最後は、技術的な領域に近いものですが、非エンジニアの方でも実現可能な方法です。

LLMOの「入口」を見る

LLMOの本質は「AIに引用される」ことですが、その前提として、AIのクローラー(ボット)にサイトを読み込まれている必要があります。クローラーが訪問していないページは、AIにとって「存在しないページ」と同じです。

このクローラーの動きは、GA4にもSearch Consoleにも一切記録されません。GA4はJavaScriptで動くため、JavaScriptを実行しないボットの動きを捉えられないからです。Search Consoleは、ボット自体ではなく、ボットがクロールした結果の表示・クリック側を見るツールです。つまり、確認するためには、サーバーログを見る必要があります。

主要なAIクローラー

ベイジの過去記事「ウェブを作る人のためのLLMO/AIO入門」にも詳しく書かれていますが、AIクローラーは「学習データ用」「AI検索用」「URL直接取得用」の3種類に大別されます。代表的なものは次の通りです。

  • OpenAI:GPTBot(学習)、OAI-SearchBot(検索)、ChatGPT-User(URL取得)
  • Anthropic:ClaudeBot(学習)、Claude-SearchBot(検索)、Claude-User(URL取得)
  • Google:Google-Extended(学習)
  • Perplexity:PerplexityBot
  • Common Crawl:CCBot

これらのボットがどれくらいの頻度で、どのページを巡回しているかを見ます。このサーバーログの解析は、本来エンジニアの仕事ですが、最近は非エンジニアでも使える選択肢がいくつかあります。

  • WordPressサイトなら専用プラグイン:AIボットを自動検出して可視化してくれるプラグイン(例:LLM Bot Tracker)があります。複数のAIボットに対応するものもあり、管理画面で巡回状況を確認できます。 
  • CDN系サービスの管理画面:Cloudflareなどを使っているサイトであれば、ダッシュボードでボットアクセスを可視化してくれます
  • エンジニアに月次レポートを依頼する:作業ボリュームが少なければ「GPTBot、ClaudeBot、PerplexityBotのアクセス数とクロールページ一覧を月次でレポートしてほしい」と依頼するだけでも十分確認はできます。

何を確認すればいいか

サーバーログで確認したいのは、次の3点です。

  • 巡回頻度の推移:月次で増えているか、減っているか
  • どのページがよく巡回されているか:AIに重要視されているコンテンツの手がかりになる
  • 一度も巡回されていないページの有無:コンテンツがあるのにクロールされていないなら、LLMO以前にSEOの基本(クローラビリティ)から見直す必要がある可能性が高い

この章で押さえておきたいこと

  • GA4とSearch Consoleの外側で補える観点は5つある
  • ①手動プロンプト確認、②指名検索の推移、③Search Consoleの「AI露出のシグナル」を読む、④問い合わせフォームの認知経路、⑤サーバーログでのクローラー巡回
  • 中でも問い合わせフォームの認知経路追加は、最もシンプルで信頼性が高い

第7章 5つの観点で「LLMOの全景」が把握できる

ここまで紹介してきたポイントを、改めて整理します。

段階観点使用ツール
①AIに読まれているかクローラーの巡回サーバーログ/WordPressプラグイン
②AIで露出しているか言及・引用の文脈手動プロンプト確認
③AIで表示されているか(クリックされなくても)AI Overview/AI Modeでの表示回数Search Console(生成AIパフォーマンスレポート、または「AI露出のシグナル」を読む)
④AIから直接流入しているか参照元AIからの訪問GA4
⑤AIが間接的に成果に貢献しているか指名検索/問い合わせ起点Search Console+問い合わせフォーム

こうして並べてみると、GA4とSearch Consoleの両方を使っても、5つの観点のうち2つから3つしか担当できないことがわかるでしょう。残りの観点を補うには、手動プロンプト確認や問い合わせフォーム、サーバーログといった、Google系ツール以外の手段が必要になります。

今この瞬間に、正解と言える方法はありません。逆に言えば、今できる手段で5つの観点をそれぞれの方法で押さえれば、LLMOの全景に近づくことができます。GA4だけ、あるいはSearch Consoleだけを「LLMOの中心ツール」と過信しないこと。それが、結果的に正しい計測体制につながります。

第8章 結局、正しいLLMOの効果測定とは?

「5つの観点を全部やるのは大変そうだ」と感じる方も多いはずです。実際、いきなり全部を完璧にやる必要はありません。重要なのは、優先順位を持って、できることから着手していくことです。

おすすめの順番は次の通りです。

ステップ1:GA4のカスタムチャネルグループを設定する

第4章で紹介した3つの設定のうち、特にカスタムチャネルグループは、一度作ってしまえば以後ずっと自動で計測してくれます。

ステップ2:問い合わせフォームに「認知経路」設問を追加する

社内のフォーム改修担当者やシステム担当者に依頼するだけです。判断が早ければ、その日のうちに反映できる施策です。蓄積されるデータは、後々最も価値のあるものになります。

ステップ3:Search Consoleの生成AIパフォーマンスレポートを定期確認する

自社がロールアウト対象になったら、すぐに月次で確認する習慣をつけます。ロールアウト未対象の場合は、第6章の「AI露出のシグナルを読む」方法で対応しましょう。日本での展開時期は不明ですが、いずれ使えるようになる前提で、データの見方を事前に押さえておくと立ち上がりがスムーズです。

ステップ4:手動プロンプト確認を月1回まわす仕組みを作る

プロンプトリストを5〜10個固定し、スプレッドシートを準備します。月1回、誰が担当するかを決めて、定例業務に組み込むとやりやすいかもしれません。

ステップ5:サーバーログでAIクローラーの巡回を月次レポート化する

WordPressサイトであればプラグイン導入、それ以外ならエンジニアにレポートを依頼します。技術的な相談や社内連携が必要なケースもありますが、一度仕組みを作れば継続できるでしょう。

ステップ6:Search Consoleの指名検索推移を3ヶ月単位で見る

指名検索の動きは遅効性なので、月次でいちいち一喜一憂する必要はありません。3ヶ月単位で、しっかり推移を追うことで課題が見えてきます。

さらに意識したいことは、ここで紹介した6ステップは、すべて「現状を可視化する」ための仕組みだということです。可視化された数字に意味を持たせるのは、その手前になります。

自社は誰に、何を提供しているのか。どんな課題を解決できるのか。それが言語化され、サイト全体に一貫して反映されていなければ、いくら計測の仕組みを整えても、何を改善すればいいかが見えてきません。

計測の整備は、改善の出発点です。改善の方向を決めるのは、もう一段上流にある「自社のWho・Whatの整理」です。両輪が揃って初めて、計測の数字は意味を持ち始めることを理解しておきましょう。

まとめ

ここまで、2026年6月のSearch Consoleアップデートを起点に、LLMOの効果測定について整理してきました。最後にもう一つだけ、確認しておきたいことがあります。

AIに引用されたかどうか、表示されたかどうか、流入が増えたかどうか、指名検索が伸びたかどうか。これらは確かに大事な指標です。ただし、それ自体がビジネスのゴールではありません。コンテンツの質、プロダクトの質、広報、マーケティング、ブランド体験。これらすべてが積み上がったうえで、LLMOの効果は初めて意味を持ちます。

今この瞬間、LLMOの効果測定に「これをやれば必ず正解」と言える方法は存在しません。AIの仕様は今も日々アップデートされ、計測ツールの機能も変化し続けています。半年後にはまた別の何かが変わっているかもしれません。確立された正解がない領域だからこそ、今動いた分だけ、蓄積されたデータが未来の判断材料になります。

数字を追うことが目的ではなく、数字を通じて自社の状況を把握すること。そして、その把握した状況から、次に何を発信していくかを考えること。LLMOの効果測定とは、結局のところ、その判断のための材料集めでしかありません。そしてそれが、AI時代のマーケティングの土台になるのだと思います。

出典・参考資料

  1. Google「Introducing Search Generative AI performance reports in Search Console」Google Search Central Blog(2026-06-03)
    https://developers.google.com/search/blog/2026/06/gen-ai-performance-reports (参照日:2026-06-23)
  2. Google「Generative AI performance report (Search)」Search Console ヘルプ
    https://support.google.com/webmasters/answer/16984139 (参照日:2026-06-23)
  3. Google「Introducing the branded queries filter in Search Console」(2025-11-20)
    https://developers.google.com/search/blog/2025/11/search-console-branded-filter (参照日:2026-06-23)
  4. Pew Research Center「Google users are less likely to click on links when an AI summary appears」(2025-07-22)
    https://www.pewresearch.org/short-reads/2025/07/22/google-users-are-less-likely-to-click-on-links-when-an-ai-summary-appears-in-the-results/ (参照日:2026-06-23)
  5. Ahrefs「AI Overviews Reduce Clicks by 58%(Updated)」(2026-02)
    https://ahrefs.com/blog/ai-overviews-reduce-clicks-update/ (参照日:2026-06-23)
  6. GMO AI検索ラボ「日本市場のAI Overview CTR分析(Ahrefs 30万キーワード調査をもとに)」
    https://note.com/rapid_colt420/n/ne1f3e06cf892 (参照日:2026-06-23)
  7. ChatGPT traffic analysis: Insights from 17 months of clickstream data
    https://www.semrush.com/blog/chatgpt-search-insights/ (参照日:2026-06-23)

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