「型」から学ぶLLMO記事の書き方マニュアル
「AIに引用される記事を作りたい。具体的には、どう書けばいいのか?」
これは、ここ最近のコンテンツ制作現場でよく受ける質問です。過去記事「AIに引用されるために本当に必要なこと」では、引用される文章には共通する構造があり、書き方として実践できることも確かに存在することをお伝えしました。しかし、そのあと「で、結局どう書けばいいのか?」というご質問を、たびたびいただくようにもなりました。
結論からお伝えすると、AIに引用されやすい記事には、ある程度決まった「型」が存在します。この記事では、その型のサンプルをベースに説明していきたいと思います。
なお、本記事では分かりやすさを優先して『引用』と表現しますが、実務上は”単なる言及”と”回答の根拠として採用・推薦される”ことは区別されています。また、記事単体でできることに絞った「書き方マニュアル」となっています。LLMOの全体像については、ウェブを作る人のためのLLMO/AIO入門を併せてお読みください。
目次
第1章 「AIに引用されやすい記事」のサンプル
最初に、「どんな記事がAIに引用されやすいのか?」というゴールのイメージを示します。2026年6月時点で「AIに引用されやすい」とされている記事は、おおむね次のような構造になっています。
1-1. AIに引用されやすい記事の「型」
01 記事タイトル(質問形式に近い問いを含む)
02 リード文(150〜250字/読者の課題に共感し、結論を予告)
03 この記事の要点(チェック✓3〜5個/結論を端的に)
04 この記事を読むべき人(向く人/向かない人を明示)
05 目次(h3まで含む/自動生成)
06 本文
– H2見出しは質問形式(例:「LLMOとSEOはどう違うのか?」)
– 1つのH2配下には1つの論点だけを置く
– H2の直下40〜60字で結論(アンサーパラグラフ)
– 数値・固有名詞・年月日を組み込む
– 比較は表、並列は箇条書き
07 FAQセクション(5〜7問)
08 まとめ
09 監修者プロフィール(顔写真・氏名・経歴・専門領域)
10 出典・参考資料(URL・参照日付き)
11 公開日・最終更新日
この型は、誰かが恣意的に決めたものではありません。AIがコンテンツを処理する仕組みを考えて逆算すると、自然とこの形に行き着くのです。
1-2. なぜこの型が引用されやすいのか
理由は3つあります。
理由①:AIはチャンク単位で抽出する。だから見出し直後に答えがある必要がある
AI記事全体を読んで評価しているのではなく、200〜500トークン程度(日本語で約150〜700字)の小さな単位に分割した「チャンク(塊)」ごとに内容を評価していると考えられています。つまり、チャンクの状態で切り取られても意味が通り、見出しに対する答えがその場で完結している必要があると推測できます。「見出し→直後の結論」という型が有効なのです。
理由②:AIはベクトル距離で類似度を判定する。だから抽象的な表現は効果がない
AIはチャンクを数百〜数千個の数字(ベクトル)に変換して、ユーザーが入力したプロンプトとの近さ(関連性)を判定していると推測されます。抽象的・曖昧な文章は「中途半端な位置」に配置されてしまい、どのプロンプトでも参照されない状態になります。具体的な数値・固有名詞・年月日を入れることで、ベクトル上の位置が明確になります。
理由③:AIは複数の信頼軸で評価する。だから著者・出典・更新日に矛盾を作らない
引用候補として残った後の最終選別は、さらにE-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)の判定もされていると言われています。「誰が、いつ、何を根拠に書いたか」が明示されている記事は、引用候補から実際の引用に進む確率が上がります。
なお、Google自身は2026年5月の公式ガイドで、コンテンツのチャンク化やAI向けの書き分けは必須ではないとの立場を示しています。本記事の「型」は、観測される挙動から逆算した実務的なアプローチであり、唯一の正解ではありません。引用確率を高めるための一つの設計指針として捉えてください。
この章で押さえておきたいこと
- AIに引用されやすい記事には、おおむね決まった型が存在する
- この型は、AIがチャンク単位で抽出すること・ベクトル距離で判定すること・信頼軸で選別することから導き出されたものであり絶対ではない
第2章 AIが理解しやすい「文の書き方」10のナレッジ
ここからは、文章単位での書き方を10個に分けて解説します。
ナレッジ① 抽象的な言葉は必ず「具体+理由」とセットで書く
「うれしい」「便利」「効果的」といった抽象的な形容詞だけで終わる文章は、AIにとって「中身がない情報」として処理されやすい性質があります。なぜそうなるのかというと、AIは文章をベクトル化(数字の並びに変換)する際に、抽象表現を「どの質問にも近すぎず遠すぎない」中途半端な位置に配置してしまうと考えられるからです。結果として、関連するどの質問でも引用されにくいチャンクになります。
ビフォー:
導入したお客様にはご好評をいただいており、皆さまからうれしいというお声も多くいただいています。
アフター:
導入したお客様の87%が「業務時間が短縮された」と回答しており、特に経理部門では月20時間の削減効果が報告されています(自社調査・2026年3月)。
ルール:
- 形容詞単独で文を終わらせない(「うれしい」「便利」「役立つ」)
- 「うれしい」と書きたくなったら、「とてもうれしい理由は〇〇です」のように理由とセットにする
- 数値、年月日、固有名詞のいずれかを必ず含める
- 抽象表現を使う場合は「抽象→具体」のセットで書く(例:「便利です。具体的には、〜という作業が〇分から〇分に短縮されました。」)
ナレッジ② 見出し直後の40〜60字で答えを出す
さまざまなデータから、AIは見出しに対する答えを、その見出しの直後から探している可能性が高いと言われています。であるなら、背景説明や前置きから入ると、引用候補からはこぼれ落ちる可能性が高まります。これはアンサーパラグラフ(answer paragraph)と呼ばれる構造で、AI引用においては最も基本かつ重要な型です。
ビフォー:
LLMOとSEOはどう違うのか?
近年、ChatGPTやGeminiといった生成AIの普及によって、Webサイトへの集客手段にも変化の兆しが見え始めています。これまで主流だったSEOに加えて、新しい考え方が出てきたわけですが、その背景にはAIによる検索体験の変化があり、企業の対応も求められるようになってきました。
アフター:
LLMOとSEOはどう違うのか?
LLMOは「AIの回答に引用されるための最適化」、SEOは「検索結果でクリックされるための最適化」です。SEOがリンクの上位表示を目指すのに対し、LLMOはAIの回答内に情報を載せることを目指します。両者は対立するものではなく、SEOの土台の上にLLMOが積み上がる関係にあります。
ルール:
- H2の直後の1〜2文に、その見出しに対する答えを置く
- 「近年〜が注目されています」「〜が話題です」というメタな前置きから入らない
- 答えは40〜60字程度を目安に、簡潔に言い切る
- 詳細な説明・背景・事例は、答えのあとに続ける
ナレッジ③ 「先述」「上記の」「後述」を使わない
AIはチャンク単位で文章を抽出していると推測されています。チャンクの中に「先述のとおり」「上記の通り」「後述します」といった他のチャンクへの参照が含まれていると、そのチャンクだけ切り取られたときに意味が成立しません。結果、AIは「情報が完結していないチャンク」と判断し、引用候補から外します。
ビフォー:
上記の通り、LLMOの効果測定にはいくつかの観点があります。先述したように、GA4だけでは限界があるため、複数の手段を組み合わせる必要があります。
アフター:
LLMOの効果測定には、GA4・Search Console・手動プロンプト確認・問い合わせフォームの認知経路調査など、複数の観点があります。GA4だけではAI Overviewやアプリ経由の流入が見えないため、複数手段の組み合わせが必要です。
ルール:
- 「先述」「上記」「後述」「前述」を原則として使わない
- 他のセクションを参照したいときは、その参照先の内容を再度この場で簡潔に書き直す
- どうしても参照が必要なときは、リンクを貼って直接飛べるようにするなど工夫する
ナレッジ④ 固有名詞・数値・年月日を必ず入れる
AIは「事実情報」を引用候補として優先的に選ぶ傾向があります。「多くの企業が」「業界トップクラスの」「圧倒的な実績」といった曖昧な表現は、AIにとっては引用に値しない情報です。固有名詞・数値・年月日は、AIが事実として捉えやすい明確な要素です。
ビフォー:
多くの企業から導入いただいており、業界でも高い評価を得ています。
アフター:
2026年5月時点で、上場企業を含む340社にご導入いただいており、製造業・金融業を中心に評価をいただいています。
ルール:
- 「多くの」「数多くの」「業界トップクラス」「圧倒的」といった曖昧な形容詞は、必ず数値に置き換える
- 数値を書くときは「いつ時点の数値か」を併記する(「2026年5月時点」)
- 出せる範囲で社名・サービス名・組織名などの固有名詞を入れる
- 出せない数値は、レンジ(範囲)でも構わない(「30社以上」「年間100件規模」)
ナレッジ⑤ 一つの見出し配下に論点は一つだけにする
1つの見出しの下に複数の論点が混ざっていると、AIはそのチャンクを「何の話か判定できない情報」として扱う可能性が高まります。ベクトル化したときに、複数のテーマの「中間地点」に配置されてしまい、どの質問にも引用されにくくなります。
ビフォー:
内部統制について
内部統制とは…(定義)。その目的は4つあり…(目的)。具体的な基本要素は6つで…(要素)。導入の手順としては…(手順)。
アフター:
内部統制とは何か?
内部統制とは、企業が業務を適正に行うための仕組みです…(定義)
内部統制の4つの目的は何か?
内部統制には4つの目的があります。「業務の有効性・効率性」「財務報告の信頼性」「法令遵守」「資産の保全」です…(目的)
ルール:
- 1つのH2見出し配下では、1つの論点だけを扱う
- 配下の文字数は400〜800字程度を目安にする
- 論点が複数ある場合は、見出しを分ける
- H3はH2の補助に使い、H3で新しい論点を出さない
ナレッジ⑥ 比較・対比は表にする
AIは比較情報を表形式で記述されていると、構造化された情報として認識しやすくなると言われています。逆に、散文の中に「Aは〇〇である一方、Bは△△であり…」と書かれていると、対比情報として抽出しづらくなります。
ビフォー:
管理会計は社内向けで意思決定のために行うものですが、財務会計は社外向けで法律で義務付けられたものという違いがあり、対象期間や報告先も異なります。
アフター:
| 項目 | 管理会計 | 財務会計 |
|---|---|---|
| 目的 | 経営の意思決定 | 株主・債権者への報告 |
| 法的義務 | なし | あり(会社法・金商法) |
| 対象期間 | 自由(月次・週次等) | 1年(事業年度) |
| 報告先 | 社内 | 社外 |
ルール:
- 2つ以上の対象を比較するときは、必ず表を使う
- 表のヘッダー(左端列)は短く具体的に(「項目」より「目的」「金額」など)
- 表の前後に、表の要点を一文で書き添える(AIに表の意図を伝えるため)
ナレッジ⑦ 3つ以上の並列情報は箇条書きにする
AIは並列情報を箇条書きとして記述されていると、リスト構造として認識しやすくなると言われています。つまり、散文の中に「〜と、〜と、〜があります」と書かれていると、それぞれが独立した情報として抽出されにくい可能性があります。
ビフォー:
LLMOの効果測定には、GA4の参照元レポート、Search Consoleの指名検索数の推移、手動でのプロンプト確認、問い合わせフォームの認知経路調査、サーバーログでのAIクローラー巡回確認など、複数の観点があります。
アフター:
LLMOの効果測定には、複数の観点があります。
- GA4の参照元レポートでAI流入を計測する
- Search Consoleで指名検索数の推移を追う
- 手動プロンプト確認で言及状況を直接見る
- 問い合わせフォームに「認知経路」設問を追加する
- サーバーログでAIクローラーの巡回を確認する
ルール:
- 3つ以上の並列要素は必ず箇条書きに分ける
- 各項目は1行で完結させる(複数文を1項目に詰め込まない)
- 箇条書きの直前に、リスト全体の意図を示す1文を置く(「複数の観点があります」のような)
ナレッジ⑧ 主語をぼかさない
AIにとって読みにくいと言われているのは、表現そのものではなく、主語がない「誰が・何を根拠に言っているのか」がわからない文です。つまり「〜と考えられます」「〜と言われています」を主語をぼかす「逃げ」に使ってしまうと信頼性が下がる可能性があるのです。
一方で、不確実なことを「〜と考えられます」とするのはむしろ誠実であり、人間が読むことも考え合わせると、避ける必要はそこまでないとも言えます。根拠があることは主語を立ててある程度言い切りながらも、不確実なことは理由を添えて控えめにという対応が現実的でしょう。
ビフォー(意見なのに主語がなく曖昧) :
AI時代のコンテンツ制作においては、構造化が重要だと考えられます。
アフター(意見は主語を立てる) :
ベイジでは、AI時代のコンテンツ制作において構造化が最重要だと考えています。実際、自社の制作プロセスにも構造化のチェック項目を組み込んでいます。
ビフォー(不確実な推測なのに断定している) :
AIはチャンク単位でコンテンツを評価します。
アフター(不確実なことは理由とともに控えめに) :
AIの内部構造は完全には公開されていませんが、観測される挙動から、チャンク単位で評価していると考えられます。
ルール:
- 主観・意見を述べる文では「私たちは」「当社は」「私は」で主語を明示する
- 確信があることはシンプルに(「重要だと考えられます」→「重要だと考えています」)
- 確信がない・経験則や類推にすぎないことは、無理に断定せず「〜と考えられます」「〜の傾向があります」で正直に
- どちらの場合も、「誰が・何を根拠に」が読者に伝わるようにする(事実情報なら出典を「〇〇調査によれば」のように明記することを推奨)
ナレッジ⑨ 同じメッセージを記事の複数箇所で繰り返す
AIは記事全体ではなく、抽出したチャンク単位で引用判定をすると言われています。つまり、記事内で最も伝えたい軸メッセージが、特定の1チャンクにしか書かれていないと、別のチャンクが抽出されたときにそのメッセージは失われてしまうのです。伝えたい軸は、表現を変えて複数箇所で繰り返すことで、どのチャンクが抽出されても伝わるようになります。
ビフォー: 記事の冒頭に1度だけ「LLMOには書き方と構成の両方が必要です」と書き、本文中では二度と触れない。
アフター:
- リード文:「LLMOには書き方と構成の両方が必要です」
- 本文の途中:「ここまで書き方を見てきましたが、構成の整備も同じくらい重要です」
- まとめ:「書き方と構成、両方を整えてはじめてAIに引用される確率が高まります」
ルール:
- 記事の核メッセージを1つ決める
- そのメッセージを、表現を変えて記事内の3箇所以上に配置する
- 配置箇所はリード文・本文の章末・まとめが基本
ナレッジ⑩ AIだけに向かず、人が読んで違和感のない自然さを保つ
ここまで紹介した9つのナレッジは、機械的に当てはめすぎると、人間が読んだときに不自然な文章になってしまうでしょう。例えば、すべての文に数値を入れたり、箇条書きと表ばかりを並べたり、結論を毎段落の冒頭に置きすぎると、人が読んで違和感を感じやすいなどです。そしてその評価はAIの評価にもつながる可能性があります。
Googleも2026年5月の公式発表で「AI向けに記事を書き直す必要はない」と明言しています。AIに迎合した不自然な文章は、長期的には読者評価はよくない=むしろAIからも評価されなくなるかもしれません。AIだけに向けた文章ではなく、文章としての自然さを忘れないようにしましょう。
ビフォー:
LLMOとは2026年5月時点で重要視されている大規模言語モデル最適化のことです。LLMOの目的はAI引用率向上です。LLMOの効果測定にはGA4・Search Console・手動確認の3つがあります。
アフター:
LLMO(Large Language Model Optimization:大規模言語モデル最適化)は、生成AIの回答に自社情報を引用してもらうための取り組みです。私たちが日常的にChatGPTやGeminiに質問するようになった2026年現在、企業にとっては避けて通れないテーマになっています。効果測定にはいくつかの観点があり、GA4・Search Console・手動でのプロンプト確認などを組み合わせるのが現実的です。
ルール:
- 数値・固有名詞は「必要なところに必要なだけ」入れる
- 結論ファーストは厳守だが、結論のあとに自然な説明文も必要
- 箇条書き・表は「使うべき場面」だけで使う
- 書いたら必ず音読する(不自然なリズムに気づける)
- 「読者が読んで違和感がない」を最終チェック基準に置く
この章で押さえておきたいこと
- 抽象表現は具体+理由とセットにする
- 見出し直後40〜60字で答えを言い切る
- 「先述」「上記」「後述」を使わない
- 固有名詞・数値・年月日を必ず入れる
- 1見出し1論点、比較は表、並列は箇条書き
- 主語と確信度を明確にし、核メッセージは複数箇所で繰り返す
- 機械的にやりすぎないよう、人が読んで自然な文章を保つ
第3章 AIに理解される「構成」のナレッジ7つ
ここからは、記事全体の構成についてのナレッジを7つに分けて解説します。文単位で整っていても、記事全体の構成が崩れていると、AIから「論点の構造がわかりにくい記事」として扱われてしまう可能性があるからです。
構成① リード文は150〜250字で結論を予告する
リード文はAIと読者の双方が最初に触れる部分です。さらに、AIはここから「この記事の主旨」を把握していると推測できます。冒頭で結論が予告されていない記事は、AIが記事全体のテーマを誤解する可能性があります。
ビフォー:
管理会計について、その目的や財務会計との違い、具体的な業務についてわかりやすく解説します。経営判断に役立つ情報をお届けしますので、ぜひ最後までお読みください。
アフター:
管理会計とは、企業が経営判断のために行う社内向けの会計です。法的義務がある財務会計と異なり、設計が自由である一方、「何をどこまでやるか」の判断が難しい領域でもあります。本記事では、管理会計の目的、財務会計・税務会計との違い、4つの主要業務、導入の判断基準まで、経営判断に必要な実務観点で整理します。
ルール:
- 文字数は150〜250字を目安にする
- 3〜4文構造で書く
- 1文目:読者の状況・課題を端的に
- 2文目:その課題に対する一般的な答えや背景
- 3〜4文目:この記事で得られる結論の予告
- 「〜について解説します」「〜について学びましょう」というメタな締めくくりは避ける
- 固有名詞・数値・年月日を1つ以上含める
構成② 冒頭に「この記事の要点」を数個書く
AIは記事冒頭の要約を「この記事の主張」として強く認識する傾向があります。つまり、要点が冒頭に明示されている記事は、AIがその記事の中身を正しく把握しやすくなる可能性が高いのです。読者にとっても、結論まで読まずに離脱するリスクを減らせます。
ビフォー(メタな説明):
- 医療法人の事業承継について解説します
- 持分あり・なしの違いを紹介します
- 役所への届出について説明します
アフター(結論を直接書く):
- 医療法人の事業承継は、「持分あり」「持分なし」で対策が根本的に異なります
- 経営者保証の引き継ぎ要否は、全国銀行協会ガイドラインで2024年に変更されています
- 役所への届出は最長6ヶ月前から準備が必要です
ルール
- リード文の直後に「この記事の要点」を配置する(ボックス推奨)
- チェック✓を3〜5個、各30〜50字
- メタな説明(「〜について解説します」)ではなく、結論そのものを書く
- 数値・固有名詞を含めると、AI引用率が上がる
- ハウツー系・解説系記事では推奨されるが、対談記事・体験談記事では不要な場合もある
構成③ 「向く人/向かない人」を明示する
「誰向けの記事か」「誰には合わないか」を明示することで、AIは「特定読者層への推薦」をしやすくなると言われています。また、ターゲット外の読者の誤クリック・誤離脱も防げます。
例:
こんな課題をお持ちの方に:
- 医療法人の理事長で、後継者への承継を5年以内に検討している方
- 持分あり医療法人で、相続税対策と承継を同時に考えたい方
こんな方には参考にならないかもしれません:
- 個人開業医の方(「個人診療所の承継」の記事をご覧ください)
- すでに承継が完了し、承継後の経営課題を抱えている方
ルール:
- 記事冒頭、要点の直下に配置する
- 向く人を3項目程度、向かない人を1〜2項目程度明示する
- 向かない人を「悪い」と書かず、「他の記事を見るべき」というニュアンスで書く
構成④ 目次にh3まで含める
目次はAIが記事の論点構造を把握する重要な要素の1つと言われています。h2だけの目次では、記事の情報量や論点の粒度がAIに伝わりにくくなる可能性が高まります。その一方で、h3まですべて展開した長い目次は読者の負担にもなるため、バランスを取った設計が必要です。
ルール:
- 目次にはh3まで含めて表示する
- h3が10個を超える場合はアコーディオン(折りたたみ)表示にする
- CMSの自動生成機能を活用し、見出し変更時に目次へ自動反映される構造にする
- 目次クリックでアンカーリンクで該当セクションへスクロールできるようにする
- h4以下は目次に含めない(情報過多になるため)
構成⑤ 見出しは「質問形式」で揃える
AIに引用される最大のポイントの1つは、ユーザーが投げる質問と記事の見出しのベクトル距離が近いことだと言われています。見出しを質問形式にすると、ユーザーがAIに投げる質問と一致しやすくなり、引用される確率が上がります。
ビフォー:
- 内部統制について
- 私たちの想い
- Our Approach
アフター:
- 内部統制とは何か?
- 内部統制の4つの目的は何か?
- 内部統制はどう構築すればよいか?
ルール:
- H2の最低6割を「質問形式」にする
- 質問形式の見出しは「〜とは何か?」「〜はどう違うのか?」「〜はなぜ重要なのか?」「〜はどう実装するのか?」などに
- 1つのH2見出し=1つの論点を厳守する
- H3はH2の補助に使い、H3で新しい論点を出さない
構成⑥ FAQセクションを置く
FAQ形式は、AIにとって最も抽出しやすい文章構造の1つと言われています。「問い」と「答え」が明確にペアになっているため、AIはそのまま回答生成に使いやすくなると考えられるからです。
注意点もあります。Googleは2026年5月の公式発表で「構造化データ(FAQ Schemaを含む)は生成AI検索のために必須ではない」と明言しました。そこから見ても、FAQSchema(マークアップ)の効果は以前ほどではなくなっている可能性があります。ただし、FAQ形式の文章構造そのものは依然として有効とされています。Schemaの実装は補助的役割と理解し、まずはFAQ形式に文章を整えることが現実的でしょう。
ビフォー:
Q. 医療法人の事業承継について教えてください。 A. 医療法人の事業承継は複雑な手続きが必要です。持分あり・持分なしの違いがあり、後継者の確保や税務対策も重要となります。専門家への相談をおすすめします。
アフター:
Q. 持分あり医療法人と持分なし医療法人で承継方法はどう違いますか? A. 持分あり医療法人は出資持分の譲渡・払戻しが論点になり、相続税対策が中心です。持分なし医療法人は出資持分そのものがないため、理事長交代と認定医療法人制度の活用が中心となります。両者で必要な手続きと期間が大きく異なります。
ルール:
- 記事末尾、まとめセクションの前後にFAQセクションを設置する
- 5〜7問あたりを目安に
- 質問は、ユーザーが実際にAIに投げそうな自然な言葉で書く
- 回答は120〜300字、結論ファーストで書く
- 各FAQの回答は、それだけ切り取られても意味が通るようにする(「前述のとおり」はNG)
構成⑦ 著者プロフィール・出典・更新日を明記する
AIは記事を引用するときに、E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)を判定材料の1つにしていると言われています。E-E-A-Tは元々Google検索の品質評価の概念ですが、AIの引用でも著者・出典・更新日といった信頼性シグナルが効いていると考えられるからです。 「誰が、いつ、何を根拠に書いたか」が明示されている記事は、引用候補から実際の引用に進む確率を上げる可能性があります。
著者プロフィールの例:
枌谷力(そぎたに つとむ) ベイジ代表。大阪出身。1997年にNTTデータ入社。2001年にウェブデザイナーに転職。2007年にフリーランスとして独立した後、2010年に株式会社ベイジ設立。2021年にクラスメソッド株式会社のCDO(Chief Design Officer)にも就任。 → [枌谷力の他の執筆記事を見る]
出典の例:
※1 厚生労働省「種類別医療法人数の年次推移」
(https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/…) 参照日:2026-05-14
ルール:
- すべての記事に著者・監修者を記載(「編集部」表記は推奨しない)
- 著者プロフィールには、氏名・肩書・所属・専門領域・関連経歴を含める
- 著者プロフィールページへのリンクを記事末尾に配置する
- 本文中で引用した数値・データには、必ず出典(URL付き)を明記する
- 出典には参照日(YYYY-MM-DD形式)を併記する
- 公開日と最終更新日の両方を表示する
- 重要な情報変更があった場合は、最終更新日と本文の両方を更新する
この章で押さえておきたいこと
- リード文は150〜250字で結論を予告する
- 冒頭の「この記事の要点」で結論を直接書く
- 「向く人/向かない人」を明示する
- 目次にはh3まで含める
- 見出しは質問形式で揃える
- 記事末にFAQセクションを置く(Schemaは補助的役割)
- 著者・出典・更新日を明記する
第4章 書く前と書いた後にやるべきこと
第2章・第3章でAIに効果的な文と記事構成のナレッジを紹介してきました。さらにAI引用を目指すなら、これらを実践する前後にやっておきたい作業が2つあります。
前後① 書く前:想定プロンプトを10個書き出す
記事を書き始める前に、「この記事の読者が、AIに対して投げるだろう質問」を10個ほどリストアップします。
理由は、AIに引用されるかどうかは「ユーザーのプロンプトと、記事の見出し・本文のベクトル距離」で決まると考えられるからです。読者が実際にAIに投げる質問を先に書き出しておけば、その質問と一致する見出し・本文を逆算することができます。
ルール:
- ターゲット読者を1人想定する(具体的にペルソナを設定する)
- そのペルソナが、AIに対して投げそうな質問を10個書き出す
- 質問は短いキーワードではなく、自然な文章で書く(「LLMO 効果測定」ではなく「LLMOの効果はどう測ればいいですか?」)
- 「なぜ」「どうすれば」「どこから始めれば」といった疑問詞を含めて書く
- 書き出した10個のうち、記事内で答える質問を5〜7個選び、それぞれを見出しに反映させる
前後② 書いた後:自分の記事をAIに読ませる
記事を公開する前(または公開後でも構いません)に、自分が書いた記事が主要なAIに引用されているか、されているならどの部分かを確認します。これは過去記事「文章をAIに”食わせる”方法:AIO/LLMOライティングの大原則」でも紹介した方法です。
具体的なやり方
- 4-1で書き出した10個の質問をAIに投げる
- その回答に、自社の記事が引用されているかを確認する
- 引用されている場合:どの部分が引用されたか、どんな文脈で言及されたかを記録する
- 引用されていない場合:競合の記事がどう書かれているかを比較し、自社記事の弱点を特定する
確認すべき主要AI
- ChatGPT
- Claude
- Gemini
- Perplexity
- Copilot
なお、AIそれぞれで結果が違うことは普通です。1つのAIで引用されなくても、別のAIでは引用されていることもあります。それぞれの傾向を定点観測することで、より課題が見えてくるでしょう。
この章で押さえておきたいこと
- 書く前に、読者がAIに投げる質問を10個書き出す
- 書いた後に、自分の記事をAIに食わせて引用されるかを確認する
- 主要5AIで結果を比較すると、改善のヒントが見えてくる
最後に:書き方マニュアルだけでは届かない領域もある
ここまで、AIに引用される記事の書き方を、第2章で文単位のナレッジ10個、第3章で記事構成のナレッジ7個、合計17個のナレッジに分けて解説してきました。現時点では、これらを実践すれば、AIに引用される確率が高まる可能性が大きいです。
ただし、最後に1つだけ、あらためて確認しておきたいことがあります。書き方と記事構成を整えても、それだけではLLMOは完結しません。記事単体でできることには限界があるからです。
具体的には、次の3つの領域は、書き方や記事構成だけではカバーできません。
領域① 外部での言及(サイテーション)
AIは「同じ情報が複数の独立した情報源で言及されている」ことを信頼性の大きな判定材料にしていると考えられます。自社サイトでいくら丁寧に書いても、外部メディアやSNSで言及されていなければ、「1つのソースしかない情報」として扱われます。
書き方を整えるのは前提条件です。それに加えて、プレスリリース・メディア掲載・専門家の言及・SNSでの第三者発信などを積み重ねる必要があります。
領域② サイト全体の構成(トピッククラスター)
記事単体ではなく、サイト全体としてどう設計するかも、AI引用に影響すると言われています。
トピッククラスターとは、特定のテーマについて、1本の中心記事(ピラーページ)と複数の関連記事(クラスター記事)を相互にリンクで結びつけ、1つの大きな知識のかたまりとしてサイトに配置する設計手法です。AIはサイト全体のテーマ的なまとまりを評価するため、SEO時代から関連する記事がバラバラに存在しているサイトより、トピッククラスターとして体系化されたサイトのほうが、特定領域での権威性を認められやすくなると言われてきました。そしてこれはAIにも効果があると言われています。
これが事実であれば、書き方で個々の記事における対応力は上げられますが、サイト構成の最適化は別の論点になります。
領域③ 技術的な実装
書き方と記事構成がどれだけ整っていても、技術的な実装に問題があれば、AIはそもそも記事を読めない可能性があるでしょう。例えば次のようなケースは、書き方だけでは解決できません。
- JavaScriptで遅延描画される本文はクロールされない
- クリックで展開するアコーディオン内の本文は読まれていない可能性がある
- 画像化された文字情報は引用されにくい
- robots.txtでAIクローラーがブロックされていれば、そもそも読まれない
技術領域の詳細については「ウェブを作る人のためのLLMO/AIO入門」の第4章をご覧ください。
書き方マニュアルとしてできることは、AIに引用されるための土台を整えることです。土台が整っていても、外部での言及・サイト構成・技術実装の3つの領域に問題があれば、それはまた見直しが必要でしょう。逆に言えば、これら3領域に問題がない状態であれば、紹介した書き方の17のナレッジは、AI引用率を押し上げる効果を発揮するはずです。まずは記事単体で整えられる部分から、着手してみてください。
出典:Google「Optimizing your website for generative AI features on Google Search」(参照日:2026-06-23)
私たちは顧客の成功を共に考えるウェブ制作会社です。
ウェブ制作といえば、「納期」や「納品物の品質」に意識を向けがちですが、私たちはその先にある「顧客の成功」をお客さまと共に考えた上で、ウェブ制作を行っています。そのために「戦略フェーズ」と呼ばれるお客さまのビジネスを理解し、共に議論する期間を必ず設けています。
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