ベイジのデザイナーには、「お金のことはわかりません」「お金のことはディレクターの担当だから」と投げやりにならず、自分の仕事に関わるお金について考える姿勢が根付いていると感じることがあった。これは、職種に関わらず重要なことだと思う。
今のベイジは、準委任で契約していることが多い。契約文面だけをそのまま解釈すれば、業務にかかった分は顧客に請求できる。
しかしだからと言ってベイジ側の至らない部分まですべて請求していると、顧客とのトラブルの火種になりかねない。そのため、請求金額に調整が入りそうなときは、コンサルタントなりディレクターなりが内容を把握し、追加請求の妥当性を判断する必要がある。
先週、プロジェクトチーム内のやり取りで、「これは請求できるか?」という確認があった。その時は、「うちの過剰作業が主な原因だからそれはうちの責任、請求はできない」と判断した。準委任であっても、私たちが工数を適切に管理できていなかったことが原因であれば、その分まで「働きすぎたのでお金をください」と顧客に請求することはできない。これは準委任における「善管注意義務」に反するとも思う。
このようなやりとりがあった上で、さらに今週、「顧客起因で追加稼働が発生したので、請求した方がいいのでは」とデザイナーからの確認が上がった。
こうしたことは確かにディレクター側の職務領域ではある。しかし、ディレクターは各デザイナーの作業の詳細までは把握できない。なのでデザイナーの方から「これは当初の予定にないし、顧客起因の作業だから、請求した方がいいのでは」と言い出してくれると、非常に助かる。
当たり前のことのように思えるかもしれないが、デザイナーをはじめとするクリエイターは、こうしたお金周りのことに無頓着な人も少なくない。しかし、自分の仕事の価値を高めたいのであれば、自分の仕事とお金の関係を、常日頃から意識しておくことは重要である。
このような意識が拡がることは、チーム全体にとってもプラスになる。これからも、お金のことはクリエイターになるべく考えさせないなどと思わず、手間は増やさず、クリエイター自身が自然にお金のことを考えていけるような環境は、積極的に作っていきたいと思う。