どうやって不安と向き合う?社員が実践する4つの方法

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先日、全社員向けの昼礼で代表・枌谷さんから「不安のマネジメント」についてレクチャーがありました。誰しも日々様々な不安と向き合いながら過ごしているもの。そんな誰もが抱える「不安」について、レクチャーの最後に「皆さんの不安に立ち向かう方法も日報で教えてください」という問いかけがあり、その週の日報には社員それぞれが実践する、不安との向き合い方が共有されました。

ある社員は「不安がない状態は、むしろ成長が停滞しているのかもしれない」と指摘し、別の社員は「不安は日々何かに取り組むモチベーションになっている」と語ります。大切なのは不安をゼロにすることではなく、いかにマネジメントしていくか。

今回は、社員から寄せられた実践的な不安との向き合い方を紹介していきます。

不安を感じるとき

私たちが日々感じる不安には、いくつかの共通したパターンがあります。新しい環境や変化への不安、期待に応えられるかという不安、先の見えない状況への不安など、その形は人それぞれです。社員の声からも、そうした不安の存在が見えてきます。

  • 自分の役割が変わること、求められる成果が変わること、評価が変わること、人間関係が変わること
  • 不安というより、雰囲気に流され、やるべきことがあるのに手が進まないことがある
  • やるべきことがどんどん出てくる中で、これから起こりそうな悪いことをぐるぐる考えてしまう
  • 私の場合、不安の原因を掘り下げていくと『期待に応えられてなくて低い評価をされているかもしれない』が根本にあることがほとんど
  • もやもやしている不安が『何』なのか分からない。それが『どこから』来ているのか分からない。『どうやって』攻略すればいいか分からない

このように、私たちは様々な場面で不安を感じています。その不安は、時に私たちの行動を止めてしまうこともあれば、前に進むための原動力となることもあります。では、こうした様々な不安に対して、私たちはどのように向き合っていけば良いのでしょうか。

不安との向き合い方

社員の日報からは、不安との向き合い方に大きく4つのパターンが見られました。それぞれが試行錯誤を重ねながら、自分に合った方法を見つけているようです。

1.不安を見える化する

漠然とした不安は、頭の中だけで考えているとどんどん大きくなってしまいがち。そんな時、多くの社員が実践しているのが、不安を目に見える形にするアプローチです。

  • 紙に不安要素を箇条書きし、『根拠があるもの』『ただの思い込み・妄想』『一過性の感情』などに分類します。”全か無か思考”に陥ると、問題を必要以上に大きく考えてしまいがちなので、漠然とした不安を客観視してみたり、要素を小分けにしてみたりすると、解決法を見つけることができる
  • 朝起きたときに感じている不安を書き出し、その日の終わりに結果どうなったかを振り返る。試してみたときは、運が良いのか、不安が的中して最悪だった、ということはなく、むしろ杞憂にすぎなかったり、逆に良い意見をもらって不安が解消されたりした
  • 書く瞑想と言われるジャーナリングだが、頭の中だけでモヤモヤと考えていても思考が堂々巡りになるため、一定の時間内で頭に思い浮かんだことを紙に書き出すようにしている。後で見ても支離滅裂だったりするが、書き出すだけでもだいぶすっきりする

2.行動を起こしてみる

不安に対して「とにかく動く」というアプローチも多く見られました。考えすぎてしまう時こそ、具体的な行動に移すことで道が開けることもあります。

  • 不安なんて暇な時に肥大化させる幻覚なので、早めに忙しく対処するのが良い
  • やる気があって仕事ができるのではなく、とりあえず作業することでやる気がでる。気持ちより行動を優先し、『〇時になったらデスクに着く』『〇時になったら資料を開く』と時間を定めて実行する
  • 不安の根本をつぶすための行動をがむしゃらにする。不安に押しつぶされることがないのは、不安と同時に怒りも湧いているからかもしれない。怒りが不安を無理やり中和し、必要以上に落ち込むことなく仕事に向き合えている
  • Todoistというアプリをこよなく愛している。仕事の予定だけでなく、プライベートでやること、したいこと、忘れてはいけないことを全部このTodoistに突っ込むようにしている。朝起きたら今日のやること一覧を見て、自分ができそうな優先順位に並び変え、あとは粛々とそのリストをこなしていく

3. 視点を変えてみる

不安から一時的に距離を置くことで、新しい視点や解決策が見えてくることがあります。物理的な距離を取る方法から、意識的に考え方を変える方法まで、様々なアプローチが共有されました。

  • 本や映画、漫画の世界に入り込み丸一日物語の世界に逃避してひたすら現実を遠ざけることが多い。意識を完全に対象に没中させ、とにかく現実世界の『飲まれている自分』から焦点を外す。ムードに飲まれて手も止まるのと、ムードから離れて手が止まるのとでは、後者の方が予後が良い
  • 自動であっちこっちと発動してしまう思考を休ませるために、一息ついてメガネを丁寧に心をこめて拭いたり、食器を丁寧に洗ったりと、何かに丁寧に触れて集中する時間を設けてみる
  • 過去イチ大変だった頃の自分や、もっときつい状況を想像し比べることで、今の状況や不安はまだ何てことないと思おうとする。不安で押しつぶされそうな時、まずは今の状況を『不安を感じるほど悪くない』と思い込ませることが大切

4. 不安をポジティブに活かす

不安は必ずしもネガティブなものではありません。むしろ、それを前向きな力に変えている例も多く見られました。

  • 不安があるからこそ、未来のことを考えたり、新しいことを考えるきっかけになることが多かった。不安がなければ私は何も頑張れない気がする。不安は日々何かに取り組むモチベーションになっている
  • 災害への不安が高いことは、常日頃から防災についての情報をキャッチアップしたり、防災グッズの備えにもつながっている。キャリアや仕事においても、不安だから準備する、選択肢を増やすために学びを広げるなど、適度な不安は楽観的よりもよい結果をもたらすことがある
  • 不安に対して分かりやすく焦ってしまい些細な作業にもミスを生じさせてしまうという部分がある。だからこそ、より丁寧に、より慎重に物事を進められるようになった

おわりに

不安との向き合い方に正解はありません。私たちが不安を感じる場面は千差万別で、その対処法も一人ひとり異なります。

今回共有された日報の中には、見える化する、行動を起こす、視点を変える、ポジティブに活かすなど、様々なアプローチが見られました。それぞれの性格や環境、状況に応じて、自分らしい対処法を見つけていくことが大切です。

不安は誰もが抱えるもの。そのことを知っているだけでも、心が少し軽くなるかもしれません。皆さんが不安との向き合い方を考えるうえで、こちらの記事が参考になれば幸いです。

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