「たたき台」思考が仕事を前に進めてくれる

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エンジニア 竹内 快斗

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「それ自分の領域じゃないんで」と言って避ける前に、「たたき台は作れないだろうか?」という視点を持ってみると、案外自分でも出来そうなことが見つかる。

自分はサイトを実装する際「必ずデザインが無ければ実装出来ない」と考えており、デザイナーが提供するデザインを実装することしか当初頭に無かった。その考えが特段悪いとは思わないのだが、自分の場合はデザイン待ちが発生した時に、完全に自らの作業を止めてしまうことが問題だった。

その時に「デザインがまだなので作業出来ません」と言うのは簡単だが、プロジェクトには締め切りがあり、全員が協力して仕事を前に進めていかなければならない。

とあるプロジェクトでデザイン待ちの状況が発生したときに、改めて「いま自分でも出来ることはないか?」と考えてみると、デザイン関連の作業でも出来そうなことがあるなと思った。

自分でも着手出来そうなこととは、デザイナーがイチからデザインするページではなく、トンマナやフォントサイズ等の指示書を作って実装することを想定していたページの実装だ。既に大体のページのデザインはご作成頂いていたのでそのデザインを見ながら、デザインのたたき台になれば良いなという気持ちで、自分なりにトンマナを考えながら実装してみることにした。

後でチェックを頂き、フィードバックをもらうことを前提ではあるが、デザインのたたき台をウェブで実装するという形で進めてみたのだ。結果としては、特に問題は起きず、デザイナーさんの指示書作りの作業を短縮することが出来た。毎回このフローを取ることはないが、「たたき台なら作れるのでは?」と考えたことで、これまでの作業領域を見直すきっかけを作ることが出来た。

他にも、例えばベイジでは、主にコンサルタントが担当する顧客への連絡業務についても、自分ごと化されていて、「以下の文章でメールを送って下さい~」というやり取りをよく目にする。たとえその文章が完全ママで使えなくても、たたき台として十分なサポートになるし、それをそのまま送信するだけで済めば、これ以上無いサポートだろう。

一つだけ留意しておくと、エンジニアがデザイナーがあれもこれも出来なくてはならないということではない。

ただ、”デザイナー、ライター、コンサルタント、エンジニアだけができる”と思っていた仕事について考えを改めてみると、実は自分でもできる作業があるのではないか。専門的な知識やスキルを持つ人々への尊重は必要だが、それが強すぎると、必要なときに柔軟な動きがとれず、サポートの機会を逃してしまう可能性がある。

そこで、「たたき台を作るだけでも…」と考え直すことで、新たな作業領域を見つけることができる。そして、それは自分の仕事の幅を広げるきっかけになるかもしれない。さまざまな職能が集まる現場で働く上で、誰かのたたき台を作るというのは、非常に大切な考え方であると思う。

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