会社の将来像
私たちは、社員を環境変化に強いクリエイターに育て、より長く会社に貢献できることを前提に、キャリアパスを考えています。そのキャリアパスを実現するためには、私たちの会社自体の計画も明確にしておかなくてはなりません。ここでは、そんなベイジの将来についてご説明します。
今後の事業計画
私たちには、既に確立している事業の柱が一つ、これから確立したい事業の柱が2つ存在します。それぞれについて、以下のような計画で考えています。
BtoB向けweb制作
現在の主力事業です。強み、集客方法、マネジメントが確立していることから、今後もこの優位性を活用し事業拡大を目指します。制作工程のAI化など、web制作自体の先行きは不透明ですが、マーケティング提案力の強化や、UXデザイン/デザイン思考で用いられるメソッドの融合など、サービス内容を積極的に進化させていきます。ただし、高度な戦略提案とそれを具現化できる制作能力の両立を強みとする方針は変わりません。
なお、対外的にはBtoBを得意分野として打ち出していますが、受注案件の約2~3割はBtoC系の案件です。これは、BtoCでもBtoBのノウハウが活かせる領域がある、BtoCを知ることでBtoBの提案に厚みが出る、デザイナーやエンジニアに刺激を与えられる、といった理由からです。そのため今後も完全にBtoBに特化することは考えていません。
業務システム向けUX/UIデザイン
web制作に次ぐ事業の柱として私たちが目を付けている分野です。これまでSIerやシステム開発会社が担っていた業務システム分野は非常に大きな市場ですが、エンジニアが施したUIデザインで十分な業務効率の向上が図られないなど、デザイン不毛地帯にもなっています。この分野に繰り出しているデザイン会社もごく僅かで、ほぼブルーオーシャンに近い状態です。この市場を狙い、2015年頃から実績を積み上げてきました。
この領域には大きな可能性を感じています。予算規模が大きな案件が多く、広告領域のweb制作と比べて高い価格設定が可能です。また感性ではなくロジックが非常に強いデザインを求められるため、デザインシステムや未経験デザイナーに対する教育システムを構築することで、デザイナー人口を増やすことができるとも考えています。
ただ、業界体質等の問題で、web制作では経験しなかった新たな課題も見えています。BtoBマーケティングで培った知見をフル活用し、このような課題を乗り越え、この分野の開拓を本格化するつもりです。2020年ごろには、web制作との売上比率が5:5になることを目指しています。
自社サービス
ベイジでは過去に自社サービスの開発にトライしたことがありましたが、残念ながら、いずれも日の目を見ることはありませんでした。その大きな要因は体制不足と経験不足に集約できるでしょう。web制作の片手間で少人数の組織が手掛けられるほど、自社サービス立ち上げは甘くありません。
そのため、2014年頃からこの活動はストップしていましたが、人員も増え、クライアントワークを通じて様々な事業の知見も溜まってきたことから、自社サービス立ち上げのプロジェクトを2018年に再開しました。何を作るかは現時点では決まっていませんが、「自分たちが欲しいサービス」「あれば自分たちが助かるサービス」「ペルソナが自分たちになるサービス」を企画したいと考えています。また一連のプロジェクトを通じて、サービス開発の「手法自体の開発」も行っていきます。
なお、ベイジが受託と自社サービスの両立を目指すには、以下のような理由があります。
受託ビジネスは、様々な業界の企業と接することで、市場を肌感覚で理解し、刺激を受け、自ら変化することができるというのが最大のメリットです。一方、労働集約型ビジネスとなるため、リスクが少ない反面、大きなリターンも期待できません。工程を効率化し、規模を大きくしても、営業利益15%を超えられるかどうかという世界です。大きな利益を得るのが困難なビジネスモデルなのです。
自社サービスでは、ゼロからビジネスを作り上げます。非常に障壁が高く、成功はまったく保障されていません。しかし、この分野を上手に確立できれば、高い利益率を期待できます。また、クライアントワークでは試せないような実験的な試みも、自社の責任の下で実行できます。
このように、受託の良さと、自社サービスの良さを生かし、シナジーが得られるような会社を作り上げるのが私たちの目標です。一般的には「どちらかに集中しないとうまくいかない」と言われていますが、あえてそこに挑戦したいと考えています。
スタッフのキャリアパス
会社の将来を考えると、自然とともに働くスタッフの将来についても考えていくことになります。
長いキャリアの中で、やりたいこと、求められることが変わり、職種が変わっていくことは珍しいことではありません。その時に、キャリアがリセットされたり、会社を変わらないといけなくなったりするのではなく、今まで培ったスキルや知識を引き継げるようなキャリアパスを、できるだけ社内に用意しておきたいと考えています。
具体的には以下の図のように、スキルをクリエイティブ系とマネジメント系に分類し、それぞれに必要なスキルや志向性を明確にしたうえで、本人の希望を尊重し、新しい職種でも成功できる具体的な道筋を提示できるようにしています。また、時々職種を入れ替えるジョブローテーションを実践し、未経験の職種に触れる機会を設けています。
クリエイティブ系とマネジメント系に分かれているのは、基本的な思考様式が異なるためです。クリエイティブ系は挑戦・破壊を、マネジメント系は保守・調整をミッションとするためです。ただし、あくまで思考様式の問題であり、職種転換は可能と考えています。また、仕事の中では、どちらか一方だけでなく、もう一方の領域に時々触れながら、スキルの洗練を目指していきます。