インハウス化が進んでも生き残れる会社やクリエイターとは

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代表取締役 枌谷 力

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ある企業グループのWeb担当の方からサイトリニューアルの相談があった時の話。

その企業グループの中には、インハウスでエージェンシーや制作会社が存在するのだが、なぜあえて外部の会社に声をかけてきたのか、率直なところを聴いてみた。

回答は、その企業グループ内のインハウスの会社だと、Webの新しい技術には疎く、数字を追求するような企画や設計もできないから、といったことをおっしゃっていた。

すべてのインハウスの会社がそうだとは思わないが、確かに、優秀な測定ツールを導入しても、それを有効活用して具体的なプランまで落とす人材を育てるには一つのハードルがあるだろう。インハウスで特定領域にフォーカスしてしまうからこそ、全体を見渡した人材が育ちにくい、ということもあるかもしれない。また、様々な企業の様々なプロジェクトを体験するからこそ蓄積できるような知見の中には、インハウスでは手に入らないものもあるだろう。

デジタルマーケティングが浸透する中で、急速な変化に対応するため、デジタル担当チームをインハウス化する企業が増えることは容易に予想できる。

その流れの中では、これといった知識やノウハウもなく、リーダーシップもなく、御用聞きのような仕事をしているクリエイターや制作会社は淘汰されていくはずだ。御用聞きであることにしか価値のない会社は、社内事情に精通し、コミュニケーションの距離が近いことで、より仕事がやりやすいインハウスの制作チームにすべての面で劣るからである。

しかし、物事は全て一辺倒に流れるわけではない。デジタルマーケティングにおいても、インハウス化が常に最適解というわけでもない。

独立系の制作チームだからこそ、様々な企業とのコラボレーションから学んだ幅広いノウハウが培われている。特定のビジネスに依存せずに活動しているからこそ、Web全般の技術トレンドに敏感だったりする。資本が切り離された存在だからこそ、組織間のパワーバランスの影響を受けない客観的な提案ができたりする。

例えば会社経営とは本来はインハウスで完結すべきものだが、経営コンサルという外部からアドバイスや提案を行う仕事が存在するのは、社外からの視点に大きな価値があるからである。

同じように、インハウスにはインハウスの良さがある一方、インハウスじゃないからこそ持ち得る強みがあり、そのニーズがなくなることはないだろう。

ただし、先ほども言ったように、御用聞きのような仕事をしていてはダメだろう。インハウスのクリエイターを凌駕する明確な強みがあり、クリエイティブ、マーケティング、テクノロジーに関する幅広く豊富な知見を持ち、デジタルの特性を活かしてきちんと数字を追った明確な成果が期待できる提案ができ、クライアント企業のビジネスに対して対等に意見し、渡り合うような仕事ができなければ、インハウス化の流れの中で淘汰されていってしまう。

ベイジという会社は、そういったデジタルマーケティングの王道をきちんと理解した会社でありたい。そしてベイジで働く人たちは、デジタルマーケティングが進化し、業界、会社、職種が変わっても、器用に順応できる逞しいクリエイターに育っていってほしいと思う。

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