知識がないとフェアにもなれない

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代表取締役 枌谷 力

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一次的に自分を不利な状況に追い込むとしても、「フェアである」ということはとても大切なことではないかと思う。

もちろん、意図的に相手を騙そう、などと考える人は周りにはいないが、無知であるがゆえに結果的に偏った情報を与えてしまったり、相手を説得しようと必死になってつい大げさに偏った情報を与えてしまったり、ということはあるのではないだろうか。もちろん私自身、後から思い出してそう思えることがある。

そういった知識不足であるが故のアンフェアな行動を続けてしまうと、例え悪意がなかったとしても、先方がより正しい認識を持っていたり、あるいは結果が全く異なったものになってしまうと、「アンフェアな人」と思われてしまうリスクがある。

Webにはその時々で注目されるテクノロジーやトレンドがあるが、流行しているものの取り扱いには特に注意が必要である。しっかりと学習もせず、それがすべての企業に当てはまるかのような説明をしたり、ある特定の手法でビジネス上の課題の多くを解消できるような言い方をしたり、絶対に得をするかのような針小棒大な物言いをしたり、考えるべきリスクを理解せず事前に提示しなかったりしていると、当人は悪意がなく、本当にそれが価値あるものと思って提案していても、結果的には信頼を損ねてしまうこともありえる。

また、フェアであるための知識には深さ以上に広さも重要である。様々な技術や理論が交錯するWebでは、視点が変われば評価が変わるということが往々にして起きる。マーケターだ、UXデザイナーだ、IAだ、デザイナーだ、エンジニアだ、という自身の職能にとらわれすぎ、自らが属する世界の知識や価値観しか知らないと、良かれと思って提供した情報が「都合よく解釈されたアンフェアな情報である」「そんな情報を提供する人は信用できない」となってしまいかねない。

言い換えるなら、知識獲得をしないというのは、悪意がなくても、Webの世界では「アンフェアな行為」ということなのかもしれない。あるいは、フェアな人であり続けるためには、知識に貪欲でなければならない、ともいえる。さらには自分の知識はまだ不足しているのでは?と疑問を持ち続けることも必要だろう。そうやって多くの知識を求め、多様な価値基準を知っていけばいくほど、よりフェアな判断、フェアな対応ができるようになっていく。

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