ぼんやり焦ることがある。特に手元の作業に想定外の時間がかかったとき、「このことにこんなに時間を使っていていいのか?」「今すべきことは本当にこれなのか?」と気が散ってしまうことが多い。
予期せぬ遅れが生じると、その先の作業のスケジュールに影響が出たり、関係者に連絡をしなくてはならなかったりと、作業の遅れの取り戻す以外にもやることが発生する。本来すべきこと以外のそれらに時間を取られることも、「ぼんやり焦る」を生む原因になる。
ぼんやり焦ってしまうとき、初めは何からどのように手を付けてよいかわからず困っていたが、場数を踏んで少しずつうまく対処できるようになってきた。以下にその対処法を紹介したい。
自分は、やるべきことの他にまだやるべきことが積んであると「早く何とかしなきゃ」という気持ちになり、気が散る。なので、他のスケジュール調整や関係者への連絡など、作業以外にしなければならないことをとにかく先に片づけるようにした。取り組むべきことに腰を据えられる状態を早く作ることで集中度も上がり、以前よりも短い時間でリカバリーができるようになった。
また遅れが生じている場合、その先のリスクを回避するためにも遅かれ早かれ関係者に報告をしなくてはならない。であれば、連絡は早いほうが良い。
想定外の時間がかかったこと自体は、起こってしまった事実なので今さらどうにも致し方ない。事前の見積もりが甘かったのかもしれないし、予想していなかったトラブルのせいかもしれない。今後同じような状況にならないように具体的な解決策を考えて、次に活かせばよい。
大事なのは、リカバリーをしている間は反省に意識を向けないことだ。反省は常に後悔とともにあり、後悔は感情に負荷をかけ、結果気が散る。リカバリー中は目の前のことに集中し、「自分が今していることは、プロジェクトの成功にとって大切なことなのだ」という気持ちだけで取り組むようにする。
予定が狂ったときは、リカバリー術をトレーニングするチャンスだ。質を落とさず、より効率的に作業を終えるための方法を考えなくてはならない。たとえばツール類の使い方を見直すでもいいし、ゼロから作ろうとしていたものを何かで代用できないか探してみてもいい。
うまくはまれば次回からも効率的に作業ができるし、「何かを得てやる」という気持ちでリカバリーに臨めば、「自分は今こんなことに時間を……」という気持ちから意識を逸らしやすい。
ただし、緊急度の高い状況で一からやり方の見直しを始めると時間が足りなくなる。日頃からヒントになりそうなアイデアを溜めたり試したりして、「いざ」というときにすぐ使えるようにしておく必要がある。
「ぼんやり焦る」は、意識が今ここにないせいで起こるのだと思う。そのようなときは、たいてい過去や未来のことに意識リソースを割いてしまっている。焦るときこそ「今ここ」に集中力を注げるよう、これからも気をつけていきたい。