チームに信頼されるためにディレクターが意識すべきコミュニケーションルール

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コンサルタント 本山 太志

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ウェブ制作のプロジェクトは一部の小規模な案件を除き、チームを組んで遂行することが多いだろう。一般的にデザインやコーディングなどの過程はデザイナーやエンジニアといったクリエイターが担当し、ディレクターはプロジェクト全体の進捗管理や品質管理などのプロジェクトマネジメントを担当することが多い。

そうしたプロジェクトマネジメントを通して、顧客やチームメンバーの意思統一を図るためのコミュニケーションがディレクターの1つの役割だろう。

その役割において、ディレクターが制作チームから信頼されるために、意識すべきコミュニケーションのルールを考えて整理してみたので、この場で共有をしたい。

7つのコミュニケーションルール

①情報を整理してわかりやすく伝える

顧客とのコミュニケーションの窓口がディレクターの1つの役割のため、プロジェクトの情報は必然的にディレクターに集まりやすくなる。しかし、顧客から得られた一次情報をそのままクリエイターに伝えるだけでは、いわゆる「伝書鳩ディレクター」になってしまうだろう。

顧客からもらった情報を整理し、チームの共通言語に翻訳し、わかりやすく伝えること。それがディレクターが存在する意義であると思う。どう伝えればクリエイターが理解しやすいか?という視点は常に持っておくべきだ。

②自分の意見も伝える

「◯◯という要望を顧客からいただいたのですがどうすれば良いでしょう?」と「◯◯という要望を顧客からいただきました。私は▲▲だと考えるので、■■のように対応をした方が良いと思うのですが、××さんの意見も聞かせてもらえると嬉しいです」

どちらがメンバーにとってありがたいだろうか。前者は考えることを放棄し、すべてメンバーに答えを委ねているのに対し、後者は自分の意見を伝え、判断を仰いでいる。その意見が合っていれば、メンバーは「その対応で問題ありません」と1ラリーかつ「同意の意志」だけ伝えればやり取りが終わるため、時間の節約になるだろう。

仮に意見が誤っていたとしても、意見を伝えたことによって、考える基準が生まれ、「それは間違っている。なぜなら◯◯だからだ」という返答しやすくなる。

「どうすればよいか?」と聞かれてゼロから対応を考えるというのはアタマを使うものなので、メンバーの脳内リソースを減らさないためにもディレクターが意見を持って伝えるべきだろう。

③報連相にスピード感をもつ

ディレクターは、顧客から一次情報をいち早く取得できる状況下にあることが多い。「顧客の社内事情でデザインに変更点が発生した」「ウェブサイトの仕様を変更したい」といった顧客の変更要望から、「MTGの日程調整が確定した」、「要件定義書がFIXした」といった完了報告を顧客から受け取るのも多くの場合ディレクターになるだろう。

中でも変更要望はできるだけ早くチームに共有すべきだ。なぜならディレクターが情報がストップさせると、スケジュールを遅延させる原因となりうるからだ。

特に緊急度が高くかつプロジェクトに大きな影響を及ぼしそうな事項の共有が遅れると、その1時間、その1日がスケジュールの遅れに影響する危険性が高い。早く伝えてくれたほうが、メンバーとしても早めに対策を打ちやすくなるため、結果としてプロジェクトの成功に繋がりやすくなるだろう。

④明確に期限を切る

チームでプロジェクトを推進する場合、ディレクターはメンバーになにかと依頼することが多くなるが、期限を明確に切っているだろうか?

依頼内容は伝えているものの、期限を伝え忘れているケースをよくみる。「期限を切ると急かしているようで申し訳ない」という声を聞くこともあるが、それはディレクターとしての役割を果たしていないと感じる。

なぜなら、どんな仕事にも期限はあってしかるべきで、期限がない仕事はいつまでも遂行されないからだ。メンバーとしても、期限を示されることで、「緊急度」という基準が生まれ、スケジュールの中に組み込みやすくなるはずだ。

一方で、顧客の無理な要望に付き合う必要はないため、メンバーのリソースや忙しさを考慮しながら、現実的な期限の落とし所を調整することも信頼を得るために重要な1つの要素だろう。

⑤リマインドをする

④の「明確に期限を切る」と関連するが、期限を切ったら、スケジュール管理をするのもディレクターの仕事だ。依頼している仕事のボリュームにもよるが、粒度が大きいものであれば、1週間前や3日前に進捗管理をすることはもちろんのこと、小さい依頼ごとでも返事がない場合は、送りっぱなしにしてはいけない。

依頼された側が見落としていることも考えられるし、「リマインドが来ないので、そこまで急がなくて良いと思った」と解釈されてしまうこともあるためだ。メンバーから返事があるまでリマインドを徹底しよう。

⑥すぐ動く

ディレクターは「あの情報ってどこにありましたっけ?」、「◯◯の情報が欲しいので、顧客に確認をしてもらえませんか?」といった依頼をメンバーからされることがよくある。わたしはこれらの要望に対して5~10分程度で解決できる要望であれば、すぐ動くようにしている。なぜならこのスピード感がメンバーの安心感・信頼感に繋がると思うからだ。

もちろん時間帯によって打ち合わせですぐ動けなかったり、メンバーの要望によっては確認に時間がかかるものもある。そういった場合は「今日の18時までに確認します」と一次返信をしたり、「来週の水曜日まで時間をもらえるとありがたいのですが、間に合いますか?」といったコミュニケーションを取るとメンバーも安心できるはずだ。

⑦リアクションをする

本当に忙しいときは、すぐ動けないときがあるし、返事ができないときもあるが、チームでチャットツールを利用しているのであれば、スタンプでリアクションすることはできるし、そのワンアクションあるだけでも安心感につながるだろう。

メンバーにとって最大のストレスや不信感は、何よりも「読んだか読んでいないかわからない状態が続くこと」だ。リアクションをしないことはメンバーの信頼を損なう行為だと認識したほうが良いだろう。

まとめ

ディレクターがチームメンバーの目線を持つことで、コミュニケーションが円滑に進み、生まれるチームワーク、一体感はあると思う。それがプロジェクトを成功させる要因の1つでもあるだろう。

ここで書いたコミュニケーションルールを意識しながら、チームメンバーから信頼されるディレクターでありたいと思う。

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