「仕事で大事にしていることは?」と問われると、いつも真っ先に浮かぶのは「スピード」だ。
ベイジの面接でも似たような質問をされ、スピードと答えた。 これは単なる個人的な信条ではなく、これまでのクライアントワークを通じて培った確信に近いものである。
私は、ビジネスの世界で、「速さ」は紛れもない価値だと考えている。顧客は必ずしも専門家ではないので、私たちが出す成果物の品質を直接的に判断することは難しい場合もある。しかし「時間」という価値基準は、誰もが体感できるので、判断材料として使われやすいのだ。
「スピード」と聞くと、ただ作業を早く終わらせることと思われがちだが、それだけではない。クライアントワークの場面では、時間こそが顧客にとって直接的な価値となることが多い。
クライアントワークの場面では、時間こそが顧客にとって直接的な価値となることが多い。例えば、新規サービスを立ち上げ、そのウェブサイトの新規構築提案をする機会があったとする。通常半年を要する案件に対して3ヶ月での完了を提示できれば、それは他社との差別化要因となり得る。これは競合他社が半年のスケジュールを提示する中で、明確な優位性を示すものである。
このスピード感は、単なる制作期間の短縮に留まらない価値を生み出すことがある。例えば、ウェブサイトは市場投入のタイミングが事業成果を大きく左右する。3ヶ月の短縮は、顧客にとって売上機会の創出や競合他社への先行といった具体的な事業価値をもたらす可能性が大いにあるのである。
ベイジでは、品質を保ちながら制作スピードを上げる方法を模索している。
過去のプロジェクトの制作過程をひとつひとつ確認し、改善点を洗い出しながら、自分たちのワークフローをより効率的にする方法を探っている。
ワークフローの変更は顧客や関係者に影響が出ないよう慎重に進める必要があるため、通常は時間がかかるものだ。しかし、1か月という短期間で新しいワークフロー案を練り上げ、即座に反映させ、半年以内での完全導入を目指している。
このような早さで変革を実行しようとしている姿勢こそが「スピード」の体現だ。
とはいえ、スピードを追求する中で、品質を犠牲にするわけにはいかない。
スピードは、品質を顧客に感じてもらう手段であり、プロセスの見直しや効率化の先にある「付加価値」だと考えている。顧客に「早い」「頼りになる」と感じてもらえる瞬間こそ、私たちのスピードと品質が重なり、信頼関係が築かれる瞬間なのだと感じている。