ウェブサイトの一覧ページでよく目にする「1 2 3…」というページ送りの機能、いわゆるページネーション。ウェブサイトを制作していると、このページネーション実装について悩むことがある。
先日も話題に上がったのだが、「必要か否か」「1ページあたりの表示件数」など、判断に迷う部分が多い。
ページネーションを実装する理由としては、記事が多い場合の読み込み時間短縮や、再訪時の位置把握のしやすさが挙げられる。
また、アクセシビリティの観点からも、「もっと見る」ボタンを押し続けて永遠にスクロールできる仕様よりも、ページ数で区切った方が使いやすいとされている。
とはいえ、最近よく見かける「スクロールすると自動で次のコンテンツが読み込まれる」仕様(無限スクロール)で、実際に読み込み速度の重さを感じた経験は個人的には少ない。むしろページ送りの操作自体が面倒に感じることも多いのが正直なところだ。
実際の利用シーンを考えると、前のページに戻り「さっき見たもの」を確認したい場合に使うことが多いという意見があった。直近利用したもので例えると不動産情報サイトのSUUMOや、写真素材サイトのGetty Imagesなど、大量の選択肢から目的のものを探すサービスでは、進む時よりも戻る時の方が活用頻度が高いと感じる。
このように、多くの選択肢を比較検討しながら最適なものを選ぶような場面では、ページネーションによって「どこに何があったか」を記憶しやすい仕組みが重要になってくるのだ。
表示件数については、多すぎると情報の取捨選択が難しくなり、少なすぎるとページ切り替えの手間が増えてしまう。そのため、標準的なデスクトップ画面で3回程度のスクロールで全体が見渡せる程度の15件(横3列で表示する場合)を基準に考えていた。
しかし改めて普段利用しているサイトを前提に考えると、コンテンツの性質によって適切な表示件数が異なってくるように思う。
このように1件あたりの情報量や、ユーザーが一目で理解できる内容の密度によって、適切な件数を検討していく考え方もあるだろう。
他社サイトの表示件数をそのまま採用するのではなく、まずは自分で使ってみて体感することが重要だ。正解は一つではないからこそ、各サイトのコンテンツや利用シーンに合わせて最適な形を探っていきたい。