デザインを複数案作る時の心得

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デザイナー 岡本 早樹

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デザイナーであれば誰しも「複数案作って提案する」という経験があるだろう。

例えば与えたい印象が複数あり、どれを優先させるかビジュアルを踏まえて検討したい時、コンセプトは1つでも表現方法に幅がある時、など案件や顧客によって様々だ。

今日はそんな場面で心得ておきたいポイントをまとめた。

各ビジュアルで表現したいことを考える

複数案作るとなると表層の“見た目の違い”ばかりを意識してしまい、結果それぞれの案で表現したいことが曖昧になることがある。

それぞれの案で表現したいことは何なのか、そしてそれがどのような印象を与えることを目指すものなのか、まずは言語化できるまで考える。

個人的に言葉よりも具体的なイメージが先行することが多いが、先行したイメージを言語化→言葉で考えてイメージを調整→と行き来しながら明確にしてくと良いだろう。

印象の違いが明確に分かるように、振り切ったビジュアルを作る

与えたい印象ごとに、違いが明確なビジュアルを作成しておく。

デザイナーであれば少しの違いで別の方向性として捉えられるが、ぱっと見の印象が似たようなビジュアルだと、一般的なビジネスパーソンが見てもいまいち違いが伝わらないこともある。

与えたい印象が複数ある場合、印象ごとに大きく振り切ったビジュアルを作っておくと、顧客はどの印象を優先するとよいか検討しやすくなるだろう

各ビジュアルのメリット・デメリットを含めて伝える

作った案に対して「これは〇〇な印象を与えることを目指しています」という説明だけでなく、その見せ方をすることで想定されるメリット/デメリットを伝えられると良いだろう。

例えばウェブ制作会社に、自社のコーポレートサイトのデザインを提案する場合

  • A案:大企業然としていて、突き抜けたものは作らないが、やるべきことはきちんとやってくれそう
  • B案:クリエイター気質で、仕事の進め方はマイペースそうだが、突き抜けていいものを作ってくれそう

ここではきれいな言葉でまとめるのではなく、相手が想像しやすいようないわゆる「本音」感があると顧客も検討しやすいように思う。

選択を顧客任せにせず、意志をもって提案する

ここまで複数案作成する時の心得を書いてきたが、そもそも特に理由もなく「3案作ってそこから選んでもらおう」という考えはNGだ。

最終的な決定権は顧客にあるが、「御社は〇〇だからA案が良いと思います」と提案するのがプロのデザイナーだろう。

複数案の中で「御社のデザインはこれが良い」と理由を伝えられる状態にしておくことが大切だ。

さいごに

これまでよく考えず、数を出すことに集中してしまい“絶対選ばれないであろう案”や“絶対選ばれないであろう奇をてらった案”などを無駄に作ってしまった経験もある。

そもそも複数案作る必要があるのか?と考えること、複数案作るのであればそれが無駄にならないよう上記のことを心得ておきたいと思う。

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