言葉の意味を意識するだけで、伝わりやすさは爆上がりする

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小林聖子

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私のベイジでのミッションは「品質管理」だ。簡単に言えば、ライターが書いた文章がベイジとして納品できる品質なのかどうか、外に出す前にチェックする仕事だ。

ほぼ毎日、何らかの文章をレビューしているが、その際に特に気にしていることがある。

「このライターは、この言葉をどんな意味やイメージで使っているのだろう?」


自分の“常識”を疑え

「え、書いてある通りじゃないの?」と思うかもしれない。

しかし、言葉というものは、使う人がどのようなイメージでその言葉を選ぶかによって、意味合いが変わることがある。これは会話でも同じだ。

例えば、太陽の色は何色だろうか?

日本では、多くの人が「赤」と答えるだろう。日の丸の影響もあるかもしれない。しかし、世界的に見ると、太陽の色は「黄色」が主流だ。アメリカやスペインの子どもたちは、太陽を黄色いクレヨンで描く。


常識の差異

常識というものは、世の中に想像以上に多く存在する。

例えば、犬の鳴き声は日本では「ワンワン」、アメリカでは「バウバウ」だ。つまり、「みんなそう思っているはず」が、相手の頭の中では全く違うイメージで再生されていることもあり得るのだ。「太陽」と一言で言っても、赤い太陽を想像する人もいれば、黄色い太陽を思い浮かべる人もいるように。

冒頭の私のレビュー作業で言えば、ライターが意図した意味合いで正しく汲み取れなければ、とんちんかんな指摘をしてしまうという恥ずかしいことになる。

その言葉、どういう意味で使っていますか?

例をもう一つ挙げてみる。

現代のマーケティングには様々な手法があり、それを実現するツールも多く開発されている。例えば、顧客管理について調べたい場合、「CRM」と検索すれば、多くのサービスページや参考記事が見つかるだろう。

ここで質問だ。CRMという言葉は、「マーケティング手法」を指しているのだろうか?それとも「それを実行できるツール」を意味しているのだろうか?

CRMは「Customer Relationship Management(顧客関係管理)」の略だ。言葉としては「管理」という手法を指している。つまり、


CRM=手法
CRMツール=ツール


という整理が成り立つ。しかし、実際には「CRM=ツール」として使われるケースも少なくない。

例えば、

「CRMとは顧客との関係構築のためのツールです」

という表現も一般的に使われる。

もちろん、伝われば問題ないと思うかもしれない。また、マーケティング業界ではCRMがツールとして認識されることも多く、その全てを「間違い」とは言いきれない。しかし、マーケティングの知識が全くない人が「CRMとはツールのことだ」と思い込んでしまったら、誤解を招く可能性もあり得るわけだ。

言葉への配慮が文章を磨く

言葉は誰に対しても共通のものだと思いがちだが、実際には個体差が大きいものだ。語彙力の違いもあるし、経験の差もある。そのことにいい悪いはない、ただ違いがあるというだけだ。

だからこそ、もしもこのような配慮ができるようになれば、あなたの文章はもっと伝わりやすくなる可能性はとても大きい。

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