2016年10月11日から13日にかけて、米ラスベガスで開催されたPubCon Las Vegas 2016の場で、Googleのサーチ関連トップアナリストであり、長年Googleの検索品質向上の責任者を務めたマット・カッツの後継者と言われているゲイリー・イリェーシュより、モバイル検索を中心にしたアルゴリズムの仕様変更計画が発表されました。ここで語られたモバイル中心のGoogleの新しい検索アルゴリズムは「モバイルファーストインデックス」と呼ばれています。
背景にあるのは、スマートフォンを中心としたモバイルの急速な浸透です。PCによる検索自体は減ってはいませんが、それを超える勢いでモバイルによる検索が浸透しており、2015年の時点ですでに、日米を含む10か国において、モバイル検索がPC検索を上回っているという公式発表を行っていました。 一方で、Googleの検索はPCでの検索、PC向けWebサイトのコンテンツや品質を基準にインデックスされ、アルゴリズムが形成されてきました。このような背景を踏まえて、PC中心からモバイル中心のアルゴリズムに移行する、というのがGoogleの真意です。
この変化は、特に企業のSEO戦略に大きな影響を与えると考えられ、SEO界隈を中心に大きく話題になりました。 ただし、2017年時点で、その具体的な手法や実施時期などは明らかにされていません。Googleの検索自体はすでにコンテンツを重視したアルゴリズムに移行しており、適切なコンテンツを、ターゲットデバイスを適切に設定し、対策を行っている企業であれば、大きな影響を受けないと考えられます。
また、多くのBtoBサイトなど、そもそもPCでの訪問の方が多く、PCファーストで作られるべきWebサイトまで、モバイル優先のアルゴリズムに変わるという話ではないとも考えられます。
さらに言えば、Google側も多くのWebサイトに大規模な変更が必要となるようなアルゴリズムにするとは考えにくく、モバイル対応されている/いないという単純評価でランキングを決定するのではなく、現在同様、様々な評価指標を複雑に併用して、決定されるものと考えられます。
Webサイトを運営する企業や制作会社は、モバイル中心のアルゴリズムに移行するという全体の流れは意識しながらも、基本的にはユーザに向けて有益なコンテンツを最適な方法で提供するという、これまで同様のことにフォーカスしておけばよいと、私たちの会社では考えています。