一ヶ月間のリモートワーク実施で感じた実践のポイント

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執行役員 / コンサルタント 今西 毅寿

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ベイジでは新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、2月の後半からリモートワークを進めてきた。ディレクターである自分は以前より社外で仕事をすることも多く、比較的スムーズに移行することができたが、全社的にリモートワークに取り組む上では、円滑な仕事の進行やコミュニケーションにおいてはまだまだ課題も多い。

一ヶ月間リモートワークに取り組んできたなかで、マネジメント面と個人での取り組みの2つにおいて、円滑に実践する上で必要と感じているポイントをまとめてみたい。

マネジメント面で実施していること

定例ミーティングの実施

リモートワークを始める以前より、毎週月曜日には全員のスケジュールを確認する「週間ミーティング」と金曜日にはプロジェクトごとの進捗を確認する「プロジェクトミーティング」を実施していたが、これまでと変わらず実施をしている。

週間ミーティングでは職種ごと、プロジェクトミーティングではチームごとに、各10分程度オンラインミーティングのツールに接続して開催しているが、ディレクターがスケジュールや管理シートを画面共有し、全員の予定確認やタスクの抜け漏れがないかを確認している。

各自が同じ画面を共有できることで以前よりも進行しやすくなっており、短時間で効率的にスケジュールや懸念事項の確認ができている。

日報とチャットで作業報告

リモートワークに入る前は、日々の作業予定や進捗状況の共有をどうするかが懸念事項の一つであったが、毎朝作業の開始前にチャットで報告するようにしたことで、誰がどんな作業をする予定かを知ることができる。

また、一日の終わりに書いている日報のなかでは、朝に報告した予定に対して進捗状況を報告している。急な依頼事項などで予定通りに進まないこともあるが、予定外の作業は「突発タスク」として共有することで、スケジュール遅延の原因が分かり対策を考えることができる。

オンラインで話す場を設ける

リモートワークになって感じるデメリットは、雑談をしたりランチに行ったりと、仕事以外のコミュニケーションを取る頻度がかなり減ったことだ。

オフィスで仕事をしているときは、気になることがあれば相手の席に行って話をしたり、1対1でショート面談をしたりという場があったが、リモートワークではかなり意識的に話す場を設ける必要性を感じている。

チャットは事実を端的に伝えることには向いているが、相手が抱えている悩みや不安はテキストからは見えないので、たとえ10分程度でもオンラインで顔を見ながら話をする機会を作った方がいい。相手の表情を見ながら話すことは、思っている以上に多くの感情を読み取ることができるし、円滑に仕事を進めることにつながる。

チャットはオープンチャンネルとDMを使い分ける

各プロジェクトのやり取りや事務的な共有事項など、基本的にはすべてチャットのオープンなチャンネルで投稿することにしているが、オープンな場では心配ごとや雑談などはしにくい人が多いのではないか。

オフィスで一緒に働いていれば、何となく雰囲気から余裕がある状態なのか、スケジュールに追われて焦っている状態なのかなどが伝わってくるが、リモートワークでは状況が見えづらい。

個別のDMで進捗状況を聞いてみたり、体調を崩していないかなどを確認した方が本人としても正直なところを言いやすいのではないか。雑談の機会が減っているからこそ、オープンチャンネルと個別のDMはうまく使い分けるようにしておきたい。

個人的に注意していること

ルーティンを決める

リモートワークだと通勤時間がなくなるので、朝の準備には余裕が出てくるが、これまでと同じ時間に起床し、朝食を食べ、身なりを整えてからデスクに座るようにしている。そうすることで自然と仕事モードに気持ちが切り替わる。

通勤時間はオフからオンにスイッチを切り替えるのにちょうどよい時間だったと思うが、自分の場合は仕事ができる支度をしてからネットで情報収集などをすることで、仕事モードに切り替わっている。

通知のコントロールをする

これはオフィスで仕事していても同様だが、メール以外に複数のチャットに参加していると、次々と通知が出てきて集中力が低下してしまう。

テキストコミュニケーションの頻度が増えるからこそ、集中したい時間帯にはメールソフトを終了する、チャットの通知をオフにするなどして、意識的に集中モードを作るべきだと感じる。

一人で仕事をしていると寂しいので、コミュニケーションが取れるチャットを利用しがちになるが、通知を切って集中して仕事をした後にチャットを開くなど、意識してメリハリをつける必要性を実感している。

ミーティングでは分かりやすいリアクションを取る

自分が参加する際に注意していることだが、オンラインミーティング中は相手の発言に大きく頷いたり、「うんうん」「なるほど」など適度に発話したりと、分かりやすいリアクションを取るようにしている。

以前に自分が話す立場のときに感じたことだが、複数人のオンラインミーティングでは、こちらの説明がうまく伝わっているのか、納得感を持って話を聞いてくれているかが分かりにくい。

大きく頷く、手で合図するなど、大げさなくらいリアクションを取った方が話している相手も安心して進行することができるだろう。

チャットでは感情を伝える

リモートワークでは業務連絡やちょっとした相談などが、チャットを通じて行われる。

オフィスであれば、「チャットでは通じにくいかな」「補足しておいた方がいいかな」と思ったら、相手の席まで行って説明をすることができるが、リモートワークではそう簡単にはいかない。テキストだけのコミュニケーションは、意図せず冷たい印象を与えてしまうものだ。

過剰に丁寧で冗長な言い回しをする必要はないが、必要に応じて絵文字や「!」などの記号を使うことで、文面から受ける印象をコントロールすることができる。また、テキストでは細かいニュアンスが伝えにくい場合には、事前に確認をした上で数分でもオンラインミーティングを実施した方がスムーズに進むこともある。

最後に

リモートワークを円滑に実践する上で必要と感じているポイントをまとめてみたが、今後もずっとリモートワークのままがよいかというと、そうは思わない。

同じ空間でディスカッションしながら仕事を進める方が意思疎通も早いし、何よりも会社のメンバーと一緒に仕事をしたり、ランチに行ったりとコミュニケーションを取ることは楽しい。

しかし、急遽スタートしたリモートワークの経験により、離れた場所で仕事をするために必要なノウハウも蓄積されてきて、自分たちはリモートでもやれるという自信はついてきた気がする。

大事なことは、リモートワークだからと言ってこれまでのコミュニケーションを省略するべきではなく、これまで以上に丁寧なコミュニケーションを取ることだと感じている。そのことを意識しておけば、リモートワークでもこれまでと同等以上に仕事の質を高めていけるのではないか。

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