「思考の垂れ流し」があなたのプロジェクトを救う

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ライター 西岡 紀子

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最近チームメンバーと話していて、あることに気づいた。それは「いい感じのプロジェクトのSlackには”垂れ流し”が多い」ということ。「垂れ流し」とは「思考の垂れ流し」の略で、自分の思考や仕事のアイデアなどを、社内チャットのSlackに自由に投稿することを指す。

投稿内容はなんでもあり。プロジェクトの戦略の仮説、デザイン制作のアイデア、ベンチマーク情報から顧客の最新ニュースの共有まで、頭に浮かんだことを言語化してそのままチャンネルに放流する。誰にもメンションをつけずに投稿するが、それを見たメンバーは、スタンプをつけたりコメントを入れたりして好きに反応する。

ただのひとりごとのように見える思考の垂れ流しには、実は多くのメリットがある。

  1. プロジェクト内の情報流通量が増え全体を把握しやすくなる
  2. 人の思考やアウトプットの過程がわかり自分の視野が広がる
  3. メンバーのアイデアが自分の仕事のヒントになる
  4. 自分の仮説やアイデアを壁打ちできる
  5. コミュニケーションのきっかけになる

これ以外にも先日まで担当していたあるプロジェクトでは、思考の垂れ流しによる意外な効果を発見した。垂れ流しが多いと、Slackのチャンネルがリアルに近い”職場”になるのだ。

会話のきっかけがたくさんあるから、オンラインでもメンバーに話しかけやすい。相手もすぐに話しかけてきてくれる。すると仕事がやりやすい。そしてちょっとしたトラブルもスムーズに乗り越えられるようになる。いわばオフィスで隣にいる同僚にちょっと相談して解決、のような行動をオンラインで再現できるようになっていた。

一方で思考の垂れ流しの弱点は、人によって向き不向きがあることだろうか。自分起点の発信が苦手だったり、思ったことを公の場に流すことに気おくれするメンバーもいるだろう。

私自身も、同じプロジェクトに垂れ流し上手がいれば乗っかれるかな、程度のB級クラス。「こんなこと垂れ流してもなんの役にも立たないだろうな…」と躊躇して、送信ボタンを押す直前で投稿を削除することもしばしば。

しかしベイジにはロールモデルとすべき、垂れ流しに長けたメンバーが複数いる。SNSで思考を大量露出している枌谷さんを垂れ流し界の頂点とするなら、周囲の反応を気にしすぎることなく、Slackに思考をガンガン垂れ流せるマスタークラスも、各職能に一名ずつくらいはいる。

垂れ流しによる複数の恩恵を享受してしまったからには、私も彼らを目標にマスタークラスを目指さねばならない。できるだけ自分の思考を言語化して垂れ流し、プロジェクトの成功とメンバーの成長に貢献できるようになろうと思う。

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