少し前に、とあるお笑いライブで1年分くらいのギャグを観た。
大量のギャグを浴びていると「よくこんなことを思いつくな」と感じるのと同時に、「こういうパターンで考えることが多いんだな」というのも見えてきて面白かった。
ギャグの構造を勝手に分類すると、以下の3つの分け方ができると思う。
①「納得」型
②「裏切り」型
③「破壊」型
最初に「なんだろう…」と思わせてからオチで「あ~〇〇ね」と思わせるような、疑問→納得の構造になっているギャグを①「納得」型とする。いきなり謎のシチュエーションや無言の動きから始まったり、よくわからないタイトルで始まるようなギャグはこの構成と考えられる。
一方で「これ〇〇だよな…」と思わせてからオチで「いや✕✕かい」と思わせるような、予想→裏切りの構造になっているギャグもある。これを②「裏切り」型とする。普通のタイトルや見慣れたシチュエーションから始まるギャグや、馴染みのある曲の替え歌ギャグは、この構成と考えられる。
そして①にも②にも当てはまらない、意味不明だけど笑ってしまうような、構造もクソもないパワーや勢いを持っているギャグを③「破壊」型とする。
上記のように頭を整理してみて気づいたのだが、このような「予定調和をどう乗りこなすか」の構造は、ギャグに限らない「面白さ」の普遍的な要素だと思う。
お笑い以外のコンテンツ、たとえば音楽でも同じようなことが言えて、「絶対サビ来るな」と思うメロディーの後のサビは気持ちいいし、「2番からサビのメロディーが少し変わる」ことで裏切られるのも面白いなと思う。
もう少し踏み込むと「このコードからこのコードは安心感があるから締めに置く」「展開に変化をつけたいからあえて意外性のあるコードにつなぐ」みたいなコード進行の考え方もあったりするらしい。
予定調和に乗るか、裏切るかという2択は、人間の本能的な快楽を揺さぶるのかもしれない。
もちろん文章というコンテンツにおいても同様で
という3つの引き出しを持っておくと話の展開を考えやすいような気がする。
私が整理したギャグの構造は本当にそうなのかという妥当性は置いておくが、こうやってお笑いのように文章以外のコンテンツから感じた印象を抽象化して学びにしようとするのは面白いので定期的にやりたい。