デザイン作業の行き詰まりを解消する秘訣

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デザイナー 池田 彩華

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デザイナーの池田です。先日、ベイジの社内メンバーから「仕事で行き詰まることありますか?そんなとき何をしていますか?」と質問された。

失敗したり落ち込むことも日常茶飯事だが、ベイジで7年くらい仕事をする中で、いくつか私なりの対処法があるかも、と思ったのでまとめてみる。

マインド面

1. 完璧主義を捨てる

どんな仕事に対しても、完璧を求めすぎた頃があった。ただ完璧でなくても、「仕事を前に進めることが大事」だと気づくことがあり、考えが変わった。たとえば、顧客への提出のクオリティレベルには至っているものの、自分の中で納得がいかないこともある。時間とのバランスもあるから、初回提案では作ったものでアイデアを試してみる。納品まで時間があれば、提案後に「ブラッシュアップしました」と、顧客に提示することもある。

「完璧にできた!」と思っても、日が経つと違う知識や観点が身についてるので、新しくできていないところが見えてくる。この仕事をしている限りずっと続くものなので、そういう割り切りがあってもいいと思う。

2. 失敗を学びへ転換

仕事をしていると、うまくいくこともあれば、新しく挑戦をして失敗することもある。「失敗」と書くと、言葉に引っ張られて落ち込んでしまうタイプなので、「失敗は成長の一部」と捉えるようにしている。私が書く日報は、「◯◯で失敗した」と書かず「◯◯ということがあって、こういう学びがあった」と書く。失敗から学ぶスタンスで、言葉を置き換えるだけで自分自身の気持ちが少し楽になる。

私の習慣

3. 書く瞑想

瞑想というほどでもないが、1日の終わりに今日の出来事を思い出して日報を書く。私にとっては思考リセットの時間だ。日報を書かないと、もやもやが溜まる感じで頭がスッキリしない。不思議なことに、日報を書きながら何かの悩みや課題が解決することがあったりもする。

日報文化がない会社だったら、「日報を書く時間で、それなりの仕事が進むでしょう?」と言われそうだ。1日30分、週に換算すると2.5時間ほどかかるが、それ以上の恩恵を感じているので、日報がよいデトックスの時間だ。

4. 小さなステップに分割

タスクや悩みを小さなステップに分割し、1つずつ進めるようすること。大きな課題が手に負えないと感じると、思考がとまりやすくなる経験を何度かした。小さなステップにして取り組みやすくなる。細分化することで、何をいつからはじめて、いつまでにやるとリストアップし、それに従って動くようにすれば、気持ち的にも楽になる。

5. スケッチブックを活用

普段は、デジタルツールを使っているのだが、紙とペンを使うことがある。たとえば、設計フェーズなら思いつきのワイヤーフレームのラフを描いたり、デザインフェーズならアイデアのメモをやビジュアルのラフを描く。私は、頭にあるアイデアを発散するときに、アナログツールの方が向いている。個人的に愛用しているのは『マルマン ニーモシネ A4 無地』。

6. 環境を変える

ビジュアル制作時に、環境を変えることをよく行う。例えば、ウェブサイトのトップページを作成した後は、画像に変換して、別のPCやスマホでみる。印刷して確認する。いつもとは違う場所や環境でみると、新しい視点を得ることができるのでおすすめだ。

7. 休憩を取る

平日だと、オフィスにいる誰かに話しかける。週に1回は、整体や私用で2、3時間くらい休憩を取ることもあり、集中力が切れたときは、一回家に帰ってベッドに潜り昼寝をする。下北沢の蔦屋書店に行き、ぼーっと本を眺めたり、オフィス周辺の住宅街をぐるぐる散歩することもある。長時間、仕事をぶっ通しでやっていると頭がまわらなくなり、思考が鈍化するような感覚がある。定期的な休憩を取ることでリフレッシュして、気分転換になる。

8. 自分にあう自己ケアを見つける

椅子に座って仕事をする時間が長いので、肩こりが原因で頭痛になり、体調がかなり悪い時期があった。仕事に集中したいのに、体が重くて集中できない。ストレスや疲労が仕事をストップさせる原因になると気づいた。健康であることは、仕事する上で最も重要なことだと思う。私は、いろいろ試した結果、温泉と整体に通い、免疫力が高まる方法が1番フィットした。自分に合うケア方法を見つけるのも大事だと感じる。

他の人を頼る

9. 職種関係なく話す

誰かと話すことで新しい視点を得たり、アドバイスをもらえたりすることがある。デザインのことでも、デザイナー以外のエンジニアさんやライターさんなど他の職種でも話しかけることが多い。案件にまったく関係ない人のフラットな意見で閃くこともあるので、おすすめだ。

先日は、隣の席にコンサルタントの人が座っていたので、デザインを数分見てもらい、コメントももらったところ、「なるほど!」と自分の中で答えが決まることがあった。ベイジで活用しているバーチャルオフィスのDiscordでは、もくもく部屋やベランダなど、その場にいる人に話しかけてもよさそうなチャンネルがあり、実際に会話して救われることも大いにある。

10. 誰かを捕まて見てもらう

プロジェクトなど「この人にどうしても見てほしい…!」ということが何度かある。オフィスであれば、「ちょっと今いいですか?」と声をかけて移動時間中に話したり、ランチに行って会話したりする。オンラインなら「XX日のX時、XXXの件相談できますか?」とお時間もらったり、相手を捕まえて強制的に見てもらうことが多い。1人だと限界があるので、誰かを頼ることも大事なスキルだと思う。

11. 外部のデザイナーと繋がる

今のところ、ベイジを辞めるつもりはないが、市場感覚は大事なので、なるべく社外と繋がりを持つようにしたい派。もちろん社内に頼れる人がいる前提だが、外に1人くらい自分のデザイン師匠がいてもいいと思う。また、デザインのコミュニティに参加することで、他のデザイナーと繋がりができ、視点が広がったり、同じような悩みがあるのかなど、違う観点で自社を見ることもできる

さいごに

社会人になりたての頃は、うまく自分をコントロールできず仕事で苦しむこともあった。仕事を通じて価値観が変わり、どうすればパフォーマンスを一定発揮できるのか、そのコツがいくつか見つかった。この記事が駆け出しのデザイナーさんや、悩んでいる方のヒントになれば幸いです。

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