【書評】『いちばんよくわかるWebデザインの基本きちんと入門』~伝えたいことより伝わること

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デザイナー 岡田大悟

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Webデザインの基本を学ぶ

ベイジに入社して4ヶ月が経ち、デザイナーの課題図書として『いちばんよくわかるWebデザインの基本きちんと入門』(伊藤 庄平, 益子 貴寛, 久保 知己 , 宮田 優希, 伊藤 由暁 )を読みました。

経験の浅い初学者の視点で、この本から学んだことや、実務に活かせるポイントについてお伝えします。

書籍の概要と印象

この本は2017年に発行された、Webデザイン入門を目的とした教本だ。
発行から7年が経過していることを考慮すると、一部の情報は古くなっている可能性がある。しかし、デザインの基本からタイポグラフィまでを扱う前半部分は、今でも十分に参考になる内容だった。

特に初学者として参考になったのは、技術的な説明が豊富に含まれていることだ。例えば、PNG-8とPNG-24の違いなど。経験者にとっては大きなつまづきにならなくとも、こうした細部の理解ができるかどうかが初学者の不安を解消し、学びを深めていく大きな助けになる。

「伝えたいことよりも伝わること」の重要性

本書の第1章にあるコラム「伝えたいことよりも伝わること」は、自分にとって大きな気づきとなった。このフレーズは、Webデザインをはじめ、デザイン制作の本質を突いている。

  1. ユーザーニーズの優先
    サイトを利用するターゲットが求める情報と、クライアントが伝えたい情報は必ずしも一致しない。伝えたいことが伝わらなければ、ユーザーのニーズは満たせないので伝わることを優先すべきだ。
  2. 目的に立ち返る
    デザインの過程で迷ったときは、常に目的に立ち返ることが大切である。伝えたい内容が確実に伝わるよう、工夫を重ねる必要がある。
  3. 最適な手段の選択
    伝えたいことが伝わらないと感じた時、目的によっては必ずしも Webサイトが最適な手段ではない。クライアントの要望や課題解決を第一に考え、最適な解決策を提案することが重要だ。

学んだ理論

  1. 総合的スキルの必要性
    Webデザインは視覚的な要素だけでなく、企画から運用まで幅広い知識が必要である。常に学び続ける姿勢が重要だと感じた。
  2. ユーザー中心設計
    美しさよりも伝わることを重視する。情報伝達とユーザビリティを重視したデザインを意識した上で視覚的な美しさを追い求めたい。
  3. 技術とデザインの融合
    HTMLやCSSなどの技術スキルとクリエイティブな表現力の両立も大切だ。技術的な制約を理解しつつ、創造性を発揮することが求められる。

今後の仕事への応用

この本から学んだことを、今後の仕事に以下のように活かしていきたいと思う。

  1. 作業の開始時や停滞時に必ず目的に立ち返り、一貫性を保つよう心がける
  2. アクセシビリティとユーザー視点を常に意識し、チェックリストなどを活用して自発的に「伝わりやすい」デザインになっているか確認する
  3. クライアントの要望を丁寧に聞きつつも、最終的にはユーザーにとって最適な解決策を提案できるよう努める

まとめ

『いちばんよくわかるWebデザインの基本きちんと入門』は、技術的な側面だけでなく、デザインの本質的な考え方を学ぶことができる教本でした。
特に「伝えたいことよりも伝わること」を優先するという考え方をはじめとした第1章の内容は、プロフェッショナルなWebデザイナーとして成長していく上で重要な視点や情報が多く、常に心に留めておきたいと感じました。

ユーザーに伝わり、ユーザーと顧客の双方にとって価値のあるデザインを提供できるよう、技術と創造性を磨き続けていきたいと思います。

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