ChatGPTを「インタビュアー」として活用する

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デザイナー 新屋敷 章寛

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文章作成に取り組む際、何を書くべきか思いつかなかったり、考えがまとまらなかったりすることはよくある悩みだ。そんなとき、ChatGPTを「インタビュアー」として活用するという方法が非常に効果的である。

ChatGPTに質問してもらう効果

多くの場合、私たちはChatGPTに「〇〇について文章を書いて」と単純に指示することが多い。しかし、この方法では自分の頭の中にある漠然とした考えやアイディアをうまく表現できず、本当に書きたかった内容とはかけ離れた結果になることがある。

一方、「このテーマについて、インタビュー形式で質問してほしい」と指示を変えるだけで、ChatGPTが的確な質問を投げかけてくれる。この質疑応答プロセスを通じて、次のような効果が得られる。

  • 潜在的なアイディアが言語化される
    →自問自答では気づけなかった視点が、的確な質問によって明確になる。
  • 思考の抜け漏れを防止できる
    →ChatGPTが多角的な視点から質問することで、見落としがちな重要ポイントを拾い上げられる。
  • 論理的な文章構成が自然とできあがる
    →質問と回答の流れが、そのまま文章の骨格として活用できる。

ミーティング準備の実践例

こうした方法の活用例として、新しいプロジェクトのパートナー企業との初回ミーティングに向けた準備が挙げられる。「確認すべき事項」をまとめようとしたものの、頭が整理できないという状況は誰しも経験があるだろう。

そこでChatGPTに「ビジネスパートナーとの初回ミーティングで確認すべき重要ポイントについて、インタビュー形式で質問してほしい」と依頼すると、次のような質問が返ってくる。

  • 各社の役割や責任範囲について、どのように線引きしたいとお考えですか?
  • プロジェクト遂行における意思決定のプロセスはどのように進める予定でしょうか?
  • 今回の取り組みにおける成功をどのように測定しますか?
  • 過去の類似プロジェクトでの課題や成功事例があれば共有いただけますか?

こうした質問に一つひとつ回答していくうちに、自然と必要な確認事項が整理され、ミーティング準備のドキュメントが完成する。しかも、自分だけでは思いつかなかった視点も含まれているケースが多い。

インタビュー形式がもたらす、効果的なAI活用法

単に文章生成を指示するのではなく、「インタビュー形式で質問してもらう」というアプローチは、ChatGPTの活用の幅を大きく広げる可能性を秘めている。

特に効果的なケースは以下の通りだ。

  • 頭の中にあるものの言語化できていないアイディアを形にしたいとき
  • 複雑な問題について多角的に検討したいとき
  • プレゼンテーションや企画書の構成を練りたいとき

ChatGPTをインタビュアーとして活用することで、私たちの思考は整理され、アイディアは豊かに広がる。単なる文章生成ツールとしてだけでなく、思考のパートナーとして活用することで、より質の高いアウトプットが生まれる。日常業務のさまざまな場面で試してみると、思いがけない発見や時間短縮につながることも多い。

アイディアが行き詰まったり、何から手をつけていいか分からなくなったりしたときは、「インタビューしてください」という言葉を試してみてはいかがだろうか。

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