フェアな人になりたいなら学べ

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代表取締役 枌谷 力

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皆さんは「フェアな人」と思われたいですよね?
決して「ずる賢い人」と思われたくはないですよね?

ただこの「フェアな人」、仕事においては、正直で真面目に働いているだけではなれません。

フェアであるために必要なもの、それが十分な「知識」です。

フェアさに知識が必要なわけ

例えば、自分の会社のことを人に売り込むとき。

そんな時は、ポジショントークを極力減らし、お客様のメリットを最優先に考えた、できるだけフェアな姿勢で売り込みたいですよね。

でも、「自社のことしか知らない人」だと、自社のことしか話せません。そうすると、自然と偏った話し方になっていきます。

自社しか知らないから、自社に都合がいい話しかできなくなり、相手に「あの人はフェアじゃない」という印象を与えてしまいます。

一方で、「自社以外の会社のことも知ってる人」だと、他社と自社の違いを把握し、メリデメを客観的に話すことができるようになります。

そうすると、「あの人はフェアな話をしてくれる」という印象になります。

分かりやすく営業の例で話しましたが、これは他の職種に共通する話です。

デザインのことしか知らないデザイナーは、デザイナーにとって都合がいい話しかできなくなります。

そうすると、非デザイナーからは「フェアではない話をする人」という目で見られてしまう可能性があります。

これは、エンジニアも、ライターも、マーケターも、バックオフィスも、まったく同じですね。

「最低限の知識でいいや」と考えてる人は、自分がさっさと仕事を終えるために都合のいい、最低限の話しかできなくなります。その結果、アンフェアな印象を周囲に与えてしまいます。

「フェアでいようとする」というのは「知識を広く獲得しようとする」ということであり、「知識獲得に熱心ではない」というのは「フェアになる意志が弱い」と言い換えることもできます。「学ばない人=アンフェアな人」なのです。

「フェアな人間」と思われたいのなら、ちゃんと勉強しましょう、知識を身に付けましょう、やれる努力はやりましょう、というのがここで話したいことの総論です。

フェアな人になるための知識をどう身につけるか

知識を身に付けると言っても、私たちは受験生のように、1日に何時間も勉強に時間を取ることは難しいです。

それをやれてる人は100%成長するし、100%できる人になるでしょう。しかし、家庭の事情など、皆が必ずしもそうはなれません。

そのため、仕事をしながら、日常生活をしながら、知識を増やしていく、という習慣も併せて身に付ける必要が出てきます。

例えば、仕事をしていると、知らない言葉が出てくることがあると思います。あるいは自分が比較的弱い領域の話が出てくることがあると思います。

そんな時、その日のうちにそのことを調べてますか?

次回の打ち合わせまでに、その言葉を使った会話に参加できるように知識を身に付けてますか?

その日のうちに完全に理解できない難しいことなら、しばらくその情報を追いかけて、1か月後には話せるようになっていますか?

こうした日常の中の小さな積み重ねをする人、しない人でも、知識に大きな差がつきます。

そもそも、実際の仕事こそ知識を獲得する最大の機会であり、それをフル活用せず、読書や勉強会ばかり参加するのも、優先順位としては間違ってるかもしれません。

学ぶ機会を誰かに委ねるな

「今度教えてください」「今度教えてもらう機会があるのでその時に勉強します」という発言も、「やれる努力をしてない=フェアになる努力をしてない」という気がします。

業務知識の中で、教えてもらえることなどごくわずか、という仕事は多いです。特にコンサルやクリエイティブのような知識労働系の仕事ほど、その傾向が強いです。

仕事の多くは自分自身で考え、体験して、身に付けないといけないものです。だから自分で学び、自分で知識を身に付ける。これが基本でないといけません。

一方で、「教えてもらう」という受け身の姿勢の人は、人任せであり、知識獲得意欲が低い人に、私には思えたりします。

厳しい言葉でいえば、やるべき努力をしない人、怠けたがりの人、他人の知識にフリーライドして要領よく生きようとするずる賢い人、という印象すら抱きます。つまりアンフェアな人です。

以前読んだ以下の記事では、こんなことが書いてありました。

学歴より重要「独学力が高い人、低い人」決定的差

「日本人って先生病なんですよね」と言われるほど、多くの日本人は、学ぶときは、お師匠さんについたり、修業したりしないといけないと思っています。

しかし、いまはインターネットもあるし、何だって自分で学ぼうと思えば、お師匠さんがいなくても、修業をしなくても学ぶことはできます。

「独学力の高い人」は、他人に頼ることなく、自分で学び方を探し、成功へとつなげていくことができます。

「教えてください」「教えてくれないと分からない」という人は、まさにこの「先生病」といえます。自分では学べない。学ばない。でも、情報がこれだけたくさんある今の時代、それは「知識獲得に貪欲ではない」「学ぶ意欲が低い」ということだと思います。

これも突き詰めて考えると、「フェアな人間でいようとする意志が弱い」ということになるんじゃないかな、と思います。

「今度教えてください」「今度教えてもらう機会があるのでその時に勉強します」という発言でもう一つ気になるのは、なぜ「今度」と先延ばしするのか、ということです。

今は自力で学べるチャンスが沢山あります。

少なくとも仕事の中でそのことに課題を感じたのなら、いますぐ自分でできる範囲で解消しようとすべきです。

先ほど紹介した「分からないことがあったらその日のうちに潰す」もその一つです。

これをせず、先延ばしにし、さらに「教えてもらうこと」を前提に考える。

このような姿勢では、どんなに仕事をしてても年相応、キャリア相応に知識豊富な人にはならないだろうし、強みとする知識領域はできないでしょう。

このような教えてもらう前提、受け身の姿勢で知識に向き合うような人は、年相応の客観的でフェアな話もなかなかできないでしょう。

育成にも限界がある

もちろん、会社としては、学ぶ環境を整備していきたいです。

一人でも多くの人が成果を出せるよう、仕組みを整えてきたいです。「教えてください」と言われればできる限りのことは教えたいです。誰かに教えることを拒否するような文化には、決してしたくありません。

しかし、「本人に学ぶ意思がある」という前提があるから、それらが成り立つというのは、けっして忘れてほしくありません。

フルマラソンを走ろうと必死で練習している人に、シューズやウェアを与えることはしたいです。そのことで、4時間半で走れる人が4時間以内に走れるようにするサポートはしたいです。

でも、「自分では練習せずにフルマラソンを走りたい」と思ってる人に対しては、何もできません。そんな人には、会社も仕組みも無力です。

「教えてくれないと分からない」「今度その機会が来るまで自分では何もしない」というのは、「できるだけ練習せずフルマラソンを走りたい」という人と同じです。マラソンではなく他のことをしたほうがいいのでは?というしかありません。

そんな人をサポートするのは、実際問題とても難しいのです。学ぶことに他力本願な姿勢である人は、いくら仕事をしても、なかなか知識豊富な人にはなりません。結果、「フェアな人」ではなく、「アンフェアな人」「偏った話をする人」「都合のいい話しかしない人」「ずる賢い人」という印象を与えるようなコミュニケーションしかできなくなります。

そこで冒頭の質問に戻ります。

皆さんは「フェアな人」と思われたいですよね?

それならば、人に教えてもらうのを待つのではなく、自分で学ぶこともしましょう。それをしない人は、少なくとも仕事においては、「アンフェアな話をする人」という印象を与えてしまっても、仕方がないのです。

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