「気が利く」は才能ではなく、磨けるスキル

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エンジニア 永松 奈央美

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仕事をする上で、「相手のために、ちょっと先回りして動く」こと。いわゆる「気を利かせる」という行為は、円滑なコミュニケーションに欠かせない。

ただ、これは生まれつきの性格ではなく、経験によって磨かれるスキルだと私は思っている。

経験から身につく「相手を想像する力」

以前勤めていたアパレル販売では、「お客様に110%満足して帰ってもらう」を自分の中のテーマにしており、常に相手が何を望んでいるかを意識していた。

大学で音楽を学んでいた時も同様だ。言葉ではなく音で「今こうしたいんだよね」「OK、じゃあこう返すね」と、相手のやりたいことを感じ取って合わせるということを自然にやってきた。

そういう経験が体に染み付いている部分もあるが、リモートワークで文字でのやり取りがメインとなった今は、また少し違った点に意識を向けている。

例えば、メッセージを送る前に「これでちゃんと伝わるだろうか?」「相手はどう思うだろうか?」と一呼吸置くようにしている。対面でのコミュニケーションとは異なり、一度送ってしまうと表情や声のトーンで補足することができず、フォローするのが難しいからだ。

職場でも家庭でも同じこと

この話は、家庭でもよくあることだ。

トイレットペーパーが絶妙に数センチだけ残っていたり、ポットのお湯がなくなったままだったり。あるいは、シャンプーや洗剤が、中身が空のまま放置されていたり。

こういうことは、ほんの少し相手の状況を想像できるかどうかで、お互いの気持ちよさが大きく変わるのではないだろうか。

複数人が関わると、想像の難易度が上がる

ただ、1対1ならまだ想像しやすいが、仕事のように複数人が関わってくると、途端に難しくなる。この人には伝わっても、あの人には情報が足りない、といったことが起きる。

そういう時こそ、関係者それぞれの状況や立場を把握して、「この人は何を求めているだろうか?」と考えることが大事だ。

頭の中でフローチャートのように、「この提案をしたら、Aさんは予算を気にするだろう」「Bさんはスケジュールを心配するだろう」と、何パターンか想像力を働かせる癖をつけることが、より良い結果につながるのかもしれない。

想像を超えてくる人もいる

もちろん、世の中にはこちらの想像を軽々と超えてくる行動をする人もいる。「なんでそう行動するの?」「え、今そのタイミング?」と、理解に苦しむこともある。

こういう人と遭遇したら、これまで話してきたホスピタリティスキルとは別に、ある種の割り切りや、また別のコミュニケーションスキルが必須になるのだろう。そういったことも想像しながら、必要なスキルを身につけていきたい。

関係者を3つの視点で捉える

では、複数人が関わる場面で、どうやって「相手が何を求めているか」を想像すればいいのだろうか。

私が意識しているのは、関係者を大きく3つの視点で捉えることだ。

まず「意思決定者」。この人は何を基準に判断するだろうか。予算なのか、スケジュールなのか、それとも品質なのか。

次に「実務担当者」。この人は日々どんな業務に追われていて、どんな情報があれば作業がスムーズになるだろうか。

そして「情報共有が必要な人」。この人は直接関わらないかもしれないが、後から「聞いていない」とならないために、どのタイミングで何を伝えておくべきだろうか。

このように関係者の立場を整理してから情報を発信すると、「あの人には伝わったけど、この人には伝わっていなかった」という事態を減らせる。完璧にはできなくても、意識するだけで随分と変わってくるはずだ。

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