マーケティング、デザイン、キャリア

コミュニケーションとディレクション

人間活動のコミュニケーションというと色々な意味や目的を含んできますが、ビジネスに限ったことで言えば、コミュニケーションをする目的は「人を動かすこと」その一点に尽きると思います。これは企業のブランディングやプロモーションといった大きな話だけではなく、例えばWebを制作する時のクライアントとの折衝や、プロジェクトメンバーに対するディレクションにも通じることです。

その視点でいえば、人を動かなさいコミュニケーションは、ビジネス上では「失敗」ということになります。意図しない方向に人が動いてしまうコミュニケーションも同じでしょう。「指示通りに動いてくれない」とは、指示を出す側の人間(ex.上司など)が使いがちな言葉ですが、その指示が、意図した通りに人を動かすのに最適なコミュニケーションだったでしょうか。

ここからはアートディレクションとデザインの話にフォーカスしますが、デザイナーから昇格したアートディレクターは時に「かっこよくない」「空気感がいまいち」というNGの指示を出すことがあります。それを受けてデザイナーが生み出してくる結末が想像できない、あるいは意図した方向に作品がレベルアップしないのであれば、それはアートディレクションのミスである可能性が高いです。

もちろん、アートディレクターが明確に指示を出してても、受け手側のデザイナーに最低限の知識とスキルがなければ、より良いアプトプットにはなりません。なので、コミュニケーションミスが発生するのはいつもディレクションの問題だ、とするのは非常に危険な発想ですが、少なくとも自分がディレクションする立場になった場合には、このことを強く認識しておくべきだと、よく思います。

アートディレクターがコミュニケーションの結末を常に意識してディレクションし、受け手のデザイナーがそのディレクションを受けて、それまでに培ってきたスキルを最大限に引き出す方法をいつも考えていければ、おのずと良いものが生まれてくるものだと思います。

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