ただいま、会社のブランドを作り直しています。

お客様向けにネット上のブランド戦略を真剣に考え、提案することは日常的に行っていますが、では自社のブランドを同じくらい真剣に考えているか、と言われるとそうでもないところもありました。また今現在、株式会社ベイジのブランド=私のブランド、という面が非常に強いですが、組織として確立するためには、そこから脱却して本当の意味で会社のブランドを立ち上げなくてはならないとも感じています。

そこで、会社のブランドを再構築することを今年の目標として年初に掲げました。

やることといえば、ブランド理論や書籍で語られていることを割と素直に実行していくだけだったりします。ただ、当然知名度のあるメジャーブランドと同じ方法論でいけない部分や、差別化ポイントが見えにくいサービス特性、経済規模の小さいビジネスモデルなど、自社がポジショニングしている環境やビジネスの特性を考慮して、一般的なブランド理論を当社なりのものにカスタマイズしなければなりません。

現在は以下のようなコンセプトに基づき、ロードマップとアクションの洗い出しを行っています。

円の内側が社内で行う活動、円の輪郭上にある青い円が主なコンタクトポイントです。インターナルで組織の再編を行ってブランド基盤を強化し、コンタクトポイントを通じてエクスターナル・ブランディングを継続的に行っていく、というのが基本的な考え方です。

組織強化のためのインターナルなブランド活動として、具体的には以下のようなアクションを実施します。

目標の統一

何のために働くのか、なぜ上を目指さなければならないのか、という基本的なビジョンを全員で共有。全スタッフが本心から望み、行動できる、仕事を通して実現すべき目標を明確にします。これがブランド再構築のもっとも重要な起点と考え、年初に真っ先にディスカッションを行いました。

  • それぞれのスタッフの働く価値観の確認(済)
  • 自分が置かれている環境とリスクの把握(済)
  • 仕事を通して解決しなければならない課題の明確化(済)
  • 仕事を通じて達成しなければならない目標の決定(済)
  • 目標達成の指標の設定(済)
  • 目標達成時期の設定(済)

ブランドメッセージの再定義

社内向けの目標を元に、強みや今後ポジショニングすべき領域、競合や業界動向など、SWOT的な観点で会社を客観的に把握し、対外的にアピールすべきブランドメッセージの決定に繋げていきます。

  • メインターゲットの再確認(3月)
  • 競合他社ブランドの調査・分析(3月)
  • 自社のSWOT分析(3月)
  • ブランドパーソナリティの設定(3月)
  • ブランドベネフィットの再定義(3月)
  • ブランドメッセージの決定(3月)

サービスの再定義

ブランドメッセージ定義で検討した強みなどに従い、提供サービスのフォーカスを行います。現在のベイジのサービスラインアップは多すぎて、訴求ポイントがぼやけて、何でも屋のようにも見えます。ブランドコンセプトに応じたサービスの取捨選択を行い、より密度の高いブランドイメージの確立に繋げます。

  • 3つのサービスへの絞り込み(3月)
  • 各サービスのターゲット・ニーズの明確化(3月)
  • 各サービスのUSP(ユニーク・セリング・ポイント)の明確化(3月)
  • 各サービスの市場規模の調査(3月)
  • 各サービス名称の決定(3月)

価値観の共有

ブランドイメージ、再定義したサービスメニューを実行するために必要な価値観、哲学、こだわり、思い、自分たちのあるべき姿やパーソナリティを明確に描き、会社として大事にしたい価値観を共有します。

  • 行動指針の定義(4月)
  • 社内ルールやマニュアルの整備(4月)
  • 定例社内ディスカッションの実施(開始済み~随時)

知識の共有

ブランドイメージやサービスの要となるスキルを改めて洗い出し、整理します。獲得すべきスキルを明確にしたうえで、個々人の経験の違いを吸収する社内のシステムや制度を整備し、日常業務の中で自然と層の厚い強靭なチームが作れる基盤を作り上げます。

  • スキルリストの作成(4月)
  • 社内勉強会の実施(済・随時)
  • Webビジネスマニュアルの作成(4月)
  • 推薦図書リストの整備(4月)

チームビルディング

チーム構成を改めて整理します。大企業のような多様性を前提としたフラットな組織ではなく、職種、スキル、価値基準などを一定の幅の中に押さえた縦に長い同質型鋭角組織を目指します。

  • 4~12人体制時におけるチーム編成のアウトライン決定(済)
  • チームの起点となるコアメンバーの明確化(今年中)
  • チームリーダーに求められる資質の明確化(4月)
  • 採用基準の整理・再定義(3月)

評価指標の再構築

共有した価値観、獲得すべき知識、チームのあるべき姿に基づき、社内の評価制度も再編します。ブランドコンセプトと一致する評価指標こそが、会社のブランドを根底から支える基盤になると考えています。

  • ハードスキルシートの再定義・共有(4月)
  • ソフトスキルシートの再定義・共有(済)
  • 目標設定シートの再定義・共有(4月)
  • 定例面談の実施(済・随時)

 

一方、コンタクトポイントで行われるエクスターナルなブランディング活動は、以下のように考えています。

Webサイト

新しくなったブランドメッセージとサービス内容に合わせてWebサイトを再設計し、コンテンツ、デザインも含めて全面リニューアルします。ネット上のブランド活動における最大のハブとして機能させることを目標にします。

  • リニューアル(5/1目標)

ブログ

ブログの役割を再定義します。特に検索エンジン、ソーシャルメディア、Webサイトとの関連をさらに強化し、理想的なブランドネットワークを意識した運用を行っていきます。

  • ブログの更新コンセプトの明確化(4月)
  • デザインおよびナビゲーションリニューアル(5/1目標)

ソーシャルメディア

プロスペクトカスタマーの囲い込み、既存顧客とのエンゲージメント強化に、ソーシャルメディアを最大限活用します。ソーシャルメディア上の全スタッフのアカウントをブランドディビジョンと位置付けて、顧客に対して「役に立つ情報」を提供し、セルフブランディングを通じてのコーポレートブランドの確立を目指します。

  • ソーシャルメディア上での活動方針の決定(4月)
  • 全スタッフでの「役に立つ情報」の定期発信(5月~)
  • Facebookページのリニューアル(5/1目標)

自社サービス

年に1回自社サービスを立ち上げる活動を、ブランドの中心に据えます。各サービスを積極的にアピールするとともに、その取り組み自体を公開してブランディングに活用します。

  • iPhoneアプリのリリースと告知(5月?)
  • MEGAROCKのリニューアルと告知(7月)
  • 次期サービスの検討会発足(4月~)

外部サイト

外部のサイトでの露出方法も再検討します。特に会社のチームビルディングの要となる採用関連のサイトでは一貫性のあるメッセージを掲載し、ビジョンをともにできる人財の獲得を目指します。

  • 採用サイト上での訴求方法の変更(3月~)
  • ニュース系/メディア系サイトへの寄稿(継続検討)

イベント・交流会

当社のブランド戦略はデジタルコミュニケーションが軸となりますが、いかにO2O(オンライン・トゥ・オフライン)に繋げるかこそが、その効果を最大化する重要なポイントだと考えています。リアルに人と出会えるイベントや交流会への参加を重視し、今期より積極的に行っていこうと考えています。

  • 月2回以上のイベント・交流会への参加(継続)
  • 年間4回以上のイベント・交流会の実施(継続)
  • Webクリエイターズ・アライアンスの企画(5月~)
  • ソーシャルランチの活用(5月~)

顧客折衝

既にお客様となっていただいている方に高いサービスとバリューを提供することこそが、ブランド強化の一番の近道と考えています。Web制作というサービスの質的向上は当然のことながら目指しつつ、会社全体のイメージに影響を与えるような、これまでと違った見せ方や表現を試みます。

  • メールの署名・フォーマットの刷新(4月)
  • 名刺のリニューアル(4月)
  • 顧客対応マニュアルの作成(4月)

 

このような変化を加えることで、いつ、どのくらいの成果が出る未知数です。ただしこれらのアクションを一つでも多く実施していくことで、私たちが抱えている課題のいくつかは確実に解決し、スタッフが理想とするエクセレントカンパニーに少しでも近づくものと確信しています。またこのような自社を使ったブランド構築の経験は、クライアントへの提案にもよいフィードバックをもたらすことでしょう。活動期間は2012年いっぱいまでを考えており、5月頃から順次目に見える形で変わっていくと思います。

ちなみにこのプロジェクト、私が一人でやっているわけではなく、全社員で行っています。全てのアクションはディスカッションベースで決定しています。というわけで、私たちと一緒に会社のブランドをつくりながら、充実した自分の人生もつくっていきたい、という方の参加も大歓迎です。当社の採用ページからふるってご応募ください。

引き続き株式会社ベイジを、よろしくお願いします。