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BtoBサイトにありがちな、25のあやまち

私たちの会社は、ビジネス寄りで堅めの実績が多いうこともあって、BtoB系企業のお客さまからのお問い合わせが比較的多いです。また、私たち自身がBtoBビジネスをやっていて、Webサイトを使った集客を実現していることから、実践的なノウハウを活かしたご提案がしやすい分野であるとも思っています。

そんな、私たちのBtoBサイトに関する豊富な経験から、今回は、よくあるBtoBサイトの失敗パターンをまとめてみました。多くの項目に当てはまるWebサイトは、是非これを機に、リニューアルを考えてみてください。

1. 新規顧客ではなく既存顧客向けに作ってしまう。

BtoBビジネスでは、売上げの大半を既存顧客から上げていることも多いです。だからといって、Webサイトのターゲットを安易に既存顧客にしてはいけません。特に既存顧客対応は人的営業の役割で、Webサイトでできることはあまりない場合、Webサイトは新規顧客の獲得を主目的とすべきです。そこを見誤り、既存顧客のリテラシーに合わせたようなコンテンツでWebサイトを作ると、当然、成果を上げることは難しくなります。

2. ブランディングを主目的にしてしまう。

知名度の低いBtoB企業では、ブランドイメージの定着や転換を図る段階に到達していないことが多いです。その場合のWebサイトの主な役割は、集客と理解促進です。一見かっこいいけど、サービスを直接説明しないビジュアルやコピーより、多少泥臭くても、検索にかかりやすく、読んで理解しやすいWebサイトの方が、確実に成果を生みます。知名度のないBtoBサイトでは、ブランディングという観点は一度捨て去ることをおすすめします。

3. 投資対効果を考えないで予算を決めてしまう。

当たり前ですが、Webサイトは、100万円で作って3年間で300万円利益を出すより、300万円で作って3年間で1000万円利益を出すほうがいい、という発想で作られるべきです。将来を正確に見極めることはできなくとも、成功の可能性を高めることはできます。BtoBサイトでは利益計画が立てやすいにも関わらず、その視点もなく、根拠のない予算でWebサイトを作ることも多いです。結果、最初は安くても、長い目で見て損をしてしまいます。

4. 現実的な目標値を考えない。

顧客単価が高いB2B商材だと、月間数千の訪問数や1%以下のCV率でも十分に利益をあげることができます。にも関わらず、C向けのWebサイトなどと安易に比較し、非現実的な目標設定をしていることがあります。非現実的な高い目標は、施策の優先順位を見誤ったり、成果を失敗と判断したりするリスクがあります。リニューアルを計画する前に、Webサイトの現実的な目標値はどこなのか、というのはあらかじめ理解しておく必要があります。

5. ビッグワードしか狙っていない。

SEOが主な流入源なのに、キーワード選定で失敗してるBtoBサイトも非常に多いです。多いのがビッグワードだけを狙ってるケース。ビッグワードは競合が多く、適切なターゲットを見定めにくいため、必ずしも投資対効果が高いとは限りません。例えば「クラウド」でSEOを実施しても、競合が多い上、多種多様なユーザを含むため、成果は上がりにくいでしょう。闇雲にビッグワードを狙うのではなく、バランスのとれたキーワード選定が重要です。

6. 検索ニーズのないキーワードでSEOをしている。

逆の失敗パターンです。ニッチなサービスを提供しているBtoB企業は、ニッチなキーワードをメインキーワードにしがちです。しかし、そもそも検索されていないキーワードでSEOを行っても、やはり成果は出ません。例えば「クラウド 人事」というようなキーワードでSEOを施しても、この類のキーワードの検索は限りなくゼロに近いため、集客効果は薄いでしょう。SEOで集客するのなら、顧客が使っているキーワードに合わせるという発想も大切です。

7. 社名やサービス名でさえ、検索上位に表示されない。

一般用語を用いた企業名やサービス名だと、検索エンジンでの上位表示が難しくなりますが、これはビジネスをする上で大きなハンディとなります。しかし、その原因を調べると、そもそもSEO向きではない、つまり、適切なマークアップ、内部被リンク対策などが行われていないだけ、ということも多いです。逆にそれを抑えれば、問題が解決することも少なくありません。SEOの理解がない制作会社に丸投げしている企業にありがちな失敗例です。

8. 専門用語を連発する。

BtoBの商材は専門性が高く、必然的に専門用語を多用しがちです。しかしそのことで、分かりにくいWebサイトになってることがよくあります。新規顧客は、リテラシーが低く、判断基準が存在しないことも多いです。専門用語で埋め尽くされたWebサイトでは、そういったユーザを排除してしまいます。専門用語を多用して得することはありません。できるだけ平易な言葉で、Webサイト内のコピーを作り上げるようにしましょう。

9. ユーザ目線のコピーになっていない。

BtoBサイトではつい説明を難しくしがちですが、例えば「10種のファイル形式で出力可能」ではなく「フォーマットが豊富ですぐ資料化できる」というように、ユーザに何の得があるのか?という視点の文章でなくてはなりません。また、サービス名をメニューに並べてるケースも目立ちますが、サービス名だけではその内容が理解できないため、結果ユーザを逃がしてしまいます。Webサイトの隅々に至るまで、ユーザ目線のコピーを徹底する必要があります。

10. トップページで企業理念を見せてしまう。

多くの顧客は、企業理念に関心がありません。にも関わらず、トップページの特等席に「未来に繋がるイノベーションを」「私たちはコミュニケーション・デザイナーです」といったような企業理念を掲げ、風景のような抽象的なビジュアルを設置しているBtoBサイトが目立ちます。顧客がターゲットであれば、トップページは「顧客に対して何を提供しているのか?」をきちんと訴求しなければ、せっかく来たユーザを逃がしてしまうでしょう。

11. 強みをきちんと説明していない。

BtoBサイトでは、専門的なテーマを扱うが故に、強みの説明が曖昧になってることが多々あります。BtoBでは顧客が多層構造で、意思決定は時間をかけて合理的に行われるがゆえに、論理的で納得感のある説明を行わなければなりません。実績、お客様の声、シェア、設備や体制、第三者評価など、ユーザにとって分かりやすく強みを証明できる情報は色々とあるはずです。これらを、できるだけアクセスしやすい場所に配置することが重要です。

12. デザインを重視しない。

「うちは地味な会社だから」とデザインに消極的な会社も目立ちます。しかしBtoB企業こそ、Webサイトのデザインには配慮すべきです。知名度が高い企業やブランドは、Webサイトだけで印象が決まることはありませんが、あまり知られていないBtoB企業は、Webサイトのデザインだけで、企業の印象を判断されるからです。デザインを派手にする必要はありませんが、競合や世の中の平均的なWebサイトよりは「きちんとした会社だ」という印象を残せる「中の上」以上のデザインが、BtoBサイトには必要です。

13. オフラインでの検討プロセスを考慮しない。

BtoB商材では、購入までに社内稟議などが必要になることが多いです。このような、ネット外での検討プロセスへの配慮も、BtoBサイトには必要です。例えば、資料ダウンロードは、社内検討を進める担当者を強くサポートするでしょう。印刷にも対応できた方がいいでしょう。Webサイト内の文章は、知識がそれほど豊富ではない上司の存在も意識しなければなりません。このように、オフラインでの検討プロセスも想定した設計やコンテンツが必要なのもBtoBサイトの特徴です。

14. 選定基準を示さない。

BtoBの商材は、その場の気分で購入されることはほとんどありません。しかも、多くの顧客は、どれを選んでいいかわからない、という状況です。そのため、BtoBサイトでは、サービスの特徴を語るだけではなく、どういう基準で選べばいいかまでサポートすべきでしょう。選定基準を明確することで、購買の意思決定は前進します。また、役に立つサイトとして、顧客からも評価されるでしょう。顧客に喜ばれることを目指すのであれば、選定基準の掲載はおすすめです。

15. やたらとページを分割してしまう。

説明が多岐にわたると、ついページを分割してしまいがちです。しかし、ページの分割や格納は得策ではありません。一般的なBtoBサイトの1訪問あたりのPVは3~4ページ程度です。つまり、3~4ページ以内で理解してもらわなければならないのです。長すぎても見れもらえなくなりますが、別ページに隠されているよりは数段マシです。読んでほしい情報はできるだけ1ページにまとめ、なるべく少ない閲覧で理解できるように構成しましょう。

16. 営業をサポートしない。

BtoBビジネスでは、最終的な成約は、人的営業に委ねられることも多いです。もしそうならば、Webサイトは顧客をフィルタリングし、効率よい営業活動に繋げなくてはなりません。メールフォームなら、営業が事前に聴きたい情報も収集できたものがいいでしょう。価格や制約事項をきちんと提示しておけば、無駄な営業活動を減らすこともできるでしょう。BtoBサイトは、顧客視点であると同時に、営業を強力にサポートするツールでなければなりません。

17. 連絡先がすぐに見つからない。

「余計な問い合わせに対応したくない」という社内の声が上がり、連絡先が隠されてしまうことがあります。しかし、余計な問い合わせを減らすことを優先させてはいけません。それは、フォームの作り方などである程度フィルタリングできますし、電話なら、断ればいいだけです。お問い合わせが全然来ないと悩んでいる時に「たくさん来たらイヤだ」と回避策に思いを巡らす必要はありません。連絡先をできるだけ露出させることに注力しましょう。

18. よくある質問がない。

専門的なBtoB商材ほど、詳細を説明しきれないことが多いです。しかしだからといって、情報を隠し過ぎては、せっかくの見込み顧客を逃してしまいます。その対策として、顧客視点で必要な情報を再整理している「よくある質問」は非常に重要なコンテンツです。その動線は、サービス紹介のコンテンツ末尾や、お問い合わせ近くに設置することをおすすめします。よくある質問をうまく使うだけで、ユーザの理解度が上がり、お問い合わせ増に繋がります。

19. FacebookやTwitterを無意味に運営している。

FacebookやTwitterをやっているBtoB企業も増えてきました。しかし、そのBtoB商材は、ソーシャルでの販促に適したものでしょうか?知名度がない商材だと、Facebookページを見つけてもらうのは難しくなるでしょう。顧客がファン化する商材でなければ、フォローはされません。Twitterも同様です。もし、トレンドという以外の戦略も理由もなくSNSをやってるのなら、まずそれらは全てやめて、別のことに注力することをおすすめします。

20. 内輪受けのブログを運営している。

SNS同様、ブログ運営に苦心しているBtoB企業も多いです。何を更新していけばいいか分からず、内輪ネタを延々と更新しているものも目立ちます。採用目的であれば、それでも一定の意味はあるかもしれません。しかし、BtoB企業のブログは、顧客に役立つ情報提供であることが基本です。顧客にどういう情報を提供すると喜ぶだろう、どういうことに困り、それを解決する自分たちのノウハウはないか、という視点でブログを運営するのが正攻法です。

21. 専任の担当者がいない。

人的営業中心のBtoB企業にとって、Webサイトは「副業」であり、通常業務の合間に運営されてることが多いです。当然、専任の担当者を置いてあることも少ないです。しかし専任の担当者がいなければ、Webサイトは更新されなくなり、やがて風化し、結局、利益貢献しなくなります。Webサイトの規模、更新頻度などにもよりますが、Webマーケティングを理解する責任者とともに、運用を担当する専任担当者の配置を、リニューアルと合わせて検討することをおすすめします。

22. 安易にスマートフォン向けサイトを作る。

BtoB企業でも、スマートフォン対応を検討するケースも増えてきましたが、その商材が、スマートフォン上でどう見られているかは、冷静に分析する必要があります。レスポンシブWebのように、PCとまったく同じ情報を提供するのは適切でなく、専用サイトを立ち上げた方が良い場合もあります。ログを見れば、スマートフォンユーザはどういうコンテンツを見てるかなどの傾向もわかるでしょう。やみくもに作るのではなく、ニーズや商材の特性を踏まえて、判断しましょう。

23. ビジネスを考えられない制作会社に丸投げしている。

BtoB企業の中には、Webへの苦手意識からか、制作会社に丸投げしているケースも多々あります。Web制作会社は、もの作りに特化している反面、ビジネスが考えられるとは限りません。中小のBtoB企業であれば、ビジネスを考えられる会社の選定は生命線とも言えます。方法は色々ありますが、ビジネスプランをきちんと提案させるのも一つの方法です。逆に、ビジネスを考えられるWeb制作会社をきちんと選ぶことができれば、出遅れたWebの取り組みを挽回することもできるでしょう。

24. Webサイトは変えても自分たちは変わらない。

自分たちは変わらず、Webサイトだけ変えれば成果が得られると考えている企業は案外多いです。BtoBの購買プロセスは、Webサイトだけで完結しないからこそ、Webサイトだけでなく、仕事のやり方も最適化しなければなりません。集客やお問い合わせの動線を強化しても、窓口が対応できなければ、成果に繋がりません。営業がWebサイトを把握していなければ、掲載されている情報が十分に活かされません。Webサイトを変えるのであれば、それに合わせて、仕事の仕方も変えていかなければなりません。

25. インターネットを重視していない。

いくら優秀なWeb制作会社を選定し、どんなにいい提案を受けても、企業側がインターネットの価値を理解していなければ、成果に結び付けるのは難しいです。インターネットの重要性は分かっていても、日々の業務を優先し、Webサイトは後回し、大事なところは制作会社任せではいけません。きちんと成果を上げたいのであれば、まずは企業側もインターネットにきちんと向き合い、Webサイトの可能性と限界を知り、自社のビジネスに還元できることは果たしてなんなのか、ということを真剣に考えることが、なによりも大切です。

まとめ

これらの25のあやまちは、全てクリアしていなければいけない訳ではありません。ちゃんと考えがあれば、既存顧客をターゲットにしてもいいし、ブランディングを主目的にしてもいいし、トップページで企業理念を見せてもいいのです。一番大事なのは、「きちんと考える」ということです。そういう意味では、25番目のあやまちに、全ては集約されるのかもしれません。BtoBビジネスは、まだまだネットの可能性を引き出しきれていない業界、企業が多いです。是非、これらのチェックポイントで自社サイトを評価してみてはどうでしょうか。

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