デザイナーと働くなら知っておきたい4タイプのデザイナー像

世間一般ではデザイナーは一括りに語られがちですが、デザイナーも千差万別、一人一人に個性があり、異なる価値観を持っています。この多種多様なデザイナーを一種類にまとめて扱うことは、デザイナーとのミスマッチに繋がり、デザイナーを擁する組織のマネジメントにとって、深刻な問題を引き起こすこともあります。

自分自身は経営者兼デザイナーとして仕事をし、今まで多くのデザイナーを見てきました。その私の経験則でいえば、デザイナーは大きく4つのタイプに分類できると考えています。例えば採用面接などで新たにデザイナーと出会った際には、まずはこの4タイプを手がかりにして、その方の理解を深めていったりします。

私が考えるデザイナーの4つのタイプとは、縦軸に「挑戦的」「保守的」、横軸に「感覚的」「論理的」を置いた4象限で表現できます。以下がその図です。

4種類のデザイナー像

ここからは、理想実現型、成果追求型、共同作業型、実務遂行型の順に、それぞれのデザイナーの典型的な特徴について、もう少し詳しい解説を行っていきます。

理想実現型

自らが考えるデザインの理想を実直に追求するタイプのデザイナーです。

言語化できない感覚的・エモーショナルな領域を大切にします。デザイントレンドにも敏感です。「ダサい」ことを極端に嫌います。口癖は「本当にいいものが作りたい」です。ただし「いいもの」の定義は曖昧で、多くの場合は「自分がいいと思うか」に帰結します。ビジュアルに寄ったデザインを特に好む傾向があり、未熟なデザイナーはUXやユーザビリティやコンテンツよりビジュアルの印象を優先する傾向があります。

仕事のモチベーションは高く、非常に勉強熱心です。自分がいいと思うものを作るためなら時間を惜しみません。ディテールが好きで、普通の人が気づかない細部にも心血を注ぎ込みます。デザインのあるべき姿について語りだすと止まりません。勉強熱心なので基本的にはとても優秀です。あるいは優秀に育ちます。

ただし自我、あるいは承認欲求が強い部分がマイナスに働く場合もあります。ビジネス上の要求と承認欲求が対立する場合、理由を付けて後者を優先させる傾向があります。自らの美意識にそぐわない仕事が続くと会社を辞めてしまいます。給与や待遇、福利厚生、最新のマネジメント、売上や生産性は、モチベーションの源泉にはなりません。経営やビジネスサイドの理屈は頭で理解できても、それだけでは気持ちが付いていきません。近年のUXデザインの潮流に対して、その基本的な考え方に理解を示しつつも、手を動かすことができない人たちが「デザイナー」と名乗っていることを歯痒くも思っています。

新しいことに挑戦し、創造性を発揮する仕事を好みます。半面、ルーチン作業や事務処理が苦手です。仕様書や原稿をなぞるような仕事をさせるとミスを連発する傾向があります。バナーやLP制作の仕事ばかりになると会社を辞めたくなります。

結局は自分の感性を優先させるため、筋の通った言語化はやや苦手です。自分のアイデアや好みが採用されるための都合のいい理由付けをしてしまう傾向があります。ビジネスに貢献したいという気持ちはウソではありませんが、業界内の尊敬する先輩デザイナーたちから「すごいね!」「いい仕事してるね!」と評価されること方が嬉しかったりします。コンバージョン率が2倍になることより、デザイン賞を獲得することの方に喜びを感じます。オールドスクールなデザイナー像に近く、美大や美術系専門学校からデザイナーになる人に比較的多いタイプともいえます。

成果追求型

成果を上げなくては意味がないと考えているタイプのデザイナーです。

成果といっても「ブランディングに貢献する」といった曖昧な成果ではありません。利用者が増える、売上が上がる、コスト削減される、といった事業に直接影響する成果を求めます。近年のビジネスシーンで特に求められているデザイナーともいえます。元々理想実現型のデザイナーであったけど、紆余曲折を経て成果追求型になる場合もあります。ビジネスの成長・課題解決のためにデザインしているという点でいえば、本質的な意味でのデザイナーであり、スタートアップや事業会社が求めるタイプのデザイナーともいえます。ただし成果主義が行き過ぎて、デザインをドライに捉えすぎる傾向もあります。

目に見える数字以外の成果を軽視するため、感情に作用する非言語化領域/非数値化領域に無頓着です。理想実現型と同じく、モチベーションが高く勉強熱心な人が多いですが、優秀な理想実現型デザイナーが時に作りあげるような、一目見て心を鷲掴みされるようなデザインを作るのはやや苦手です。

業界のデザイナーの間での評価などはあまり気にしておらず、デザイナーより経営者やマーケターとの交流を好みます。勉強熱心であるためデザインには詳しいですが、例えばタイポグラフィなどのデザインの細部を深堀するより、マーケティングや経営などに興味が向かいがちです。UXデザインに対して好意的な印象を持ち、求められれば自らそれを利用します。A/Bテスト、グロースハックといった経験、知識も持っています。

このタイプも成長や挑戦を感じられない仕事は好みません。事業が安定してルーチンワークが多くなると、仕事や会社に興味を失いがちです。ルールやガイドラインを作ることは楽しめますが、それらを厳格に遵守することにモチベーションが保てません。特に他人が作ったルールは、守るより壊したいと思うタイプです。事業の立ち上げに関わることに喜びを感じるため、ジョブホッパー的なキャリアを歩むことも珍しくないでしょう。

共同作業型

チームで一緒にいいものを作り上げることにやる気を見出すタイプのデザイナーです。

クオリティや数字といった成果より、メンバーが喜んでいる、顧客が満足している、といった人間関係におけるポジティブな結果を大事にするタイプです。良いデザインを追求するうえで良好な人間関係や信頼関係の構築が重視だと誰よりも強く感じています。そのための関係構築が自らの強みと考えています。

チーム意識が高く、チームワークを大切にする反面、デザインや技術のトレンドにはやや疎い傾向もあります。不真面目な怠けものではありませんが、理想実現型や成果追求型ほどストイックに勉強しません。コミュニケーション能力が高く、それ故に知識や技術ではなく人間関係で問題を解決しようとしがちです。スキルや知識ではなく、人間関係に依存した仕事の仕方をする傾向があります。プレイヤーとしてあまり優秀でなくても、ディレクターやマネージャーになったときに才能が開花する可能性があります。

人間関係に依存した仕事を好むため、周囲に流されます。保守的な環境で働くとそれに馴染み、時代の変化に気づかず、いつまでも古い価値観を持ち、時代遅れの仕事の仕方をし続ける可能性があります。学習意欲が高すぎる理想実現型や成果追求型からは尊敬されないこともあります。

このタイプがチームリーダーになったとき、衝突を好まず、周囲の顔色を見すぎた結果、中途半端なデザインになるリスクがあります。短絡的に協調することを優先するがゆえに、成果やクオリティを追求せず、納期や顧客満足をゴールに仕事をし、結果として目立った成果が出ないというパターンに陥ることもあります。

組織やチームの規模がある程度大きくなると、デザイナーたちとの潤滑油的な存在として必要となります。また、共同作業型のデザイナーばかりを集めると、アットホームで衝突の少ない、一見過ごしやすい組織になります。ただし協調性を重視するあまり、ビジネスやデザインに対して妥協するような風土が生まれ、知識やスキルを軽視し、組織力が低下するリスクも高まります。

実務遂行型

与えられた職務をきちんと丁寧に遂行していきたいと考えるタイプのデザイナーです。

明確な指示を好み、速やかに対応します。曖昧な指示は好まず、場合によっては指示を出した側に差し戻します。9時-5時の働き方を好み、朝令暮改を嫌います。理想実現型や成果追求型のような時間を惜しまない働き方はブラック労働の温床と考えています。仕事以外に大事なことがあり、デザインは経済的手段と考えています。

0から1を生むことも1を10にすることも苦手ですが、10から11、12、13と段階的に改善するアプローチは得意です。創造的ではないと思われがちですが、経験者の発想力は豊かであり、それなりのクオリティのデザインを素早いペースで生み出すことができます。労働生産性が高く、作業量が読みやすいため、このタイプのデザイナーのスケジュール管理は容易です。創造的でなくともプロ意識は強く、ルール厳守、時間厳守を徹底します。

一般的なデザイナー像からするとクリエイティブではなく、デザイナーではない、とすら言われる可能性もありますが、組織がある程度の規模になると確実に必要になってきます。特に決まったスケジュールで決まったタスクが発生するサービス、運用案件を多く請けている受託会社では、地味な仕事に不満を言わずコツコツとミスなく時間内に仕上げてくれる彼らは非常に頼もしい存在になります。

元々デザイナーになりたかったわけではなく、消去法でデザイナーを選んできた人が多いです。そのためそれほど勉強熱心ではなく、同じやり方を繰り返します。トレンドには疎く、勉強会などにも参加せず、業界の著名人なども知りません。ただし仕事はでき、ルールの整備や品質構造の取り組みなどを任せると結果を出します。組織の立ち上げ期、成長期には不向きですが、拡大した組織を維持するフェーズで俄然必要とされます。

デザイナーのいる組織でよくある問題

このように同じデザイナーであっても、デザイナーのタイプによってモチベーションの源泉や価値観、最適な接し方は大きく異なります。そのことを考慮せずにデザイナーを採用したり、プロジェクトを編制したりすると、例えば以下のようなことが起こりえます。

例1)売上や生産性の話をしてもやる気を出してもらえない

理想実現型や共同作業型のデザイナーで起こりがちです。売上や生産性は、組織やビジネスを発展・維持ために必要ということは、多くのデザイナーは頭では理解できています。しかし仕事のモチベーションの源泉がそこにないデザイナーにとっては、そのことが仕事に関心を持つ理由にはなりません。仕事に対する感覚的・感情的な不満が解消されなければ、いくら売上や生産性の面から見て合理的な取り組みや説明であっても、心理的な問題の解消に繋がりません。

特に理想実現型は「売上や生産性の面で大事なんだ」といくら丁寧に説明をしても、彼らの美意識を満たすような仕事を提供できず、ルーチンワークや、ルールやガイドライン遵守の性質の強い仕事ばかりさせていると、やがてその会社から去っていくことでしょう。

例2)ディレクションの仕事を頼んでいたら辞めたいといわれた

基本的に、デザイナーを管理できる人材というのは非常に希少です。そのため、デザイナーが2人、3人と増えていくと、一番優秀なデザイナーに彼らの教育や管理を任せてしまいがちです。しかしこの判断こそが、優秀なデザイナーを失う切っ掛けになります。

特に理想実現型、成果追求型は、一日の大半を人の管理や調整で過ごすようになると、かなりの確率で辞めたくなってきます。事実私もデザイナーとしてまだまだやりたい時にディレクター職を命じられ、会社を辞めようと決意しました。今となってはその経験が良かったと思える面もありますが、やはり本人が心から納得していないディレクターへの配置転換は避けるべきと考えます。

そもそもデザインを通じて何かを作り上げる仕事と、教育や管理の仕事とでは、喜ぶポイントが全く異なります。経営者や管理者の中には「教育や人の管理もクリエイティブの一貫だ」などと強引な理屈を立てる人もいますが、その二つを自然に結びつけて、心から納得して捉えることは非常に困難です。多くのデザイナーは「こんなことをするためにデザイナーになったのではない」と思うことでしょう。

基本的に、デザインの仕事に満足しているデザイナーにはデザインの仕事をさせ続けるべきです。彼らにマネジメント業務をさせるのは、彼ら自身が自発的に、「マネジメントがやりたい」「自分にはマネジメントの経験が必要だ」という気持ちになる、そう言いだすまで、待つしかないのです。

例3)デザインに関心がない人の下で働きたくないと言われた

これも特に理想実現型、成果追求型のデザイナーにありがちな発言です。デザイナーに限らず、多くの人は仕事に「生活の質」と「仕事の質」の向上もしくは安定を求めています。生活の質とは、給与、勤務体系、福利厚生などです。仕事をするうえで生活の質を重視する人は多いでしょう。多くのデザイナーにとってもそれはとても大事で、許容できる最低限のラインというものがあります。

しかし一方、生活の質だけではやる気が出ないのがデザイナーです。意識の高いデザイナーほど仕事の質にも非常にこだわり、時には生活の質が低下しても仕事の質の向上を選ぶこともあります。私自身も一般のサラリーマンからデザイナーに転職した際に年収が半分になりましたが、デザイナーになりたくて仕方がありませんでしたし、デザイナーの仕事が楽しくて仕方ありませんでした。

ともあれ、多くのデザイナーにとって、仕事を通じて、仕事の質を上げる体験ができるということは非常に重要です。そのためには、「誰と働くか」ということが重要な条件となります。デザイナーももちろん馬鹿ではないので、すべての経営者や上司がデザインに精通してくれるとは思っていません。非デザイナーがデザインのことを知らないのは当たり前ということは分かっています。

しかし、上長が「デザインに無関心」となると話は別です。知らないなりにも興味は持ってほしいと考えています。にも関わらず、「おれにはよくわからん」といって権限委譲という名の無関心と放置を繰り返していると、デザイナーはやがてそういう人の下で働きたくない、もっと価値を分かってくれる人の下で働きたい、と思い始めます。デザイナーにやりたいようにやらせているのに、ある日突然「辞めたい」と言われてしまうのは、このパターンが多いです。勘のいいデザイナーは人の無関心を見抜くのです。

例4)凡ミスが多い

理想実現型や成果追求型は、作る過程からある程度形が見えて固まるくらいまでにモチベーションのピークがあるため、ある程度の完成が見えてしまうと緩やかに集中力を失っていく傾向があります。ここでいう完成とは、納品という意味ではなく、それぞれが理想とする形がようやく見えた、と思える状態です。

そのため、最終段階でのチェックなどで抜け漏れや凡ミスをしてしまうデザイナーが多いです。ゼロ段階から没入して作っているため、客観的な視点を失い、当たり前のミスに気付かなくなる傾向もあります。これはデザイナーの注意力というより、人間が誰しも持っているバイアスであり、普遍的な特性であるともいえます。

もちろん、あまりにもミスが多すぎる場合には、ミスが発生しにくい制作プロセスへの見直しやチェックシートによる自助努力を促す必要もあります。しかしそもそもデザイナーに対して一番期待していることは、一片のミスもなく完璧に仕事をすることなのでしょうか。多くの会社や組織は、デザイナーには他の職種が持ち得ていない発想力や視覚化能力に一番期待しているのではないでしょうか。もしそうであれば、ミスを神経質に指摘してデザイナーを委縮させてしまうより、自由に発想させる環境作りを優先し、ある程度のミスはワークフローで吸収することを考えるべきです。

またあるいは、決まった通りのことを決まった通りにこなしてほしいのであれば、実務遂行型のデザイナーに仕事を依頼すべきです。ただし彼らは、創造的な仕事が苦手な傾向もあります。デザイナーだからと言って、なんでもかんでもできると考えるのはやめて、他の職種と同じく、適材適所で考えていかなければなりません。

例5)残業がなく給与も低くないのに辞めたいと言われた

サービスが安定稼働してきたり、受託でも継続案件が増えてきたりすると、売上も経営も安定します。やがて給与水準が上がり、労働環境も安定します。経営者としては望ましい状態です。しかしデザイナーにとっては必ずしも望ましい状態とは限りません。

サービスや事業が安定してくると、徐々に保守や運用の仕事が増えてきます。デザイナーも小さな改善や更新業務が増えてきます。しかしこれは、「ゼロからデザインを作りたい」「色々なデザインを経験したい」という志向のデザイナーには苦痛な環境です。こういったデザイナーを満足させ続けるためには、「デザイン的な挑戦」ができる環境を作り続けなくてはなりません。さもなければ、残業もなく給与も悪くないのに優秀なデザイナーが辞めてしまう、という事態を止めることは難しいでしょう。

例6)デザイナー同士が仲良くない

デザイナー同士であれば、同じ職種同士、似たような価値観で、阿吽の呼吸で仕事をしてくれるのと思いがちです。しかし現実はそんなに甘くはありません。それどころか、同じデザイナー同士だからこそ、仕事に対する価値観や働き方の違いを許容できない、という事態も起こりえます。

例えば、理想実現型デザイナーには、他のデザイナーが以下のように見えている可能性があります。

理想実現型の目

成果追求型からはこう見えているかもしれません。

成果追求型の目

共同作業型はどのタイプのデザイナーとも比較的うまくやっていけるでしょうが、それでも本心ではこう思っていたりしませんか。

共同作業型の目

また実務遂行型にとっては、他のタイプのデザイナーはこのように見えていないでしょうか。

実務遂行型の目

ここにあげた例はやや極端なものですが、お互いが本心で認め合っていない状態のまま一緒に仕事をしていると、日々のコミュニケーションがうまく行かなくなり、アウトプットの質にも影響を与えます。

ここでいうそれぞれのタイプは、デザイナーが意識的・計画的に身に付けたものではありません。幼少期から成長期を経て社会人になるまでの一連の人生経験の中で培われた価値観などに基づいており、急に別のタイプのデザイナーに変わることは極めて困難です。

そのため、会社やチームとしてやれることは、以下のようなことに限られてきます。 

  1. どの種類のデザイナーを採用するか、採用段階から方針と基準を決める
  2. 仕事における最低限必要な価値観を、デザイナー同士できちんと合わせる
  3. 異なるタイプのデザイナーと協業することの意義を、常日頃から啓蒙する

なお、2や3のためのツールとして行動指針があげられます。しかしこの行動指針も、抽象的で耳当たりが良い綺麗事ばかりでは意味はありません。仕事の中でどのような行動・判断を取ることを会社として推奨するのか、それを具体的に表明したようなものでなければなりません。また当然ながら、それを浸透させる活動がなければ、絵に描いた餅になるだけです。

まとめ

ここまで、私が考えるデザイナーの4つタイプを中心に紹介してきました。当然ですが全てのデザイナーがこの型に収まるというわけではありません。またこの型に収めてデザイナーを理解しましょう、という話でもありません。これは、千差万別なデザイナーを理解する手がかりの一つにすぎません。

イベントなどで経営者や管理者の方から話を伺うと、「デザイナーのマネジメントに苦労している」といった悩みを打ち明けられることがあります。実は私自身は「デザイナーをマネジメントする」という言葉に若干抵抗があります。なぜなら私自身もデザイナーであり「マネジメントする」という言葉に、クリエイティブとは正反対のニュアンスを感じるからです。

しかし一方、私は経営者でもあるので、「デザイナーのマネジメント」と呼ばれる領域で悩みを持つ方の気持ちもよく分かります。私自身、似たようなことで今まで数多く悩んできました。さらにいえば、未だに「こうすればいいですよ」といえる正解を持ってもいません。

しかし、このように難解で正解の見えないデザイナーのマネジメントについて、忘れてはいけない大事な視点が一つあると思っています。それは「なぜ彼・彼女は、数ある職業の中からあえてデザイナーを選んだのか?」ということです。

働いて生計を立てるためであれば、数多くの選択肢があります。もっと楽な仕事、もっと華やかな仕事、もっと穏やかな仕事、もっと儲かる仕事を選ぶことだってできたはずです。しかしそれらを選ばず、彼・彼女はデザイナーになりました、そこには、デザイナーに繋がるその人だけの人生とストーリーがあるはずです。

そのストーリーの先を会社が描いてあげられるのか、そのストーリーと人生に、きちんと本心から関心を持ち、(迷惑がられない程度に)向き合ってあげられるか。それがデザイナーをマネジメントする経営者や管理者には、最低限不可欠な視点ではないかと思うわけです。

こういった大前提を理解した上で、ここで紹介したタイプ別のデザイナー特徴を一つの参考にしていただけると幸いです。