webサイトのリサーチで使い分けるべき2つの視点

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コンサルタント 大舘 仁志

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ログ解析などリサーチの結果から改善アイディアを考える場合は、調査の目的によって視点を変えるべきである。調査の目的とは主に改善施策の効果検証とフルリニューアルの事前調査の2つが考えられる。

改善施策の効果検証を目的とした調査では、現状のサイトありきで改善アイディアを考えるのが自然だろう。注意が必要なのは、フルリニューアルの事前調査を目的としたときだ。この場合、現状サイトはうまくいっていないという前提なため、現状サイトありきで考えてしまうと、うまくいっていないのが分かり切っているサイトにダメ出しする、という価値の薄い調査になる恐れがある。

ではどのような視点で考えれば良いのだろう?適切なのはユーザーを理解するヒントとしてログを見ることである。ユーザーがどのような情報を求めているのか?またその優先順位はどうなっているのか?主にユーザーが求める情報のニーズを検証する。であれば、改善アイディアも自然とコンテンツのアイディアに繋がっていくことが多いように思う。

同じような結果が見受けられた場合でも、先に挙げたように視点を切り替えることで、異なる改善アイディアが検討されるはずだ。例えば、企業の特徴ページから明確な動線が置かれていない会社概要ページへの遷移が多く発生しているとする。改善施策の効果検証を目的とすると動線再設計の改善に繋がっていくことが多いと予想される。一方でリニューアルの事前調査を目的とした場合、サイトに訪問するユーザーは、特徴に掲載されている情報だけでは本当に信頼できる会社と思うことができず、企業規模を最低限の判断材料にしようとする傾向にあるのでは?と考えられる。それならば、トップページのメインコピーは企業規模に関する事実情報も踏まえたメッセージを検討しよう、というケースが考えられるだろう。

ただ、フルリニューアルの事前調査だけではなく改善施策の効果検証においてもリサーチ結果から、なぜユーザーはそのような行動をとったのか?それを仮設立てて考えるのが大切である。ユーザー理解を深めようとせずに、ただ表面上の調査結果をなぞって改修していくだけでは、非効率な改善になっていくと予想される。

上で挙げた視点に注意をして、今後も各種リサーチ対応を行っていこうと思う。

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