「閲覧数が少なかったので、そのページは削除した」や「そのページあまり閲覧されていないのでいらないのでは?」という話を耳にすることがある。閲覧されていないからページを削除するのは、そのコンテンツの情報のニーズが少ないという考えからだろう。しかし、その判断は早計なことが多いようにも感じる。ページに掲載してある情報にニーズがないのではなく、別の要因による影響とも考えられる。例えば、以下の要因である。
原因を適切に認識して、検討しなければ誤った判断をしてしまう可能性がある。
また事実、ニーズがさほど多くはない場合でも、一概にページを削除しない方が良いこともある。ページが閲覧されている、されていないとは別に、webサイトに掲載されている情報量が充実している、そのこと自体が企業やサービスの信頼性に繋がる可能性があるからである。
シンプルな例として、会社情報カテゴリ。一般的に会社情報カテゴリでは、会社概要のニーズが高い。だからそれ以外のページは無理に作らなくても良い。という判断をして良いのか?たぶんそうではないだろう。企業概要以外の詳細ページの閲覧が少なくとも、企業情報のカテゴリトップページやグローバルナビゲーションのドロップダウンメニュー内に、例えば、トップメッセージ、企業理念、これまでの歩み、役員紹介、業績データ、社内制度、教育制度、オフィスギャラリーなどコンテンツが数多く用意されているのを見ると、ユーザーは少なからずポジティブな印象をいただくことの方が多い。
またこの感覚は、日常の生活でも実感できると思う。例えば書店。普段から読むジャンルは固定されており、ほとんど決まったコーナーにしか行かない場合でも、見るからに取り扱っているジャンルが限られている書店よりもさまざまなジャンルのコーナーが用意されている書店の方が良い印象を感じないだろうか?
コンテンツ、ページ単位でも同じように考えることができる。一般的に多くのユーザーは見出しや図版を中心に拾い読みする。だからといって、詳細な説明文は不要とはならないだろう。詳細文は読まなくても、詳細文が用意されていることで、そのページの内容に対して、ちゃんと説明しているという印象を感じるはずだ。
コンテンツ企画やサイトストラクチャの議論では、情報のニーズの多い、少ないによって判断していくことが多いように思う。それに加えて上述のように情報が存在することが与える信頼感という観点も加えることで、より機能するwebサイトを制作できるようになるように思う。(※だからといって、決してむやみやたらにコンテンツを用意すれば良いということではないです。)